弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中)   作:サクータ

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RIDE,103 最後の山 突入

 

 

しずく 「ついに入りましたね 山の区間に」

 

せつ菜 「はい、インターハイ3日目最終日はここからが本番と言われてます はじめさんと一差さんが離脱して虹学は4人になってしまいましたが 最後のゴールまで気を緩められませんね」

 

愛 「大丈夫だよせっつー だってウチには 坂道と今っちと鳴っちがいるんだよ」

 

彼方 「それに純くんもついてるよ」

 

果林 「ええ、みんなとても強いもの 大丈夫よ彼らなら」

 

愛 「そうそう!」

 

歩夢 「だけど、せつ菜ちゃんの言うとおりかもしれないよ」

 

愛 「え?」

 

歩夢 「見て、その後ろの箱根学園の人達」

 

彼方 「ぁ」

 

せつ菜 「箱根学園3年生の黒田さん、1日目優勝・2日目山岳賞長身エースの葦木場さん、1日目の山岳賞のエースクライマー真波さん、昨日駿輔さんとゴール争いをした1年生クライマーの新開さん 油断は禁物です」

 

愛 「うっ た、確かに」

 

しずく 「画面越しでも迫力が伝わってきます」

 

果林 「せめて、ギリギリまで粘ってほしいわね」

 

せつ菜 「はい」

 

 

 

 

 

悠人 「ここからは急な葛折りが続いて標高を上げていきます」

 

小野田 (新開くん)

 

悠人 「正面に見えるアレ なに山なんですかね?」

 

小野田 「・・・」

 

悠人 「知ってました? このルート、有名な温泉地に向かう古い登り道らしいですよ」

 

小野田 「っ!」

 

悠人 「温泉は好きですか?」

 

 

手嶋 「・・・はっ! 気をつけろ小野田! こっちのペースを乱す気だ!」

 

 

悠人 「答えはYESですかぁ?」スズッ

小野田「近い!」

 

 

今泉 (早速仕掛けて来た!)

 

鳴子 (あいつが新開悠人!)

 

手嶋 (ワンテンポ早い! こいつ、動きに容赦も躊躇もない!)

 

 

悠人 「山道に入って登りになって山王、あなたがチームを引いてる それはなぜですか? 本来温存させるべきであるいちばんに山を引かせるなんて 作戦ですか? 戦略ですか? それとも!」

 

小野田 「へっ?」

 

 

悠人 「しゃああああああ‼️」

 

 

最初の登りのカーブで新開が加速

 

 

小野田 「新開くんが加速!」

 

今泉 (ちぃ!)

 

鳴子 「アカン!」

 

手嶋 (登りが始まったこの序盤から攻撃を仕掛けるつもりか!)

 

 

悠人 「るっしゃああああああ‼️」

 

 

手嶋 (けど! そう簡単に行かせるわけには行かねえんだよ!)

 

 

手嶋 「出ろ❗️小野田❗️今泉❗️」

 

小野田・今泉 『はい❗️(うす❗️)』

 

 

小野田・今泉

 はああああああ‼️(うおおおおお‼️)』

 

 

悠人 (っ! 速い、すごい速さだ!)

 

カチッ! ガコン! ギアを1段階上げて加速

 

悠人 「しゃあ! っ!?」

 

小野田と今泉、それぞれ新開の両サイドから追い抜き新開を進行を抑える

 

悠人 (山王、エース今泉さん)

 

今泉 「そんな急ぐなよ新開、まだ登りはあるんだ たっぷりと それともこの先の温泉に早く入りてぇのか?」

 

悠人 「ええそうすね 汗かいてたほうが気持ちいいっすから」

 

 

 

手嶋 (箱学の一撃目はしないだ・・・が)

 

 

黒田 「ちっ、失敗かよ」

 

真波 「今のは良いタイミングでしたけどねぇ」

 

葦木場 「やっぱ、今泉も速いね」

 

 

手嶋 (黒田、葦木場、真波 新開を出しても余裕の布陣 こっちは小野田と今泉を出して鳴子とふたり そして…)

 

 

手嶋 「鳴子、気づいてるか?」

 

鳴子 「ええ、当然っすわ 山じゃ見かけん男がひとりついて来とりますねぇ」

 

 

手嶋

(箱根学園3年キャプテンスプリンター 泉田塔一郎)

 

 

泉田 「どうしたんだいジロジロと見て 僕だって3年間箱根学園で練習して来たんだ 少しくらいの登りなら着いていけるさ」

 

手嶋 (どう言う事だ? 泉田はさっきの平坦区間で銅橋に任せて一度も前を引かなかった)

 

手嶋 「作戦かよ」

 

泉田 「いやぁ、僕にとって最後のインターハイだし山の景色を堪能しようと思ってね 右大胸筋(アンディ)左大胸筋(フランク)も喜んでいるよ」

 

手嶋 「・・・」

 

鳴子 (っ!)

 

今泉 (5人)

 

 

小野田 (今年の箱根学園は5人で山を戦うのか)

 

 

 

 

榛名湖、榛名湖畔をスタートしてから3日目最終日のレースは 長い下りを下って国道135号線でなだらかな道を西へと向い、国道292号線を北上、その行き着いた先にある国道の分鏡を左折し、急峻な山道を登り始める 狭く長い道を登り切り 木立の先にあるのが 山々に囲まれた 古くから続く温泉街 標高1156mの毎分3万リットルの湯量を流出する

 

 

侑 「あっ! もしかして「草津温泉」だよね?」

 

幹 「正解!」

 

侑 「有名だよね草津 一度行ってみたいと思ってたんだぁ」

 

幹 「でも、今日はそこも通過」

 

侑 「え!? ゴールじゃないの!?」

 

侑 「うん!」

 

侑 「温泉入れないのぉ〜!? 湯畑はぁ〜!? 湯もみはぁ〜!?」

 

古賀 「草津温泉は1100mの高地にあるが、そこに豊富な水と地熱を提供している更に高い山々がある 通称「草津白根山郡」今回のインターハイのゴールは その山郡を登り切った標高2000mを超えた場所にある 群馬県と長野県の県境「渋峠」」

 

 

古賀 「日本の国道最高地点 標高2172mの頂上ゴールだ」

 

 

侑 「さ、最高地点!? そんな所がゴールなんですか!? というか、まだこの先めっちゃあるよ? まだまだ登らないといけないじゃん」

 

幹 「そうだね」

 

古賀 「草津を過ぎてからの登り区間は 道は広いが、休みどころがほとんどないうえ、木々も低くて風も強い 草津までのゆるい登りでもし遅れるようなことがあれば チーム虹学に勝ち目はない」

 

 

 

 

鳴子 「アカンっす❗️黒田と葦木場が飛び出しました❗️

 

手嶋 (くそっ! どうにか新開を抑えたと思ったら 2撃目かよ!)

 

手嶋 「ここで離されたらレースが終わる❗️行くぞ鳴子❗️」

 

鳴子 「ハイな❗️」

 

 

手嶋 「うあああああ‼️」

 

 

手嶋 (いや待て 泉田はどうするんだ? 置いてくのかスプリンターを・・・なっ!?)

 

 

真波 「いきますよぉ〜❗️」

 

泉田 「アブだよ」

 

 

鳴子 「手嶋さん! 箱学最後のふたりも加速して来よります!」

 

手嶋 (3撃目! 真波にけん引して引き上げてる!)

 

手嶋 「上げるぞ鳴子!」

 

鳴子 「ハイな!」

 

手嶋 (スプリンターを引いて攻撃に使うのか 強い! 圧倒的だ箱根学園!)

 

 

両チーム、先頭の小野田・今泉と箱学新開と合流

 

 

手嶋 (油断出来ねえ 1秒も)

 

 

手嶋 「やるじゃねえか 登りが始まるがいなや総攻撃かよ! 俺たちを最後の登りまでにバラバラにしておきたいってところか? 泉田」

 

泉田 「ふっ 正解と言いたいとこだがひとつ勘違いしてるよ 手嶋くん」

 

手嶋 「っ!?」

 

泉田 「このプランは僕のプランではない 登りが始まった時から移っていたのだよ 箱根学園の指揮権は…」

 

 

泉田 「この男 黒田幸成に」

 

 

黒田 「あ? バラすなよ塔一郎」

 

 

手嶋 (黒田が司令塔 ここからゴールまでの!)

 

鳴子 (今の3撃はこの人の)

 

今泉 (黒田さんがここから)

 

 

黒田 「さて、次は誰で攻めようかなっと」

 

 

 

小野田 (強い、箱根学園は今年も強い!)

 

 

 

 

 

 

古賀 「そして、敵が箱根学園だけだと思っているのなら更に絶望的だ」

 

侑 「え?」

 

幹 「・・・」

 

古賀 「必ず来る 奴らも ゴールを狙って」

 

 

 

 

 

御堂筋 「み〜ず〜た〜く〜ん」 

 

 

御堂筋 「ほ〜ら もっと全開で引きヤァ〜❗️」

 

水田 「もう精一杯やっとるよぉ〜❗️」

 

 

御堂筋 もっとヤァ〜❗️」

 

 

水田 「ぬああああ❗️」

 

水田 (おかしいやろ絶対! なんで俺がこんな平坦で引いとるんやぁ! 昨日のミーティングで、御堂筋くんに貼り付けって言ったのは 昨日の山岳で2位やったこの俺の実力を見込んで 今日の山岳賞、もしくは今日のゴールを この俺に任せると言う事じゃなかったのかぁ! クソッ クソォ〜! 俺をここで使ってどうするんや! この役、1年の小鞠やろここは!)

 

 

御堂筋 「もっとやよぉ〜 水田くん」

 

水田 「ここは小鞠やないのかぁ!?」

 

御堂筋 「ないよぉ〜」

 

水田 「ハァ! ハァ! ないんかぁ!?」

 

 

水田 (そう言う事か! 分かったぞ! こいつ、戦略ミスったなぁ! やってもうてるなこいつぅ! 考えてみればおかしいとこだらけや あの時、虹学のひとりを集団に飲み込んだ時に生まれた混乱に乗じて 俺らは集団から飛び出したんや! あのままやったら先頭に追いついてた なのに! よう分からん勝負させて 負けて そのうえ、虹学のふたりを追いかけんもしなかった! それでこの様や!)

 

 

水田 「ボロが出たなぁ おい御堂筋」

 

御堂筋 「ハァ?」

 

岸神 「?」

 

水田 「2日目の優勝で満足したかぁ? 俺らが浮かれたる言うて俺らを坊主にして 結局1番浮かれとったのは お前やったんやなぁ!」

 

御堂筋 「ふはぁ?」

 

水田 (出たな 得意のおとぼけ)

 

水田 「プランあるのか思っとったけど もう我慢出来んわぁ はっきり言いたる! 小鞠、お前もよう聞いとき! この俺がぁ この京伏キャプテン水田が衝撃男したる!」

 

 

水田 「この先どう頑張っても前の奴らにははっきり言って追いつか〜ん❗️ この男御堂筋は、リーダー風ビュービュー吹かして戦略ミスやってしもうとるんやぁ❗️

 

 

御堂筋 ハァァ

 

 

岸神 「・・・」

 

水田 「そうかそうかぁ! 小鞠も衝撃のあまり声が出んのやなぁ! 悲しいんかぁ? 悔しいんかぁ? しか〜し! これが現実や! 昨日のことでこの男はすっかり判断力鈍っとるんやぁ! せやから小鞠、ここからは俺がリーダーとなって一緒にまえへ…ヴッ!」ギュ❗️

 

 

御堂筋 「お喋りはもうええかな? 巡行ペース落ちとるよ 君の役割は僕を引くことやよぉ〜? それも残念ながら」

 

水田 (えっ!?)

 

御堂筋 「あの時、虹学のふたりを追いかけん勝ったのは…ブブブッ わざとやよ

 

水田 (ええ!?)

 

 

 

 

今泉 「箱学4撃目 葦木場さん出ます❗️」

 

 

葦木場 「・・・」

 

 

今泉 「クソッ、どこまでやる気だよ! うああああ‼️

 

手嶋 「小野田は一旦下がって休め!」

 

小野田 「はい!」

 

手嶋 「鳴子 出ろ!」

 

鳴子 「ハイな! 行かせんわボケェ!」

 

小野田が手嶋の後ろに下がって鳴子が前に出る

そして飛び出した葦木場を追い抜いて葦木場の進路を塞ぐ

 

 

鳴子 「ハハッ 特にお前はなぁノッポ!」

 

葦木場 「っ!」

 

 

黒田 「ちっ、やっぱしつこいな 虹学」

 

 

 

 

 

御堂筋 「あのふたりを抑えるのは簡単やった けど、やるべき事は勝つ事 ロードレースにおいて最も恐るべき状況は…「一強」 ひとつの強いチームが先頭を走って完全にレースを支配する状態 けど、僕ら3人の力では武が悪い だから僕はあのふたりをチームに合流することを要員した そうなれば、奴らは確実に箱学を追う 一強に誰かが追いつき 他の勢力が入れば…ブブブッ」

 

 

御堂筋 乱れる! チャンスが生まれる! 必ず!

 

 

水田 ( ;°Д° )

 

 

御堂筋 「心配せんでもこの航海順調や さぁ前向きや! 2度と振り向かんでええ! お喋りもいらん! 前だけ見て全ての力を全身全霊使うて 限界まで僕ら(・・)を引きや!」

 

水田 「お、おう・・・えっ? 今僕ら(・・)って?」

 

 

御堂筋 「きみは この最初の登りの終わりまででええよ」

 

 

水田 (ぬあああああ⁉️)( ;°Д° )

 

 

御堂筋 「後はふたりで行くから!」

 

 

御堂筋 「もう少ししたら飛び出すよ 小鞠くん」

 

岸神 「ええ、分かりました御堂筋さん」

 

御堂筋 「この先の道の先には 君の心から望む物があるよ」

 

岸神 「僕の…心から望む物・・・はぁ♡」

 

 

 

岸神 筋肉(にく)ですね❗️」

 

 

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