弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
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1年前
箱根学園自転車競技部部室
3本ローラーで練習中の真波
ジャアアアアア‼️
真波 (勝たなきゃダメだ…勝たなきゃ…ここから全レース勝たなきゃダメだ…部内のレースも…公式戦も…もっと…もっと)
真波 (最強に強くなって‼️)
部室の外
委員長 「「ひとつの真実」ですか」
東堂 「・・・そうだ それに自らが気づくまではヤツは戻らない」
真波 「ハァ ハァ…」
真波 (すぐに…今すぐに!)
委員長 「だ…だったらそれ言ってあげてください その真実を教えてあげてください 山岳に! すぐに!」
東堂 「無論、言ってるよ 何度もな」
委員長 「っ!」
東堂 「オレも福富も新開も だが ‘聞く’ と ‘理解する’ のとでは違う 聞いたものが身体の中をくぐり腑に落ちるのには日数がかかる」
東堂 「 ‘真波を楽にしてあげたい’ 」
東堂 「オレたちも同じだよ 伝統ある王者箱根学園自転車競技部の 格式あるインターハイでの敗北…しかも自らが最終走者となって それはヤツが…まだ1年生のあの男が その細い背中で 本来背負いきれるものではないのだから」
真波 「ハァ ハァ……」
ジャアアアア…フラッ
ガシャん‼️
「うわっ!? 真波!」
「大丈夫か!」
「だからもうやめとけって言ったのに」
委員長 「あ…と、東堂さん! です…よね…3年生の…山岳がいつも言ってた人だから あの…あのわたし…何もできません レースも行ったけど…何も言えませんでした 気のきいたこと言えないし 自転車のこともレースのことも正直よくわかりません だけど…」
委員長
「だけど何かわたしにできる事はありませんか」
東堂 「・・・」
委員長 「・・・」
東堂 「話しを聞いてやれ」
委員長 「え」
東堂 「何も返さなくていい うなずくだけでいい ヤツの駄話を…」
委員長 「・・・」
委員長 「はい」
それから私は 山岳の話しを真剣に聞いた
〜木かげのベンチ〜
真波 「その先輩がさぁ ポケットにその補給食を入れたまま洗濯しちゃってー」
委員長 「うんうん それで?」
真波 「え? 終わりだけど」
委員長 「終わり⁉️ もっとあるでしょ? 他の洗濯物についちゃったとか 鳥が寄ってきたとか」
真波 「えー? それ以上の話し聞いてないよー」
委員長 (い、いけない 聞き役になるんだった つい真面目に聞きすぎて…)
真波 「委員長って補給食のこと気になるんだね」
委員長 「はい」
真波 「欲しいの?」
委員長 「はい!」
委員長 「・・・貰っちゃった」
学校でも
真波 「あ、委員長 今忙しい?」
委員長 「え? い…」プルプル
大量の書類と中身の詰まった段ボールを運搬中の委員長
委員長 「全然!」プルプル
真波 「食堂のメニューどう思う?」
委員長 「そうねー」プルプル
委員長 (そんな話題!? それ今!? 今言わないといけないの!? しかも立ち話!?)
真波 「前の方が良かったよねー」
委員長 「そ…そうね」プルプル
〜次の日〜
真波 「もがもがもがもががねー」モグモグ
委員長 (な、なにを言ってるのかしら)
委員長 「そ、そうねー」
そうして季節が変わり ある日
フトしたタイミングで…
〜学校の廊下〜
真波 「あ、委員長 今いい?」
委員長 「え? まぁ、いいけど」
真波 「オレさ 見つけちゃったんだ 昨日自転車に乗ってる時フトさ」
委員長 「ん?」
真波 「ひとつの…そうだなぁ なんていうかな…」
真波 「真実にたどりついたんだ」
委員長 「っ!」
それはあの日、東堂さんから聞いた言葉だった
(東堂)(その「真実」というのはとてもシンプルなことだ 人は失敗をするとすぐに取り返そうとする 必死でぬぐい去ろうとあわてるものだ 早く早くと結果を急ぐ だが、そうしている間はぬぐえない ヤツはまたつまずくだろう やって…気の済むまで 力も感情も出し尽くして 空っぽになって初めて気づくものだ)
真波 「結果 そういうことなんだよ」
委員長 「・・・」
その日から山岳は少しずつ変わっていった
「真波、この間の部内のレースで3位だったって」
「おー良かった 復調してきてるな」
委員長 「っ!・・・はぁ///」
3年生と在校生が一緒に走る‘追い出しレース’とかいうのが終わった帰りに会った時も
元気になってた
冬の雪の降る日に東堂さんに呼び出されて なんとかっていう道路で誰かとレースしたって言ってた日も
山岳は長いトンネルを抜けて戻ってきた!
そして3月
3年生の先輩方の卒業式に珍しく遅刻もしないで早くきた とても晴れやかな顔をしていた
山岳は帰ってきた
すごく自信をみなぎらせて
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残り800m地点
ざわざわ ざわざわ
委員長 (そして今 たくさんの苦難を乗り越えて あなたはここに辿り着こうとしている インターハイ レースの最後の日 最後のゴール近くに)
ドキッ! ドキッ!
委員長 (もう心臓がさっきからうるさいくらい あの日の言葉 覚えてる? 私は今でも思い出せるわよ…山岳)
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真波 「ひとつの真実にたどりついた あがいて もがいて あわてても 言うなれば意味のないことだった 積み重ねには敵わない シンプルなことさ 結局、そういうことなんだよ インターハイの負けは…」
真波
「インターハイでしか払拭出来ないんだ」
委員長 (っ! 強い言葉…)
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うおおおお‼️
「来るぞ先頭!」
委員長 (きっと山岳は きっとあの言葉を実現させるためにこのステージに立ってる 私はなにも出来ない なにも言えない だから 私は…)
委員長
(精一杯それを応援する‼️ そのためにここに来たんだよ‼️)
委員長 「山岳ゥ‼️」
うわああああ‼️
「イケェ‼️」
「ハコガクゥ‼️」
委員長 (えっ! うそ…周りの声が大きすぎてかき消される!?)
委員長
(これじゃ届かない 私の声…山岳に)
「来たぞ先頭! 箱学が前! 虹学うしろ!」
「先頭2人! 去年と同じ2人だ!」
「リベンジか! 連覇か!」
「ヤバい! 盛り上がる!」
うおおおお‼️
委員長 「あっ えっ」
委員長 (どうしよう 山岳もう来ちゃう! わたし小さいから発見されない 声も届かない)
真波 「そおれえええ‼️」
委員長 「・・・っ!」ムッ
委員長 (ちがう 山岳は今真剣に戦ってる 1年間の思いを遂げるために たった1人で頑張ってる だったら私も 応援するだけでいい 声も届かなくていい)
わあああああ‼️
委員長 「山岳ゥ‼️」
委員長 (精一杯声をかける あなたを応援して あなたにかける言葉 おかしいね 1年前と同じだよ)
委員長 「勝って 山岳ゥ‼️」
真波 「・・・」
真波 コクッ
委員長 (え? 今、山岳…少しうなずいた?)
真波 (いたなぁ委員長 すごいなオレ これだけの歓声の中で委員長の声…聞き分けたよ なんでだろう?…あ、この1年…委員長にたくさん話しを聞いてもらってたからな 「勝って」? ああ…当然だよ‼️ オレ…)
真波 (それをしに来てるんだ‼️)
「箱学加速!」
「少し差がついた!」
小野田 (差がついた!)
小野田母 「っは!」
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ!
小野田母 「来た 来た息子!」
小野田母 (坂道! 頑張った顔して 歯食いしばって 汗もたくさんかいて 走ってる! 今すぐ汗拭いてあげたいけど 近ごろのあんたなら「いいよいいよ」って遠慮するんだろうね)
小野田母
(行きなさい! あなたのやりたいことやりなさい!)
小野田母
「追いかけなさい坂道ィィ‼️」
小野田 「はい‼️」
小野田 「行ったわ息子…」
小野田母
「地面の写真がたくさん撮れたわ!」
小野田 (今、母さんみたいな声がした 思わずつられて「はい」って言ってしまった)
「追いかけなさい」
小野田 (昔よく母さんに言われた言葉だ)
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小野田が小さい頃
〜とある野原〜
小野田母 「もぉ〜 もっと熱心にボールを追いかけなさい」
小野田 「だって〜」
小野田母 「ほら、入ってとってきなさい」
小野田 「えー! 無理だよ 虫が出るよー!」
小野田母 「大丈夫だから ほら」
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小野田 (あの頃はヤブが怖くて なにが出るかわからない道が ボクにとっては異世界だった だけど 母さん…僕はね…今はね 少しは成長したよ ヤブの中にも1人で入っていける…たぶん 1人で走っていける 前を追いかけることもできる! なぜだと思う? それはね みんながね 先輩や後輩くんや友達 それに
みんながボクに
小野田
(たくさんの力と勇気をくれたからだよ‼️)
小野田 (体はキツイけど追いかけるよ…前を‼️)
ゴールゲート
せつ菜 「見てください! 先ほどまで少し離されていましたけど 差が縮まってますよ!」
歩夢 「良かったぁ なんとかまた並べそうだね!」
侑 「そ、そうだねー」
侑 (気のせいかな? 今、坂道くんのお母さんの声が聞こえたような)
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RIDE,66 「母」より
〜1日目の夜〜
小野田母 「あなた達も坂道の事よろしくねぇ!」
侑・愛 『はい!』
小野田母 「それであなた、坂道とはいつからお付き合いしてるの?」
侑 「つ、付き合ってません!///」
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侑 「うっ///」
愛 「ん? どうしたん? ゆうゆ? 顔赤いよ?」
侑 「な、なんでもないよ…」
愛 「ん?」
小野田 「はああああ‼️」
「見ろ虹学!」
「少し離されてた差をもりかえして」
「もう一度追いついて」
「箱根学園に並んだ!」
「ゴールまで残り…」
「700mだ!」