弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
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去年
インターハイが終わった後の練習
国道沿いの自動販売機
巻島 「そうカリカリすんなって今泉」
今泉 「小野田は判断が遅いんですよ! 山はいいけど 平坦でそんなんじゃ置いていかれるでしょ 今みたいに!」
巻島 「ま、アイツには時間が必要なんだよ」
今泉 「せっかくインハイで優勝したんですよ! 平坦も強くなってですね 来年はもっと…」
巻島 「焦んなって……アイツは正直 判断遅い ちょっと他のやつとは違って 色々考えるのに時間がかかるショ だからよ アイツが悩んでたら待ってやれ」
巻島 「今泉……おまえが」
今泉 「え? 俺がっすか?」
巻島 「クッハ! 心配すんなよ アイツはちゃんと応えを出して 前に進むから アイツはいつでも…」
「真っ直ぐで真面目だ」
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今泉 「くっ・・・くぅぅ」
小野田 「でも 考え直した!」
今泉 「っ!」
小野田 「どうしてこういう時にって思ったけど きっとそう言うのって キツくて 大変で ギリギリで……こういう時だから訪れるんだって‼️ だからごめん今泉くん…」
小野田
「もうワンツーフィニッシュは出来ない‼️」
今泉 (っ‼️ 小野田…この土壇場で俺が提案したワンツーフィニッシュを守ろうと思ってたのかよ!…おまえは……ごめんじゃねぇよ! もうとっくに分かってんだよ 俺の脚が動かなくなった時点で!)
今泉 「遠慮するな小野田 あのオーダーは 現時点で破棄だ」
小野田 「今泉くん…」
今泉 「フッ……」
バン‼️ 小野田の背中に手を置いた今泉
今泉 「状況が変わった おまえが感じてるその通りだ 超絶ヤバい! だからこいつが このレース最後のオーダーだ‼️」
今泉
「俺たちのジャージをゴールに届けろ‼️ 真っ先に‼️」
今泉
「これはチーム全員からのオーダーだぁ‼️」
小野田 「分かった‼️」
✨小野田✨
今泉 (上がる‼️ 小野田のプレッシャーが‼️)
小野田 ✨「はあああああ‼️」✨
✨ギュイイイイイン‼️✨
今泉 「うあああ‼️ イケ‼️ 覚悟しろ‼️ 振り返るな‼️ 強くあれ‼️」
今泉 「小野田坂道‼️」
小野田 「はい‼️」
今泉 「カッ! ハァ! ハァ! ハァ……」
今泉 (繋がった…もしおまえが追いついてなくて俺ひとりだったら…完全にゴール獲られてた…なのに「ごめん」? 馬鹿野郎…こっちは「ありがとう」なんだよ! 小野田…おまえはいつでもそうやってトンチンカンな事を言い出す…その度に俺は救われてる… ありがとよ! おまえは俺にとって…)
今泉
(眼鏡かけた いつもそばにいるスーパーマンだよ)
「虹学飛び出したぁ!」
「すごい勢いで登ってるぞ!」
「あれは去年のインターハイで富士を制した…」
「ゼッケン1番 小野田坂道だ!」
「ええ!? じゃあ今の小さい男が伝説のクライマー…」
「山王!」
小野田 (行くよ今泉くん ありがとう背中を押してくれて!)
(今泉)(強くあれ‼️)
小野田 (強くあれ…強くあれ!)
小野田 「強くあれ…僕‼️」
残り2.2キロで…
小野田 「見えた……真波くん‼️」
ゴールゲート横
愛 「・・・っ! ゆ、ゆうゆ! これ…これ見て!」
侑 「ぇ……っ!」
せつ菜 「坂道さん!」
歩夢 「坂道くんが追いついた!」
愛 「てか、え? 坂道1人? 今っちは!?」
せつ菜 「駿輔さん…おそらくさっきの戦いで脚がもう…」
愛 「そんな…」
歩夢 「仕方がないよ だって、あんなに凄い走りをしたんだから もし坂道くんが追いついてなかったら多分そのままゴール獲られてたよ きっと駿輔くんは嬉しかったんだと思うんだ 坂道くんが追いついて来てくれて だから駿輔くんは坂道くんに」
愛・せつ菜 『歩夢…(歩夢さん…)』
侑 「歩夢…」
歩夢 「侑ちゃん…」
侑 (坂道くん・・・)
男性客C「すげぇ、箱学真波が飛ばして行った後 虹学小野田が追いかけて行った」
男性客D「おう」
男性客C「残り2キロと少しってところで…戦うのか この先で」
男性客D「確か去年も…」
男性客C「ああ、けど意味合いが違う あれから1年経ってるからな 1年経って小野田は「山王」ってあだ名ついて ヒルクライムのレース会場じゃあ、人だかりのできる有名人になった 対する真波は この1年で出たヒルクライムレースで全戦全勝 しかもほとんどが「コースレコード」 一緒に走った選手は登りのあまりの軽やかさに そのまま空まで飛んでいくんじゃないかって話しだ しかもニコニコと爽やかな笑顔で抜いていくらしい 一瞬で ついたあだ名は……」
「天空の羽王子 ‘スカイプリンス’ 」
男性客C「一緒に走った奴は、その背中しか見る事が出来ない」
真波
「やぁ、やっぱり来たね坂道くん……このインターハイの先頭まで!」
小野田 「・・・うん…真波くん!」
真波 「・・・なにも…」
真波
「こんな最後じゃなくてもいいのにね」
小野田 「えっ…」
真波 「このまま君が追いついて 後2m近づいたら勝負って事になるでしょう?」
小野田 (僕が後2m近づいたら…)
真波 「2人で勝負しようって約束したけど…このインターハイで最後の一滴を絞るような戦いが出来たらいいねって話したけど 3日目の…」
真波
「こんなファイナルの舞台じゃなくても良かったのにね!」
小野田 「っ‼️」
真波 「ちょっと重いよね 俺らの勝敗が 直接チームの勝敗になるもんね」
小野田 (同じだ…僕と同じ気持ちだ!…真波くん!)
真波 「もっと途中の山岳賞とか 3位争いとか 気楽な勝負がしたかったよねぇ」
小野田 「うん……」
小野田
「分かるそれ! 僕も同じ気持ちだよ!」
真波 「ふっふふ!」
小野田 「ははっ!」
小野田・真波 『ハハハ!(ハハハ!)』
真波 「でも…そう上手くはいかない」
小野田 「・・・」
真波 「1日目の山も来なかった…2日目も勝負出来なかった そして今日3日目の最終日、お互いのチームの最後の1人として走ってる もう、後2キロちょっとのところで やっと巡って来た勝負のチャンスがこれだ けど、俺はこう思ってる もしも、俺たちを上から見てて 運命を配置する神様的な存在がいたとして…みんなよく言うでしょう? 「いい事があった」「最近ついてる」「悪いことばかり起こる」「神様はなんで俺ばかり辛い事を」「不幸な事が続く」「くじ運が悪い」 だけどその神様って人は そこにいい事と悪いことの区別のない「出来事」を配置しているだけなんだ」
小野田 「・・・」
真波 「分かる? こう言うの? 出来事なら捉え方とその後の自分の行動次第で 良いことも悪い事も変える事が出来る 大切なのは…今でいう…勝負出来るチャンスが巡って来たって事 そのチャンスに感謝して」
真波
「精一杯生きる! それだけだって!」
小野田 (精一杯…)
小野田 「うん!」
真波
「それが、運命を受け入れる事だって!」
小野田 (運命を……受け入れる事‼️)キリッ!
ギュイイイイイン‼️
♪「ロケットスプリントスタイル」
小野田 「はあああああ‼️」
「虹学加速!」
「先行してる箱学に近づく!」
小野田 (後2m近づいたら勝負‼️)
真波 (それはそうだよ! 並ばれたら…引き離さなきゃならない‼️ 抜かれたら…抜き返さなきゃならない‼️)
真波 「覚悟を決めたね 坂道くん‼️ いいよ、やろう勝負‼️ この、この2キロのプレートが…」
ゴールまで残り2キロの看板通過
真波 「スタートラインだ‼️」
真波 「そしてゴールは…この先のゴールゲートの下にある…」
真波 「ゴールラインだ‼️」
小野田 「うん‼️」
「両者加速! 箱学対虹学 ヤベェ速度で登っていく!」
「喋ってた!」
「ああ! なんなら笑ってたぞ!」
「けどあのプレートのところで 虹学が覚悟した目になって」
「動いて距離を詰めて並んだ! ペースが上がった びっくりするくらい!」
「始まったんだ ゴールまで2キロのあそこから…」
うおおおお‼️
「始まった! 今年のインターハイの頂点を決める」
「最後の2人の戦いがぁ!」
ゴール地点
うおおおおお‼️
「始まったぞ! 今年のインターハイの総合優勝が決まる」
「最後のゴール争いだぁ!」
「箱根学園の真波山岳と虹ヶ咲学園の小野田坂道! 今年もこの2人の一騎打ちだぁ!」
ゴールゲート横
侑 「坂道くん…」
愛 「せっつー、せっつーが見たがってた2人の勝負…始まったよ」
せつ菜 「はい、ですがこれは 私が見たかった勝負ではありません これはもう 学校の…そしてチームの想いが詰まった最後の戦いです」
侑 「2人とも笑ってたね」
歩夢 「うん 坂道くんもあの人も同じ気持ちだったんだね 昨日勝負出来なくて悔しかったんだ」
愛 「うん、けどそれが今 総合優勝が決まるところで」
せつ菜 「お互い最後の1人として走ってる チームのみんなの想いを背負って 最後のゴール争いが始まって」
侑 「……うん 坂道くん、覚悟した目になってたもんね…でもやっぱり辛いよね 2人の勝負…これで総合優勝が決まるんだから…」
せつ菜 「侑さん…」
侑 「歩夢…愛ちゃん…せつ菜ちゃん 坂道くん…やってくれるよね?」
愛 「坂道ならやってくれるよぉ〜」
歩夢 「駿輔くんは坂道くんの事を信じて 託して送り出したんだよ…ううん、駿輔くんだけじゃない」
せつ菜 「章吉さん、純太さん、はじめさん、一差さん 今日ゴール出来なかったみなさんの想いを託されて」
歩夢 「チームのジャージを届けるために」
侑 「私…怖いんだ もし負けてしまったと思うと…立ち直れなくなるんじゃないかって…」
歩夢 「侑ちゃん…」
愛 「ゆうゆ…ゆうゆが言ってくれたじゃん 「こういう時だからこそ 応援しなくちゃいけない どんなに辛くても 前を向いて」って 「ゴールを獲ってくれる事を信じて 最後まで精一杯応援する それが私たちの役目だよ」って」
せつ菜 「それが、今私たちが出来る役割りです」
愛 「だから、前を向いて ゆうゆ」
歩夢 「信じよう 坂道くんを…侑ちゃん」
侑 「前を向いて・・・うん…うん! そうだね! 優勝するところを見に来たんだもんね! ありがとうみんな!」
歩夢 「良かった…侑ちゃん 元気になって」
侑 「心配させてごめんね………もう少しでゴール だから、最後まで精一杯応援しよう! 今日ここに来られなかったみんなの想い そして、坂道くんが一番にゴールする事を信じて!」
歩夢・愛・せつ菜 『うん‼️(はい‼️)』
愛・せつ菜 《頑張れ‼️》
侑・歩夢 《頑張れ‼️》
侑・歩夢・愛・せつ菜
《坂道くん‼️(坂道‼️)(坂道さん‼️)》
真波 「そおれえええええ‼️」
小野田 「はあああああ‼️」
「通り過ぎた!」
「速ええ!」
スッ スッ
先行している真波、自身の手袋を外してポケットにしまう
小野田 (真波くん 手袋を外して!)
真波
✨「感じる…5感で…皮膚で…風を…この勝負のヒリヒリ感を…いい緊張感だ!」✨
小野田 「っ!」
ジリジリ
真波 「出し惜しみはしないよ…坂道くん」
小野田 (ジャージのジッパーを!)
真波 「だって君との勝負…全力でやっとかないと」
真波 「もったいないだろう‼️」
真波 (坂道くん!)
小野田 (真波くん!)
真波 「この時間は 2度ないんだから‼️」
小野田 (真波くん…伝わる…圧倒されるきみの闘志が! 気持ちをしっかり持って…指先やつま先まで意識を集中してないと…吹き飛ばされそうだ! 集中して気持ちをしっかり持って…気持ちを強く持って…回すんだ…全力で! 真波くん!)
真波 (運命…やっぱりこれは…決まってたかもしれないね…あの日から…)
真波
(そして、今年の最後がこうなる事も)
小野田
(今…僕らは今勝負してる…この瞬間をずっと待ってたんだ)
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今年5月 神奈川県の某水族館
真波 (春先で偶然出会った…)
小野田 (あの時から)