弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
峰ヶ山 山頂付近
鏑木 「追うものはいない もらったぜこのレース 行けるぜ段竹インターハイに! アハハハ」
段竹 「はしゃぎすぎだ一差 まるで子供だ」
鏑木 「こう言う時はしゃがないつはしゃぐんだ? 子供だ段竹 目の前に広げられたおもちゃを好きなだけ遊べって言われてるもんだ 初めて見た自転車レースがインターハイだった あの時の衝撃が今でも今でも思い出せる 俺は思った あの舞台に出たい いや 出る! 俺たち2人で」
鏑木が後に走っていたワゴンまでさがる
鳴子 「っ? なんや? 下がってきよった」
鏑木 「手嶋さーん」
手嶋 「なんだ」
鏑木 「忘れてませんよね あの約束 段竹とワンツーでゴールしたら俺たち2人インハイメンバー確約って」
手嶋 「ああ」
小野田・鳴子 『ええ⁉️(はぁ⁉️)』
鏑木 「しゃぁぁ‼️ んじゃ俺たち2人でインハイ出て ニジガクを連覇に導きますよ!」
鳴子 「ちょ‼️ なんすかその約束⁉️」
小野田 「2人って今の5人から1人抜けるって事ですか⁉️」
手嶋 「実力の世界ではそうなるな」
小野田・鳴子 『ええええ⁉️』
小野田 「だ 誰ですか⁉️ 誰⁉️ やっぱり‼️」
小野田 「僕ですか みなさん 頑張ってください」
今泉 「メンタル弱」
鏑木 「はは 小野田さん勝負です! 俺は去年のインターハイを見に行った 最後は富士のゴールでした 正直痺れるレースでした 言葉にならないくらい 全身痺れて 毎日落ち込んで3日間眠れませんでした 心の底から悔しかったんですよ あの舞台にいなかった自分が 俺より遥かに超えてるって見せつけられてだから俺は この夏のインターハイであなたを超えます! 超えてみせます」
鏑木
「あなたの目標はなんですか? 2年連続個人総合優勝ですか?」
小野田 「・・・」
小野田 「優勝は僕じゃなくていいよ」
鏑木 「え?」
小野田 「今泉くんや鳴子くん 手嶋さんや青八木さんとみんなで全力で走れて 真波くんや御堂筋くんと出し切って走れて 最後チームの誰かができる事なら最初にゴールしてくれて あとこれは欲張りなんだけどそれを先輩に…」
(巻島さんに)
小野田 「 “報告できたらな” って思ってるんだ」
鏑木 「報告?」
今泉 「・・・ああ、欲張りだよ! 最高の欲張りだ!」
鳴子 「ははは! ほなもっと気張って練習せなアカンな 小野田くん!」
小野田 「うん!」
鏑木 (なんだ? この結束力は)
手嶋 「鏑木ぃ! 俺たちは去年 切れそうな細い細い糸をたぐり寄せみんなで繋いで勝った 泥臭いと思うが それがニジガクのレースだ カッコ悪いか? 鏑木 お前は今勝利を確信してるな まだゴールラインを割ってないのに」
鏑木 「っ!?」
手嶋 「お前が追い抜いて後ろに置いていった杉元っめ男は 頼りないが俺たちニジガクのスピリッツを受け継いでる もし あいつがこのレースの勝利を諦めていなかったら 来る 必ずここに追いついて」
鏑木 「脅しですか? ありえないですねそいつは つまり おしゃべりをやめて真面目に走れって事ですね 了解です さーせんでした! 行くぜ段竹ゴールへ!」
段竹 「おう!」
手嶋 「脅しか 違うさ」
今泉が何かの気配を感じ後ろを振り向く
手嶋 「俺はそういう奇跡を…」
今泉 「っ!」
手嶋 「何度も目の当たりにしてきただけだ」
後ろから2名上がって来る
今泉 「杉元!」
鳴子 「杉元か!」
小野田 「定時くん!」
寒咲 「ヒュー」
杉元 「まだだ まだ諦めるな僕!」
定時 「見えたよにいちゃん ワゴンだ!」
手嶋 「まさか兄弟で追いついてくるとは 想定外だ」
小野田 「杉元くんが追いついた!」
杉元・定時
『くあああああ❗️』
兄弟2人呼吸とリズムを合わせ動きをシンクロさせ ワゴンを追い抜く
鳴子 「なんやあの兄弟のシンクロは!?」
小野田 「すごい! まだ諦めてないじゃん 杉元くん」
鳴子 「この先山頂まで2キロや それを超えればあとは下り 杉元の足じゃ差を埋めづらい この登りで どれだけ鏑木たちの差を埋められるかが鍵や!」
今泉 (杉元 そして弟 兄弟シンクロ 以前練習した時はまるでなってない 力の抜ける走り方だった それが今の2人は踏めてる 練習したのか この日の為に いや 杉元の意思がそれを引っ張り上げた この状況がそれを生んだのか!?)
杉元 「僕はなる! 僕はなるんだ! 6人目のメンバーとして 行け!行ってくれ定時!」
定時 「おう にいちゃん! くおおお❗️ にいちゃん 僕がきっと鏑木くんたちのところまで追いついてみせるよ」
杉元 「頼む定時 けど今は鏑木だ!」
(ありがとう定時 お前があの時追いついてきてくれなかったら 僕は)
定時 「はじめてだね にいちゃんが僕にお願いをするなんて にいちゃんは強くて何でも知ってて いつも僕を引っ張ってくれた そんなにいちゃんが僕にお願い事をするのは初めてだよ だから僕がにいちゃんを先頭の鏑木くん達のところまで追いつかせて見せるよ!」
杉元 「定時 くあああああ❗️」
定時 「それと あの そのジャージかっこいいよ にいちゃん似合ってるよ」
杉元 「着いてこい! このままゴールまで連れてってやる そして2人で一緒にゴールするんだ!」
定時 「おう!」
手嶋 「杉元 峰ヶ山 山頂手前50mでついに先頭の鏑木たちに追いついた!」
小野田 「杉元くんと定時くんもすごい!」
鳴子 「やるやないか杉元!」
寒崎 「これも想定外か手嶋」
手嶋 「ロードレースってほんと ファンタスティックですね!」
今泉 (杉元!)
鏑木 「っく 追いつかれただと!? そのデカいのは何者だ!」
段竹 「ペース上げるぞ一差! この先は下りだ 下が終わればすぐゴールだ!」
杉元 「ゴールまで行くぞ定時!」
定時 「おう!にいちゃん!」
峰ヶ山 山頂を超え下り区間に入る
鏑木 「ほるらああああ❗️」
段竹 「ガルァァァァァ❗️」
小野田 「鏑木くんと段竹くん下りに入って加速した」
鳴子 「ここで差をつけて 一気に決着をつける気や!」
杉元 「離すなよ 離されるなよ定時ゴールまで行くぞ❗️」
定時 「おう❗️」
鏑木 「ほるああああ❗️ いくぜ段竹! このままゴールするぞ❗️」
段竹 (一差 俺は見たい お前が子供みたいにはしゃく姿 強い相手にも怯まないお前の姿 この夏のインターハイで だから一緒に走ってるんだ)
「代われ一差! 俺が引く! もう下りが終わる! 俺が決めさせてやるよ お前のトップゴールを❗️」
杉元 「最後だ❗️ 踏ん張れ定時❗️」
定時 「おう!」
杉元 (ゴールスプリントは苦手だ だけど今克服する)
「言い訳なんか言ってられないんだよぉ❗️」
手嶋 「下り切ると 麓ヶ丘公園に入る そこから少し上り 残り200m
1年生レース 最後のゴールスプリントだ!」
小野田 「段竹くんが1番前!」
鳴子 「鏑木を従えてる マジでワンツー決める気や!」
「アカン! 定時落ちる!」
鏑木 「行くぜ段竹! このままワンツーだ❗️」
段竹 「ガルァァァァ❗️」
鳴子 「めいいっぱい引いて引いて 引き溜めした後ろから」
段竹 「でろ一差❗️」
鳴子 「鏑木特急発車や!」
鏑木 「段竹着いてこいよ! いただきだ 完璧な形 俺様たちがニジガクをもっと強くする! 来い段竹 俺たちで独走だぁ❗️」
段竹 「おう! な!?」
杉元 「ぐうぅ ぐあああああ❗️」
段竹 「踏め一差! 俺のことはいい ふめぇぇ❗️」
鳴子 「杉元段竹を抜いた 定時のアシストなしに!」
手嶋 「ロングスプリント」
小野田 「杉元くん」
ゴツン 今泉が立ち上がって頭が天井にぶつかる
今泉 (お前の得意はロングライド 杉元お前の最後のスプリントもロングなのか!?)
杉元 「くあああああ❗️」
定時 「ごめんにいちゃん 最後力になれなくて」
杉元 (ありがとう定時 お前が追いついていなかったら ここまで追いついていなかった ありがとう今泉 お前が僕を押してくれなかったら僕は諦めていた 僕は何もしてない 何もしていない だから)
「ぐぅ」
杉元 段竹を抜き先に発車した鏑木の横に並ぶ
手嶋 「杉元!」
小野田・鳴子 『並んだ!』
鏑木 「ざけんなぁ❗️」
杉元 「くっああああ❗️」
手嶋 「残り40m!」
鏑木 (このレースの中では俺様が1番はやい! それを証明するのがこんなに大変なのか!?)
「残り20!」
(この人何者だ はやく落ちればいいのにどこまで耐える気だ ゴールラインまでか?)
「10!」
杉元 「ゴールだ ゴールライン 一着を取れるなら 全てを捨てるまでぇぇ❗️」
鏑木 「ダメだぁ❗️ 俺は小野田坂道を超える男なんだぁぁ❗️」
杉元 「僕が ろく」
「6人目になるんだぁぁ❗️」 ライン手前でバイクを前に出す
1年生レース 先にゴールラインを通過したのは
鏑木 「しゃああああ❗️」
1年 鏑木一差だった
杉元 「はぁ はぁ はぁ くぁぁ」 ガッシャン
小野田 「杉元くん!」
手嶋 「大丈夫か杉元!」
杉元 「はぁ はぁ 感触 はぁ 最後ゴールするとき はぁ 下向いてて分からなかったけど はぁ はぁ ぼく 一着 一着とれましたよねぇ?」
鳴子 (鏑木の叫びか聞こえんかったか)
杉元 「やったー 出られるよインターハイ やったー やったよー」
今泉 「杉元」
今泉が杉元の体を起こして抱く
今泉 「頑張ったな」
杉元 「ありがとう今泉 やった やったよー もう言葉にならないよ」
誰も勝算の声を上げることはなく
「あ、あれ? ちょ なんですかみなさん その不安そうな顔は やだなぁ僕が6人目だとアレって事ですか? 大丈夫ですよ やりますよ この杉元照文 これからさらに強くなって…ぁ ぅ」
そして気づいてしまった
「っは❗️」
鏑木 「やったぜ」 段竹とハイタッチする
自分が負けてしまったことに
定時 「くっ ううう」(T ^ T)
杉元 「そっかぁ 僕は負けてしまったんですね」
小野田 「だ、だけどすごい走りだったよ! 杉元くんすごかったよ!」
鳴子 「ホンマやで! お前はメッチャええ走りをした! 最後並んだ時
ワイも大声だしてもうた マジや!」
杉元 「っ アハハハ アハハハ」
『!?』
杉元 「いや〜 惜しかった 二着でしたか うんうん 惜しかった 実にね アハハハ あとちょっとだったんだけどねぇ いや僕も思わず勘違いしてたみたいだよ ごめんねみんな期待させちゃったかな アハハハ」
小野田 「手嶋さん 杉元くんは頑張りました 凄く ものすごく だから あの 合宿まではあの インターハイメンバーを決めるのを伸ばしてみてはどうでしょうか?」
手嶋 「合宿まで」
小野田 「去年も金城さんも最後は」
杉元 「小野田 僕はこのレース そんな覚悟で走ってはいないよ」
小野田 「杉元くん」
杉元 「手嶋さんは僕にチャンスをくれたんだ 1年生レースにでるチャンスを 一着を取れたのなら それが条件だった ラストチャンスだったんだ だけど結局僕は何も出来なかったんだ」
今泉 「杉元 お前は毎日地道な努力をした 最初の加速に唯一着いていったのはお前だ 定時を連れて山を登り もう一度追いついたのはお前だけど最後のゴールスプリント 誰の力 誰のおかげでもない 走ったのはお前だ! 誇れ! このレースで1番すごい走りをしたのはお前だ!」
杉元 「ありがとう今泉 すまなかったな 色々アドバイスをしてくれたのに」
「ちょっと クールダウンしてくる」
定時 「にいちゃん」
今泉 (杉元 俺はお前の勝敗はどうでも良い チームが強くなればすれば そう思っていた けど 最後のゴール前 お前に勝てと願っていた)
杉元 (疲れたよ どっと疲れた 2着 だった 全部やった やることは 全部やった)
「うわわわわ!」(ToT)/~~~