弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
3日目スタート前
誰もいない会場近くの雑木林
御堂筋 「んで? 話しいうんは何なん? ええと?」
山口 「伊勢や、熊本第一キャプテンの」
御堂筋 「熊本…伊勢くん? ああ、昨日利用させてもろうたあの…」
伊勢 「・・・そうばい お陰でおったちのチームはバラバラ 集団に呑まれてゴールするしかなかった」
御堂筋 「まさか文句を言いに来たん? あれは勝負や 恨むんやったらその先の展開を読めんかった自分たちに恨みぃや」
山口 「御堂筋、それは」
伊勢 「その通りばい」
山口 「えっ」
伊勢 「全ては俺たちの…いや、俺の責任だ 九州の名門熊本第一の一員でありながら このまま何もできず不甲斐ない戦績で終わってしまう そっだけは絶対に許されんのだい! だけん! 頼む!」
御堂筋に頭を下げる伊勢
御堂筋 「ほぉ〜」
伊勢 「御堂筋、お主は策士や 昨日の混乱に乗じて優勝を手にした そんなお主なら分かっとなか 俺たちのこの状況をひっくり返す方法が!」
御堂筋 「方法? ほうほう? ホー❗️ホー❗️ホー❗️」
伊勢 「!?」
御堂筋 「そんなん自分で考えや 言うたやろ? これは勝負や 僕が何かを教える義理はないよ・・・って言いたいとこやけど」
伊勢・山口 『っ!』
御堂筋 「しゃあないな 君らには借りいうのがあるみたいやし、教えたってもええよぉ〜? 状況をひっくり返す方法が ただし、ひとつ条件があるんや」
伊勢 「条件…」
御堂筋 「ヒィィ」
{さぁ! いよいよ最終集団のスタートです!}
「ようやく最終集団のスタートか」
「トップとは大分差がついてるなぁ」
「ああ、あの中の誰かが先頭に追いつくというのは 正直無理だろうな」
最終集団
伊勢 「諦めんな❗️皆聞け❗️俺は熊本第一キャプテン伊勢慎哉や❗️」
「伊勢?」
「肥後の鬼軍曹か」
「なんだ? こんな時に」
伊勢 「今からこの集団は 俺が指揮官な!」
『ええ!?《はぁ!?》』
伊勢 「こっから先は集団作って協調して 心をひとつにして前を追っかけるぞぉ!」
「前?」
「先頭のことか?」
伊勢 「そうぎゃんたい! 今日は最終日 力を出しきれ! 力を合わせて先頭に追いつくぞ! 福岡城聖、山口代表山際、奥谷 新潟上越矢倉丸 地元栃木代表宇都宮中央、土佐海高校清水! 皆このままでは終われんやろ 最後のインターハイやぞ! 俺たちの底力 見せつけてやるぞ!」
「先頭って本当にやれるのか?」
「けど失うものがないっていうのは本当だ」
「これだけの人数がいれば行けるんじゃないのか?」
「そうだ、この集団なら」
「先頭に!」
「先頭に!」
「やるぞ!」
「俺たちの意地をみせてやる!」
伊勢 「よぉ〜し! その意気ばい! 速度を上げっぞぉ!」
大集団 『おおおお‼️』
鏑木 「ひょぉ〜! 気持ちいい! 待っててくださいよぉ? 今泉さん、小野田さん この協調「超特急鏑木号」がすぐに追いつきますよぉ〜」
銅橋 「ブルラアア! テメェオレンジ! 何が鏑木号だ 勝手に名前つけんじゃねぇ!」
鏑木 「へへっ 細かいことは良いじゃないか 銅橋くん」
銅橋 「さん! だ!」
おおおお❗️
「速え!」
「去年優勝の虹学と王者箱学が協調してる!」
泉田 「幸、後ろの動きをどう見る?」
黒田 「っ?」
泉田 「最終日は大集団が出来やすい もし彼らが意思をひとつにして追いかけて来たら」
黒田 「心配し過ぎたな塔一郎」
泉田 「去年、それで大きな混乱があったからね」
虹学・箱学追走集団より後ろ
河原 「いいか? 文哉、石丸」
印代・石丸 『はい!』
河原 「俺たちは今、箱学、虹学、京伏に続く4チーム目だ 1日目の山岳では脚が止まってしまったが、昨日の榛名山ではこの脚を生かして良い位置でゴールした ここからならまだ先が狙える」
印代・石丸 『純平さん!』
河原 「行こう! 最終日、山形最上の底力見せてやろう!」
印代・石丸 『はい❗️』
ザアアアア‼️
印代 「えっ?」
石丸 「この音は? 集団!?」
印代 「嘘だろ!? こんなに速く」
伊勢 「フッ! フッ! フッ! フッ!」
***************
伊勢 「条件?」
御堂筋 「君らはピラニアや」
伊勢 「えっ」
御堂筋 「アマゾンにいる魚や 鋭い複数の歯を持った」
伊勢 「ぉ、おう」
御堂筋 「まぁピラニアって言っても所詮は雑魚や どんなに鋭い歯を持ったとしても1匹やったら簡単に追い払われてしまう でも2匹やったら 3匹やったら 4匹、5匹、20匹、50匹やったら?」
***************
印代・石丸 『あっ! あっ!』
印代・石丸 『うわああああ‼️』
山形最上2名、集団に呑まれてる
河原 「くっ! この集団に呑み込まれたら」
(御堂筋 1匹1匹大したことはない 集団になると怖いんよピラニアは)
伊勢 「喰らいつくせぇぇ❗️」
河原 「うっ うわああああ‼️」
「よし! また1人捕まえたぞ!」
河原 「ハァ ハァ ハァ」
「いける! この調子ならいけるぞ!」
伊勢 「もっとばい! もっとペースを上げっゾォ!」
大集団 『おおおおお‼️』
青八木 「・・・」
鏑木 「どうしたんですか? 青八木さん 落とし物でもしたんですか? 補給食はちゃんと背中のポケットに入れておかないと あっ もしかして集団を気にしてるとか? 大丈夫っすよ 俺たちは10分以上つけて前を走っているんです いくら集団でもひっくり返せないでしょう」
青八木 「・・・」
真波 「・・・っ 風向きが変わった」
鏑木 「安心してください 何も起こりませんよ なぜなら、この「超特急鏑木号」は」
銅橋 「ブア!」
鏑木 「楽しくて速いからです! それって最強じゃないですか? すぐに先頭に追いついてチームに合流っすよ おお! ほら、見えましたよ」
鏑木 「ふたり」
鏑木以外 『⁉️』
鏑木 「ハハッ やっぱ2人じゃこの超特急には敵いませんねぇ 追い抜きましょう サクッと 昨日頑張ってたのになぁ 頑張り過ぎたんすね ついていけなくて 先頭から落ちてきたんですよ」
鏑木 「京伏は!」
鳴子 「御堂筋!」
黒田 「なっ!?」
泉田 (昨日、2日目優勝の御堂筋が!)
鏑木 「この2人を抜いたってことは 先頭はもうすぐですよぉ〜 おっと京伏、協調? ノンノン この列車には乗せないゼェ ハハッ後から来いよぉ〜 来れたらなぁ!」
鳴子 「っく!」
鳴子、列から出て御堂筋のところまで下がる
手嶋 「鳴子!」
鏑木 「えっ!? 鳴子さん!?」
泉田 (鳴子?)
鳴子 「コラァ❗️ボケワカメ❗️」
水田 「げっ 虹学」
鳴子 「マジか マジ落ちかぁ!」
御堂筋 「鳴子、ええの? 列から出て? おたくの列車行ってまうよ」
鳴子 「ちょっとの間や! お前に話したらすぐに戻る! ついていけんなったのか 昨日、脚を使い過ぎて動けんなったのか!」
御堂筋 「なぁに? ブブブッ 心配でもしとんのぉ? 僕のことを?」
鳴子 「しとるから言うとんしゃあ❗️」
御堂筋 「ぁぁ?」
鳴子 「敵は強ないとおもろないやろ! 体調悪いとか 脚の具合とかで勝負ついてもつまらんやろ! 1日目はお前と同着2位で 昨日はお前が策略巡らせてゴールをもぎとって それ聞いてメチャむかついて腹たったけど その後すげえ奴やと思ったわ 素直に ワイは!」
鏑木 「鳴子さん! そんなやつほっといてください! 行きますよぉ〜!」
鳴子 「策略やったら受けて立つ! けど、ホンマに力に及ばすそのまま落ちてレースが終わる言うんなら!」
御堂筋 「なら?」
鳴子 「たこ焼きに丸めてお前を食うたる! 去年の冬、ワイはお前に負けた 負けて泣いてスプリンターを捨てた! お前に勝ってそれを取り戻す そのつもりで積んできた今まで! それがこんな形で終わるんやったら 寝付き悪うくてよう眠れんのじゃボケ!」
御堂筋 「ゆっくり寝たらええや 勝者は一種、勝負のプレッシャーに」
鳴子 「はぐらかすなや御堂筋❗️」
手嶋 「鳴子上がれ❗️もう限界だ❗️」
鳴子 「くっ、くそっ! ほななワカメ」
御堂筋 「ほなな 豆トサカ」
水田 「しっかし何やの今の? どうかしとるなあいつ レース中にわざわざ列から離れて話しをしにくるなんて っは 初めてやないかい? 御堂筋くんの事を心配する奴なんて あれ、本気やったで」
御堂筋 (豆トサカ、僕はここで落ちる 確かにそれは事実 せやけど…安心せぇや鳴子 この事実 すぐにひっくり返したる)
学園のバス内
歩夢 「見て、京都伏見を抜いたよ」
愛 「ここで抜いたってことはもうすぐ坂道たちと合流出来るって事だよね」
果林 「もうそこまで来ているのね」
せつ菜 「う〜ん・・・」
エマ 「どうしたの? せつ菜ちゃん?」
せつ菜 「昨日優勝した御堂筋さんをあっさりと…何かありそうですね」
エマ 「え?」
愛 「考えすぎだよせっつー 何も起きないよぉ〜」
かすみ 「昨日の疲れが残ってたんですよ きっと」
愛 「そうだよぉ〜」
せつ菜 「・・・そうですね 私の考え過ぎですよね?」
彼方 「そうそう、何も起きないよぉ」
ザアアアア‼️
船津 「ちょっ! 山口さん!? 集団すぐ後ろまで迫ってますよ!」
山口 「船津和歩」
船津 「っ!」
山口 「岸神小鞠」
岸神 「ん?」
山口 「フェイズNo.99や 俺たち京伏追走隊はこのまま巡行や」
船津 「巡行って」
山口 「俺に運命預けろ!」
ザアアアア‼️
京伏3名、集団に呑まれる
船津 「ハァ! ハァ! ハァ! 何がフェイズや 何が運命や 結局何も出来んまんまやないか! 坊主何様やぁ! くっ!」
山口 「船津、顔を上げろ」
船津 「え?」
山口 「まだ終わってへん いや、俺たちのフェイズはここからや」
船津 「え!?」
山口 「伊勢」
伊勢 「来たか山口」
山口 「ああ、ここからは俺らもピラニアの一員や 一緒に前を追うぞ」
伊勢 「おお!」
「来たってなんだ?」
「俺たちが呑み込んだんだろ?」
「いや、あの感じ…違うぞ」
「待ってたのか、俺たちが追いつくのを」
山口 「聞け! 今からこの集団の指揮は俺がとる この京都伏見、山口紀之が!」
「京伏の山口?」
「あいつ、あんな事を言うような奴だったか?」
「どうだったかなぁ? というか、どんな奴だったかまるで記憶にない」
「俺もだ、あいつ目立たないからなぁ いつも御堂筋の影で隠れててさぁ」
『御堂筋?!』
山口 「大堀、矢倉丸」
大堀・矢倉丸 『っ!』
山口 「2分や 2分間ふたりで先頭を引け!」
大堀 「えっ?」
矢倉丸 「いきなり何を命令してんだ?」
山口 「2分後には俺も引く それで文句はないやろ?」
大堀 「わ、わかった」
大堀・矢倉丸 『うおおおお‼️』
「きっとそうだ!」
「これは山口の独断じゃなく」
「御堂筋の作戦だ!」
藤原 「伊勢さん、今の話し本当ですか」
伊勢 「そうばい 今日のスタート順だと、先行の御堂筋はアシストとふたりで走ってることになる 数を揃えた箱学と虹学と比べると圧倒的に不利 かと言って 後続と合流してすっためにペースを落とせば当然前に置いて行かれてしまう そいつを最小にするために 俺が集団のペースを上げ、山口達と合流 その勢いのまま御堂筋のとこまで目指す」
藤原 「その作戦通り、御堂筋と合流した後はどうなるとですか」
伊勢 「先頭を目指すことになっだろう」
藤原 「先頭!?」
「いける! いけるぞ!」
「ああ、このまま山口の指示に従っていれば」
「御堂筋に、そしてその前」
「本当に先頭に追いつける!」
山口 「変わる」
大堀 「ああ」
矢倉丸 「少し休ませてもらうぞ」
山口 「船津、遅れるな」
船津 「ええ!?」
山口 「俺の次はお前や ええか? すぐ交代する」
船津 「えっ! ちょ!・・・あの人、人が変わったみたいやな小鞠」
岸神 「・・・」
船津 (ちっ! ホンマに話しが通じんなぁ!)
山口 「船津交代や」
船津 「ああもう分かりましたよ! うああああ❗️」
山口 「ハァ ハァ ハァ」
***************
御堂筋 「伊勢くんのお陰で微調整が必要になったけど 君のやることには変わりはないよぉ〜 昨日話した通りや 山口くん?」
山口 「分かっとる」
***************
山口 (これで これで満足か 御堂筋!)
山口 「先頭変われ 俺が引く! うおおおお❗️」
御堂筋 「ピチピチピチピチピチピチ」
水田 「え? なんか言うたん? 御堂筋くん」
御堂筋 「聞こえる 雑魚の音が」
水田 「え? っ?」
ザアアアア‼️
水田 「っな⁉️」
御堂筋 「集団…雑魚の集団」
水田 「っな⁉️山…が、何で集団を引いとるんやぁ⁉️」
御堂筋 「いいや、雑魚やない あれはピラニアの大群や」
水田 「えっ? ピラ? 何やのそれ」
御堂筋 「君は知らんままでええ ペース上げるよ」
水田 「え! ちょまぁ」
山口 「ハァ! ハァ! うおおおお‼️」
山口 「迎えに来たぞ御堂筋! ハァ ハァ ヒィ」
御堂筋 「待っとったよぉ〜山口くん ほな…」
御堂筋 「行こか❗️」
泉田 「手嶋くん、ちょっといいかな?」
手嶋 「泉田」
泉田 「時期にこの協調集団は先頭4名に追いつく そうなれば再び敵同士」
手嶋 「なんだ? その前におりいって話しか? 女の子なら紹介出来ねぇぜ」
泉田 「君に謝っておこうと思ってね」
手嶋 「っ?」
泉田 「1日目の非礼を 僕は1日目の山で君の事を過小評価した だが君は真波と正々堂々と戦いを挑んだ 誰もがそう簡単にできる事じゃない 君は強く勇気のある男だ 謝るよ すまなかった 虹ヶ咲は強いキャプテンを選んだ」
手嶋 「よ、よせよ 顔から火が出る 俺が出たのはたまたまさ」
鳴子 「ヒヒッ!」
青八木 「・・・」
ザアアアア‼️
青八木 「っ! ・・・ 」
青八木 「車輪の音だ」
鏑木 「え?」
手嶋・泉田 『っ!』
・ ・ ・
鏑木 「誰もいませんけど?」
鳴子 「っ!」
手嶋 「いや、聞こえる 大量の車輪の音だ」
ザアアアア‼️
山口 「ハァ ハァ ハァ ハァ」ニカッ
虹学・箱学追走組 『⁉️』
御堂筋 「・・・」
御堂筋 「へァァァ❗️」
手嶋 「っ⁉️」