IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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最近Fate/EXTRAをvitaでやってて更新するのを忘れてました。申しわけない。

やっと一周目終わったっス。

ネロかわいい。


32話

ゴーレム襲来からしばらく経った。謎の敵の襲来があったにも関わらずIS学園はいつも通りの授業が行われる。ホームルームの時間、麻耶がいつも通りののほほんとした笑顔でみながざわつく一言を言う。

 

「今日はこのクラスに転校生がやってきます。しかも二人です!!」

 

大尉以外の女子たちがざわつく。口にしているのは何故自分たちのクラスなのか、この前シュレディンガー来たばかりじゃん、この時期に2人?と言った事を周りの友人たちと話をしている。

 

「え、えーと……静かにしてくださぁーい」

 

麻耶が困り顔で生徒たちに静かにするように言うが生徒たちは静かにする様子を見せないでいる。麻耶が言っているにも関わらず静かにならない生徒達を見て千冬はため息をつく。

 

「静かに」

そしていつまで経ってもざわついてそうな雰囲気を千冬は一言だけで静まらせる。千冬は生徒たちが静まり返るのを確認すると麻耶が話そうとしていた事の続きを話始める。

 

「驚くのも無理はない。しかし何時まで経ってもざわついていては転入生は永遠に入れん。」

 

千冬の言いたい事を理解し、クラスの生徒は静まり返って新しいクラスの仲間を待つ。千冬は1つ頷くとドアに目をむける。

 

「よし、入れ」

 

千冬がそう言うとドアが開いて2人の生徒が入って来る。一人は銀髪に眼帯をつけた少女。もう一人は金髪に男性用の制服を着た人物だった。

 

入ってきた2人の人物のうち、先に金髪の人物が前に立ち口を開く。

 

「シャルル・デュノアです。日本に来たのは初めてで慣れない事も多いと思いますが、みなさんよろしくお願いします」

 

転校生の一人、シャルルは笑顔でそう言って一礼する。それを見て大尉を除く生徒たちが呆気にとられる。やがて誰かが口を開く。

 

「……男?」

 

「ええ、ここに僕と同じ境遇の方がいると聞いたので」

 

礼儀正しく、見る人を安心させそうな笑み。その貴公子のようなイメージがつきそうな少年。少年が再びニコリと笑うとクラスの女性はもはや叫びに近い嬌声をあげる。

 

「キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!」

 

「男子!しかもかわいい、守ってあげたい系男子よぉ!!」

 

「かっこいい系の織斑くんとかわいい系くんがそろったウチのクラスにもはや敵なしよ!」

 

「乙女座の私にはセンチメンタルな運命を感じずにはいられないぞ シャルル殿!!」

 

「(……またフラッグファイターっぽいのがいる)」

 

女子たちは新しい男子(イケメン)が入ってきたことに対する喜びを全身で表現する。大尉はげんなりとした表情で耳を塞いで女子たちの声を遮断する。大尉のげんなりとした表情を見た千冬はバカ騒ぎする女子たちに笑顔を向ける。しかしその笑顔は目が全く笑ってない。

 

「うるさい。静かにしろ」

 

「(あれ僕が全身筋肉痛にされた時の笑顔にそっくりだよ。トラウマ蘇りそう……)」

 

全身筋肉痛にされて以来千冬に頭が上がらないシュレディンガーはマズい思い出でも思い出したのか、苦笑いする。千冬の世にも恐ろしい笑顔と言葉を聞いて、クラスの女子たちはさっきまで騒いでいたのが嘘のように静まり返る。先程からうるさいと思っていた大尉は見事クラスを静まらせた千冬に小さく拍手を送る。千冬は拍手を送る大尉に満足そうに頷くともう一人の転校生を前に立たせる。

 

「ラウラ、お前の番だ」

 

「わかりました教官!」

 

「……私はもう教官ではない」

 

ラウラは千冬に明るく返事をすると一歩前に出て自己紹介を始める。ラウラの言葉に千冬はため息を1つついてラウラの自己紹介を聞く。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ。一応ドイツの軍に所属しているものだ。よろしく頼む……おお!そうだ!」

 

ラウラは自己紹介を一旦区切るとトテトテという効果音がしそうな小走りをすると大尉の横に立ち、大尉の肩に手を置く。大尉はわざわざ自分のところまで来て言いそうな事を1つ思い出す。その一つはここで言われては恐らくとんでもない誤解を生みかねない事で、大尉には珍しく額に雫が垂れてくる。ラウラはドヤ顔に近い自信満々な顔で女子たちの方を向く。

 

「ここにいるのは私の恩人で私のちtモガッ!!」

 

大尉が予測したとんでもないことが起きる前に大尉は素早くラウラの口を塞ぐ。ラウラは口を抑えて来る大尉に「もがっ!もがぁぁっ!!」と訳のわからない言葉を言いながら手足をジタバタさせる。大尉はラウラにあの言葉を絶対に言わせんとラウラがいくら暴れても全く動かない。

 

「もがぁぁっ!!もがっ……………」

 

「(………マズイ)」

 

数分の間ジタバタと暴れていたラウラだが暫くして動きが止まってしまう。グッタリとした様子のラウラを見て大尉は静かに口を抑えるのをやめる。口を話した瞬間さっき気絶したように見えたラウラが少し息を荒らげながら大尉を見る。

 

「父よ!何をするのだ!口も鼻も塞がれては息ができぬでは無いか!!」

 

「……死んだな……俺(の学園生活)が」

 

大尉が阻止しようとした言葉を言われ大尉は諦めたようにため息をつく。ラウラの言葉を聞いた女子たちは心底驚いたようにざわつき始める。

 

「ねぇ、さっき織斑くんの事父って……」

 

「え?織斑くんって結婚してたの!?この歳で!?」

 

「しかも子持ちなんて……失望しました織斑くんのファンやめます。」

 

「あれあれ〜?大尉に子供がいるなんてありえないよ〜?大尉の専用機作る前にそういう情報はドイツ軍から全部もらってるからね?何勝手に大尉の事お父さん呼ばわりしてるのかなぁ、このちんちくりん 」

 

ザワザワとうるさくなる教室でシュレディンガーがいつの間にかラウラの前に立つとラウラの顔と数センチしか離れていないような距離で目が全く笑ってない笑顔でラウラを問い詰める。ラウラはちんちくりん呼ばわりされたのが気に食わず、シュレディンガーを睨む。

 

「誰がちんちくりんだ!!キサマ私よりちょっと背が高いだけで調子に乗るなよ!」

 

「別に調子に乗ってないよ、僕は事実を言ってるだけだよ」

 

「キサマぁ〜……!!」

 

ラウラが青筋を立て、シュレディンガーがラウラを見下す。一触即発の空気の中、千冬は大尉に視線を送る。大尉はそれにすぐに気づき、千冬の方を見る。千冬はアイコンタクトと首をクイッとラウラたちに向けて振る。

 

"騒がしくなりそうだ……うるさくなる前に……やれ"

 

千冬がそう思いながら、親指を立てて自分の首を掻っ切るような動作をした瞬間大尉が動く。突然動き出した大尉にラウラはもちろんシュレディンガーも反応出来ずに2人は自分たちの頭目掛けて振るわれた手刀、チョップを脳天で受け止める。2人は声にならない声を上げながら頭を抑える。大尉は2人を見ながら時計を指さす。

 

「……HRが終わる……喧嘩なら外でやれ」

 

「……頭が……割れそうだ父よ……」

 

「イタタ……死ぬかと思った……」

 

2人は痛みで一触即発だった事を忘れて自分の頭をさする。同じような動作で頭をさする2人を見て大尉はこの2人はどこか似ていると思った。大尉の視線は2人からシャルルへと映る。何か自分を見定めるような瞳にシャルルに緊張が走る。シャルルは大尉に警戒していると大尉はいつもつけている手袋を取り、シャルルに向けて手を差し出す。シャルルはそれを見て一体何が起こったのか解らないでいた。

 

「……"男"の織斑一夏だ……よろしく頼む」

 

「あ…あ!よろしくね!僕の事はシャルルでいいよ」

 

差し出された大尉の手は握手を求めているという事に気づいてシャルルは慌てて大尉の手を取り握手をする。シャルルは挨拶と同時に笑顔を向けるが大尉の表情はどこか無表情に近いものだった。シャルルは大尉の事を事前に調べた通りの寡黙な性格だと判断し、特に何も思わなかった。しかしシャルルは気づいていなかった。先程から織斑千冬がシャルルを訝しげにじっと見つめている事に。大尉の眉が不自然な物を感じたように僅かに眉を釣り上げていた事に。

 

_______

 

次の授業に入る前の休み時間。ISの実習の前に大尉は千冬に呼び出されて、本校舎から少し離れた誰も近づいてこない倉庫のような部屋へと入る。千冬は携帯灰皿とタバコを取り出して大尉に見せる。大尉は何も言わず頷くと、千冬はタバコに火をつけてタバコを吸う。

 

「呼んだ理由はわかるな一夏?」

 

「…………」

 

千冬の問いに大尉は頷くと大尉はゆっくりと喋り始める。

 

「新しい転校生……シャルル・デュノア……男性用の制服を着てたが……恐らく男では無い」

 

「…………」

 

千冬は大尉の方に煙が行かないように注意しながらタバコの煙を窓に向けて吐いて大尉の言葉に耳を傾ける。

 

「……巧妙に隠してたが臭いに男性らしさが見当たらない……むしろ女性の臭いがした」

 

大尉の鼻は狼の鼻と同じ。人間を遥かに上回る鼻の敏感さにどんなに頑張ろうとも誤魔化す事は出来ない。大尉は千冬に自分が感じた不自然な事を全て話す。

 

「……仕草は男性のそれに近いが……女性のような仕草も見受けられた……恐らく無意識だろう……そして手を直に触れて確信した……あの肌は男の肌ではない……よってシャルル・デュノアは」

 

「「女」」

 

千冬と大尉の言葉が重なる。大尉の報告を聞いて千冬の疑問が確信へと変わった。千冬は短くなってきたタバコを吸いながら面倒くさそうな顔をする。

 

「やはりな。これで男だったら余程女性ホルモンを打ち込まれた奴か、女として育てられた男くらいだ。シャルル・デュノアは社長の一人息子?らしい。デュノア社の社長に子はいなかった筈。女尊男卑の世界とは言え、跡継ぎ候補の男を女にしては後に影響が出る。この時期に男のIS操縦者が来た時点でもしやと思ったが……デュノア社め、面倒な事を」

 

「……奴の目的は?」

 

「大体予測はつく。奴はデュノア社の者のようだ。デュノア社はラファール・リヴァイブという第三世代にも引けを取らないISを生産をしてはいるが第三世代ISは造れていない。第三世代が造れていない焦りから奴を送り込んだのだろう。となると目的はわかりきっている」

 

「……産業スパイのようなもの?」

 

大尉の出した答えに千冬は頷いてその答えがあっている事を伝えると携帯灰皿でタバコの火を消して、タバコと携帯灰皿をしまう。千冬は足を組んで積み重ねられたマットに座ると冷酷な目で大尉を見る。

 

「もしスパイなら逆に利用してやるさ。上手くいけば馬鹿な害人共を社会から消す事が出来るわけだしな。一夏、奴に接触して状況、得られた情報を全て私に報告しろ。」

 

「……奴とデュノア社が害だと判断した場合は?」

 

「消す」

 

千冬は冷酷な目のまま歩いて倉庫の扉の前に立つと扉を開く。千冬は扉を開けたまま、空を見上げながら独り言のように呟く。

 

「男性で近づいて来たという事は目的は一夏、お前の白狼だ。私の弟に汚い大人の事情で近づいてこようとするのなら……」

 

千冬は空を見上げるのを止めて大尉の方を振り返る。そこには冷酷な目をしながら笑っている千冬がいた。

 

「塵すら残さん。お前には美しく生きて貰いたいからな。お前を汚れさせるようなシミは消すだけだ」

 

千冬が見せた表情はかつて篠ノ之束が最後に見せた笑みに似ていると大尉は感じた。大尉は千冬に篠ノ之束のような狂気がちらほらする人間になって欲しくない。一応言っておくが大尉は別に篠ノ之束の事は嫌っていない。むしろああいう生き方が似合う貴重な女性として興味を持っている。だがその生き方は千冬には似合わない。千冬には千冬だからこそ似合う生き方がおる。だからこそ大尉は千冬だけがそんな業を背負わせる訳にはいかないと思った。

 

「(……姉さんだけにそんなマネはさせない……背負うなら俺も共に背負おう)」

 

「一夏、もうすぐ実習の時間だ。くれぐれも遅刻するなよ?」

 

「…………」

 

大尉が頷くのを見た千冬はフッと笑ってアリーナへと向かって歩いていった。それを暫く眺めた大尉はさっそくシャルルに接触を謀ろうと教室へと駆け出した。




最近更新してなくてごめんなさい

大尉は壁を飛び回ったりしたので教室には間に合いました。壁を飛び回った大尉を目撃した人はいません。

ラッキーストライクイイね!( 〃 ̄ー)y-┛

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