ゴーレムを仕留めた大尉はある方向を見る。その視線の先には一機のISが近づいていた。
『大尉、わかっていますね?』
「…………」
ドクの言葉に大尉が頷いて反応する。こちらに向かってきたISはゴーレムが空けた穴からアリーナに入ると空中で静止し大尉を一瞥してゴーレムを見下ろす。
「あ〜ん?IS学園のIS強奪の前に篠ノ之束が造ったISがあるって聞いたから取りに来たのにもう壊れてんじゃねぇか」
ISを纏った不審者はタバコに火をつけて白い煙を吐くと大尉を見る。
「おいガキ、これはてめぇが殺ったのか?」
「……さあな」
大尉がそう言うと不審者は無言でタバコを吸って煙を吐く。
「あっそ……じゃあ死ねよ!」
不審者のISの近くにある2つの壺のような形をしたものの一つが大尉に向けられる。そして壺から太いレーザーが発射される。レーザーによりアリーナに土煙が舞う。不審者はダルそうな表情でタバコを吸う。
「けっ……コイツがアレを殺ったわけじゃなさそうだな……ガキが大人にそんな口聞くからそうなんだよ」
"コッ"
しかし不審者の表情は一瞬で変わることになる。後ろの頭部分に何かを押し付けられたような感触。その感触を感じた瞬間に銃声が響き銃弾が不審者の頭にヒットする。
「ッ!?な、何が起きやガハァ!!」
大尉は空中の不審者の所までジャンプするとロングモーゼルを不審者に押し付け、ゼロ距離で発射する。そして不審者が反応した時に不審者の頭に蹴りをおみまいする。不審者は地面に叩きつけられて地面に転がると急に笑い始める。
「ヒャハ……ヒャハハハハハ!!強ぇなガキィ!!やっぱりあのデカブツを殺ったのはテメェだな!?」
不審者は起き上がっても狂ったように笑い続ける。その顔には喜びの色が浮かんでいた。
「ヒャハハハハハ!!クソみたいな所からISを奪うだけの萎える任務だと思ったら、いやがった!最高の獲物がよぉっ!!」
不審者は笑いながらタバコのフィルターを噛みちぎる。そして男が目を閉じて再び目を開くと男は満足気に笑う。
「舞台は整ったぜ!精一杯逃げ回ってくれよ獲物チャン♪ヒャハハハハハ!!」
「………」
大尉は不審者の耳に付く笑い方が気に食わないのか眉を釣り上げてロングモーゼルで不審者を撃とうとする。しかし大尉の手にはロングモーゼルが握られていなかった。
(白狼が待機形態に……?)
大尉はロングモーゼルを持ってない事と同時にある事に気づく。それは先程まで纏っていた白狼が待機形態になっている事だった。大尉は不思議そうに首を傾げると不審者はその光景を見て再び大笑いする。
「ヒャハハハハハ!!無理だむーーりぃ!!俺の前ではもうISは使えねぇよ!!」
不審者は嬉しそうな顔で大尉が白狼を纏えないのを見て話始める。
「俺のISのワンオフアビリティの前では全てのISは起動出来ねぇよ!てめぇは俺に真っ裸で闘いを挑むしかねぇんだよ!!ありのままのお前の姿で闘ってくれよ!俺はありのままじゃねぇけどな!」
不審者はニヤニヤ笑いながら自身の周りに展開している二つの壺を大尉に向ける。
「そういやまだ自己紹介してなかったな!俺は亡国企業のTEMPRERANCE(節制)14!!俺のISのワンオフアビリティ、"節制"の前では全てのISは待機形態に戻されて俺の獲物チャンは自然な姿、つまり真っ裸にされるんだよ!いや〜楽しいなぁオイ!ISが使えなくなった奴を一方的に殺るのは楽しくて止められねぇぜ!最高に勃起モンだなぁオイ!」
節制14と名乗る不審者は片手を上げて壺に射撃命令をかける。
「さぁて!自己紹介が終わったところでワクワクドキドキ虐殺獲物狩りのはじまりだぜぇ!!」
そう言って節制14はニヤニヤ笑いながら手を振り下ろすと二つの壺からレーザー、ミサイルが飛んで来る。しかし節制14は知らなかった。
ありのままの姿でISを倒せる可能性がある化物の存在を、自分が狩られる側になる未来を知らなかった。
以降、不審者くんは節制14と表記します。
節制14ってスマホで打つのめんどくさいんで節制くんは次回死にます。