弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
幹 「先頭グループに箱根学園の葦木場さんが追いつきました」
侑 「駿輔くんと坂道くんとの差、かなりあるみたいだけど」
寒咲 「どう見る? この序盤 古賀」
古賀 「そうですね、まずは小野田が前に追いつくかどうかですね」
寒咲 「小野田が今泉に…か」
古賀 「いえ、箱根学園の2人にです 2人揃えた箱学はきっと今頃…」
今泉 「なっ⁉️」
先頭集団の箱根学園2名、加速する
「箱学が動いたぞ!」
今泉 「くそっ! そりゃそうだろうな! 今日は3日目最終日、ここ先頭がゴールに1番近い場所だ!」
加速した箱根学園に今泉と御堂筋が追いかけ、箱学2名の横に並ぶ
今泉 「待てよ 行かせねぇよ新開」
悠人 「いやあ今泉さん そういう訳にはいかないでしょ!」
今泉 (こいつ、まだ)
悠人 「仕掛けるに決まってるでしょ? 今俺たちが圧倒的に有利なんだから!」
今泉 「うおおおお❗️」
今泉 (くそっ、この序盤で確実な差をつけて先行する気か 早く、早く来てくれ 小野田!)
古賀 「もし箱根学園の2人を逃してしまうことがあれば 今日のレース 終わってしまうかもしれません」
幹 「・・・」
侑 (昨日の結果でこんなにも状況が悪くなるなんて…坂道くん)
小野田 「ハァ ハァ 登りに入った!」
小野田 「はああああ❗️」
小野田 「ハァ ハァ ハァ ハァ はっ! 見えた…」
小野田 「今泉くん❗️」
今泉 「小野田❗️」
御堂筋 (ほぉ〜 坂道)
追走の小野田、今泉と合流する
小野田 「追いついた…けど、箱根学園がいない!」
今泉 「ああ、いかれた」
***************
悠人 「るっしゃああああ‼️」
今泉 「クソォぉ!」
悠人 「先いきますね! この先の登りが終われば長い下りなんで 時速80キロで!」
***************
今泉 「お前を待ってペースを上げられないのも、御堂筋との協調もしない事も読まれてた」
御堂筋 ( °з°)
小野田 「ごめん! 僕が追いつくのが遅かったから」
今泉 「いや、ギリギリ大丈夫だ 俺の後ろにつけ 景色は見るな 俺のギアと速度と加重移動をそっくり真似ろ」
小野田 「へぇ!?」
今泉 「まだ捕まえられる差だ! よくこのタイミングで追いついて来てくれた 坂道!」
小野田 「‼️」
今泉 「急ぐぜ 今からお前は、お前の知っている以上のスピードでこの山を下る 一度ミスすれば路肩に吹っ飛ぶ 命懸けのハイスピードダウンヒルだ!」
小野田 (下り、ダウンヒル!)
今泉 「覚悟しろ 今から時速90キロまで上げる」
小野田 「きゅうう⁉️」
小野田 (そんなの車のスピードじゃないか! でも、いかないとならない 前に 箱根学園に!)
小野田 「うん、行こう❗️」
今泉 「ヨシ! いくぞ❗️」
御堂筋 「ほぉ〜」
小野田 (速い! 景色が後ろに吹っ飛ぶ コーナーがすぐ来る)
ザアアアア❗️
小野田 (うあああ! 斜めだ 遠心力を感じる 落ちるみたいな速度で曲がってる! こんな速度で曲がった事ない でも、今泉くんに動きを 合わせて 行く! フルブレーキ!)
ギュッ! キィィィィィィ!
小野田 (コーナーがすぐ来る ギリギリだすごい! 早送りみたいだ 速い! 怖い!)
小野田 (けど、少し怖くない 今泉くんの背中を見ていると)
今泉 「まだ行けるか坂道!」
小野田 「あっ うん! 今泉くんの背中はいつも 安心感があるから だから大丈夫!」
今泉 「はぁ!?」
小野田 「いつも、こっちに来いよって言ってるみたいで」
今泉 「ぁぁ」
小野田 「なんていうか、いつも 優しく引っ張ってくれるから」
今泉 「今言う事じゃねえな」
小野田 「ハァ❗️だよね、ごめん!」
今泉 「いや、違うか レース中に言いたくなったんだな それは言うべきだな」
小野田 「え?」
今泉 「ロードレースは時間の流れに揺れる 常に目まぐるしく経過して戻ることはない そん時思ってることって そん時しかないんだよ実際 ありがとよ さっきの言葉 励みにするよ まぁ、俺は大して優しくないけどな」
小野田 「はぁぁ そんなことないよ!」
今泉 「さぁて、ようやく見えて来たぜ 箱根学園!」
葦木場・悠人 『っ!』
悠人 「ヒュー、嘘でしょ この下りで差を詰めて来た」
葦木場 「ああ、しかも2人になってる」
悠人 (俺はきっちり80キロで上げた それ以上のスピードで下って来たのか虹学 マジっすか 人のプライド何回傷つけんだよインターハイってのは)
悠人 「んじゃ! もう一回速度を上げて引き離しましょうか しゃあああ!」
葦木場 「やめとけ悠人」
悠人 「・・・」
葦木場 「2対2になった これ以上やっても消耗するだけだ しばらくは巡航してチーム本体を待つ」
悠人 「・・・了解です」
追走の虹学と箱学の集団
審判車のサインボード
先頭 11,16 ← 1, 2
手嶋 「先頭4名!」
鳴子 「やりおった! 小野田くん!」
鏑木 「ざまぁ見ろ箱学 ベロベロベェー! 虹学の実力思い知ったかぁ〜」
手嶋 「辞めといた方がいいぞ鏑木」
鏑木 「え? なんでですか? ロードレースはチームスポーツです 敵味方ははっきりさせた方がいいですよ! ん?」
黒田 「・・・」
青八木 コクッ
鏑木 「ああああ⁉️ 言ったそばからなんすか青八木さん!? 敵の参謀なんかと話しなんかして! こら! 青八木! 離れてください!」
青八木 「交渉成立だ」
手嶋 「うん」
鏑木 「はぁ? 交渉?」
箱学銅橋、鳴子と鏑木の間に入る
鏑木 「なっ❗️ ちょ、手嶋さん! 箱学の豚が前に」
黒田 「邪魔するぜ」
黒田は手嶋と青八木の間
鏑木 「はぁぁ!? っ!」
泉田 「アブだよ」
泉田は鳴子と銅橋の間
鳴子 「かっかっか!」
鏑木 「鳴子さんまで!」
真波 「やぁ、君が坂道くんが言ってた元気な1年生だね?」
鏑木と手嶋の間に真波が入る
鏑木 「ち、遅刻の人まで!? なんなんすかこれ!?」
手嶋 「協調だよ」
手嶋 「自転車は一緒に走る人数が多ければ多いほど 速度を増す 2人より4人 4人より8人 人数が多いほど 楽に、速く、遠くへ行ける 利害が一致すれば たとえ敵同士でも協力してレースを有利に進める それが協調 小野田と今泉が状況を五分にした 今のこの状況では 俺たちも箱学もなるべく早く先頭に行って チームを揃えたいんだ」
鏑木 「‼️」
手嶋 「経験なかったか?」
鏑木 「あ、はい 初めてですよこういうの つまり、先頭に着くまでの間 箱学の皆さんは仲間 チームメイトって事ですね」
手嶋 「ああ、そうだ」
鏑木 「なんかこれ、燃えますね! ワクワクしますね! 俺、虹学1年鏑木一差っす! へへっ カブトムシ飼ってます!」
ガシッ❗️
ヘルメットを鷲掴みされる鏑木
銅橋 「なぁにはじゃいでんだテメェ さっき俺たちに何をしたか覚えてねぇのか」
鏑木 「うん?」
(鏑木 ベロベロベェー!)
鏑木 「・・・あっ」
銅橋 「テメェ❗️ぶっ飛ばすぞオレンジ❗️ブルラアア‼️」
鏑木 (こう言う事だったのかー)( ̄◇ ̄;)
銅橋 「さっさと前を引け」
鏑木 「あっ はい!」
鏑木 (やばい、テンション上がる なんだこのドリーム感 敵だった皆さんと一緒に同じチームとして走る 銅橋さんや参謀、遅刻の人に泉田さん テンション上がる これが協調 面白え 自転車って面白え! やっぱいるんだな 神様って)
青八木 「・・・」
青八木 (しばらくは大丈夫か)
黒田 (ここまでは順調だ とりあえずこの先、考える障壁は…ない)
さらにその後ろ
「京都だ!」
「京伏の後続が来た!」
「どうして虹学や箱学との協調に乗らなかったんだ? 明らかにペースが遅い」
「先行している2人にもまだ合流できていないし」
「何か戦略ミスでもあったのかな?」
船津 「山口さん! このままじゃ前に逃げられますよ! 俺と山口さんはスプリンターですけど 向こうのほうが数が多い」
船津 (小鞠は 昨日スプリント戦ったけど スプリンターがどうか分からんのや 俺の質問にも答えへんし)
岸神 「えっ、何か言いましたか 船津さん」
船津 「お、お前がスプリンターだかなんだか わかんねぇって言うたんや」
岸神 「ああ・・・」
船津 (やっぱ答えへんのかい)
船津 「ねぇ山口さん、これホンマに作戦通りなんですか!? もしかして俺たち 見捨てられたんとちゃうんですか 御堂筋くんに!」
山口 「・・・」
船津 (ああ! リアクション薄いこの人! ホンマ三等兵みたいなひとやなぁ! 俺の方が絶対モテる)
船津 「だってそうでしょう! 頭坊主にまでされて! 聞いてないっすよ! あいつ聞いてない事ばっかやるんや! 優勝したのに坊主なんて聞いた事ないなぁ! 喜び合うやろ普通! あいつホンマに何考えたんのヤァ!」
船津 「ぁぁ、マジ伸ばしとったんですよぉ〜 この髪」
山口 「言いたいことは…」
山口 「言うたか」
船津 「⁉️」
岸神 「・・・」
山口 「いうたならおとなしく走れ このままのペースで 今はフェイズの発動中や」
船津 「え!?」
山口 (必ず完遂して見せる このフェイズ これでええんやろ)
御堂筋 「ヒィ」
山口 (御堂筋)
学園のバス内
しずく 「駿輔先輩と坂道先輩が追いつきました」
愛 「すごいじゃん! ふたりとも!」
彼方 「これで一安心だねぇ」
璃奈 「あっ見て 先頭に追いついた途端 後続のウチと箱根学園が一列に並んだよ」
果林 「これは?」
歩夢 「これ、1日目のゴールの時 駿輔くんが箱根学園の人達とやった」
せつ菜 「協調ですね!」
かすみ 「協調?」
エマ 「みんな仲良しになって一緒に走る事だよ」
せつ菜 「坂道さん達が追いついた事で状況が五分になったって事ですね これから箱根学園の方達と一緒に先頭を目指す事になるんですね」
果林 「じゃあそれまではチームメイトってことね」
かすみ 「はじめて知りました」
しずく 「でも先頭に追いついたら」
璃奈 「また敵同士」
愛 「いいじゃん! そこからまたみんなの全力の走りが見られるんだから」
彼方 「そうそう、それに今日は…」
エマ 「みんなそれぞれ見たい場所で降りて レースを見るんだよね」
歩夢 「みんなと一緒にゴール見られないのは残念だけど」
かすみ 「だって今日は最終日ですよ? 平坦も山も誰かが獲るところみたいじゃありませんか」
エマ 「そうだね」
果林 「みんな、それぞれの想いがあるから」
せつ菜 「だから最後まで、精一杯応援しましょう」