弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中)   作:サクータ

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***************
帰り道

葦木場 「ああ!」


(手嶋 勝てなきゃ意味ないだろロードは)


葦木場 「ぁぁ…」


(手嶋 俺には才能がなかったんだよ)


葦木場 「・・・」


(手嶋 高校に入ったらカラオケ部を新設するよ 今までの分遊んでいこうと思う)


葦木場 「ああ! 違う! 違うんだ! カラオケ部なんて本気じゃない! ふさわしくない!」


葦木場 (純ちゃんが俺を自転車に乗せてくれたみたいに 今度は俺が純ちゃんをもう一度自転車に乗ってもらう為に 助かるんだ 純ちゃんを!)


葦木場 「よ〜し! やるぞぉ!」




RIDE,109 3日目山岳賞争い(3)手嶋と葦木場

 

葦木場家

 

葦木場 「ただいまァァ!」

 

 

葦木場の部屋

 

葦木場 「まずは自転車作戦だ サイクリングに連れ出そう! 一緒に走ってるうちに心が回復…ってあれ? 簡単だぞ やっぱすごいなぁ自転車って だけど「いつ」かなんだよなぁ 一応俺たち3年生 受験生だし、誘う理由…クリスマス…は違うな あっ、お正月! 遠くの神社で初詣! 合格祈願! ああ! これならいける!」

 

リビング

 

葦木場 (俺天才かも)^_^

 

妹 「お兄ちゃん気持ち悪い なんかずっとニコニコしてるし」

 

母 「拓人、なんかいい事あったの?」

 

葦木場 「まぁね 母さん正月は何処にも行かないでしょ?」

 

母 「あっ」

 

葦木場 「ん?」

 

母 「ごめんね、またお父さんの職場で辞令が出てね 年末は神奈川にお引越しよ」

 

 

葦木場 (え?)

 

 

母 「ごめんね受験なのにね すぐに神奈川の高校の志願取り寄せないと」

 

 

葦木場 (え?)

 

 

母 「お正月は向こうで過ごす事になるわ」

 

 

葦木場 (え?)

 

 

葦木場の部屋

 

葦木場 (ええ…なんで?…今!? 純ちゃんは俺に自転車の楽しさを教えてくれたのに…これから純ちゃんと高校で…また一緒に…いつも純ちゃんに頼ってばっかりだったから…今度は俺が純ちゃんを!…なのに…)

 

 

葦木場 (何もできない!)

 

 

翌日

2学期 終業式後の正門

 

 

葦木場 「純ちゃーん!」

 

手嶋 「おっ?」

 

葦木場 「良かった まだ学校にいて」

 

手嶋 「どうした? 葦木場(しきば)?」

 

 

葦木場 「今まで色々ありがとう」

 

 

手嶋 「ううん? なぁんだ卒業式じゃねぇんだぞ? 今生の別れかよ? まだ3学期あるよ」

 

葦木場 「色々…」

 

手嶋 「あ?」

 

葦木場 「俺、何も出来なくてごめん」

 

手嶋 「ん?」

 

葦木場 「なのに やってもらってばっかりで…」

 

手嶋 「何のことだよ お前は凄いやつだ 気にすんな 自信持てよ」

 

葦木場 「・・・」ニコッ

 

 

葦木場 「最後に握手をしよう」

 

 

手嶋 「は? 最後?」

 

葦木場 「いいから」

 

 

 ギュッ!

 

 

手嶋 「何かのおまじないか?」

 

葦木場 「うん・・・じゃあ!」

 

手嶋 「ええ!? お、おい!」

 

 

 

葦木場 「ハッ ハッ ハッ ハッ」(/ _ ; )

 

 

 

俺はこれ以上純ちゃんに心配をかけたくなくて引っ越す事を言わなかった それが自分の中での強くある証だった いつも引っ越しのたびにたくさん別れをする 別れの度に涙を流すのは悲しくなるからやめようと 前の引っ越しの時に決心した だけどこの時は 涙が溢れて 止まらなかった 今までの思い出が次々と顔を出して ぬぐってもぬぐっても溢れて来た

 

 

引っ越しの日

 

葦木場 (あれが箱根かぁ)

 

 

神奈川に引っ越して気づいたのは 部活の連絡網を無くしてしまっていた事 純ちゃんと一度も同じクラスになった事がなくて電話番号がわからなくなっていた事 「着いたら連絡しよう」「手紙を書こう」と思っていた事がどれひとつ出来ない事だった

 

 

新居

 

葦木場 (何やってんだろう…俺…あっ)

 

 

    (自転車)

 

 

葦木場 (純ちゃんは辞めるって言ってたけど もしかしたら…もしかしたら この先自転車を続けていたら また 何処かで 純ちゃんに会えるかもしれない)

 

 

高校は箱根学園を選んで 自転車部に入った 色々あってやらかして レース無期限出場停止になっていた高校2年生の秋

 

 

新開 「手嶋くんと同じレースに出てみないか」

 

葦木場 「え?」

 

 

レースの話しがふってわいた

 

 

葦木場 (レース…久しぶりのレース しかも、この箱根学園のジャージを着ての…レース)

 

金子 「おう! 葦木場」

 

葦木場 「金やん」

 

金子 「謹慎解かれたって? 聞いたぞ レース出るんだろ?」

 

葦木場 「そうなんだ」

 

金子 「良かったな 練習頑張ってたもんな」

 

葦木場 「ありがとう、でもこのジャージを着てレース出るからには 責任重大だ」

 

金子 「今のお前ならやれるよ きっと」

 

葦木場 「うん」

 

金子 「明日早いのか?」

 

葦木場 「うん、始発で行くんだ…」

 

 

葦木場 「千葉 峰ヶ山に」

 

 

 

千葉県 峰ヶ山

「峰ヶ山ヒルクライムレース」

 

 

連絡が取れないまま純ちゃんと離れて2年後、俺は千葉で行われた千葉の峰ヶ山ヒルクライムレースに出た 重積はあったけど 心は弾んでいた

 

 

 バン❗️

 

 

出走リストに ちゃんと純ちゃんの名前が載っていたからだ

 

 

葦木場 (いるんだよね? このコースの先に! 会場着いて真っ先に探して後ろ姿だけ見たよ 懐かしかった…やっぱり少し成長してた 背中も大きくなってた 怒られるかな 2年間 何の連絡も出来なかったこと 何も言わずに引っ越した事 けど怒られてもいい 絶交されてもいい 俺は今日のこの日を「運命」なんじゃないかって少し思ってるよ 自転車を止めるって言ってた純ちゃんと 引っ越していった俺と この千葉の よく走った峰ヶ山の そのレースで…)

 

 

〜峰ヶ山ヒルクライムレースの先頭〜

 

 

葦木場 (もう一度出会えるなんて!)

 

 

葦木場 (いた! 乗ってる 走ってる…純ちゃん!)

 

 

手嶋 「元気にしてたか」

 

葦木場 「・・・うん」

 

手嶋 「ピアノ まだやってるのか?」

 

葦木場 「・・・時々」

 

手嶋 「箱学 入ったんだな」

 

葦木場 「受けたら受かった 良かった…純ちゃん自転車やめてなくて それに純ちゃんは虹ヶ咲学園なんだね…東京の…お台場の…」

 

手嶋 「俺も受けたら受かって そこでまた…乗りたくなったんだ」

 

 

純ちゃんは怒らなかった 中学の時と同じように あの時の続きみたいに 優しく話しをしてくれた すごく長い 懐かしい時間に感じた

 

 

そして同時に「理解」した

 

 

手嶋 「俺は虹学のキャプテンになった だから戦わなければならない! 葦木場(しきば) お前と 箱根学園と!」

 

葦木場 「俺も…箱根学園の次期エースだから」

 

 

すでにお互いが違う立場にあって そこに「壁」が存在する事も

 

***************

 

 うわああああ‼️

 

 

手嶋・葦木場 『ハッ! ハッ! ハッ! ハッ!』

 

 

「2人 全開 駆け上がる!」

「3日目山岳賞ラインまで残り80m!」

 

 

葦木場 (だから俺は純ちゃんを遠ざけた 溢れてくる感情を抑え込んだ 先週、虹ヶ咲のお祭りに純ちゃんに会いに行った時も 昔みたいに一緒に騒いだりしたらダメだと思ったから もし2人が何のジャージを着てなくてそれで再開してたら 俺はすぐに純ちゃんに言った思う ずっと気にしていた2つの事 何も言わずに引っ越してしまった事 もし連絡先が分かれば相談したい事が山ほどあった事 だけどね純ちゃん、俺今不思議な気持ちなんだよ 相談したかった事 もう話してる気持ちになってる 何も言わずに引っ越した事も 謝ってる気持ちになってる これって…)

 

 

葦木場 (自転車の力なんだと思う!)

 

 

葦木場 (純ちゃんと俺を再会させてくれたみたいに 不思議な力があると思う こうして全力で走ってると 敵同士とか 背負ってるものとか 景色と一緒に色んなものが後ろにすっ飛んでいって あるはずの「壁」もいつの間にか取っ払われて すごく仲良しになっちゃうんだよ!)

 

 

葦木場 (ねぇ…純ちゃん)

 

 

 

「残り50m!」

 

 

 

手嶋 (葦木場(しきば)、覚えてるか? 去年の峰ヶ山のレース 俺はリストでお前の名前を見つけた時 驚いて手が止まった)

 

***************

峰ヶ山連絡会場 駐車場

 

手嶋 「・・・!?」

 

杉元 「そうなんです! 僕が見つけたんです! 僕が 分かりますよその反応 箱学ですからね 箱学 わざわざ神奈川から来るってことは…」

 

 

手嶋 (葦木場…拓人 間違いない お前か! 葦木場(しきば)!)

 

***************

 

手嶋 (あの時、俺はたまらなく嬉しくなったんだ お前が自転車を好きでいてくれて 神奈川に行ってもまだ自転車を続けてくれて 嬉しかったんだ 見ろよ 信じられるか そんな2人が インターハイの山岳賞争ってんだ)

 

 

手嶋 「ハッ! ハッ! ハッ! 最高だな 自転車!」

 

葦木場 「うん・・・純ちゃん!」

 

 

手嶋 

行こうぜ❗️あのゲートの向こう側まで❗️全開で❗️

 

 

手嶋・葦木場

おおおおお‼️(あああああ‼️)』

 

 

 

「インターハイ3日目山岳ラインまで残り…」

 

 

 

 「40m!」

 

 





次回 3日目山岳賞争い 決着…の予定でしたが、番外編的な感じでもう1話挟むことにしました。

その後に決着をつけます。
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