弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
青八木 「純太、一旦後ろに下がって良いか?」
小野田 「え!?」
手嶋 「っ!」
青八木 「バカをひとり 後ろに置いて来た」
手嶋 「ダメだ❗️箱学もそこまで追いついて来てる これ以上戦力を失う訳にはいかない❗️」
青八木 「必ず連れ戻す!」
手嶋 「出来ないからやめろって言ってんだ青八木❗️分かるだろ?去年巻島さんも小野田に同じ様な事を言ったはずだ!下がるのは簡単だ だがそこからひとり連れてもう一度合流しようなんて言うのは力を倍使う!それにここは標高1800mの山だ、しかもお前はスプリンターだ無理だ」
青八木 「俺は6人揃った方が有利だと思っている だから連れ戻す 必ず!」
手嶋 「青八木、後7個くらいお前の選択の無謀さの理由を語れるんだが聞くか?」
青八木 「いや、いい」
手嶋 「行く気か?」
青八木 「行く」
手嶋 「そうか、じゃあ・・・さよならだな」
小野田 「え⁉️あ、青八木さん!鏑木くんと合流してチームのところまで戻って来られるんですよね!?」
青八木 「ロードレースにおいて確実な方法はない 純太の言う通り無謀だ 失敗は常に覚悟しておかなきゃならない」
小野田 「⁉️」
手嶋 「もし失敗するとなればお前と走れる最後って事になるな 3年間ここまで一緒に走ってくれてありがとう一 お前と走れて楽しかったよ」
青八木 「ああ・・・純太」
手嶋の「必」と書かれた右手の手袋 「勝」と書かれた青八木の右手袋 共に手を繋ぎ そして
手嶋・青八木 『お前といたから ここまで来れた!』
手嶋 (チーム2人は・・・解散だ)
小野田 「青八木さん!」
青八木 「振り向くな小野田 お前は純太と共に巡行し、今泉と鳴子を全力でサポートしろ」
小野田 「は、はい!」
青八木 「それがお前の役割だ!」
小野田 「はい❗️」
青八木 「純太、最後にひとつだけ聞かせてくれ お前が言った7つの無謀・・・8個目はなんだ?」
手嶋 「ああ!?8個目!?そんなもん」
手嶋 「あるよ❗️わずかばかりの希望だよ❗️」
キィーーーーーー‼️
青八木 「じゃあ8個目になるよう祈っててくれ純太!」
青八木、フルブレーキをかけて後ろに下がる
小野田 「青八木さん、追走の箱根学園に呑まれました!」
手嶋 「分かってる!前を向け!追いつくぞ先頭に!ペースを上げろ!」
小野田 「はい!」
悠人 「虹学2人目 落ちました」
鏑木 「はぁ はぁ はぁ くそ、力入らねぇ なんでだ」
鏑木の後ろから1人の選手が登ってくる
大堀 「俺は福岡城聖大堀ばい!」
鏑木 「⁉️」
大堀 「昨日スプリントでイキっとった虹学鏑木!とらえたばい!」
鏑木 「とらえられるかぁぁ‼️」
抜かされまいと福岡の大堀から必死に逃げるが
大堀 「とらえられるばい!」
あっさりと抜かされてしまった
手嶋 「多分鏑木はすぐに青八木とは合流できない」
小野田 「え?」
手嶋 「距離が空き過ぎている 少なくとも鏑木は自力で青八木の所まで辿り着かなければならない もし気力を無くして足を付いていれば鏑木は青八木とは永久に合流できない!」
小野田 「ど、とうにかなる事は出来ないんですか?」
手嶋 「誰かが背中を押してくれる奴がいれば良いんだが 多分いないだろう ここまで鏑木の不調を気づいている奴はおそらく誰もいない」
鏑木 (どうするんだ俺)
「止まるな鏑木‼️」
鏑木 「⁉️」
前から聞き覚えのある声が聞こえる
古賀 「前を向けェ‼️ ペダルに足を乗せろ レースはまだ終わっていない❗️」
本来補給所に向かってるはずの古賀がそこにいた
鏑木 「こ、古賀さん?え?・・・ええ!?なんで?なんでここにいんすか!?ワープっすか!?」
古賀 「御託はどうでもいい 進め鏑木!絶対に止まるな❗️」
古賀 「ロードレースは常に前に進むスポーツだ❗️インターハイをこんな所で投げ出すなど 俺が許さん‼️」
鏑木 (っ!本気だ、この人の熱量伝わる 全身に…っく!)
カチッ!
鏑木 「ほぉ〜るらあああ〜」
古賀 「進めェェ❗️」
鏑木 「はい」
古賀 「何としても進め鏑木ィィ❗️」
***************
2日目スタート後
杉元 「古賀さん、もうVAN出発しますよ」
古賀 「…先に行ってくれ」
杉元 「え」
古賀 「俺は残るよ」
杉元 「ええ!?ちょ!なんでですか!?」
古賀 「ちょっと、気になる事があってな 給水の指揮はお前がとってくれ杉元」
杉元 「え!ちょっと待ってくださいよ!・・:」
古賀 (朝から鏑木の様子が気になるなんて 口に出してほんとになったら大変だ)
寒咲 「残るのか?」
古賀 「最悪の状況を想定してみました」
寒咲 「残るってなればもう給水所にも行けないぞ」
古賀 「…わがまま言ってすいません」
かすみ 「あ、あの」
古賀 「ん?」
かすみ 「もしかして い、一差の事ですか?」
古賀 「どうしてそう思う?」
かすみ 「一差…朝から様子がおかしい様に見えたので 一差って普段から意地っ張りな所があるから その…」
古賀 「・・・」
古賀がかすみの肩に手を置く
古賀 「あいつの事、よく見てくれているんだな だけど鏑木の事は俺に任せてくれないか まぁほんとは何もない事を願うだけだがな」
かすみ 「・・・はい」
タッタッタッタッ!
古賀 (無駄に終わってくれよ 俺のこの山登り)
***************
鏑木 「ほぉ〜るらあぁぁぁぁ」
古賀 「お前が進めないと言うのならば!」
古賀 「俺が押してやる❗️」
鏑木 「せ、選手からの短いプッシュなら良いですけど 選手以外のプッシュはルール違反っすよ ペナルティーが」
古賀 「休みながら押すさ 全力でお前達を支えるる事が俺たちサポーターの役割だ! うおおおお‼️」
鏑木 「すいません古賀さん あざます❗️」
古賀 (ありがとうって言えるんだな鏑木 昔の俺なら、それが当然だと思っていた 手嶋や青八木がサポートをしていたのは努力が足りないのだと けど違う 支え合うからこそチームが強くなっていくんだ)
古賀 「信じろ、想像しろ、チームに戻れる事を 復調する自分を!成長しろ出来るはずだ お前が1番伸び代があるんだ!」
鏑木 「っ!」
古賀 「っふ」
鏑木 「はい❗️ 想像しろチームに戻れる事を 復調する自分を!」
{遅い選手は辱によってください!}
鏑木・古賀 「⁉️」
ザアアアアアア‼️
{集団が通過します!}
最後にスタートした後方集団が鏑木達を抜き去ってしまう
鏑木 「ぬ、抜かされました 集団に」
古賀 「一瞬で(集団にまで抜かされた・・・っく)」
かすみ 「・・・え?」
歩夢 「ね、ねぇ 今映ったのって」
しずく 「一差…くん でした」
かすみ 「一差・・・やっぱり・・・」
せつ菜 「そ、そんな!せっかく良い方向に向かっていたのに」
愛 「チームは!?坂道たち流石に気づいてるよね!?」
璃奈 「流石に気づいてると思う」
せつ菜 「スタート前はただ緊張していただけだと思っていましたが」
彼方 「あの時から体調が良くなかったんだ」
果林 「公孝くんはそんな彼の不調に気づいてひとりであそこにいたのね」
しずく 「背中を押してくれてたみたいでしたけど 集団に抜かれてしまっては」
かすみ 「一差のバカ 具合悪いなら かすみんにも言ってくれれば良かったのに…バカ」
歩夢 「かすみちゃん」
集団が抜き去って完全に諦めかけていた時
鏑木 「っく」
古賀 「・・・っは!」
坂の上で脚をついて止まっている人影が見えた その人影は待っているかのようにとこちらを向いている
古賀 (いる!)
エマ 「元気出してかすみちゃん」
かすみ 「エマ先輩?」
エマ 「大丈夫だよ 戻れるよ ひとりじゃないよ」
かすみ 「え?」
古賀 「進め鏑木!諦めるな!チームメイトが待っている!」
鏑木 「え⁉️(ほんとだ、いる!虹色ジャージ)」
古賀 「うおおおお‼️」
古賀 「進め鏑木!繋げろ!希望の糸を‼️」
古賀が鏑木の背中を押して送り届けた
鏑木 「古賀さん❗️あざます‼️」
古賀 (誰が想像しただろうか こぼれ落ちそうな希望に救いの手が捧げられるなんて)
エマ 「だって…」
鏑木 (ありがたい こんな俺を待ってくれるだなんて 俺はまだここで終わらない レースを走れる 誰だ?小野田さんか?手嶋さんか?)
青八木 「・・・」
エマ 「はじめくんがいるから!」
鏑木 「え? 青八木さん?」
青八木 「そうだ」
鏑木 「青八木さん 先頭に追いつく為に走っていたのに 今ここにいるって事は」
青八木 「そうだ」
鏑木 「3年生で 最後のインターハイなのに 今ここにいるって事は!?」
青八木 「そうだ!」
鏑木 「青八木も千切れて落ちてきたのか」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
鏑木 「青八木も千切れて落ちてきたのか」
青八木 「違う!状況みればわかるだろ!俺がお前を待ってるんだ!」
鏑木 「状況っすか」
青八木 「待て、なんでお前が気の毒そんな顔してん….」
鏑木 「いやいやいや!大丈夫っす 分かります 認めたくないですよねぇ 自分が落ちた事を認めたくなくて必死に取り繕ってしまうものですよねぇ」
青八木 (分かってるのか?分かってないな!)
鏑木 「俺、てっきり小野田さんか手嶋さんだと思って期待していましたよぉ」
青八木 「(直接言うか本人に!)まぁいいついて来い スゥーーーーーー」
ボン❗️ ボン❗️
古賀が押したのか この状況になる事を見越して やっぱお前は 虹学最強のサポーターだ
青八木 「いくぞ鏑木❗️これより2名で先頭にいるチームと合流する❗️」
鏑木 「先頭に!?2人でですか!?」
青八木 「そうだ 難しいがやる!つべこべ言わずについて来い!離れずに!」
鏑木 「は、はい!」
青八木 「酸素音速 肉登り‼️」
本来スプリント(平坦)で使用する肉弾丸 それを上り坂で身体を膨らませて加速するが
青八木 (っ! 遅れる まだ本調子じゃないのか 当たり前のことが出来ない)
鏑木 「はぁ はぁ はぁ 眉をひそめて辛そうな顔ですね青八木 肉登りとか言ってすぐペース落ちているじゃないですか」
青八木 (おいこら誰のせいだ)
鏑木 「しょうがないっす 青八木ィ❗️」
青八木 「な、なに!」
山口県代表 土佐海高校の選手たち
「見たか もう2人も落ちたぞ虹学」
「昨日まで調子良かったのに 今年はそうでもないのかな」
山際 「やめろ川本、奥谷」
「山際さん」
山際 「4番は調子の悪い6番の救出に向かっただろう」
「え!?あそこから!?」
「いや、無理でしょう」
山際 「そうじゃ 常識に考えれば無理だろう じゃが、去年奴らは170番代から優勝をもぎ取った 俺は思った 虹学と言うチームは逆行に立たされる時 不可能を可能にする そう言うチームなのだと」
鏑木 「しょうがないっす 青八木ィ❗️」
青八木 「な!何やってる鏑木!なんで前に出てんだ!下がれ!俺が引く!」
鏑木 「いいっすヨォ!俺も引きますヨォ!」
青八木 「おい!あのな!」
鏑木 「古賀さんのお陰でさっきより調子が良くなってきてますよ 古賀さんに言われたんですよ 成長しろ お前が1番伸び代があるって 青八木こそ無理していないで後ろで休んでください」
青八木 (青八木さんだ! 仕方ない 少し引かせてペースが落ちてきた頃に俺が前を引くか)
身体を元に戻し、しばらく鏑木を引かせて様子を見る事にする青八木
鏑木 「ハァ ハァ ハァ ハァ」
青八木 (まだ引く)
鏑木 「ハァ ハァ ハァ ハァ 世話が焼けるぜ 青八木ィ」
青八木 (ん? まだ引くのか)
青八木の自転車につけられているスピードメーターでは
27.5→28.0→28.5km
青八木 (こいつどう言う事だ!?引かれている時より引いてる方がペースが速い!?)
鏑木 「ついてきてますか!青八木!」
青八木 「ああ!(聞いた事がないぞ 救出される側が救出する方を引くだなんて)ちょっと驚いてるがな」
鏑木 「何にですか?景色っすか?景色いいっすもんねぇ」
・ ・ ・
鏑木 「青八木 調子はどうっすか?」
青八木 「さっきも言ったが万全だ」
鏑木 「またまたぁ〜 俺の前では素直になってください」
青八木 (これは…ひょっとすると)
「けど1人は不調なんでしょう?」
山際 「そうじゃ 常識では考えられない事を奴らはやり遂げてくるんじゃ」
「後ろから上がってくる奴がいるぞぉ❗️」
山際 「っ!」
鏑木 「ハァ ハァ」
「に、虹学の2人が上がってきた!」
「オ、オレンジ頭の6番が前です!」
「逆しゃろ!?4番が救出に向かったんじゃなかったのか!?」
山際 「っく」
鏑木 「へへっ 見えましたよ!さっき追い抜かれた集団…です! 捕えましたぁぁ‼️」
青八木 (大したやつだ 俺を救おうとここまで引いて集団まで追いついた!)
かすみ・しずく 『一差!?(一差くん!?)』
果林 「はじめくんを連れて」
せつ菜 「集団まで追いつきました!」
鏑木 「呼吸を合わせてください!せ〜のォォォ‼️ほるらああああ‼️ドッキング‼️」
鏑木・青八木 鏑木が不調の中引き続けて集団の後ろまで復帰する
「集団に復帰しやがった!」
「なんなんだあの2人!?」
鏑木 「はぁ はぁ 合流 しやした…ぜぇ」
力尽きて横に倒れそうになった鏑木を
ガシッ❗️
青八木が手で支える
鏑木 「はぁ はぁ はぁ」
青八木 「力入りすぎたか 鏑木」
鏑木 「そ、そんな事ないっすよ ちょっと地面に珍しい虫がいたんでちょっと見てただけですよ」
青八木 「どんな虫だ?」
鏑木 「っう カブトムシっぽい クワガタっぽい カブクワっつて…」
青八木 (とにかく 第一関門はクリアってとこか だが)
合流した集団に違和感を覚える青八木
青八木 「少し前に上がるぞ鏑木!」
鏑木 「え? あ 分かりました 集団の数を数えるってやつですね 1・2・3・4…」
青八木 (見当たらないな 飛び出した後か)
鏑木 「あれ?」
鏑木 「この集団 京都伏見がいませんよ」
青八木 (こいつ敵を掻き分ける事は一流だな)
鏑木 「やばいっすねこの状況 先に気づいたのは俺でいいですか?」
青八木 「それはどっちでもいい」
鏑木 「俺って事でいいっすねぇ!」
青八木 「それに今年は116番もいる もし奴らが先に御堂筋と合流すれば虹学は圧倒的に不利な状況になる!」
鏑木 「のんびりしてはいられないぞ青八木!」
青八木 「その言葉 そっくりそのままお前に返す」
鏑木 「飛び出すぞ青八木❗️ この集団からァァ‼️」
「虹学の2人が飛び出したぞ!」
鏑木 「ほららああぁぁぁ」
青八木 「っ!」
鏑木が前に出て加速するもすぐにペースが落ちて下がってしまう
鏑木 「ハァ!ハァ!ハァ!」
青八木 「珍しい虫でもいたか?(戦況は分かってはいるのに もどかしいだろうな この状況を読んでいたか純太)」
愛 「ああ、戻っちゃった」
しずく 「一差くん まだ調子が戻ってないんだ」
せつ菜 「さすがに集団から抜け出すだというのは難しいんでしょうか」
歩夢 「何かいい方法がないの?」
彼方 「はじめん」
小野田 「え?集団から出られない?」
手嶋 「ああ、集団から出るって事はそれなりのリスクがある それがさっき言った選択の無謀 その4だ」
小野田 「どうにか どうにかする事は出来ないんですか」
手嶋 「何か特別な準備でもしていれば良いんだが」
小野田 「特別な 準備?」
青八木 「鏑木、どうしてもここから飛び出したいか?」
鏑木 「当たり前でしょう クソッ!」
青八木 「方法があると言ったら」
鏑木 「え? あるんですか?」
青八木 「俺もここで使うとは思わなかった」
鏑木 「します なんでもやります 言ってください!」
すると青八木はポケットから1枚の紙を取り出す
青八木 「これだ」
鏑木 「か、神様の便箋!?さすが神様 ここに解決策が ん?ヒ…メ…なの?」
青八木 「歌詞だ ある歌の」
鏑木 「ヒメなの…だ?」
今年最後の投稿です 読んでいただきありがとうございました
来年もよろしくおねがいします
投稿ペースは遅くなるかもしれません
来年中にはインターハイ最終日、決着をつけさせたいと思ってます