弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中)   作:サクータ

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インターハイ2日目
ゴール地点 特設会場内


せつ菜 そわそわ そわそわ

果林 「せつ菜? あなたさっきからずっとそわそわしているけど どうかしたの?」

せつ菜 「え? そ、そうですか えへへ」

歩夢 「やっぱり、坂道くんの事?」

せつ菜 「はい 実はわたし、このインターハイ3日間の中で 今日の山岳賞争いが1番に楽しみにしていまして」

しずく 「やはり、昨年の優勝を争ったおふたりの勝負が見られる戦いたがら とかですか?」

せつ菜 「それもありますが、もうひとつ 楽しみにしている理由がありまして」

愛 「え?なになにせっつー 聞かせてよぉ」

せつ菜 「それは…」

おおおお❗️

エマ 「な、なに?」

かすみ 「なんですかいったい?」

璃奈 「あ、見て 先頭の後ろから誰か来たみたい」

せつ菜 「もしかして坂道さん達チームが」

彼方 「わーい 純くん、はじめん…ってあれ?」

愛 「ウチじゃないよ!?」

しずく 「く、熊本第一!?」

果林 「ウチより前に別のチームがいたなんて」

璃奈 「あ、先頭に合流しちゃった」

かすみ 「マズイですよぉ! ただでさえ厄介な箱根や京都がいるのに ここで新しい学校が来られて 章吉先輩、1人で全員を相手にしなければいけないんですよ!」

歩夢 「これじゃ流石に…」

せつ菜 「うん? いや、見てくださいこれ 京都伏見が飛び出しましたよ」

エマ 「他のチーム、それに気づいてないみたいだけど」

しずく 「飛び出しそうな感じ 全くしませんでしたよ」

愛 「鳴っち! 気づい…て あれ? 鳴っちが…いない?」



RIDE,82 波乱の展開(2)

 

 

銅橋 「ブハァ!? 落ちたはずだ 最初の登りでチーム虹学 あそこまでやられて上がって来るやつなんて見たことがねぇ そして」

 

 

銅橋 「なんでテメェがそこにいるんだ オレンジ❗️」

 

鏑木 「俺には神様がついているんだ豚ァァ❗️ほるらああああ❗️追いついた箱学、京伏!これで振り出しだ しゃらああああ❗️

 

 

真波 (振り出し…)

 

 

小野田 「追いついたよ真波くん!」

 

真波 「やぁ、来たね坂道くん」

 

小野田 「許可をもらったよ 僕は飛び出して良いって 山岳賞争いして来いって 出来るよ勝負 行こう真波くん あの山の1番上まで!」

 

真波 キリッ!

 

 

山口 (勝負する為に登って来たんか インターハイで勝負を楽しむ余裕が けど残念やな 今のこの状況は…)

 

 

真波 「ごめんね、坂道くん」

 

小野田 「え?」

 

真波 「多分、君は俺とは戦えない」

 

小野田 「え?いや、大丈夫だよ 許可をもらったんだよ ちゃんと その為にここまで温存させてもらったんだから」

 

真波 「さっき、1年生の彼が言った振り出し 先頭を追って捕まえて 有力な選手が揃って スタート状態になった だけど今…」

 

 

真波 「この状況は残念だけど 振り出しじゃないんだよ 坂道くん」

 

 

小野田 「えっ?」

 

手嶋 「‼️」

 

手嶋 「気づいてるか今泉」

 

今泉 「はい!」

 

青八木 「純太!」

 

手嶋 「ああ、分かってる!」

 

鏑木 「どうしたんすか?先頭に追いついたんすから 後は小野田さんにサーッと行ってもらえばいいんじゃないですか?」

 

手嶋 「バカやろう よく見ろ鏑木 ここにいる人数を 人数が足りない ここは…」

 

 

手嶋 「先頭じゃない❗️」

 

 

鏑木 「なっ❗️って事は、前に ここより前に飛び出してるって事っすか」

 

手嶋 「箱学が2名 京伏は3名足りない 少なくとも5人の選手が前にいる! しかもその中には 新開 葦木場 御堂筋 有力選手が3名含まれてる 各チーム すでに動いた後だ」

 

 

真波 「何時間にも及ぶレースで ほんの数分数秒合わなかっただけで思い通りにはならない 出来るはずのことができない それがロードレースなんだよ」

 

小野田 「えっ?なに…言って…真波くん」

 

真波 「大丈夫、そのうちきっと その逆があるよ」

 

 

手嶋 「今すぐ動けるか今泉!」

 

今泉 「はい❗️」

 

手嶋 「小野田ァァ!」

 

小野田 「は、はい」

 

 

手嶋 「オーダー変更だ」

 

 

小野田 「え!?」

 

手嶋 「状況が想定と違った 先頭はもう動いてる こっちが予想していたよりも早く 俺たちは今 完全に遅れをとっているんだ!」

 

今泉 「・・・」

 

 

小野田 (今泉くんが前へ!?)

 

 

今泉 「・・・」

 

手嶋 「今泉と2人で榛名山を駆け上がり、なんとしてでも先頭に追いつけ!」

 

小野田 (先頭、今泉くんと え? 真波くん…)

 

真波 「・・・」

 

 バン❗️

 

手嶋 「イッケェ! 小野田ァァ!」

 

 

手嶋 「なっ!(小野…田)」

 

小野田 ( :´Д`)

 

 

小野田 「ぁ…いえ、分かってます すいません分かって…」

 

(真波 それがロードレースなんだよ)

 

 

手嶋 (小野田)

 

今泉 (小野田)

 

真波 (坂道くん)

 

 

小野田 「・・・くぅ❗️」

 

バン❗️

 

手嶋 「行けるか小野田!」

 

小野田 「はい!」

 

真波 「・・・」

 

小野田 「ごめん真波くん 僕は…僕は」

 

 

 ギュイーーーーーーン❗️

 

小野田 「先に行くよ!」

 

 

真波 (うん、分かってたよ 目的の為なら、積み上げて来たものを捨てる それを、一瞬で判断しなければならない だけど、そのひとつひとつ辛い判断を選んだ分だけ 強くなるんだよ)

 

 

真波 「参ったな これ以上君が強くなったら 次の勝負が楽しみになっちゃうでしょう?」

 

銅橋 「さぁ、真波 前引けぇ 山の向こうまで運ぶのはお前の役割だ」

 

真波 「分かってるよ 銅橋(ばし)くん」

 

 

 

小野田 「待って、今泉くん」

 

今泉 「来たか小野田 手嶋さんから状況は聞いてるな」

 

小野田 「うん」

 

今泉 「今俺たちが出来る事は ひたすら回して先頭に追いつくだけだ」

 

小野田 「うん」

 

今泉 「小野田!」

 

小野田 「なに?」

 

 

今泉 「すまなかったな 勝負させてあげられなくて」

 

 

小野田 「っ!」

 

(小野田 真波山岳くんと勝負がしたいです)

 

 

今泉 「直接聞いてたからな俺は お前の小さなわがままを 先頭に追いつくまで お前が温存して走ってる時 すごく嬉しそうにしてたからな」

 

小野田 「・・・ああ!良いんだ!元々僕はチームの為に走りたいだけだし 勝負はこの次で・・・本当は 本音を言えるなら ガッカリはしてるけど」

 

今泉 「・・・大丈夫だ まだ次がある!」

 

小野田 「ぁ」

 

今泉 「まだレースは終わってねぇぜ 俺はお前に何度も助けられた」

 

小野田 「え?助け…いや、僕はなにも」

 

今泉 「今までも、このレースでも何度でもな さっきもそうだった」

 

小野田 「え? さっき…」

 

今泉 「だから言えよ 次、やりたい事があったら 俺がお前にチャンスを作ってやる」

 

小野田 「・・・うん! ありがとう!」

 

今泉 「つーか今はレースだ もういっかいペースを上げて追いつくぞ小野田!」

 

小野田 「うん!今泉くん!」

 

 

 

 

鏑木 「ていうか 待ってください手嶋さん! おかしくないですか!? みんなそんなに山岳賞欲しいんすか? 11番とか111番とか出して 山岳にマジすぎてしょう?」

 

手嶋 「鏑木、気づいてないのか この状況になっても この2日目はちょっと特殊なんだ コースレイアウトが」

 

鏑木 「え?」

 

手嶋 「しっかりコースマップを見ていれば想像できる ここまで早く動くとは思っていなかったけどな 京伏が早々に動いたのはそいつを狙っていたからだ 箱学がエースを出したのは それを奪われたくないからだ 今日2日目、この先は山岳ラインとゴールラインが近いんだ 先行しているやつが欲しいのは山岳じゃない その先にある…」

 

 

手嶋 「ゴールだ」

 

 

 

 

 

侑 「そっか、勝負出来なかったんだ坂道くん…で、てもさ 今日のコースって 山岳ラインとゴールが近いんでしょう? って事は 早めに着けば両方応援出来て 坂道くんが山岳賞を獲る所と駿輔くんがゴールする所を見られるって事なんだよね?」

 

幹 「・・・」

 

杉元 「・・・」

 

段竹 「・・・」

 

侑 「あれ? わたしマズイ事言っちゃってる?」

 

幹 「ううん ロードレースにおいて山岳とゴールが近いって事は 戦略を変えてしまうの」

 

侑 「え? け、けどさ 山なんだし、坂道くんと駿輔くんが頑張って先に前に行った京伏の人達を止めてくれるんじゃないのかな?」

 

幹 「違うの」

 

侑 「え?」

 

幹 「先頭に近いチームが全てクライマーを出せば 今まで通り山岳賞争いになるの けど ひとチームでもエースを出せば 他のチームもそれを忠順をせざるを得なくなる 普通は山岳を競って疲弊した脚でゴールは狙えない でも 今日のコースレイアウトなら ゴールを狙える」

 

 

 

 

 

 

御堂筋 「もっと!もっとや!もっと全力で引きや木利屋くん❗️」

 

木利屋 「ハァ!ハァ!ハァ くっぅ

 

御堂筋 「後ろの箱根学園(カスバエ)を払い落とすまでぇ❗️」

 

木利屋 「うおおおお❗️うおおおお❗️

 

 

 

悠人 「京都伏見、さらに加速しました」

 

葦木場 (最初に飛び出してついた差を奴らそのまま維持するつもり…いや、もっと広めさせる気だ)

 

葦木場 「悠人、差を広めさせるな」

 

悠人 「分かってますよ しゃあああ❗️」

 

葦木場 「おそらく京伏は、今引いてるクライマーの木利屋 この山で限界まで引かせて使い捨てるつもりだ」

 

悠人 「クライマーを 捨て身っすかヤバいっすね」

 

 

 

木利屋 「み、水田さん! もう俺、脚限界です 息も 交代お願いします!」

 

水田 「っぁ」

 

御堂筋 ハァァ❗️

 

水田 「作戦あるから 色々 だからその」

 

木利屋 「変わってくださいお願いします❗️このままやと俺、インターハイリタイア…」

 

水田 「根性で!…頑張れ

 

御堂筋 「木利屋くん 泣き言は 自転車(バイク)降りてから好きなだけ言えばええよ 君には2つの道がある このまま限界まで引き続けて倒れるか 引くのをやめて自転車(バイク)から降りて回収車が来るのを待つか…」

 

 

御堂筋 「どっちにする?」

 

 

水田 (それってひとつやないかい❗️)

 

木利屋 (ええ?どっちや 俺は、俺はインターハイを)

 

木利屋 「うおおおおお❗️

 

 

御堂筋 (差をつけた そして理想的なタイミングで飛び出せた あの時、呑気な顔で追いついて来た熊第を 箱学との間に入れて 完全に油断させた)

 

***************

 

黒田 「おいこら真波」

 

 

伊勢 「ハハハハハ! 熊第の本気はこっからばい 藤原、山岳はお前に任せるばい」

 

藤原 「はい」

 

 

御堂筋 (そして)

 

 

泉田 「っ!京伏、ユキィィィ❗️」

 

黒田 「っ❗️」

 

伊勢・藤原 『え!?』

 

藤原 「伊勢さん、京伏が出とったい いつの間に」

 

伊勢 「まだ山やろ? なんでエースを出しと…」

 

 

葦木場 「悠人、出るよ!」

 

悠人 「はい!葦木場さん!」

 

 

藤原 「伊勢さん、今度は箱学ばい」

 

伊勢 「なっ!?」

 

 

黒田 「銅橋、俺たちも追うぞ!」

 

銅橋 「おう!」

 

 

熊本第一の選手たち

「どきゃんしたとねん?」

「いや、京伏が」

 

黒田 「邪魔だ熊第!」

 

熊本第一の選手たち

「なっ!なんば急に加速しよるか箱学は!?」

「危なかろうよ こっからクライマーが出て」

 

黒田 「状況見ろ!どけバカ!」

 

黒田 (まさかあいつ 盾にする為に わざと熊第を間に入れたのか)

 

 

御堂筋 「ヒィィ」

 

 

黒田 「真波も塔一郎連れて上がれ! くそ、間に合わねぇかくそ! あいつロードレースがうめぇ」

 

 

藤原 「どぎゃんすとん?伊勢さん?」

 

伊勢 「追いかけるぞ 加速すっばい!」

 

「ええ? おいはもう脚が」

 

伊勢 「なんでこぎゃんとこでエースを出しとるんや」

 

 

伊勢 「山岳賞をするんやなかったっすかああ❗️」

 

 

***************

 

 

伊勢 「結局、残ったのは おいとお前の2人だけ おいの判断でチームはバラバラ すまんたい」

 

藤原 「もう良かったい伊勢さん 後はふたりでゴールを目指すばい」

 

伊勢 「藤原」

 

藤原 「それにしても、野生の感ちゅうもんがあるんですかね あの混乱の中でたった1人だけ苦しそうな顔で京伏にピターっとくっついて行ったとですよ なんか執念みたいに感じたとです」

 

伊勢 「あいつか」

 

藤原 「昨日のゴールスプリントで僅差の同着2位やった 虹ヶ咲の赤い豆ツブ」

 

 

藤原 「鳴子章吉たい」

 

 

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