弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
第一救護テント内
ラジオ放送
{山岳ラインまで残り2キロを通過! 虹ヶ咲学園手嶋選手、葦木場選手の攻撃を凌ぎ葦木場選手を抜きました! 現在葦木場選手、手嶋選手を追いかけています!}
エマ 「すごいね 純太くん頑張ってるね」
璃奈 「うん、山岳賞楽しみ璃奈ちゃんボード「わくわく」」
エマ 「えへへ そうだね・・・ね?」
エマが自分の手を横のベッドで寝てる人物の手をそっと握る
エマ 「はじめくん」
青八木 「・・・」
青八木 (純………………太)
手嶋・葦木場
『うあああああ‼️ 1.5キロ‼️』
山岳賞ラインまで残り1.5キロ
手嶋 「うあああああ‼️」
手嶋 (ラインまでもがき切れ❗️)
葦木場 「あああああ‼️」
葦木場 (頭の中のクラシック 弾めぇ❗️)
手嶋・葦木場 (イッケェェェ‼️)
「虹学と箱根 マジバトル!」
「スッゲェスピード!」
「なんか気迫が伝わってくる!」
手嶋 (逃げ切れ、逃げ切れ、逃げ切れ! このままラインまで飛ばせ手嶋純太!)
葦木場 (追いつく、追いつく、追いつくよ! 必ず 純ちゃん!)
女性客 「今のすごくキツそうだった」
男性客 「2人とも 山岳賞を狙ってるんだ」
女性客 「どっちが有利なの?」
男性客 「
手嶋 「うあああああ‼️」
手嶋 (来るなら来いよ
葦木場 (あああああ‼️ 鳴り止むなァァ❗️)
山岳賞ラインまで残り1キロ
「山岳ラインまで残り1キロ!」
「箱学が差を、詰めてるぞ」
葦木場 (やっぱりすごい すごいよ純ちゃん 少しも脚を緩めない ここから少しずつペースを上げていくしかない)
手嶋 「っ!?」
手嶋 (残り1キロ切ってペースを上げた!? 嘘だろ、こちとら残り1キロを切って手も足も酷使し過ぎて悲鳴あげてペース落ちそうだっていうのに けど、このまま行く な、純太…)
手嶋 (ああ! たりめぇだろ純太! ここが最上級の無理のしどころダァ❗️)
「手嶋もう一段加速したぁ!」
「すげぇ!」
手嶋 「はあああああ‼️」
手嶋 (きっつい! 手と足がもげそうだ! 心臓がはみ出そうだ でも、無理しろ無理しろ! 限界だと思うな 決めるな限界は…ねぇ!…)
手嶋 「限界までェェ‼️」
葦木場 「ハッ!」
葦木場 (純ちゃん…響くよ…鳴り止まない…頭の中で鳴ってると思ってた音楽…クラシックじゃない…)
葦木場
(純ちゃんの振動〈バイブレーション〉だよ!)
うおおおおお❗️
「なんか俺、あの5番の走りを見てたら 俺、震えて来た」
「俺もだ!」
「手嶋頑張れェェ!」
「俺も応援してるぞォ!」
「手嶋ァァ!」
て・し・ま❗️て・し・ま❗️て・し・ま❗️
手嶋 「っ!?」
て・し・ま❗️て・し・ま❗️て・し・ま❗️
手嶋 (なんだよこの「てしまコール」 手嶋って誰だ? まさか俺かよ 俺は凡人だぞ? スターじゃねぇんだぞ? なんでみんな俺を応援してんだ?)
て・し・ま❗️て・し・ま❗️て・し・ま❗️
手嶋 (テンション上がるじゃねぇか! なんだ?これ、心高ぶる!)
葦木場 (ずぅーと見て来た純ちゃんの背中 やっぱりすごいよ純ちゃん 多分、このあと見れる 純ちゃんの…純ちゃんの才能が開花する瞬間が)
うわああああ❗️
手嶋 (すげぇ、なんだこの圧 観客の なんだ? そういや去年のインハイ後、鳴子が言ってた 「3日目の観客、あれはヤバい」って「観客の声援が、1日目や2日目とは段違いだ」って 「特に、最後の山は」って!)
山岳賞ラインまで残り500m
「山岳ラインまで残り500m!」
「イケェ手嶋ァァ!」
「手嶋ァァ!」
手嶋 (ありがてぇ! 前に進むパワーになる!)
葦木場 (すごい純ちゃん、こっちがさっきからペースを上げてるのに 自分で気づいてるかな 純ちゃんさっきからペース上げてる!)
葦木場 (全然追いつかないよ!)
葦木場 (でも、これを楽曲で例えるならまだ最初の前奏曲 静かなメロディが流れて 心の準備が整って クライマックスに向かう 最高潮 でも純ちゃんは、この後もう一段速くなる!)
手嶋 (
手嶋 (お前のその言葉 鵜呑みにしようとしてるよ)
「虹学、またペースを上げた!」
手嶋 (ペースを上げてる? 俺が? そんなわけないだろ 心こそは昂っているけど、脚も手も体も悲鳴を上げてるんだ いや、全部鵜呑みにするなら上がってるのか俺!? てか
標高1700m地点
田所 「山岳ライン、2人来た 虹色のジャージと青のジャージ 虹学と箱学 箱学は去年の峰ヶ山レースに出てたタッパのデカい葦木場ってやつだ 虹学は…」
田所 「手嶋純太だ❗️」
金城・巻島 「⁉️」
金城 「手嶋が!? 間違いないのか? 田所」
田所 「ああ、間違いねぇ 金城、どれだけあいつらを見てきてると思ってる あのフォーム、頭の張り、間違いねぇ手嶋だ! おい! ここだぁ! そのままぶっちぎれぇ! そうだぁ!」
巻島 「いやここからじゃ届かないっショ田所っち」
金城 「手嶋が…ここまで…」
巻島 「っ? クハッ! 金城、さっきの話しか? 途中でリタイアしてると思ったか? ここまで来ると思わなかった そんな顔してるショ 申し訳なかったって」
金城 「…巻島」
巻島 「けど気に病むことないショ 俺も奴のことはセンスも才能もねぇって言い切ってた でもあいつは人望も熱くて努力家だ 不思議と任せれば成し遂げるんじゃないかって雰囲気持ってたッショ 才能ってのはほんとややこしいやつでさ 分かってるやつは最初から分かってて派手に飛ばすが、分かんねぇやつは散々迷う けど、それは最初からあるんだよ 頭の上や背中のとこに引っ付いてて自分で見つけられないだけなんだ だから才能ってのは人から見つけてもらうのさ 上手い、すごい、他より速い、独特の感覚がって でも近くにいすぎると分かんなくなるッショ 同じ方向、道なんかが 時々現れるやつ、ひょっこり現れるやつなんかが 1番見抜けるッショ」
葦木場 「あああああ‼️純ちゃん❗️」
手嶋 「っ⁉️」
「箱学、一気に追いついた!」
「箱学葦木場のメトロノームダンシング!」
「残り山岳ラインまで300m!」
手嶋 「ラスト300mで並ばれだ! こんだけ頑張って来たのに振り出しかよ!」
葦木場 「すごいよ純ちゃん!」
手嶋 「今並んだオメェの方がすごいよ! 俺はすごくは…ぁっ」
(手嶋 お前のその言葉 鵜呑みにしようと思ってるよ)
手嶋 「どのあたりが…だよ」
葦木場 「だって見てよ! 周りの観客!」
て・し・ま❗️て・し・ま❗️て・し・ま❗️
葦木場 「みんな、純ちゃんのことを応援してるよ!」
手嶋 「っ!」
葦木場 「俺、先輩から虹学の手嶋ってどんなやつだって言われて カラオケが上手いやつだって言ったんだ 昔からずっとそうだよ 純ちゃんはいつもみんなを楽しませる メドレー歌ってみんなを笑わせる それは俺には出来ないしすごい事なんだよ!」
手嶋 「歌の話しかよ か、関係ないだろ…こんな所で…天然…発揮…」
葦木場 「ううん、同じだよ! 歌が自転車に変わっただけだよ! 純ちゃんは今、みんなを楽しませてる だから見て! ほら!」
うおおおおお‼️
葦木場 「みんな期待してる! 純ちゃんの走りを!」
手嶋 (えっ…期待?)
手嶋 「俺を…期待?」
***************
RIDE,24 「手嶋対古賀」より
(青八木 純太❗️勝て❗️)
RIDE,53 「空に手をあげた者」より
(彼方 勝って! 純くん!)
RIDE,54 「空を仰ぐ」より
(彼方 純くんを応援にしに来たんだよ!純くんかっこ良かった!速かった!勝負には負けてしまったけど、彼方ちゃん純くんの走りを見てたら心が胸が熱くなってバスを降りてここまで来たんだよ!)
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手嶋 (期待って…させてるのか 俺の…俺の走りを…)
葦木場 「きっと、純ちゃんは ひとりで自分のために走るより 真ん中で中心になってみんなをゆり動かしながら走る方が 強いよ」
巻島
「努力ってのは もがいて、足掻いて、積み上げて 最後、才能になるッショ」
山岳ラインまで残り250m
後方集団
〜うわああああ!
小野田 「風に乗って聞こえるね 歓声」
今泉 「ああ!」
鳴子 「へっへへへ そやな、しかも山岳ゲートのあるあたりや」
小野田 「手嶋さん頑張ってるって事だね! 最後の力を使って」
今泉 「そうだ、俺たちが信じて託したクライマーは今、箱学のエースと互角に戦ってる!」
鳴子 「ハハハハハ! あの歓声の湧き方相当せっとる! メッチャ派手に盛り上がってるって事や ワイらのパーマ先輩は!」
✨小野田・今泉・鳴子✨
黒田 (なんだこいつら、なんだこの湧き上がるようなプレッシャー)
〜うわああああ!
黒田 「っ! なんで山岳ラインの所が湧いてやがる? ボロボロの? あの5番が? 到底拓人を追うことなど出来ねぇと思った ガス欠寸前のあの平凡な男が 蘇ったって言うのかよ 訳わかんねぇ、でたらめだ ゾンビかよ そこまで見越して こいつら、奴を送り出したのか!? なんてチームだ 虹学!」
小野田 「お願いします❗️」
今泉 「最後っすよ❗️」
鳴子 「気張ったってくださいよ 派手に❗️」
小野田・今泉・鳴子 『キャプテン‼️』
手嶋 (鳴子、今泉、小野田 ありがとよ 信じて俺を出してくれた 信じる信じるって言っといて 1番信じていなかったのは俺だったかもしれないな 自分を信じる 自分の歩いて来た道を信頼して これからの未来に希望を持つこと 思い出せよ 手嶋純太 今までの道のりは 決して、平凡じゃなかった 決して、弱くもなかった 自分を信じろ 手嶋純太 今泉たちに ボロボロになりながらついていった練習 1年やってきた 田所さんに教わって鍛えられた このインハイでいきなり真波と戦って…バラバラになりかけたチームを引いて…京伏と2対2のチーム戦をやって…それを乗り越えて来た 自分を信じろ 手嶋純太 俺は誰でもない 他の誰でもない…)
手嶋 (虹ヶ咲学園のキャプテン 手嶋純太だ!)
手嶋 「
手嶋 「いくぞ❗️2人の山岳賞へ❗️」
手嶋・葦木場
『うおおおおおおお‼️(ああああああ‼️)』
手嶋・葦木場
『ハッ ハッ うおおお‼️(くっ! うううう‼️)』
「すげぇ!」
「全開加速! 山岳ラインつっこんでく!」
ドン❗️ ドン❗️ ドン❗️
「肩当たってる! どっちもゆずんねぇ!」
手嶋 (
葦木場 (純ちゃん!)
手嶋 (正面に山岳ゲート見えてる!)
手嶋 (っ! なんだよ…やっぱ、観に来てたんだな)
彼方 「純くん!」
手嶋 (彼方…今日の山岳を…しかも今度はゲートの横で…今日は果林はいなんだな…けどすげぇな俺、これだけの観客の中ですぐに彼方の事見つけられたよ なんでだろうな…そりゃそうか、1年の時から一緒だったからな 去年の合宿で怪我してインハイに出られなくなった時そばにいてくれてた チームを任されてから俺たちの事を見守ってくれていた 古賀との勝負の時、俺がインハイに出る事を信じて待っててくれた 1日目の山岳で俺が1番にゲートを通過する事を信じて応援してくれた そして今日最終日! 待ってろ彼方、俺が今日の山岳を獲るところを見せてやる!)
「残り100m!」
葦木場 (100m…純ちゃん、よかった ここまで2人で来れて 俺今不思議な気持ちだよ 残り100mをこうして違うジャージで走ってる なのに、さっきから妙な一体感感じててさ この3年間別々の場所でちがう高校に行って 過ごしてたっていうのに 小学校も 中学校も 高校もずっと一緒に 同じチームで走って来たような感覚になってるんだ 高校時代の思い出も おかしかった事も 辛かった事も 苦しかった事も 共有できてるような 不思議な感覚だよ 俺はね純ちゃん、ずっとずっと気にしてた事があったんだ)
***************
中学3年の冬
教室
葦木場 「えっ? その話し本当!?
東戸 「いや俺町田じゃねぇよ! 東戸だよ! あだ名は「ヒガシマル」!」
廊下
東戸 「この間、最後のレース終わった後すげぇ落ち込んでただろ手嶋」
葦木場 「うん、2年の今ナントカに負けたとか 43位だったとかって」
東戸 「それで、勝てねえんならロードやる意味ねえって 辞めるって言い出してんだ! あっいた! 手嶋!」
葦木場 「純ちゃん!」
手嶋 「おう 東戸 葦木場」
東戸 「オメェは辞めるなよ! 好きだろ自転車!」
手嶋 「げっ! もうそんな噂立ってんの?」
葦木場 「一緒に天下とるって約束したじゃないかぁ」
手嶋 「本当だよ 優勝出来なきゃさ 意味ないだろ? ロードは 好きと勝つはどうやら違う 準備して走った 勝つつもりで最後のレースを走った 出来る限り努力もした それで芽が出ないんだ しょうがないだろう わかりやすい話しだよ 俺には才能がなかったって話しだ」
葦木場 「・・・」
手嶋 「そう言う訳だ…」
葦木場 (純ちゃん…ちがう…辞めちゃダメだ 純ちゃんは!)
葦木場 「ダメだよ純ちゃん! 自転車は気持ちが大事だっていつも言ってるじゃないか! 自転車はどんな時も楽しいって 俺に教えてくれたのは純ちゃんじゃないか!」
手嶋 「その気持ちってのがさ 悪いな葦木場 折れちまったんだ」
葦木場 「ぁ…」
手嶋 「ま、俺にはカラオケには才能ありそうだから 高校に入ったらカラオケ部を新設するよ 今までの分 遊んで楽しくやろうと思う 心配ありがとなぁ」
葦木場・東戸 「・・・」
それは、中学3年の最後の冬の出来事だった