弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
第4救護所テント
ラジオ放送
{2度目の頂き! 小野田選手! インターハイ総合優勝は今年も東京虹ヶ咲学園! 僅差でした! 最後の最後まで分かりませんでした! しかし最後は虹学がわずかに わずかに貼った…}
手嶋 「……………」
手嶋 (小野田…小野田小野田 ほんとうによくやった すまなかった…何度も大変な役をやらせちまって)
手嶋 「ぅ……」
手嶋 (あの日、靴を渡してからオレは お前がどこまで速くなるか見てみたくなった けどまさか)
手嶋
(こんなところまで連れてきてもらえるとは思わなかったよ)
中学で一度やめようと思った自転車
青八木に会ってもう一度はじめた
去年の合宿でお前たちに負けて出られなかったインターハイ
最後まで決まらず古賀と戦って3年でようやく手にしたインターハイメンバーの切符
優勝校として引き継いだキャプテンの重積
手嶋 (つらかった 苦しかった 決して強くはなかった けど)
手嶋 「くっ……うっ」
彼方 「ああ、純くん まだ寝てなきゃダメだよぉ」
手嶋 「彼方…オレ…オレ…これだけは言えるよ…胸を張って」
手嶋
「自転車を続けてよかった」
彼方 「純くん・・・っ!」
ギュッ‼️
手嶋 「っ!? 彼方?」
彼方 「好き…好き…純くん…彼方ちゃんすごく嬉しい 彼方ちゃんも純くんがインターハイメンバーになったって聞いた時からずっと…」
手嶋 「・・・彼方」
***************
RIDE,110 仰ぎ見た空 より
〜インターハイ前日の夜〜
通話中の彼方と手嶋
手嶋 {俺、これからずっと彼方のそばにいたい 引退した後も 彼方のファンとしてスクールアイドル活動を支えて 卒業した後もずっと…1人の男として}
彼方 「え? それって…」
手嶋 {オレ…彼方のことが好きだ}
彼方 「・・・え⁉️///」
手嶋 {1年の頃からずっと一緒だったからな オレがインハイメンバーになる事をずっと信じて待っててくれてた事 オレはすげぇ嬉しかった そん時気づいたんだ オレはずっと応援してくれる彼方のことが好きなんだって だからオレは…}
彼方 「ちょ…ちょっと待って純くん」
手嶋 {え?}
彼方 「その…きゅ、急すぎよ〜 まさかここで告白をされるとは思ってなかったから…///」
手嶋 {あ…すまねぇ タイミングがおかしかったよな}
彼方 「ううん、嬉しいよ けど返事はちょっと…待ってほしいかなぁ」
手嶋 {・・・いいよ ゆっくりで}
彼方 「ありがとう…でも応援は行くからね 返事は…その…インターハイが終わってからでも…いい…かな」
手嶋 {うん…分かった}
***************
彼方 「純くんが電話で好きって言ってくれた時すごく嬉しかったよ メンバーになった時もそうだったけど 彼方ちゃんのために倒れるくらいまで約束を果たそうと今日まで頑張ってくれたんだもん そんなの…好きになるに…決まってるよ」
手嶋 「……なんだよ……俺たち…両思いだったのかよ…嬉しい…じゃねぇか」
彼方 「1日目の山岳で戦ってる時の純くんカッコよかった 今日の山岳賞ラインをカッコよく通過するところ見れて良かった…充実した3日間だったよ…本当にありがとう」
手嶋 「オレの方こそありがとな…ずっと応援してくれて…次は…オレが彼方を応援する番だな」
彼方 「うん! 彼方ちゃん頑張るね!」
手嶋 「・・・と、その前に表彰式だな 青八木と一緒に表彰台に上がるところを見せてあげないとな」
彼方 「そうだね…けど純くん、まだ動ける体じゃないよね? どうしよう」
手嶋 「・・・」
うおおお! 手嶋さ〜ん!
手嶋 「っ? 鏑木?」
バサッ‼️
テントの入り口ではなく、手嶋が寝ていたベッドの横からシートをめくった鏑木
鏑木 「行きますよ‼️表彰式‼️」
手嶋・彼方 『うわぁ‼️』
手嶋 「ええ!? そこから!?」
鏑木 「大会の人がVANで送ってくれるそうです!」
彼方 「ん? あっ!」
エマ 「お〜い 彼方ちゃ〜ん! 純太く〜ん!」
青八木 「・・・」コクッ
彼方 「エマちゃん! はじめん!」
手嶋と彼方を乗せ車を発車させて鳴子のいる救護所へ向かう
かすみ 「次は章吉先輩を迎えに行く番ですね!」
鏑木 「めいいっぱい
運転手 「ぇぇ」
璃奈 「クラッチじゃなくてアクセルだよ」
運転手 「元気だねキミ…」
鏑木 「ほら 踏んでぇ!」
かすみ 「落ち着きなよ一差」
手嶋 「すごい…勢いだな…」
青八木 「純太…」
手嶋 「青八木…」
手嶋・青八木 『っ!』コクッ
お互いの肩を撫で合う手嶋と青八木
彼方・エマ 『ふふっ』
かすみ 「あっ! 一差! あそこ!」
鏑木 「ん? ああ! 鳴子さんだぁ! 運転手さんストップストップ!」
鳴子 「へ〜い!」
鳴子がいる救護テントの前に停車する
鳴子 「今年もおおきに! お世話になります! ドライバーさん!」
運転手 「あれ? キミ、去年の!」
鳴子 「ハハハハハ! 今年もがっつり飛ばしたってください!」
鳴子を乗せて出発しゴールまで1キロ地点に近づいた頃
ゴールゲート
「おっ! 来たぞ!」
{続いて5位でゴールするのはまたも箱根学園 今大会最長身! ゼッケン11番、長身のエース葦木場選手! 山岳賞を確定させて今ゴールです!}
葦木場
(山岳賞…今日のこのゼッケンは “2人の山岳賞” だよ…純ちゃん)
女性客 「あれあの人、山岳賞の赤ゼッケンもうつけてるよ?」
男性客 「ああ、葦木場は昨日も山岳賞を制してる つまり、2日連続で山岳賞を獲ったことになるんだ 本来なら今日の山岳は虹ヶ咲の手嶋が手にするはずだったんだけど その手嶋がリタイアした事で権利が移ったんだ」
女性客 「え!? そうなの!? しかもあの人、1日目のゴールも獲ってるし 全ての日でゼッケンを獲った事になるよ! すごっ!」
{続いてゴールするのも箱根学園の選手!}
男性客 「あの選手も2日連続ゼッケン獲得だよ」
女性客 「え!?」
{箱根学園ゼッケン14番キャプテン! 泉田塔一郎選手! 3日目スプリント賞を確定させました!}
女性客 「でも今日のスプリントは集団で通過したんじゃ…」
男性客 「それでも順位はつくんだよ 泉田は4位通過だったけど、山岳賞と同様に前の3人がリタイアした事で権利が移ったんだ これで箱根学園は3日間全てのスプリント賞と山岳賞を手にした事になる」
泉田 (またも…敗れてしまったか…真波よ 去年のゴール後、福富さんに来年のリベンジを誓ったと聞いた 悔しさと重積の中でお前がどれほどこの一年やってきたか知っている たくさんのものを背負い よくやった けれど一度もお前を褒めたことはなかったね キャプテンとして お前の決意の糸を切るわけにはいかないと思っての事だ……いや、あるいは僕は お前に自分の像を重ねていたかもしれないな)
去年の悔しさを知る たった2人のメンバー
泉田 (同じ想いをした者として……誰からも褒められない覚悟で走ってきた1年 全てをかけ 願をかけ 髪を伸ばして臨んだ最後のインターハイ 真波よ お前はよくやった テントに戻ったら褒めてやろう…)
泉田
(この1年 これまでの道のりを 思い切り)(;_;)
表彰ステージ前
ステージの上には「総合優勝チーム」と書かれたたった15センチの赤い台座が置かれていた
侑 「すごいね これから坂道くん達あの台の上に乗るんだよね」
せつ菜 「はい 動画で見た表彰台をこんな間近で見られるなんて 感動してます」
愛 「そうだけど…他のみんな来ないね… 連絡取れないし…もうすぐ表彰式始まっちゃう…坂道と今っちだけで登るなんて…鳴っちが台に上がるところ見たかったな……」
歩夢 「・・・」
ブオーーン!
鏑木 「小野田さぁぁん!」
しずく 「あっ! 一差くん!」
幹 「鏑木くん!」
侑 「彼方さん! エマさん! かすみちゃん! 璃奈ちゃん! それに章吉くんとはじめさん! みんないるよ!」
歩夢 「良かったぁ、みんな間に合って」
キィーー! バタン!
鏑木 「お待たせしました! 次世代虹学ルーキー 鏑木一差 到着です!」
果林 「表彰式に間に合って良かったけど…」
古賀 「ケガしてるのに元気がいいな」(・_・;
今泉 「バカは治りが早いんですよ」
鏑木 「やっぱこのスーパールーキー鏑木一差がいないと表彰台始まんないですよねぇ」
手嶋 「・・・」
手嶋 (信じらんねぇ…)
{まもなく表彰式を始めます 選手の皆さんは準備をお願いします}
手嶋 (マジで来ちまったよ ここへ……)
{繰り返します まもなく表彰式を始めます}
会場の駐車場
駐車場の外側、コンクリートと土の境に横置きされている木に腰掛けて山の向こう側を眺めていた真波
真波 「・・・」
んなとこにいたかよ
真波 「っ?」
荒北 「黒田が探してたぞ 不思議ちゃん」
真波 「荒北さん…来てたんですか」
荒北 「ハッ! 今年も負けてオイオイ泣いてんのかと思ったら 案外サッパリしてんじゃない」
真波 「すいません 負けちゃいました 今年も…」ニコッ
荒北 「オレはもう卒業した身だ 部外者だ 謝ることはなんもねぇよ よっと…」
真波の横に腰掛けた荒北
真波 「あ…」
荒北 「ひっくり…返せなかったか…」
真波 「・・・そうですね 想像してたよりも彼は強くなってました…いや、あの瞬間強くなったかもしれない 想像を超えられちゃいました 彼、普段は全然強そうじゃないですからね」
荒北 「そりゃお前も似たようなとこあんよ」
真波 「え?」
荒北 「ま…現実ってもんは なかなかひっくり返らねぇもんだ オレもインハイ出るって先輩達に笑われて 3年かかってやっと出た 出来ねぇ時はもがいても足掻いても 前に進まねえもんだ けど そのうち必ずチャンスは巡ってくる」
真波 「あれ? 励ましてるんですか? オレを それを言いに来たんですか?」
荒北 「ああ⁉️」
ボッ! 真波の頭に手を置いた荒北
荒北 「そうだよ」
真波 「っ!」
荒北 「ゴール前 箱学のゼッケン背負ってマジでゴールを狙って走るお前は…」
荒北 「カッコよかったぜ」
真波 「・・・ああもう荒北さん…全開でやったから勝っても負けても今年は…泣かないって決めてたんですけどね…」(/ _ ; )
真波 「ありがとうございます」
ステージ横のテント内
幹 「あったよ鳴子くん! 予備のジャージ」
鳴子 「すまんすまん、落車で破れてしもうたからな」
スタッフ 「ではこちらへ」
小野田 「は、はい!」
手嶋 「・・・」
ざわざわ ざわざわ
手嶋 「っ!」
手嶋 (聞こえる…観客の声援が…オレは今から登るのか 自分の足で…一度も登った事ない 表彰台に)
鏑木 「肩かしますよ 手嶋さん」
手嶋 「…ああ すまねぇ」
小野田 「あ、あの 本当に良かったです そのあの…皆さんが表彰式に間に合ってくれて 6人全員でここに上がれて」
青八木 「ああ!」
今泉 「だな!」
スゥ 小野田に手を差し伸べた手嶋
小野田 「っ!」
手嶋 「ありがとよ…小野田…」
小野田 「ぁ」
手嶋 「あの高みにオレたち虹学をまた乗せてくれて」
小野田 「い、いえ‼️ あのボクは 皆さんがいなければ頑張れてないので 皆さんのおかげです! こちらこそ…」
ギュッ
小野田 「ありがとうございました!」
ワアアアア‼️
エマ 「彼方ちゃん」
彼方 「うん 登ってる…純くん…はじめん」
果林 「彼方…泣いてるの?」
彼方 「だって…だって 嬉しいんだもん…」
果林 「それはそうよね、あなたが言ってた3人での約束…叶ったんだから…」
エマ 「ふふふ でも、それはわたしたちも同じだよね 果林ちゃん」
果林 「ええ」
今泉 「手嶋さん」
手嶋 「ん?」
今泉 「あなたはあの時…山岳ゲートの先で迷いなくオレたち3人の背中を押した 自分のゼッケンを 山岳賞を守るそぶりを見せずに その覚悟に、オレたち3人は火がついたんですよ 苦しい中でジャージを届けられたのは」
15センチの表彰台の後ろに全員並ぶ
今泉 「あなたのおかげてすよ 手嶋さん」
手嶋 「持ち上げすぎだろ 今泉…」
今泉 「・・・そんな事ないですよ」
手嶋 「んじゃ みんなで行くぞ!」
チームニジガク 『せーの‼️』
{インターハイ総合優勝は 虹ヶ咲学園です‼️}
うおおおお‼️
侑・せつ菜 『坂道くーん!(坂道さーん!)』
愛 「鳴っちー!」
歩夢 「俊輔くーん!」
かすみ 「おめでとう! 一差!」
しずく 「一差くーん!」
璃奈 「おめでとう」
彼方 「純くーん! はじめん! 優勝おめでとー!」
手嶋・青八木 『あ・・・っ!』
彼方に向けてピースサインを送った2人
彼方 「はぁぁ……えへへ」パチパチ
巻島 「見事ショ……手嶋」
{続けて個人表彰に移ります 個人総合3位 箱根学園、黒田幸成選手!}
選手控えテント
泉田 「幸、3位入賞さすがだよ!」
黒田 「たりめーだろ! そこはハコガクとして譲れねぇとこだ」
パチパチ パチパチ パチパチ
黒田が壇上に上がり 3位の表彰台に上がる
{続きまして総合2位 箱根学園、真波山岳選手!}
泉田 「真波、よくやった インターハイ総合2位は十分な戦績だ うつむくことはない 胸を張って行ってこい」
真波 「はい」
パチパチ パチパチ パチパチ
歩夢 「次だよ侑ちゃん!」
侑 「うん!」
泉田 「小野田くん」
小野田 「はい!」
泉田 「真波との勝負 どちらかが勝ってもおかしくない真剣な戦いだと聞いた」
ギュッ 小野田に握手する泉田
泉田 「箱根学園のキャプテンとして礼を言うよ…ありがとう」
小野田 「はい…」
泉田 「次に呼ばれるのは君の名だ その後はボクらのスプリント賞と山岳賞の表彰だ……拍手をくれるかい?」
小野田 「はぁ………」
小野田 「もちろんです‼️ 心から‼️」
ワアアアア‼️
{そして個人総合1位‼️ 虹ヶ咲学園、小野田坂道選手‼️個人総合表彰台の3人にいま一度拍手をお送りください‼️}
小野田 「はっ! ははは!」
本作を読んでいただきありがとうございました!
約1年と半年をかけてインターハイ3日目まで書き終えることが出来ました。
本作はあと2話で完結とさせていただきます!
最後までお付き合いください