IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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25話

鈴が怒って大尉に殴りかかってきた日から数日が立っていた。鈴は大尉の事を露骨にさけて、近寄れば殴りかからんとしていたので大尉は近づこうとしなかった。数日たった放課後、やっとクラス代表対抗戦のトーナメント表が発表された。トーナメント表を見ると第一試合に鈴と大尉の名前が書かれていた。

 

「避けられるとは思いませんでしたが、まさか第一試合とは驚きですわ」

 

鈴と大尉の間に起こったことを大尉から聞いていたセシリアはやれやれと頭を抱える。ちなみに大尉から鈴との間に起こった事を聞いたセシリアは大尉に正座をさせて説教をした。それは間違ったことをした息子を怒る母親のようだったとその場面を見た箒は語っている。

 

「………」

 

 

大尉はトーナメント表を一瞥し、対戦相手が決まったことを確認すると、訓練のためにアリーナへと向かう。しかしセシリアに呼び止められる。

 

「一夏さん、どちらへ向かうのですか?」

 

「……訓練」

 

「あ、ちょっと待って下さい一夏さん!私も御一緒させてください!」

 

「わ、私を置いていくな一夏!」

 

大尉は訓練とだけ言うと再びアリーナへと向かう。セシリアと箒は大尉の後を追うべく、距離が少し離れてしまった大尉の元へ駆けていくのだった。

 

アリーナに着くとそこには千冬とシュレディンガーが立っていた。更衣室でISのスーツに着替えた大尉は2人の元へ向かう。

 

 

「あ、大尉ぃー!届きましたよ!白狼の新しい装備!これからデータで送るので白狼をちょっと貸して下さい」

 

シュレディンガーがそう言うと大尉は素直に白狼の待機形態を渡す。シュレディンガーは展開されたモニターにデータを入力し、白狼に新しい装備を送る。作業は数分で終わり、シュレディンガーは白狼を大尉に渡す。

 

「データの転送は完了しました!それでは白狼を展開して新しい装備、二天狼を呼び出して下さい!」

 

大尉はシュレディンガーに言われるがままに白狼を展開して武装欄にある新しい武器、二天狼を呼び出す。

 

大尉が呼び出すと大尉の手元に小さめな人間並の長さの刀2本が呼び出される。シュレディンガーは二天狼を見ながら二天狼の説明をする。

 

「うん、問題なく展開出来ていますね。二天狼は超振動する2本の刀で、分厚い鉄板も簡単に切り裂くことができます。まぁ、白狼の破狼以外の近接武器だと思って下さい。大尉が強いとは言え、流石に近接が格闘だけだと心許ないので……いやー、まさか大尉が二刀流だとは思いませんでしたよ。お陰でもう一本作るハメになって転送する時間が遅くなってしまいましたよ」

 

シュレディンガーは説明をしながら後半は苦笑いになる。頭の中にはデータを取りに来た時の研究員たちの死にそうな顔が浮かんでいた。大尉は周りに人がいない距離まで離れると二天狼を持ち素振りをする。人の長さほどある刀はISのサポートのお陰かそれほど重く感じなく、刀を振るたびに空気を切り裂くヒュンッという音が響く。大尉は満足気に頷くと、ISを待機形態にしてシュレディンガーに近づき頭を撫でる。

 

「……礼を言う」

 

「い、いやぁ。僕の力ではではなくて倉持技研のお陰ですよ……」

 

シュレディンガーは自分の力では無いと言いながらも大尉に撫でられて笑顔を浮かべていた。撫でられて満足したシュレディンガーは用事があるとアリーナから去っていった。そして先程から黙っていた千冬が大尉に話しかける。

 

「新しい武器は手に馴染んだようだな。それでは訓練を始める。今まで竹刀でやっていたが今度はISで行うぞ。あれを実戦である程度使えるようにしなければいけないからな。」

 

「…………」

 

「ちょっとよろしいでしょうか?」

 

「ん?どうしたオルコット」

 

「今から訓練を行うのですよね?もし良いのならわたくしもその訓練を受けさせてもらえないでしょうか?」

 

「わ、私も混ぜてください!千冬さ…織斑先生!」

 

大尉が頷いて訓練が始まろうとした時、セシリアが手を上げて自分も訓練を受けたいと言う。それを見て箒も手を上げて言った。千冬は訓練を受けたいと言う二人を見て真剣に話す。

 

「これから行う訓練は授業で行う訓練より遥かに厳しいぞ?それでもやるか?」

 

「もちろんですわ(ブリュンヒルデ直々の指導……一夏さんの強さに近づくチャンスですわ!)」

 

「覚悟の上です!(一夏と一緒に訓練するチャンス!)」

 

「そうか、わかった」

 

二人の真剣な言葉を聞いた千冬は二人に頷いて訓練参加を了承する。しかし二人はこの後死ぬほど辛い訓練が待っているのを知らなかった……。二人は千冬に指示されてストレッチを数分行い、千冬の指示を待つ。千冬はストレッチが終わったのを確認すると次の指示を出す。

 

「よし、それではウォーミングアップだ。グラウンド一周してこい」

 

「え!?グラウンド一周!?15kmありますわよ!?」

 

「だから丁度いいウォーミングアップになるのだろう。ほら早く走れ、一夏はもう走ってるぞ。」

 

千冬が親指でもうかなり遠くまで言っている大尉を指差す。

 

「ま、待て一夏!」

 

「速すぎですわ一夏さん!」

 

二人は走って行く大尉を見て焦りながら走り出した。

 

 

 

「コヒュー……コヒュー……速すぎですわ一夏さん……」

 

「ハァ……ハァ……化物かあいつは……」

 

「……二人が遅いだけ」

 

大尉に追いつこうと必死に走った結果、大尉に追いつけるわけはなく、一周終わる頃には息も絶え絶えになっていた。大尉は特に呼吸を荒げる事も無く二人を見ていた。

 

「これくらいで死にそうになってどうする。ほら早くしろ!次に行くぞ!」

 

「ちょ……少し休ませて下さい……」

 

「お前ら二人が遅いから予定が遅れているんだ。休む暇は無い!早く立て!」

 

千冬は倒れる二人に容赦無く、首根っこを掴み二人を無理矢理立たせて次の訓練を行なわせるのだった。

 

 

______

 

ブリュンヒルデの訓練を受けて一息ついた頃、箒とセシリアは地面とキスするように倒れこんでいた。

 

「ゼェ…ゼェ…死ぬ……私はもう死ぬ」

 

「コヒュー……コヒュー……」

 

「……鍛え方が足りない」

 

大尉は二人を見下ろしながらスポーツドリンクを飲む。そして千冬が持ってきたバッグの中に入っているスポーツドリンクを2人の横に置く。

 

「……息が落ち着いたら飲め」

 

「ありがヒュー……ございまヒュー」

 

「すまゼェ……助かっゼェ……」

 

「……礼を言うより……息を整えろ」

 

「あ、やっと見つけたわよ一夏!」

 

「……鈴か」

 

大尉がセシリアたちを見下ろしているとアリーナの扉が開かれる。扉からは鈴が昨日までの怒り心頭の顔とは違い、不敵な笑みを浮かべていた。

 

「……一旦休憩だ。私が帰ってくるまで休んでろ」

 

千冬は鈴が何を言うのか興味ないのか、ポケットに片手を突っ込み、ポケットの中でタバコの箱をいじりながらから歩いて出ていった。

 

「あなたコヒュー……ここは関係コヒュー……立ち入り禁コヒュー」

 

「あんたはいいから黙って息整えてなさいよ!それより一夏!反省した!?」

 

「……何を反省するんだ? 」

 

「はあ!?あんたあたしとの約束をないがしろにしたくせに反省してないって言うの!?」

 

「……反省する理由が無い」

 

「い、一夏さコヒュー……まだコヒュー……そんなことコヒュー……おっしゃコヒュー」

 

「「お前(あんた)は息を整えてろ」」

 

鈴は大尉の口から謝罪が聞けると思っていたので、大尉の反省してない発言に怒り心頭になる。

 

「ああもう!あったまきた!いいわ一夏!一つ賭けをやろうじゃないの!来週のクラス対抗戦、勝った方が負けた方に何でも一つ言うこと聞かせる。どう!?もちろんやるわね!?あたしが勝ったら土下座して謝らせてやるんだから!」

 

「………」

 

大尉は鈴が出した提案に頷いて了承の意思を伝える。鈴は大尉にビシッと指差して宣戦布告をする。

 

「覚悟してなさいよ!あたしと甲龍があんたを全力で叩きのめしてあげるわ!」

 

「……そうか」

 

鈴は宣戦布告を言い終えると最後に大尉を一睨みしてアリーナから出ていくのだった。

 

 




二天狼の元ネタはKYOという漫画で主人公が持っている刀、天狼です。

二刀流にしたのは単純に二刀流がかっこいいと思ったから。ガンダム00のスサノオ、アンデルセン神父、アサシンクリードのエドワード・ケンウェイ。アニメの二刀流はかっこいいです。


まあアンデルセンは二刀流+たくさんって感じですがwアサクリのコナーの戦い方も二刀流なんでしょうかねぇ

しかし二刀流を実際にやってみると竹刀ですら満足に振れないんすわw宮本武蔵ほんとに何者だよw
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