弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中)   作:サクータ

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RIDE,135 先輩からのエール!

 

***************

今年1月 峰ヶ山

 

 

今泉・鳴子・手嶋 『ハッ ハッ ハッ』

 

鳴子 「っ?」

 

 

3人の後ろから

 

 

小野田 「ハッ ハッ ハッ」

 

 

鳴子 「うわっ⁉️ マジか⁉️

 

手嶋 「もう追いついて来やがった」

 

今泉 「しかも笑顔で!」

 

 

小野田 「ハッ ハッ ハッ…」

 

 

 

小野田

すいませんみなさん‼️ お待たせしました‼️

 

 

 

鳴子 「速すぎやで小野田くん!」

 

手嶋 「もう少しかかると思ったぜ」

 

今泉 「どんなスピードで登ってんだよ小野田」

 

鳴子 「しかも途中で千切れた青八木さんを連れとる!」

 

青八木 「ハァ…ハァ…」

 

今泉 「登りでスプリンターの青八木さんを無理させるな」

 

青八木 「ハァ…速すぎ」(´Д` )

 

小野田 「すみませ〜ん!」

 

鳴子 「なんかええことあったんかー 小野田くん」

 

 

小野田 「えっ? あ、まきし…」

 

 

小野田 「ああ! ううん! 別に…」

 

鳴子 「ん? 今なんか言いかけたやろ?」

 

小野田 「な、何でもないよー」

 

 

手嶋 (小野田…なんだこの感じ…戻ってる?)

 

 

鳴子 「もったいぶらんでいいや」

 

小野田 「なんでもないってぇ」

 

 

手嶋 「よし! メニュー変更だ!」

 

今泉 「え?」

 

手嶋 「各自のペースで登るつもりだったが 小野田」

 

小野田 「はい」

 

手嶋 「一番で山頂まで行けるか?」

 

 

手嶋 「競争だ」

 

 

小野田 「え?」

 

手嶋 「だが条件をつける おまえはあの自販機のところで1分間足をついて待て」

 

小野田 「え!?」

 

手嶋 「今泉…そして鳴子 オレもいる それでも行けるか⁉️

 

小野田 「・・・」

 

 

[峰ヶ山山頂まで4キロの看板]

 

 

小野田 (1分…4キロ…)

 

 

小野田 「はい‼️試してみます‼️

 

 

手嶋

他の奴らは小野田に追いつかれるな‼️

 

 

手嶋 (まずそこで「試してみる」ってメンタルが復調の兆しだ!)

 

 

自動販売機で止まり1分経って

 

 

 

 

鳴子 「ハァ ハァ ハァ っ!」

 

 

小野田 「あああああ‼️

 

 

鳴子 「うわっ‼️ マジか‼️

 

 

 

  ザアアアア‼️

 

 

手嶋 「っ! 来たかよ小野田! 大したもんだ 抜けるかよ‼️」

 

 

小野田 「抜いてみせます‼️」キリッ

 

 

  ザアアアア‼️

 

小野田 「うああああ‼️

 

 

手嶋が前を塞ごうをするが左側から加速して手嶋を抜く

 

 

手嶋 「っな! なに!?」

 

 

 

 

 

小野田 「ぐぅぅぅぅ‼️」

 

 

今泉 「くそ! 完全に油断した このタイミングで来るとは」

 

 

 

〜峰ヶ山山頂 道路脇の駐車場〜

 

  フラ フラ

 

小野田 「ハー ハー で、出来た よかった〜」

 

  フラ フラ

 

 

今泉

「って! おいコラどこへ行く⁉️」∑(゚Д゚)

 

 

  ボス! 積もった雪の山にダイブする小野田

 

小野田 「グヘッ!」

 

今泉 「大丈夫か!?」

 

小野田 「ご、ごめん」

 

 

手嶋 「ハァ ハァ ハァ」

 

 

手嶋 (すげぇ、やりやがった 小野田…オレを抜いたときのあの目 間違いない 復調してる! ははは!)

 

 

手嶋 (いいぞ小野田‼️

 

 

 

 

自転車競技部部室

 

小野田・今泉・鳴子 『お疲れ様でした!』

 

手嶋 「おう 気ぃつけて帰れよ」

 

 

 

虹ヶ咲学園部室棟

 

青八木 「なぁ純太、今日の小野田」

 

手嶋 「ああ、何があったのかわからねぇが ありゃ完全に復調してる ハハッ! こりゃ すぐに報告だな 金城さんに」

 

青八木 「っ!」コクッ

 

 

彼方 「純くーん! はじめーん!」

 

 

手嶋 「おう! 彼方」

 

彼方 「お疲れ様〜 寒いねぇ〜 今練習終わり?」

 

青八木 「っ!」コクッ

 

彼方 「彼方ちゃんもなんだ〜 一緒に帰ろ?」

 

青八木 「っ? 彼方…バイトは?」

 

彼方 「今日はお休みだよ♪」

 

手嶋 「おう! いいぜ、こうして3人で帰るのは久しぶりだしな」

 

彼方 「ん? なんだか純くん嬉しそうな顔してるねぇ? どしたの?」

 

手嶋 「今日の練習で嬉しい出来事があってな 早く先輩に報告したいぐらいなんだ」

 

青八木 「チームにとってすごく重要なことだ」

 

彼方 「そうなんだ〜」

 

手嶋 「先輩達が卒業するまでに戻ってきて安心してんだ キャプテンとしてなんか…嬉しくてよ」

 

彼方 「え? 本当になにがあったの?」

 

***************

 

 

ゴール地点の駐車場

 

 

金城 「こうして小野田はようやく暗闇を抜けた オレもその時まで気づかなかった 小野田が何をモチベーションとして自転車に乗っているのか」

 

荒北 (モチベーション…)

 

***************

小野田と海へ行った帰り

 

 

金城 「来年のインターハイ 来年もおまえはあの舞台で勝ちたいか?」

 

小野田 「え? あ、いえ いいです…あの、他の皆さんが勝ってくれて ボクはその サポートを全力で出来れば それでいいです…」

 

金城 「・・・そっか」

 

***************

 

 

金城 「その時まで小野田はよく「遠慮」していた だが…」

 

 

金城 「それは本心だった」

 

 

荒北 「っ!」

 

金城 「巻島の片すみの一筆で心おどらせたように 初めての1年生レースでバイクを渡され 2人を追いかけるためにすぐまたがったように ヤツは「勝利」を望んでいない 序列で言えばかなり後ろの方だろう 全く…アイツの意外性にはいつも驚かさせる 前を追い抜くために」

 

 

金城 「仲間とつながるために」

 

 

金城 「ただそんなシンプルな理由で自転車に乗っているんだ 最も分かりやすい理由じゃないか そして 託され 頼まれ 精一杯走る その走り方は」

 

 

金城

「ロードレースの走り方 そのものじゃないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小野田 「ハァ! ハァ! ハァ!」

 

  カチャッ カチャッ カチャッ

 

小野田 (ハマれ…ハマれ…ハマれハマれ!)

 

 

小野田 ハマれえええ‼️

 

 

  バチン‼️ クリートがはまる音

 

小野田 「っ‼️」

 

 

小野田 「ハマッたぁぁ‼️

 

 

 ぐるぐる ギュイイイイイ‼️

 

 

小野田 「うあああああ‼️

 

 

 

「山王再び加速した!」

「けどついた差が埋まらない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

荒北 「ハッ! なるほどねー だとしたらアンのかもしれねぇな 小野田ちゃんにも インターハイの最後のゴールを戦う…」

 

 

荒北 「 ‘資格’ ってのが!」

 

 

 

 

 

小野田 「あああああ‼️

 

 

 

 

 

見えて来ました先頭2人‼️ 箱根学園と虹ヶ咲学園‼️ どちらが先にゴールをくぐるのでしょうか‼️

 

 

荒北 (真波!)

 

金城・田所 《小野田!》

 

 

 

 

 

 

 

「来たぞ先頭!」

「後ろの虹学との差をつけてる!」

「イケェ箱学ゥ!」

「頑張れ虹学!」

「インターハイ3日目最終日 ゴールまで残り」

 

 

   「500m!」

 

 

 

真波 「そおれええええ‼️

 

 

真波 (いくよこのまま…全開で‼️

 

 

「残り500mのラインを軽々と通過していく!」

「あざやかなダンシング!」

「箱学2年生エースクライマー 真波山岳!」

 

「ゼッケン13番!」

 

 

 

真波 (ゼッケン13()番…この‘3番’をくれた東堂さん オレが苦しんでる時 言葉をくれた東堂さん 今、この状況を見たら)

 

 

(東堂)(またメガネくんと最後の勝負をしているのか 真波よ 好きだな これはもう)

 

 

(東堂)(運命だな)

 

 

真波 (って言われそうだ そしてもし この会場にいたら きっという言葉はひとつだ!)

 

 

目の前のカーブ沿いのボードに

 

 

真波 「っ‼️」

 

 

 

 

 

 

  「そうだ…それでいい…」

 

 

 

 

 

 

コースに手を伸ばす1人の男…

 

 

 

 

 

 

東堂 「自由に走れ 真波よ」

 

 

 

 

 

 

真波 「はぁぁ! はい‼️

 

 

真波

ありがとうございます 東堂さん‼️

 

 

 

真波 (すごいや 東堂さんのことを考えてたら 本当にいた あの人本物の山神だ 期待通りのことを言ってくれる 普段はおしゃべりで口数も多いのに 大事なところでは)

 

 

真波

(言葉少なに…背中を押すんだ‼️

 

 

 

 

「山王残り500m地点通過!」

「差はそのまま変わらない!」

 

 

 

小野田 「ぁ……くっ」

 

 

小野田

(どうする…この差を埋めるには…どうする)

 

 

 

 

 

せつ菜 「な、なんとか 足がはまったみたいですけど」

 

愛 「どうしよう 差が埋まらないよ!」

 

歩夢 「また下を向いちゃったよ!」

 

愛 「早く追いつかないとヤバいよ このままだと本当に」

 

せつ菜 「い、いえ! まだ何か策はあるはずです このまま終わる坂道さんではありません!」

 

愛 「そ、そうだけど…」

 

歩夢 「も、もう一度歌えばなんとかなるんじゃないかな!?」

 

愛 「もう歌える状況じゃないよ これ」

 

侑 「私が下まで行って声をかけてあげたい 背中を押してあげたい…けど…」

 

歩夢 「侑ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

小野田 (どうする…どうする…どう…っ!)

 

 

 

カーブ沿いの崖の上にたたずむ男

 

 

 

小野田 (ぁ………)

 

 

 

風で左右に揺れる緑色の長い髪の高身長の男

 

 

 

そして…

 

 

 

小野田坂道が最も憧れる男

 

 

 

小野田 「ま…ま!」

 

 

 

小野田 「巻島さああああん‼️

 

 

 

 

巻島 「坂道ぃ!」

 

 

 

 

小野田 (来てくれたんだ…見に来てくれたんだ…最後のゴールを! 僕らのことを思って!)

 

 

小野田 (巻島さん‼️

 

 

 

 

巻島 「クハ! なんでおまえはいつもそうやって…一生懸命走ってるショ…なんでおまえはそうやっていつも…」

 

 

巻島 「まっすぐなんだよ‼️

 

 

 ザザッ! ザザッ!

 

 

巻島 「どいてくれ!」

 

巻島 (クハ! 何走り出してるんだオレ! 冷静にアイツのこと 上から見守ろうと思ってたのに)

 

 

 ザザザッ!

 

 

巻島

クハ‼️ どいてくれッショ‼️

 

 

巻島 (おまえはいつもドリーム叶えて来た 一等最初の1年生レースの時も インハイで田所っちを救出した時も 去年優勝した時も おまえは決まってこう言うんだ)

 

 

(小野田)

本当にありがとうございました‼️

 

 

巻島

(ありがとうはこっちなんだよ坂道!)

 

 

巻島 (インハイで箱根で追いついて もとよりおまえがクライマーであったことも そして…オレがイギリスに行ってからずうっと送ってくれた手紙のことも…まあ、直接は言わねえけどな!)

 

 

  バン‼️

 

 

「なんだ!? 観客が1人ボードの上に乗り上げてる!?」

「フラフラしてる!」

「すげぇ傾いてるぞ!」

 

 

 

 

 

歩夢 「え!? ね、ねぇ見てこれ!」

 

愛 「うわぁ! 観客がボードから体出してる!」

 

侑 「え!? だ、誰!? もう目の前に坂道くんいるよ!?」

 

歩夢 「あ、当たる! 危ない!」

 

せつ菜 「こ、こんな大事な時に…って あれ?」

 

 

せつ菜 (この方…どこかで…)

 

 

 

 

 

巻島 (オレは巻島祐介 自転車で語る男 気のきいたことは言えねえ けどおまえには…)

 

 

巻島

峰ヶ山で言ったあの言葉を送るッショ‼️

 

 

巻島

坂道ィ‼️オレはいつでもおまえの前を走ってる‼️

 

 

 

巻島 「だから…」

 

 

 

巻島

オレを抜けッショ坂道ィ‼️

 

 

 

小野田 「はぁぁ///…巻島さん…」

 

 

小野田 「はい‼️

 

 

 

 

 

 

 

巻島 (…あの頃、今泉も鳴子もおまえも 先輩の背中超えたがってた アツくてカリカリしててな…珍しくおまえまで「勝負」って言葉使ってた お前の口からその言葉出た時 密かにオレは…成長したなぁ…って思ったんだよ…いけ坂道…結果は聞かねえ…残り400mちょっと お前の出せる力)

 

 

巻島 (限界まで絞り出せショ‼️

 

 

 

 

 

 

 

 

  オレはいつでもおまえの前を走ってる

 

 

 

       だから抜け

 

 

 

 

小野田 (巻島さんが言ってくれたあの言葉…あの日、巻島さんがイギリスに行ってしまう前に 峰ヶ山で言ってくれた言葉だ)

 

***************

去年

峰ヶ山山頂 道路脇の駐車場

 

 

小野田 「最近いつも話してるんですよ 今泉くんと鳴子くんと 「3年卒業するまでブチ抜いたる!」って」

 

巻島 「クハッ 今の鳴子か? 少し似てるッショ」

 

小野田 「ほ、本当ですか!? 今日も最後負けちゃいましたけど 巻島さんが卒業するまでにはなんとか強くなって…って思ってるんですけど…そ、その時は」

 

 

小野田

「その時は ‘勝負’ してもらえますか」

 

 

巻島 「・・・オレはいつでもおまえの前を走ってる そう思えば 勝負なんざいつでも出来るさ つづら折りの坂のカーブで 果てしなく続く一本道で 草おいしげる田舎道で 来年も…その次も…オレはおまえの前を走ってる…だから抜け」

 

 

巻島 「強くなれ」

 

 

小野田 「巻島さん…」

 

 

 スッ 小野田の頭にそっと手を置く巻島

 

 

巻島 「オレたちの虹学を頼むぜ 坂道」

 

 

***************

 

 

小野田 (今頃になって気づきました いるんだ…いるんじゃないか いつも そうだ…ボクは重ね合わせて走って来た この道の先にいつも 世界で一番カッコよく走る…)

 

 

小野田の目の前に幻ではあるが自転車(バイク)を大きく左右に揺らす独特なダンシングで前を走る巻島の姿が現れる

 

 

 

小野田 (巻島さん(あなた)の背中を‼️

 

 

 

 

 

巻島(幻)

「クハッ 抜けるかオレを 坂道!」

 

 

 

 

 

 

小野田 「ぁ・・・っ‼️」

 

 

小野田 「はい‼️ お願いします‼️

 

 

 ぐるぐる‼️ ギュイイイイイン‼️

 

 

小野田 「あああああ‼️

 

 

回転数(ケイデンス)をあげながら前を走る巻島(幻)を追いかける

 

 

小野田 (巻島さん…巻島さん!)

 

 

小野田 (巻島さん‼️

 

 

 

小野田 (1年前のインターハイが終わってまだ日の浅い日 みんなで3年生をなんとか超えたいねって話になって ボクはあの時…本当に…はじめて…ボクは生まれてはじめて)

 

 

 

小野田 (誰かを超えたいと思ったんだ‼️

 

 

小野田、巻島(幻)に追いつき 横に並ぶ

 

 

小野田 (巻島さん…ボクはあれから辛いこともあって たくさん練習して 少しはあなたに近づいたと思ってます!)

 

 

小野田 「ハァ ハァ ハァ」

 

巻島(幻)「どうした坂道 遠慮するなよ…」

 

 

巻島(幻) 「抜け」

 

 

小野田 「はぁぁ……くっ!」

 

巻島(幻)が小野田の背中に手を置き、背中を押して見届け 消えていった

 

 

 

小野田 「ありがとう…ございます!」

 

 

 

 

    

 

巻島 「クハッ 強くなったな…坂道」

 




インターハイ3日目最終日

ゴールまで残り300m弱

最後の力を一滴まで絞りきるラストランがはじまる!

決着まで残り……2話
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