弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中)   作:サクータ

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RIDE,133 1年前の小野田

 

 

小野田・真波 『ハァ! ハァ! ハァ!』

 

 

「ゴールまで残り650m!」

 

 

小野田 「ハァ ハァ ハァ…ぐっ!」

 

 

「山王前に出る!」

 

 

真波 「ハァ…ハァッ」

 

 

「箱学は…コーナーのイン側にコースをかえて」

「って近っ!」

「うわっ強引に入って内側から前に出て」

 

 

  ドン‼️

 

 

「ぶつかった!」

 

 

小野田・真波 『グゥッ‼️』

 

 

「それでも両者ペダルを踏みやめない!」

 

 

真波 (獲る‼️)

 

小野田 (届けるんだ‼️

 

 

真波 (ゴールを‼️

 

小野田 (ジャージを‼️

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴールゲート地点

 

{700m地点を過ぎて先頭2人はまだ拮抗状態です 最後のゴール 虹ヶ咲学園対箱根学園 さあ、どちらが栄光を手にするのでしょうか}

 

 

 

金城・田所・荒北 『・・・』

 

荒北 「どっちが…か 終わってみなけりゃわからねぇのがロードレースだ けど金城」

 

金城 「っ?」

 

荒北 「もし、予想を言えって言うなら この勝負、オレの想像する軍配は…」

 

 

荒北 「圧倒的に真波だ」

 

 

金城 「っ!」

 

荒北 「ヤツはこの1年苦しんだ オレも最初は不思議ちゃんだとか言ってメンバー入り反対してたくれぇたが実力はあった そして更に負けがあいつを強くした 東堂もそう言ってたしな 実際あいつは目つきが変わった ニオイもな 集中力が更に上がるようになったつうのか とぼけてるくせしてにニオイが濃くなった 確かに小野田ちゃんも頑張り屋だ この1年頑張ったと思うぜ けど、この頂のゴールラインを最初に割る奴には」

 

 

荒北 「それなりの ‘資格’ がいる」

 

 

荒北 「1年目、なにも知らずに勝って 優勝の栄光手にして その後の峰ヶ山でも優勝飾って 元気いっぱい明るく過ごしてきたヤツには おっと、悪いな金城 悪口じゃねえぜ 冷静な判断ってやつだ」

 

 

荒北 「その壁は突破できねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

小野田 「ハァ! ハァ! ハァ!」

 

 

「どうした山王!?」

「箱学真波のペースアップに反応できずに」

「差がついた!」

 

 

 

 

 

荒北 「もし残り500mが近づいて もしそこで10m以上の差がついてたら そん時は先走ってるヤツの勝ちだ 一対一で残り500となりゃ 体力使い果たして あとは気力の勝負になる 気力ってのはそれまでの積み重ね 失敗や悔しさ どうにもならねぇ想い そいつが下支えになるんだ そいつを持ってねぇヤツは…」

 

 

荒北 「正直勝てねぇ」

 

 

 

 

 

小野田 (先に行かれた! なにやってんだボク)

 

小野田 「ああもう…ああっ」

 

 

  カチャ カチャ カチャ カチャ

 

 

小野田 (さっきぶつかった時 足をひねって右足のビンディングが外れたんだ それが)

 

 

  カチャ カチャ カチャ カチャ

 

 

小野田 (なかなかハマらない!)

 

 

小野田 (差がついちゃう‼️

 

 

 

「ハコガクとの差が広がる!」

「5m…6…いや」

 

 「その差8m!」

 

 

小野田

ここでの差は多分致命的なものになる‼️

 

 

 

「ゴールまで残り600m!」

「更に差が広がってる!」

 

 

 

 

 

歩夢 「こ、今度はどうしちゃったの坂道くん!?」

 

侑 「どんどん離されちゃってる!」

 

愛 「ペダルだよ! 足がペダルから外れちゃんたんだ!」

 

歩夢 「えっ ペダル!?」

 

せつ菜 「自転車の選手はペダルと足をくっつける特殊なペダルと靴を履いているんです! それがさっきぶつかった事で外れて」

 

侑 「それがなかなかハマらないんだ!」

 

愛 「って言ってる間に 結構離されてる!」

 

 

 

 

 

小野田 「ハァ! ハァ! ハァ!」

 

  カチャ カチャ カチャ

 

小野田 (ハマれ! ハマれハマれ!)

 

 

 

 

 

金城 「・・・どうにもならない想い…か もしそれがゴール前を戦い 生き残る条件だとすれば…」

 

 

金城

「あるな小野田にも その ‘資格’ が!」

 

 

荒北 「っ!」

 

金城 「荒北から見て小野田は順調に成長してきたように見えるか」

 

荒北 「あ? 違うのか 優勝のプレッシャーってやつか」

 

金城 「いや、それじゃない 他のチームのやつにはピンとこないだろう ヤツは インターハイの優勝とほとんど同時に…」

 

 

金城 「大切なものを失ったんだ」

 

 

荒北 「っ?」

 

田所 「・・・」

 

金城 「憧れて…心から憧れて インターハイを一緒に走り 常にアドバイスをもらい 目標にしていた先輩が 突然目の前からいなくなった 出会って数ヶ月だが 同じ脚質ということもあり、小野田はその男に惹かれ 傾倒していた 勝利にモチベーションを持たないあいつにとって 一番大切だったのは」

 

 

金城 「つながりだった」

 

 

金城 「友や先輩とつながるために自転車に乗る…ヤツはそういう男だ その男が失ったもの…少し語ろうか」

 

 

 

金城

「この1年の小野田とオレが 虹学のキャプテンとして最後にした仕事のことを」

 

 

 

 

***************

去年8月

 

東京お台場 虹ヶ咲学園 廊下

 

 

金城 「おう」

 

巻島 「・・・あ」

 

金城 「今日も図書館か 熱心だな巻島」

 

巻島 「ああ、まあ…ッショ 金城こそ」

 

金城 「オレは祝賀会の打ち合わせで呼び出されただけだ」

 

巻島 「ヒザは…大丈夫なのか…ッショ?」

 

金城 「だいぶ良くなったよ」

 

  ミーン ミーン ミーン

 

巻島 「今日も暑いショ」

 

金城 「そうだな そうだ巻島 来週の火曜大丈夫か? 「月刊サイクルタイム」が取材で写真とコメント欲しいって言ってきてるんだ」

 

巻島 「・・・」

 

金城 「っ? どうした?」

 

巻島 「前から話そうと思ってた…大事な話しがアンだ 金城」

 

金城 「っ!?」

 

巻島 「こんなとこでこんなタイミングで話すことじゃねぇってのは分かってるッショ」

 

金城 「・・・」

 

巻島 「すまねぇ、ずっと言い損ねていた おまえと田所にはホント助けてもらったし 3年間マジで一緒にやってきたから…キツイ練習の時は支えになった インターハイの優勝は最高の気分だったッショ 先生方には言ってアンだ 授業、レポートで代用してもらって卒業資格もらえるようにしてもらったショ」

 

金城 「っ!?」

 

 

巻島

「9月から俺 イギリス(・・・・)に行くショ」

 

 

金城 「…えっ⁉️」

 

巻島 「退部届も出した…言うのが遅くなってすまねぇショ」

 

 

 

 

〜その頃峰ヶ山では〜

 

 

小野田 「♪ラブリーチャンス ぺたんこチャン フフフ…ヒメはヒメなのヒメなのだ ヒメ ラーブヒメ ファイト!」

 

 

今泉 (上機嫌だ)

 

鳴子 (いつになく上機嫌や小野田くん)

 

 

鳴子 「えらい上機嫌やな小野田くん」

 

小野田 「え!? あっ! わ、分かっちゃった!?」

 

今泉 「おう、丸わかりだぞ」

 

小野田 「なんていうか ボク…ひとつ()を叶えたから…嬉しくて」

 

 

鳴子 (夢⁉️)

 

今泉 (それってつまりこの間の)

 

 

今泉・鳴子 (インターハイ優勝⁉️

 

 

小野田

皆さんと一緒に アキバに行けたから‼️

 

 

今泉・鳴子

そっちかーい‼️)((;゚Д゚))

 

 

 

小野田 「先輩たちや鳴子くんや今泉くんたちとアキバに行けて お礼も言えて ボクはもう なにも思い残すことはないよ‼️

 

鳴子 「いや少しは思い残せや小野田くん‼️

 

今泉 「インターハイ優勝はどこへいった」

 

小野田 「はあああ! 楽しかったなぁ あの時間…」

 

 

小野田 「昔から夢だったんだよ ボク」

 

 

今泉・鳴子 『ん?』

 

小野田 「友達と…みんなで…アキバに行くのが…いつもボク」

 

 

小野田 「1人だったから」

 

 

今泉・鳴子 『・・・』

 

今泉 「ま、小野田らしい…か?」

 

鳴子 「せやな! 小野田くんは小野田くんや!」

 

小野田 「先輩達また一緒に行ってくれるかな?」

 

鳴子 「それは言いにくいんやけど小野田くん…」

 

今泉 「正直、相当無理だぞ」

 

鳴子 「ズバって言うなやスカシ‼️

 

小野田 「特に巻島さん!」

 

今泉 「一番無理だ」

 

鳴子 「コラァ‼️ スカシ‼️

 

小野田 「え? なに?」

 

鳴子 「聞いてへんかった小野田くん…」

 

 

 

 

 

 

田所 「なんでだハァ⁉️巻島がイギリスに⁉️聞いてねえぞ」

 

金城 「ああ、オレもだ さっき廊下で聞いた」

 

 

(巻島)(だから金城すまねぇ 田所っちにも言っといてくれ…)

 

 

(巻島)(一緒に卒業式には出れねえ)

 

 

 

 

 

 

 

〜その頃小野田は今泉と鳴子とは別メニューで2人と別れ その後〜

 

 

夕方 虹ヶ咲学園正門

 

 

小野田 「・・・あっ 巻島さん」

 

巻島 「小野田…今から一本 峰ヶ山に行くんだが 付き合うか」

 

小野田 「・・・」

 

 

 

 

〜峰ヶ山〜

 

巻島 「なぁ坂道ィ!」

 

小野田 「はい!」

 

 

巻島 「自転車は楽しいかァ‼️

 

小野田 「はい‼️

 

 

 

巻島

「俺たちの虹学を頼むぜ 坂道」

 

小野田 「はああ///」

 

 

 

 

 

〜夜間 部室前〜

 

 

金城・田所 『・・・っ!』

 

小野田 「あ! お、お疲れ様です ど、どうしたんですか おふたりとも揃って」

 

金城・田所 『・・・』

 

小野田 「ちょっと今 巻島さんと走ってきたんです 誘っていただいて あ、巻島さんはそのまま自宅に帰られるとの事で…」

 

 

小野田

「やっぱり凄いですよね巻島さんは!」

 

 

小野田 「速いしカッコいいし! あ、カッコいいって言うと怒られるんですが 今日の背中は一段となんと言いますか 訴えかけるような とても神々しい背中でした! それに…」

 

 

小野田

「嬉しい言葉をかけて頂きました…」

 

 

小野田 「はっ! すいませんベラベラと喋ってしまって どなたかお待ちだったんですか」

 

田所 「おまえだよ」

 

金城 「・・・小野田 話しがある」

 

小野田 「え!? ボク何かやらかしました!?」

 

金城 「おまえの話しじゃない 巻島だ」

 

小野田 「えっ! なんですか巻島さん 何かのレースにまた出られるんですか それボクも一緒に出られますか!?」

 

 

小野田

まだボクは教えてほしいことがたくさんあるんです‼️

 

 

金城 「落ちついて聞け 小野田」

 

 

小野田 「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小野田 「え?」

 

 

 

 

  カン ヘルメットが地面に落ちた音

 

 

 

 

小野田 「・・・え? イギリ…もう…来ない…んですか 巻島さん…へ?」

 

 

 

 

小野田 「部活…学校にも?」

 

 

 

 

 

 

 

それから小野田は見ているこっちが苦しくなるくらい 気落ちして元気がなくなっていった

 

 

練習中無理をしてよく転んだ

 

 

時々、宙を眺めてボーとすることが多くなった

 

 

 

小野田 「・・・」

 

 

 

小野田 「ダメだ…こんなことじゃ…ダメだ 約束したんだ ボクが虹学を…強くするって…なのに」

 

 

 

 

金城 「・・・」

 

 

 

金城 「手嶋」

 

手嶋 「っ! はい」

 

金城 「もうオレは おまえに預けて部を引退した 口出しできる立場じゃない だかひとつだけ キャプテンとして仕事をやり忘れていることに気づいた」

 

手嶋 「っ!」

 

 

金城 「明日1日 小野田を借りれるか」

 

 

手嶋 「…はい」

 

 

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