弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中)   作:サクータ

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ついに始まりました3日目、最後の山岳賞争い

弱虫ペダルを見た事がある方は知っていると思いますが
3日目最終日の山岳賞争い、回想シーンが多いです。
今作も回想シーン、必要なので書きますが弱ペダ本編より短くして書きます。

3〜4部構成の予定



RIDE,107 3日目山岳賞争い(1)2人の山岳賞

 

山岳ゲート

 

{山岳賞ゲートまで残り2.5キロ地点を通過! 現在虹ヶ咲学園手嶋選手に箱根学園葦木場選手が追いかけてる状態です}

 

 

彼方 「・・・」

 

 

彼方 (純くん…純くんがもうすぐここに来る また、純くんの走ってるところ側で見られる 今度はゲートの横で 1番最初に横切るところ 約束…純くん)

 

 

 

 

 

手嶋・葦木場 『ハッ! ハッ! ハッ!』

 

 

手嶋 (葦木場(しきば)!)

 

葦木場 (純ちゃん!)

 

 

葦木場 (山岳ラインまで)

 

手嶋 (残り2.5キロ!)

 

***************

8年前

 

葦木場が転校して来たのは、小学5年の時だった

 

 

葦木場 「葦木場拓人です 前に住んでたところは北海道です」

 

 

休み時間

 

女子a「ねぇねぇ、北海道のどこに住んでたの?」

女子b「札幌? それとも函館?」

女子c「北海道って、やっぱり寒いの?」

 

 

男子a「北海道がそんなに珍しいのかよ」

男子b「ただ寒いだけだろ」

 

 

女子d「うわあ、葦木場くん手ェ大きいね 何かやってたの?」

 

 

葦木場 「うん! ピアノ!」

 

 

女子a・b・c・d『きゃああ! 今度聞かせテェ!』

 

 

男子a「あの野郎 どんだけ好感度上がるつもりだよ!」

男子b「ぐぬぬ!」

 

手嶋 「・・・ふふ」

 

 

はにかみながらピアノと言ったこの表情に俺は、本当に好きでやっているんだなって思った

 

 

手嶋 「なぁ、おまえピアノ弾けるんだって?」

 

葦木場 「え?」

 

手嶋 「放課後音楽室を借りたからさ 聴かせてくれよ」

 

葦木場 「え? え〜と?」

 

手嶋 「同じクラスの手嶋純太 よろしくな」

 

葦木場 「・・・うん!」

 

 

 

放課後 音楽室

 

葦木場 「知ってる? ピアノってギターと同じで弦楽器なんだよ」

 

手嶋 「そうなんだ」

 

葦木場 「ほら、ここを押すと…」

 

  ♫〜

 

葦木場 「中の弦を叩いて音をだすんだ」

 

手嶋 「ホントだ」

 

  ♫〜 ♫〜 ♫〜

 

葦木場 「俺、弦楽器好きなんだよねぇ〜 一音一音のラインがさ弾む感じ ほら、リズムがさ乗ってくるでしよう? 揺さぶられるんだぁ それに身を任せると どんどん気持ちよくなってくるんだ♪」

 

 

手嶋 (うげぇ〜 こいつ)( ̄O ̄;)

 

 

葦木場 「J-POPもなんでも弾けるよ」

 

手嶋 「マジで?」

 

葦木場 「・・・ハハッ」

 

 

 

〜自転車販売店〜

外から見える店内の天井から吊るし飾られているロードバイク

 

葦木場 「うわあああ」(*'▽'*)

 

手嶋 「ロードバイクっていうんだ ちょっとやってみたいと思って」

 

葦木場 「すごいなぁ 楽器みたいだ」

 

手嶋 「実は自分の自転車で真似事してるんだ ハンドルをめいいっぱい下げて」

 

葦木場 「ええ?」

 

手嶋 「週末は100キロは走ってる」

 

葦木場 「100キロ!? そんなに!? てかハンドルって下がるんだ」

 

手嶋 「そこかよ 本物のロードレースは200キロぐらい走るんだぜ」

 

葦木場 「にひゃ!? うげぇ俺は無理ぃ」

 

手嶋 「俺も最初はそう思った 脚きつくなって、汗だくになって メーター見たら20キロだった けど次の週になったらなんと40キロ行けた」

 

葦木場 「ま、マジック?」

 

手嶋 「その次の週は70キロだ マジックじゃない 多分、人間には元々備わってるんだ そう感じる 経験を獲得してさらに飛躍させる力が」

 

葦木場 (経験を…獲得)

 

手嶋 「今は200キロ無理だけど、これを重ねていけばいけると思う だからさ」

 

葦木場 「あっ」

 

手嶋 「一緒にやらないか? ロード」

 

 

数日後

 

 

葦木場 「うわあああ! あはは!」

 

 ジャアーーーーーー ラチェットの音

 

葦木場 「すごい! いい音する! 本当に楽器みたいだ! 楽しいね純ちゃん!」

 

手嶋 「ああ、葦木場(しきば)!」

 

 

こうして俺たちは自転車を始めた

最初着いて来られなかった葦木場もすぐに俺に着いて来られるようになった

中学に入り、練習ではそこそこ走れたんだが

レースでは 成績を出せずにいた

そんなある時、レースの後 葦木場はある事をつぶやいた

 

 

手嶋 「くっそぉ〜 中々チャンスは巡って来ないなぁ 結局今回のレースは18位だったし」

 

葦木場 「俺は16位だったよ」

 

手嶋 「大して変わら無いだろ レースは優勝してナンボなんだよ それには何度もチャレンジして失敗して 針の穴に糸を通すようなチャンスを掴むしかないって先輩言ってた」

 

葦木場  「チャンス?」

 

手嶋 「そういうのってセンスなのかな やっぱ 自転車のセンス 俺には何も見えねぇ ああ、レースってホント反省と後悔しかねぇな」

 

葦木場 「俺は楽しいよ 純ちゃんと一生懸命になって走るから」

 

手嶋 「嬉しいけど なんか複雑だな」

 

葦木場 「それともうひとつ」

 

手嶋 「ん?」

 

葦木場 「レース中、すごく楽しくなると見えてくるんだ こうしてああして行けば1番前に行けそうな道がね スゥーって浮かんでくるんだ」

 

手嶋 「・・・」

 

葦木場 「でもね、グッと堪えるんだ 行っちゃうとさ純ちゃんと離れちゃうでしよ? 俺がレースをやってる理由は純ちゃんと一緒に走ることだからねぇ」

 

 

手嶋 (道ってなんだ? それって自転車のセンス こいつ、俺より遥かに チャンスに近い男なのか?)

 

 

手嶋 「葦木場(しきば)! おまえ…その くっ」

 

 

おまえにはすごい能力を秘めてるかもしれない…そう素直に言い出せなかった

 

手嶋 「クソッ クソッ」

 

葦木場 「面白いよね 純ちゃんって パワーある」

 

手嶋 「パワーねぇから今日のレース負けたんだよ」

 

葦木場 「んや、心に響く 気持ちのパワー」

 

手嶋 「ん?」

 

葦木場 「俺今、スッゲェ楽しい 千葉に来て良かったよ」

 

手嶋 「・・・」

 

 

葦木場は親の転勤で今までに何度も引っ越してきたらしい その度、なれた土地を離れ移動して来た

 

 

手嶋 (引っ越し…どういう気持ちなんだろう 寂しいのか…そんなシンプルなものじゃないのか)

 

 

手嶋 「葦木場(しきば)さ、高校のこと考えてる? 千葉で…」

 

 

葦木場

「俺、高校まで千葉にいられるかわかんないんなぁ」

 

 

手嶋 「ぁ…」

 

 

千葉で自転車やるなら幕張京王か千葉総北、柏東だ

名誉を目的とするのであれば、全国から強い奴が集まる 東京の多摩川東かお台場の虹ヶ咲学園に入って2人で名をあげる道もある

 

そう言おうとして やめた

 

 

手嶋 (そうか、おまえ…葦木場(しきば) 時間には限りがある そういう覚悟ある上でピアノとロードをやってるんだな)

 

葦木場 「ん? どうしたの純ちゃん」

 

手嶋 「俺は自転車が好きだ!」

 

葦木場 「え?」

 

手嶋 「だから、もっとおまえにも好きになって欲しい」

 

葦木場 「十分楽しいよ」

 

手嶋 「じゃなくて ああ、どう言えば良いんかなぁ?」

 

 

 

 

 

手嶋家

手嶋の部屋

 

手嶋 (自転車やってて良かったって思えるような結果を残してやりたい でも流石にいきなりレースで優勝っていうのは無理だ 何か…ん?)

 

 

部屋の壁に掛けてある1枚のジャージ

赤い水玉模様が入った白いジャージ

 

 

手嶋 「山岳賞…」

 

 

手嶋 (きつい山の登りを1番早く登り切った選手に送られる賞 名誉であり、誇りであり 特別なジャージが与えられる これなら)

 

 

***************

 

 

手嶋 「結局、あの時の俺たちはまだ未熟で 最後まで山岳賞は獲れなかった」

 

葦木場 「うん」

 

手嶋 「そして俺たちは別々の高校へ行った…俺はそこから死ぬほど努力した そしておまえは才能を開花させた 随分時間経った 俺たちの立場や環境も変わった この先の山岳賞」

 

 

手嶋 「俺が獲る❗️」

 

 

葦木場 「・・・勝負だね でも変わってない物もあるよ あの時のままだよ」

 

箱根学園葦木場、サドルから尻を上げ

 

葦木場 「今でも、純ちゃんと同じ気持ちだと思う!」

 

加速して前の手嶋に迫る

 

手嶋 「くっ!」

 

それに反応して手嶋も加速

 

 

葦木場 「山岳賞は2人の目標だよ❗️」

 

 

手嶋 「仕掛けて来たかよ葦木場(しきば)❗️」

 

葦木場 「行くよ純ちゃん」

 

 

 

葦木場 「2人の最後の勝負だ❗️」

 

手嶋 「受けて立つよ❗️」

 

 

うおおおお‼️

 

 

葦木場 (最後の勝負だ…2人の…小学校5年から千葉で過ごした5年間の 箱根学園で走った3年間の 全部をかけた全開勝負だ 8年間の! 純ちゃん❗️)

 

 

葦木場 「うああああああ‼️」

 

 

手嶋 「なっ⁉️」

 

 

「出た! 葦木場のメトロノームダンシング!」

「速え!」

「見る間に虹学を追いつめる!」

「一気に並んだ!」

 

 

葦木場 (純ちゃん!)

 

手嶋 (葦木場(しきば)!)

 

葦木場 (抜くよ! 俺は成長したんだよ! その様を見てよ!)

 

手嶋 (抜かせねぇよ! そう簡単に!)

 

 

  ガン❗️ 互いのハンドルがぶつかる

 

 

手嶋・葦木場 『グッ!』

 

手嶋 (受け止めたかよ!)

 

葦木場 (ハンドルからバイブレーションが伝わってくるよ!)

 

 

葦木場 「あああああああああ‼️」

 

 

「箱学抜いたァァ!」

 

 

手嶋 「ハァハァハァハァ」

 

 

「どうした手嶋は」

「一気にやられて失速!?」

「これまでか」

 

 

手嶋 (俺にも伝わって来たよ オメェの…バイブレーションってのが ハンドルからお前の意思伝わったよ あったんだなお前にも 神奈川行ってからの 計り知れねぇ 苦労ってのが)

 

 

手嶋 「待てよ葦木場(しきば)! うおおああ❗️」

 

 

手嶋 (才能開花させるだけじゃなかったかよ 順調に箱学の練習について来られたわけじゃなかったかよ そういえば、その頃から随分身長が伸びてる 苦しかったかよ 悩んだかよ3年間 相談しろよ 友達だろうがよ❗️)

 

 

葦木場 「っ⁉️」

 

 

手嶋 (葦木場(しきば)ァァ❗️)

 

 

手嶋 (驚いた顔するなよ 追いついてくるさ 俺も散々苦労したんだ 必死こいて必殺技ってのを編み出したんだ)

 

 ビリッ!

 

手嶋 (いって、右手つった 速くもねぇ、カッコ良くもねぇけど 俺らしい必殺技だよ 真波から聞いてるだろ? ひたすら地味 前に 近づこうって めいいっぱい無理すんだ それが俺の必殺技だ❗️)

 

 

「虹学! 追いついた!」

「根性! すげえ! 燃える!」

 

 

山岳賞ラインまで残り2キロ

 

 

「山岳ラインまで残り2キロ!」

 

 

手嶋 「ハァ! ハァ! ハァ! ハァ!」

 

 

「前へ行った虹学!」

「追いついたタイミングで仕掛ける!」

 

 

手嶋 「うああああああ‼️」

 

 

手嶋 (きつい 苦しい! けど、ここが無理のしどころだ!)

 

 

「箱学を引き離しにかかる!」

 

 

葦木場 (純ちゃん 本気だ 俺の…純ちゃんの たまらない ああ、なんでだろう…今思い出すのは 2人の あの日の音楽室の情景だよ 響きあう 弾む 汗も出て体もきついのに このままどこまでも行けそうな気になる)

 

 

手嶋 (やべぇ、なんだよこれ このまま2人で 延々走れそうな気になって来た けど、もうすぐそこだ…)

 

 

 

 

 インターハイ3日目の 山岳賞ゲートは

 

 

 

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