しかし名言は偉人が言うからカッコいいんですよ
私みたいなのがいっても「は?」って言われて終わる。
偉人だからこそ積み重ねられた人生の言葉に重みがあるんでしょうね。
更新できないと言ったな、ありゃ嘘だ。
多分更新速度は落ちます。
クラス代表決定戦が終わり、数時間経った今。一年一組は学生食堂を貸切り、クラス代表決定のパーティを行っていた。テーブルに並んだ皿にはところ狭しと並ばれており、一年一組の生徒たちは紙皿を片手に好きな物を食べていた。晴れてクラス代表になった大尉の周りには女子たちが集まっていた。
「織斑くん、おめでとー!」
「いやー、強かったね!男の意地っていうのかな?カッコよかったよ!」
女子たちは大尉を褒め称えるような言葉を言うが、大尉は興味があまり無いのか、小さく頷いて皿に並んだ料理を黙々と食べていた。隣には箒が座っていて、大尉の紙皿に大尉が好きそうな料理を盛っていた。近くには保健室から出たばかりの、身体の一部に包帯を巻いていたセシリアが座っており、何か言いたげに大尉の方をチラチラと見ていた。
「あ、あの!」
決心がついたのか、セシリアは急に立ち上がり大尉の方へ歩いていき、大尉の目の前に立つ。大尉はセシリアに気づき、箸を置いて立ち上がり、セシリアを見つめる。
「一夏さん、あなたとの闘いで私は今までの自分から変わることが出来たような気がしましたわ。ありがとうございます、目が覚めたような気分ですわ。」
「………………」
セシリアは大尉に深くお辞儀をする。大尉は静かに頷き、セシリアの頭に数秒手を置いて再び自分の席に座り、料理を食べ始めた。セシリアはそんな大尉を見て、大尉はもう自分を許し、認めてくれたと感じ、小さくありがとうございますと呟いて、クラスメイトの方を見る。一年一組の生徒はセシリアの何か決心したような目を見て、手に持っている物を置いてセシリアに向き合う。セシリアは深呼吸を一回して、口を開く。
「クラスメイトの皆様。多くの方が日本人だと思います。先週、私は貴方たちが生まれ育ってきた国を酷く貶しましたわ。一夏さんと闘って自分を見つめ直して、私は自分が如何に傲慢で愚か者だったのか理解する事ができましたわ。謝って済む問題では無いのかもしれませんけど、本当にすみませんでした。」
セシリアが再び頭を深く下げると一年一組の女子たちの誰かが「顔を上げてよセシリア」と言った。セシリアは言われるがままに顔を上げると、一年一組の女子たちはセシリアにいつも通りの女の子らしい、友だちと向き合うような微笑を浮かべていた。
「オルコットさん、気にしなくていいよ。私はそこまで愛国心を持った人じゃないし、特に怒るような気持ちは無いよ。」
「あの時一番怒っていた織斑くんが許してたんだから、私たちだって許さないとダメでしょ?」
「それに日本が文化遅れてるの事実かもしれないしねー」
「そうそう、可愛い服とかまだ少ないのよ!ファッション文化遅れてるぞ日本!」
「ファッションの話だったけ?」
「「「「「アハハハ!」」」」」
女子たちは言いたいことだけ言って再び紙皿や紙コップを持って仲のいい人達と談笑を始めた。セシリアは笑って許してくれたクラスメイトたちの優しさに触れて目尻に涙を浮かべる。指で涙を拭うセシリアに千冬がセシリアの肩に手を置く。
「自分が悪いと思ったことを認めて素直に謝れる。それは簡単そうに見えてとても難しい事だ。どうやら私はお前を見くびっていたようだ。私の勘も鈍ったな」
千冬は紙コップに入っているお茶を飲んで、女子たちがいる方を指差す。
「あそこにいる奴らは、はっきり言ってうるさいし、バカだ」
セシリアは女子たちを貶す千冬を驚いた顔をして見るが、千冬は何故か微笑を浮かべていた。
「だが、私の人生で感じた事はバカな奴のほとんどが良い奴なんだ。」
千冬は紙コップを傾けてお茶を飲んで、再び口を開く。
「バカな奴っていうのは自分に素直で、笑いたい時に笑って生きる奴らばかりだ。だから一緒にいて楽しくなれる。」
千冬は自分を見つめるセシリアを見つめる。その瞳に温かさをセシリアは感じていた。
「いろんなバカが多いのがこの国だ。悩んでいるのがバカらしくなるのがこの国だ。悪い国では無いだろう?」
「はい!とても、とてもいい国ですわ………この国に来れて本当に良かったですわ!」
千冬の言葉を聞いてセシリアは、一週間前のような険しい顔から程遠い、たくさんの人が見惚れる笑顔を千冬に向けるのだった。
パーティが終って、後片付けも終わり、一年一組の生徒はそれぞれの部屋に戻ろうとしており、セシリアも自分の部屋へと向かおうとしていた。しかしセシリアの前に大尉が立っており、大尉は紙袋に入った何かをセシリアに渡す。
「………………」
「あら?一夏さんこれを私に?」
大尉は無言で頷くと、セシリアにそれを手渡して廊下の方へ歩いていった。
セシリアは自分の部屋に着いて紙袋を開けると中には付箋が1つ付けられた本が入っていた。
「付箋のところを開ければいいんですの?」
セシリアは誰もいない部屋でそう言うと、付箋の付けられたページを開く。そのページを読むと、気になる一文を見つける。そこにはそう書かれていた
"私はよく言います。「一度でも失敗をしたら、何度でもトライしろ」と、今もそうです。帰国するとき、「ヘンリー4世」のセリフを言えればと願っています。「困難の中でこの花を無事に摘んできた」と。"
それはイギリスの首相を勤めた人物、アーサー・ネヴィル・チェンバレンの言葉だった。
「(間違えてもひたすらに歩み続けて、挑み続ける。そして何かを掴みとれ……そう言いたいんですの?口に出せばよろしいのに……本当に……。)」
セシリアはその一文が大尉が言いたかったことだと解り、クスリと笑う。
「フフ……本当に不器用な方……もう私は悩みません……いくら負けても諦めませんわ……何度でも挑んで、そして貴方に勝って……真に貴方に認めてもらいますわ、一夏さん。」
セシリアは大尉の事を思い、自分自身にはまだ解らないが温かい気持ちになるのだった。
________
セシリアに本を渡した大尉は廊下を歩きながら、1つ考え事をしていた。
(……俺がセシリア・オルコットのこめかみに銃口を向けた時、殺気のような物を感じた…………殺気を出していたアイツは何者だ………?)
大尉が代表決定戦の時、遠くに金髪の髪を短く切り揃えた男見えた。その男は明らかに自分に殺気を向けていた。セシリア・オルコットの関係者だろうか?それにしては遠くに居すぎる。それにIS学園の警備に何故引っかからなかったのか。あの男は一体何者なのか。大尉は自分に殺気を向けた男の正体が解らないまま、自分の部屋へと入るのだった。
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時間を遡ること数時間前……アリーナが見える高台に一人の男が立っていた。
「やれやれ、あの子が撃たれそうになって思わず殺気を向けてしまったよ。」
高台に立つその男は黒いコートに身を包み、口にタバコを食わえて、白い煙を吐く。
「それにしても、この距離の殺気に気づくとはね……ほんとに化物だ。あれがヴェアヴォルフ……か」
男は自分を見つめていた白狼の乗り手を思いだし、軽く鳥肌が経つのが自分でも解った。タバコの煙を吸うと耳に充てているインカムに通信が入る
『休憩は終わりです、そろそろ任務開始時間ですよ。』
「もうかい?やれやれ……」
『ターゲットの場所はもう送信しました。やり方は貴方に任せますよ………WORLD21』
「了解、直ぐに任務を開始するさ。HERMIT9……それにしても……」
男は担架に乗せられているセシリアを見て、笑みを浮かべる。
「成長したね……セシリア」
WORLD21と呼ばれた男がそう呟くと、男は初めからそこに居なかったようにその場に消えるのだった。
翌日、現在のIS日本代表が自宅で何者かに首を切られ、殺されていたのが発見された。政府はISの回収をしようとしたところ、代表の持っていたISは何者かに奪われていたのだった。
セシリアとの和解はこんな感じで良いか(適当)
今回「………」にしてみましたが、見にくいっ!(視力0.015)
予告しときますけど、次に出てくる鈴ちゃんの扱いが結構酷いと思います。鈴ちゃん好きな方は見ない方がいいかも……
この話に書いてある名言っぽい言葉はアーサー・ネヴィル・チェンバレンがナチスドイツによるチェコ問題で言った言葉です。丁度いいセリフがあったので引用させて頂きました。
アーサー・ネヴィル・チェンバレンはナチスドイツ相手に強気に出れなかった悲劇の首相として有名ですね。当時のイギリスにはナチスドイツを相手にするだけの力は無く、時間稼ぎの意味もあったのか、ナチスドイツに譲歩して平和的に解決しようとしたところ、弱腰外交と批難されてしまいました。結果的には第二次世界大戦開始を一年延ばせたのですが……(ナチスドイツをソ連への抑止力にしようとした説もある。真相は本人のみぞ知る)。内政においては結構優秀だった人みたいです。気になる人は是非調べて下さい。何故か自分はこの人がペンウッド卿みたいなイメージがついてます。顔は結構厳ついですが