水の分量はマジで大事と感じた瞬間だった。
今回新キャラが登場
クラス対抗戦当日、アリーナにはたくさんの観客がおり、アリーナの真ん中では鈴と大尉が距離を取って向かい合っていた。鈴は二振りの青竜刀、蒼天牙月を構えて大尉を睨みつける。
「一夏、あんたに一度だけチャンスをあげるわ。今すぐ泣いて土下座して謝りなさい。そうすればいたぶるレベルを下げてあげる。」
「………」
大尉は鈴の提案に首を振って否定の意思を示す。鈴は自らの提案を拒否した大尉を見て元々睨んでつり上がっていた眉が更に釣り上がる。
「あっそ……じゃあ死の境界を渡る寸前までいたぶってあげるわ!」
試合開始のブザーが鳴り響き、鈴と大尉が同時に距離を詰める。鈴は蒼天牙月を振り上げ大尉に向けて斬りかかる。大尉はあらかじめ展開していた二天狼を構える。
「はっ!そんな細い剣であたしの蒼天牙月を受け止められるわけないでしょ!」
「…………」
鈴は二天狼を見て鼻で笑いながら蒼天牙月を振り下ろす。大尉はそれを勘と見切りでどの位置に来るか判断し、蒼天牙月を二天狼で受け流した。
「なっ!?……ガフッ!」
振るわれた剣を受け流された鈴は、空虚を斬ったような何も斬ってないような奇妙な感覚に驚き、一瞬間をおいてしまう。大尉はその隙をつくように、受け流した刀の頭金で鈴の腹を突いた。
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「ほう、早速使ったか」
「織斑先生、あの太刀筋は一体……?」
「陰の太刀と呼ばれる太刀筋だ。相手の力を受け流し、無効化する。あいつは昔から攻めに関しては最上級だが守りに関しては少し不足してたのでな、私が教えた。陰の太刀は極めればどんな攻撃も無効化する。ある使い手は化物の攻撃すら受け流したと言われる程の剣。1を0にする、そんな太刀筋だ」
モニターを見ると鈴が必死に何度も斬りかかるが大尉に全て受け流されている。鈴は剣による攻撃は効かないと判断し、一旦距離を置こうとする。それを見て千冬はニヤリと笑う。
「一旦距離を取ったか、馬鹿な事をしたな」
鈴が距離を取ろうとしたのを大尉は直ぐに気づき、白狼のスピードで鈴が距離を取るのを許さず、鈴を自分の間合い内に入るようにすると、舞のような華麗な連撃を放つ。
「二刀流は一刀流にくらべ片手で剣を持つ分、威力やスピードに劣る。だが、手数においては二刀流は一刀流を凌駕する。」
大尉の連撃は甲龍のシールドエネルギーを着実に減らす。鈴も大尉の連撃をなんとかいなすが、大尉の連撃の速さについて来れず、何度か斬られてしまう。
「陰から陽、静から動へ、アイツの切り替えのスピードに普通の奴はついて来れず、そのままなすがままにやられる。あの小娘はよくやっている方だ」
「ほおう、すごいですねぇ織斑一夏くんは」
「ん?あなたは……」
千冬がモニターを見てると誰かが部屋に入ってくる。入ってきたのは白衣に身を包み、目を覆うほどの長さの髪をした体がとても細い女性だった。千冬は目の前で不気味に笑う女性を知っていた。ISに関係のある者で彼女を知らない者はいないのだ。千冬はどこか刺々しい雰囲気で倉持六ツ輪に対応する。
「あなたは倉持六ツ輪殿。倉持技研のNo.2がここに一体何のようで?」
「刺々しいですねぇ、何の用かと聞かれたら一つしかありませんよ。自分がプロジェクトリーダーをつとめたISをこの目で見に来た。それだけですよ」
倉持六ツ輪、IS研究でその名を轟かせる研究者で白狼製造のプロジェクトリーダー。彼女はISにおける研究で数々の成果を果たしている。しかし黒い噂は絶えない。無茶な実験で代表候補生を病院送りにした。新しい武器を試すために死刑囚を利用したなど、彼女の狂気を感じさせる笑みが噂に拍車をかけていた。倉持六ツ輪はやれやれとため息をついて、織斑千冬のどこか刺々しい対応にまいった様子を見せる。
「やれやれ……あなたも私の噂を信じているようですねぇ……全く、エアコンの効いた部屋でコーヒーを飲みながら試合を見ようと思いましたが、どうやら私は歓迎されてないようだ。観客席で大人しく見ることにしますよ」
倉持六ツ輪は困ったような顔をして部屋から出ていった。
部屋から出て、廊下を歩く倉持六ツ輪は部屋を出る時の困った顔では無く、口元を釣り上げて不気味に笑っていた。
「ふふ、流石は白狼。素晴らしいですねぇ。そして白狼を完璧に使いこなすあの乗り手。まあ、当然でしょう」
倉持六ツ輪はかけているレンズが六つある眼鏡を上げる。
「お久しぶりですねぇ、大尉殿。」
眼鏡を上げたその顔は不気味な笑顔の中にどこか嬉しさが宿っていた。
陰の太刀はサムライディーパーKYOに出てくる壬生京四郎が使う主人公狂の奥義をことごとく無効化したチート剣術です。
最初見た時はあまりの強さに鳥肌が立ちました。
まあ受け流せない程の奥義をくらって負けましたがね。京四郎は凄く好きなキャラです。