弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
幹 「よし! あとはこのボックスをバスに持っていけば 準備完了と」
補給食が入ったボックスをバスに運んでいる最中
青八木 「話ってなんだ純太?」
部室棟裏から青八木の声が聞こえ覗き込んでみる
幹 (ん? 手嶋さんと青八木さん? もうすぐ出発なのに何の話ししているんだろう? 真剣な顔)
手嶋 「この合宿は古賀がフル参戦する。多分俺キャプテンどころの話しじゃなくなるだろう もし俺落ちたら頼むわ チームのまとめ」
青八木 「分かってる 俺は副キャプテンだ」
手嶋 「思い残さないように走りたいんだ 俺落ちたら これで引退だ」
幹 (え!? 引退)
青八木 「各々、課題と目標をイメージして走れ」
『はい❗️(おう!)』
合宿2日目 スタート
青八木 「リタイアした者は補給を手伝え 手の空いた者は筋トレだ」
1年生 『はい❗️』
青八木 「じゃ、俺も行きます」
監督のピエールは手を振って見送った
手嶋 「ありゃ 頑張って逃げたつもりだったけど」
古賀 「無駄だ 選べよ 今日追い込んで怪我してリタイアするか明日、限界でボロボロになってリタイアするか!」
ドン❗️
古賀が手嶋に体当たりする
手嶋 「っぐぅぅ…悪いなぁ俺は第3候補だわ! 4日間1,000キロ走り切って」
手嶋 「お前より先にゴールするんだぁ‼️」
古賀 「お前は戦略にたけるかもしれん だが器じゃない 諦めろ手嶋」
金網のフェンスギリギリのところを走る古賀の背中を見た手嶋は
手嶋 (ギリッギリ 紙一重 これを難なくやり遂げるのが天才 対して俺は平凡 ただでさえレースに一度も勝ったことがねぇ けど古賀 俺は俺でさ 俺からでも見える景色ってのがあるんだ まじかで見ると勉強になるわ)
古賀 「何を笑ってる手嶋!? 限界が近いか!」
手嶋 「古賀ァァ! 俺は凡人だ! だから一歩一歩積み上げて お前が言った器ってのになろうと思ってる」
古賀 「俺は そんな物は無いと思う やはり身をもって知るしかなさそうだな その減らない口 今すぐ塞いでやる!」
手嶋 (身をもって? お前の強さは知ってるよ ずっと前からな!)
***************
2年前のインターハイ 広島大会 2日目の終わり、あの時の空気は今でもリアルに思い出せる
重く張り詰めた 絶望の底にいるような…2日目 落車の怪我でリタイアした金城さんの代わりにエースとして走るって聞いた時 俺は
宿泊先
手嶋 「エース!?」
古賀 「声がデカいよ 純太」
手嶋 「エースっておまえ」
古賀 「金城さんには世話になってる だから金城さんの穴は俺が 1年の俺なら絶対にマークされないだろう? 自由に動ける 上手いことトップに追いついて明日最終日 ゴール前俺最後のスプリントには自信あるから狙って 上手くすれば優勝 大逆転 一桁ゼッケンだ!」
手嶋 「やめとけ公貴」
古賀 「っ⁉️」
手嶋 「気持ちは分かる 1,000キロ合宿途中リタイアの俺に言われたくはないだろうけど お前には無理だ 明日は先輩たちの言う事をしたがって」
古賀 「純太‼️ お前はもっと話のわかる奴だと思ってたよ‼️」
手嶋 「怪我してる‼️ 金城さんにはお前には無理をしなくていい インターハイを走り、体験して来年のインターハイに繋げろって言ってた」
古賀 「今年はどうするんだよ‼️」
手嶋
「才能があるから無理をするなって言われてるんだよお前は‼️」
手嶋 「合宿だってそうだ! 4日目に(左膝)痛み出して900キロでやめとけって言われたのに 無理して80キロ走って余計痛めて まだ引きずっているだろう!」
古賀 「もう治った 心配ない 怪我はすぐ治る方なんだ」
青八木 「公貴」
古賀 「俺のあだ名知ってるだろう 俺は鉄人"体力バカ"だ」
3日目
「虹学の1年が飛び出した!」
古賀 「うああああ‼️」
左膝に激痛が走る
古賀 「っくぅぅ…」
古賀 「うああああ‼️」
古賀 (俺はHOPEだ)
(金城)〔お前の体は自転車に向いている じっくりやれば伸びる〕
古賀 (期待されてるんだ! この思いを)
古賀 「ぐああああ‼️」
「この先、下りの急カーブだぞ!」
古賀 「ぐあああああ‼️」
古賀 (結果を…出さなきゃ)
ガッ‼️
古賀 「うわっ‼️」
カーブを曲がりきれず勢いよく車体ごとコース外に落ちていった
古賀 (俺が…結果を…)
ガシャン‼️ ゴロゴロ‼️
「1人落ちたぞ!」
「大丈夫か!?」
補給テント
青八木 「手嶋」
手嶋 「公貴が…」
無線 {73番リタイアです 左肩を強打してる模様です}
手嶋 「運ばれたって…」
手嶋 (無理矢理でも止めればよかったのか くそ! なんでだよ公貴)
***************
虹学 裏門坂
かすみ 「なんですかこの坂はぁ! ハァ ハァ」
璃奈 「愛さん はやい ハァ ハァ」
愛 「ほれほれぇ 頑張れりなりー かすかすぅ!」
かすみ 「かすかすじゃなくて かすみんですぅ!」
ランニングのコースで裏門坂を登っていた
歩夢 「初めて裏門坂に入ったけど 結構キツイね ハァ」
せつ菜 「運動部の方々からは 地獄の裏門坂って呼ばれてますからね」
しずく 「ただでさえ足でもキツイのに 自転車でここを登るだなんて やはりすごいです あの人たち ハァ ハァ」
歩夢 「そうだねぇ……あ」
裏門
幹 「みなさん! もう少しでゴールですよ!」
侑 「頑張ってください!」
幹 「ゴール…か」
侑 「やっぱり気になる?」
幹 「うん お兄ちゃんから1日目の結果とみんなの様子の事の連絡を聞いたんだけどね 手嶋さん 古賀先輩と勝負をしてかなり追い込まれたみたいなの」
侑 「じゃあこのままだと本当に」
幹 「策略家の手嶋さんとその手嶋さんより実力が遥か上の古賀先輩 多分今日 決着がつくかもしれない これで古賀先輩が勝ってインターハイに出れば、インターハイ連覇は確実かもしれないけど」
愛 「よーし! 愛さんが1番だぁ! うおお!」
果林 「負けないわよ 愛!」
かすみ 「どこにそんな体力が残っているんですか!」
せつ菜 「私も負けませんよぉ〜!」
かすみ 「せつ菜先輩まで!?」
かすみ 「ハァ ハァ ハァ もう動けません」
せつ菜 「さすがは愛さんですね ハァ」
愛 「いやぁ 流石の愛さんもキツかったよぉ」
侑 「みんなお疲れ様 はい 冷たいタオルとドリンク」
歩夢 「ありがとう侑ちゃん」
しずく 「ありがとうございます」
エマ 「ありがとう」
幹 「はい 璃奈ちゃん」
璃奈 「あ、ありがとう ハァ」
幹 「とゔぞ 朝香先輩」
果林 「ありがとういただくわ」
幹 「はい 近江先輩」
彼方 「うん ありがとう」
幹 「・・・」
彼方 「大丈夫だよ 純くんならきっと」
幹 「え?」
彼方 「純くんこの1年頑張って来たんだからさ 信じて待とうよ」
幹 「近江先輩」
彼方 「彼方ちゃんは応援しているよ だって彼方ちゃん 純くんがインターハイで活躍しているところ見たいもん」
彼方 (彼方ちゃんは不安だよ 純くんがいないインターハイなんて)
***************
昨日の夜
手嶋 {それでさ 青八木と一緒に 俺を応援してくれないか?}
彼方 「あ、当たり前だよ 彼方ちゃんはこの1年、2人がどれだけ努力して来たか知ってる だから 2人で一緒にインターハイ出て欲しいよ」
手嶋 {じゃあ 出られるように願っててくれ}
彼方 「うん!」
***************
陽が落ちて暗くなったサーキットコース
手嶋 「夜になっちまったなぁ古賀 いや
古賀 (なぜだ 何をしても引きちぎれなかった 凡人のお前が)
手嶋 「公貴 懐かしいな まだ仲良かった頃の呼び名だ あの後、ストイックに責めるお前の背中を見て俺は何も言えなかった 良かったよ合宿に戻って来てくれて 本音で言えて 俺は 凡人が天才に勝つって信じてんだ 試してみないか? 追い禁ボードのあるゴールラインまで」
古賀 「その勝負で全ての決着を着けるって事でいいんだな」
古賀 「純太!」
手嶋 「ああ、そうだよ」
手嶋 「公貴!」
ゴールライン横
小野田 「あ 青八木さん」
鳴子 「インターバルっすか?」
青八木 「・・・」
今泉 「っ!?」
小野田・鳴子・鏑木 「ん?」
青八木 「お前たちも見ておけ」
鳴子 「最後の勝負っすか」
鏑木 「手嶋さんと古賀先輩が」
青八木 「おそらくこの1周で決めるだろう どちらがインハイに出るか」
今泉 (手嶋さんは古賀先輩の動き全てに反応し、しつこいくらいに喰らい付いてきた 不利と思われていた ギリギリのところでまだ五分 自ら追い込み 自ら結論を出すつもりですか 手嶋さん)
青八木 (純太)
***************
手嶋 「この合宿 俺と古賀の勝負 おそらく明日か明後日になる」
青八木 「えっ!?」
手嶋 「ボロボロの体に天才古賀に 一度も勝ったことがない ゴールスプリントで勝たなきゃいけない」
青八木 (純太)
手嶋 「そうなったらさ青八木 お前だけは俺を応援してくれるか?」
***************
手嶋 「ハァ! ハァ!」
手嶋 (限界だ なんでまだ足が回っているのか不思議なくらいだ でも、俺は諦めない 凡人が天才を出し抜く奇跡が一度でもあってもいいだろう)
鳴子 「近いで! ライト2つ見えた!」
青八木 (当たり前だ お前以外に誰を応援しなきゃならない!)
青八木 「純太‼️」
鳴子 「古賀先輩単独か?」
今泉 「いや 手嶋さんもくらい付いてる」
手嶋 「グゥぅぅ!」
鳴子 「手嶋さん 後ろで風避けてるけど 少し苦しそうや!」
青八木 (俺は不安だ お前がいないインターハイなんて!)
古賀 「ぐあああああ‼️」
手嶋 (進め! 止まるな! 今まで一度もやらなかった事をやるんだ!)
古賀 (まだそんな力残していたのか 純太!)
手嶋 「あああああ‼️」
手嶋 (行くんだよ! インターハイへ!)
手嶋が古賀の横に並ぶ
鳴子 「並んだ!」
鏑木 「手嶋さんが前に出た! あんな強い手嶋さんを見たの初めてっすよ! いけますよこのまま!」
今泉 「っ‼️」
鳴子 「気づいたかスカシ!」
今泉 「鳴子!」
鳴子 「古賀先輩 スプリントに入ってから一度も!」
今泉 「サドルからケツをあげていない」
ラインまで残り150m
古賀 (残り150 十分な距離だ)
古賀が立ちスプリント体勢にはいる
今泉 「古賀先輩が!」
鳴子 「立った‼️」
古賀 「うああああ‼️」
一瞬にして手嶋の横を抜く
今・小・鳴 『っ‼️』
手嶋 (なんだよみんな 声聞こえねぇぞ? まだゴールライン割ってないのに そりゃそうだな 俺は一度も期待されてなかったからな)
***************
2年前
「情報処理学科1年 手嶋純太」
手嶋 「はい」
「体細いな ジャージも新しい お前初心者?」
手嶋 「あ、一応中学でもやってたんですけどこのジャージは心機一転って言うか」
「ん? おお! お前が古賀か!」
「聞いてるぞ!」
手嶋 「あっ・・・」
合宿
「この合宿はハードだからなぁ 金城、田所、巻島、1年古賀 1,000キロ走り切れよ 手嶋 お前は精一杯走れ」
手嶋 「え…ぁぁ…はい」
手嶋 (精一杯 俺は1,000キロじゃないんだな)
(田所)(手嶋と青八木、あいつらを育てたのはこの俺だ)
手嶋 (唯一期待してくれた田所さん)
(田所)(もう十分だ 手嶋、青八木)
手嶋 (その期待に応えられなかった けど今なら分かる 俺は古賀がみんなに期待されてる それを羨まんでいた 俺だって頑張ればもっと期待されると思ってた)
***************
手嶋 (でもそれは間違いだった 考えれば当たり前の事だ 頑張らないと期待してくれなんてしない 今まで出来なかった事をやる 出来るさ あそこに 俺を信じてくれるやつ、俺の勝利を信じてくれるやつ そいつらの期待に応えるんだ!)
青八木 「純太‼️ 勝て‼️」
手嶋 「ハァ! ハァ!」
手嶋 (強くなる、強くなるんだ 俺は弱いから!)
古賀 (これで決める!)
古賀 「うああああ‼️」
ライン手前50mで
手嶋 「あああああ‼️」
古賀 (っな⁉️ 横に⁉️)
手嶋・古賀
『あああああ‼️(うああああ‼️)』
青八木 「純太‼️」
両者最後の力を振り絞って ゴールラインを通過
電光掲示板
3
3
3 青八木 91 455
↓
3 手嶋 88 440
3 古賀 88 440
3 青八木 91 455
鳴子 「2回戦は手嶋さんが勝った!」
古賀 「は、敗北!? 俺が…スプリントで!?」
古賀 (こいつは抜いてこないと思ってた)
手嶋 「ゲホッ ゲホッ ヤベェ苦しい」
古賀 「凡人が天才に っくぅ」
手嶋 「公貴!」
倒れそうになった古賀を手嶋が支え
手嶋 「あ、危なかったな」
古賀 「ふっ 体力バカと呼ばれた俺がここまで追い込まれていたとは インターハイは頼んだぞ 純太」
手嶋 「公貴 っく! 背中つった」
古賀 「え? うわ!」
ガシャん 2人とも路肩に倒れた
青八木 (純太! 俺はお前を信じて良かった おめでとう 純太)
ピーピーピーピー
手嶋 「ハァ ハァ 近づいてくるのが分かったよ 便利だなソレ」
青八木 「純太」
手嶋 「悪いな ちょっと休憩中なんだ」
古賀 「休憩!? 背中つったとか言って 俺を巻き込んで倒れたんじゃないか!」
手嶋 「アレはお前が先に倒れかけたから」
古賀 「た、倒れてなんかいない! 俺は体力バカと呼ばれた男だ!」
手嶋 「先に倒れたのはお前だ公貴!」
古賀 「いいや! お前だ純太!」
青八木 「どっちでもいいよ!」
手嶋 「ああそうだな青八木」
古賀 「確かにどっちでもいい こうやって顔を合わせて話すのは久しぶりだな 結局 1年の時のインターハイで終わってしまった」
手嶋・青八木 『っ!』
古賀 「起こったことは不幸だが後悔はしてない あの後、俺が飛び出していてもどの道怪我で動けなくなってた」
手嶋 「公貴」
古賀 「さて! 走るか!」
青八木 「え?」
古賀 「これ合宿だろ 俺には3年間でやらなきゃいけない事がある」
古賀 「1,000キロ走破だよ!」
小野田 「お疲れ様です古賀さん 先程はすごかったです 去年残って 僕らの為に色々支えてくれてありがとうございました!」
古賀 「今年は行くよ小野田 全力で支えてやる」
小野田 「ありがとうございます」
古賀 「今泉 お前は2年生エースだ あの時の金城さんと同じだ 揺らぐなよ ゴール前を頼む!」
今泉 「はい!」
古賀 「鳴子 お前今年も俺たちを脅かせようと新商品を開発しているそうじゃないか」
鳴子 「っは ははは 見たってください 今年のインターハイ 派手に燃え上がりますぜ」
鳴子 「300℃くらいに!」メラメラ
今泉 「それはお前も燃え死ぬぞ」
古賀 「鏑木 不安か? 俺の時もそうだった 全力をだせ そこからしか次のステップは見えてこない」
鏑木 「はい!」
手嶋 「あまりプレッシャーかけるなよ 公貴」
古賀 「そしてお前らは 言われなくても分かるだろ? この1年どれだけお前らが努力して来たか俺はずっと見てきた」
古賀 「最後にお前ら 怪我をしろ!」
古賀以外 『ええ⁉️』
古賀 「俺が代わりにインハイ走ってやるぞ‼️」
鳴子 「アカンアカン!」
手嶋 「油断したらいつでも追い落とすってか!?」
小野田 「気をつけます!」
古賀 (それで良い 怪我するな 揺らぐな 大丈夫だ 俺がいつでも支えてやる 俺は)
古賀 「っくぅ」
古賀 (怪我には詳しいんだ)(/ _ ; )
彼方家
彼方 「そう 良かったヨォ」
手嶋 {心配させてすまなかったな}
彼方 「ううん 純くんが走ってるところを見られるってなれば 彼方ちゃん嬉しいよ」
手嶋 {ありがとよ 後のことは大丈夫だ マネージャーにもよろしくな}
彼方 「うん 戻ったらたくさん聞かせてね」
手嶋 {おう}
遥 「お姉ちゃん」
彼方 「遥ちゃん? どうしたの?」
遥 「お姉ちゃん スクールアイドルに恋愛はダメだよ」
彼方 「れ、れれ 恋愛!?///」
遥 「電話の相手 お姉ちゃんが前に言ってた 自転車部の人でしょ? 虹ヶ咲の自転車部って日本一の部活だもんねぇ」
彼方 「た、確かに自転車部の男の子だけど べ、別に好きってわけじゃないし///」
遥 「ふ〜ん そうなんだねぇ」
彼方 「もう! お姉ちゃんをからかわないの!///」
遥 「は〜い」