理由は白狼の紹介を1話でおわらせたかったからです。
「白狼・・・これが俺の専用機か」
「はい!大i・・・一夏くんのために作られた、一夏くんだけの専用機です!」
シュレディンガーは頭に生えてる猫耳をピコピコと揺らしながら自慢げに話す。
「白狼はドイツ軍での一夏くんのISの動きを見た我が倉持技研の研究者が、ファーストシフトをしてないラファール・リヴァイブでは一夏くんの反応速度について来られないと気づきました。そこで、一夏くんの身体能力、反射神経、感覚神経に完璧についてこられるように造られています!」
人差し指を上に立ててシュレディンガーは白狼について紹介していく。
「また、白狼は最速かつ最強の攻撃力をコンセプトに作られたISで、他のISに比べるのもおこがましいほどの加速力、速度を誇っています!」
「最速か、大体どのくらい速いのだ?」
千冬姉さんの質問に対して、シュレディンガーはその質問を待っていたかのように笑顔で質問に答える。
「そうですね、速度をより上げるためにデッドウェイトになりそうな装甲を極端まで減らして、小型ながらも従来のブースター並、もしくはそれ以上の速度をだせるブースターをあらゆる所につけています。速さはあくまで予測データですが、この白狼は通常の速度でも第二世代ごとき・・・いえ第三世代のイグニッションブーストより速いというのが我々倉持技研のデータから出た答えです!」
「そ、それは凄いな・・・」
かつてISに乗っていた千冬姉さんはシュレディンガーの答えを聞いて、目を見開き驚く。その驚きを見て、シュレディンガーは友達に新しいおもちゃを自慢するような顔を見せるが、その後落ち込んだ顔をして猫耳もシュン・・・と垂れてしまう
「まあ、余分な装甲が無いという事は、防御力が極端に低いという解釈も出来ますが・・・。被弾した場合間違いなく絶対防御が発動されます。また装甲が薄いので被弾した場合、他のISよりシールドエネルギーの減りが早いのも事実です。」
落ち込んだような顔を見せるシュレディンガーだが、すぐに明るい表情になり、猫耳もシュレディンガーの感情を表すようにピコピコ跳ねている。感情の起伏が激しいやつだ
「まあ、一夏くんの身体能力などを見て"多分当たらないだろうから大丈夫でしょう"という白狼製造プロジェクトのリーダーの見解の下に製造されたので、このISは被弾をせずにその速さと攻撃力で敵を倒すのが前提ですね!この機体をわかり易く説明すると、最速!高火力!紙装甲!ですね」
ISの説明を終わらせたシュレディンガーは俺の手を取ると、白狼の目の前まで歩いていく。
「口で言うより実際に見た方が早いでしょう、百聞は一見に如かずという日本のことわざがありますしね!一夏くん、実際に白狼に乗って下さい!それに乗っていくうちにファーストシフトが行われていくので!それではどうぞ!」
俺はシュレディンガーに指示されながら鎮座している白狼を身に纏う。白狼は俺の体に吸いつくように全身を覆っていく。白狼が身に纏われ、俺は確かめるように手を握ったり、離したりしてみる。それを見た千冬姉さんは指導する者の顔になる。
「一夏、ISの飛び方は覚えているな?準備運動代わりに飛んでみろ。飛んでいくうちにISのファーストシフトが終わり、そのISはお前に適したものになっていく」
「・・・・・」コクッ
白狼と共に俺は空へと舞い上がる。そしてある程度の高さになり、速度、方向などを変えながら、大空を舞う。良い機体だ。俺の思った通りに動いてくれる。だがまだ遅いな。数十分ほど飛んでいると目の前に"ファーストシフト完了"の文字が映る。その文字と同時に白狼の色が変化していく。色は白から白銀へと代わり、口元が狼の牙が描かれたフェイスマスクに覆われる。
「どうやら、ファーストシフトが終わったようだな。これから私が指示を出す。一夏はその通りに動いてみせてくれ」
「・・・・了解」
インカム越しに千冬姉さんの指示を聞き、俺はその通りに動いて見せる。これはいい・・・ファーストシフト前の頃もなかなかだったがファーストシフト後は完璧に俺の思ったとおり動いてくれる。
「(これは速いな・・・)よし、中々良いな。次は武装確認だ。シュレディンガー、今ある武装は?」
「はい、今白狼に積んである武装はオートとセミオートに切り替え可能な貫通力と射程距離において優秀なロングモーゼル。そして白狼最大の攻撃力を持つ破狼ですね。本当は近接ブレードがつくはずでしたが(誰かさんが急かすから急いで持ってこなきゃいけなかったので)まだ調整中で今回は持ってきてません。」
「そうか。一夏、これから様々な場所に的を出す。それらをロングモーゼルで撃ち抜け」
「・・・了解」
千冬姉さんが合図のフィンガースナップを鳴らすと様々な距離、場所から的が現れる。
俺はロングモーゼルをセミオートに切り替え、的を全て撃ち抜く。ロングモーゼルは白狼のおかげか大きな弾丸を撃っても反動は殆んど感じられなかった。
「全弾命中・・・よくやった一夏。どれも的の真ん中を打ち抜いている。このデータだけなら、お前の射撃精度は世界トップクラスだ」
「(そりゃ大尉はあらゆる戦闘でミレニアム最強だからな~・・・。動かない的を当てるなんて雑作も無いよ)」
「よし、射撃は一旦終了だ。次に破狼を試す。」
「はいはーい!破狼のテストに関してはこちらで用意した物を攻撃して下さいねー!」
シュレディンガーはカッコつけようと、千冬姉さんみたいにフィンガースナップを鳴らそうとするが、千冬姉さんみたいなパチンッという音は全く聞こえなかった。俺は一旦地面に降下してシュレディンガーの前に立ち、シュレディンガーの肩に手を置く。
「・・・・ダサい」
「ブフッw・・・・失礼。」
俺の言葉を聞いた千冬姉さんが笑いを堪えられず吹き出してしまった。シュレディンガーは恥ずかしそうに顔を赤くしながらリモコンを取り出す。
「きょ、今日は調子が悪いだけだよ!いつもはパッチンって鳴るんだよ!?」
フィンガースナップに調子なんてあるのか?
シュレディンガーがリモコンを押すとアリーナのシャッターから巨大な全長数メートルの金属の塊が運ばれて来る。
「この金属はラファール・リヴァイブが纏っている金属と同じものです。これに破狼を当てて見せて下さい!」
「・・・了解」
俺は武装欄から破狼を選択する。すると白狼の脚部分に白いオーラが立ち上る。シールドエネルギーのゲージを見るとシールドエネルギーが減っているのがわかった。俺は金属の塊まで歩き、金属の塊を本気で蹴りとばす。
すると蹴られた金属の塊は一瞬で粉々に砕けちった。
・・・こいつは強力すぎる・・・!
「破狼はシールドエネルギーを消費してシールドエネルギーを破壊エネルギーに変換します。それにより白狼の脚部分に白いオーラのようなものが立ち上っていますね?それは白狼の破壊エネルギーそのものです。また破狼発動によるシールドエネルギーの消費は任意で変更可能です。勿論、より多くのエネルギーを消費した方がより相手に与えるダメージは多くなります!白狼に一夏くんの蹴りが合わされば白狼は最強の攻撃力を持つんです!ですがこの破狼にはやっかいな点があって、破狼の発動時間はおよそ十数秒。これは破狼の破壊エネルギーは諸刃の剣で、長い間発動しているとその破壊エネルギーが脚から上半身にまで伝わってしまうため、余計にシールドエネルギーが消費されるのを防ぐためです。破狼の破壊エネルギーが耐えられるのは破壊エネルギーを出している脚部分だけなのです。」
ここでシュレディンガーは、
「そしてここが破狼の最大の厄介点なのかもしれんのです。」と付け足す。
「より効率的に相手を破壊するための条件は相手に触れなければいけないんです。それにより、敵データを白狼が触れて奪い、手に入れいなければいけないんです。効率的な破壊のためには、破狼発動前に一度接近し、破狼を発動して十数秒以内に接近して相手を攻撃しないといけないんです。勿論触れる前にも破狼は発動可能ですが、触れる前と触れた後では相手に与えるダメージが段違いなんですよ。今回の破狼には予め、ラファール・リヴァイブのデータを与えたので触れる必要はありませんでしたけど。」
でも、とシュレディンガーは俺を指指し笑顔を向ける
「僕は、一夏くんの能力ならその条件すら簡単にクリアしてくれると信じています。(ていうか大尉なら触れる前の破狼でも相手のシールドエネルギーを大幅に減らすことができると思うけど)」
シュレディンガーが破狼の仕組みについて詳しく説明する。この威力を体験した俺は勿論、金属の塊が粉々に砕け散ったのを見て、さすがの千冬姉さんも目を見開き驚きを隠せないでいた。
これが俺の専用機最強の武装・・・
厄介な点を持つが、最強の攻撃力を持つというコンセプトを持つのも納得できる。
その後、ある程度落ち着いた俺と千冬姉さんはこの機体を使いこなすため。千冬姉さんの指導の下、訓練に励んだ。
今回シュレディンガーが敬語を話しているのは久々に大尉に会って緊張しているのと、世界的に有名なブリュンヒルデに対して失礼の無いように注意してるからです。
初めてこんなに長く書いたな・・・疲れた。
破狼の触れる前と後の威力を大尉の蹴りに例えると
触れる前の破狼は相手の体の骨が数本折れて、最悪内臓が破裂します。
しかし触れた後の破狼は相手の体を骨や内臓全てミンチにします。
それくらい違います。あくまで例えです。