IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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祭り楽しかった。

足が死ぬほどいたくなったけど


33話

無事に教室に大尉が見たものは女子たちに囲まれたシャルルの姿だった。大尉は女子たちの群れの間を通り抜けるとシャルルの手を掴む。

 

「え?」

 

「……来い」

 

大尉はシャルルの手を掴むとシャルルを背負い跳躍し、天井を跳ね返り教室のドアの元へと着地する。呆然とする女子たちに大尉は軽く手を上げる。

 

「……じゃあな」

 

大尉は一言だけ言うとアリーナの元へと駆け出す。駆け出した大尉を見て女子たちの静まり返った空気が終わる。

 

「追え!追うのよ!!」

 

「ていうか織斑くん天井跳ねてなかった!?」

 

「跳ねてた!だけどあの織斑先生の弟だよ!あれくらい普通に出来そうじゃない?」

 

「「「「出来るっしょ」」」」

 

女子たちが走りながらそんな話をしていると大尉たちを見失ってしまう。女子たちは複数に別れて大尉たちを探し始めた。

 

女子たちを振り切った大尉はアリーナの近くへとつき、シャルルを下ろす。シャルルを下ろした大尉が見たのは何故か頬を赤くしたシャルルだった。

 

「……女子たちは振り切った……何故頬を赤くしている」

 

「う、ううん……何でもないよ?(背中……大きかったな……)」

 

「……そうか」

 

シャルルの言葉を聞くと大尉はアリーナへと向かう。勝手に進んで行く大尉を見てシャルルは大尉の元へと慌てて駆け出した。

 

 

更衣室へと着いた大尉は着替える為に制服を脱ぐ。制服を脱いだ大尉は引き締まった体を隠そうともせずロッカーにしまってあるISスーツを探す。大尉の上半身を見たシャルルは頬を赤くしながら慌てて目を手で隠す。目を隠すシャルルを見て大尉は訝しげにシャルルを見ながらISスーツに着替え終わる。

 

「……何故慌てる……別に見慣れたものだろう……男の裸など」

 

「う、うん!そうだね!アハハハ!」

 

シャルルが焦りながら服に手をかけようとした時、シャルルは何かを思い出したような表情をする。

 

「あ、あのね?一夏って呼ぶよ?一夏、ちょっと恥ずかしいから少しの間だけ後ろを向いててくれないかな?」

 

「……ふむ……了解した」

 

大尉はロッカーのドアを開けっ放しにしたまま後ろを向く。シャルルは大尉が後ろを向いたのを確認するのを見る。うっかり屋さんのシャルルは気づいていないが大尉は後ろを向いてはいるがロッカーのドアについている鏡でシャルルの姿を視ていた。大尉の目には胸部分についた不自然なサポーターのような物が目に入った。

 

「一夏、もういいよ」

 

シャルルの言葉を聞くと大尉は振り返る。そこには鏡越しに見た姿と同じISスーツを着たシャルルがいた。

 

「……着替えるの早いな」

 

「うーん、まあね。デュノア社でISのテストパイロットとかしてたからこういうのだけ慣れちゃったんだ」

 

「……そうか(これでこいつがデュノア社の関係者という事がわかったな……こいつ本当にスパイか?その割には自分の情報を簡単に喋る)」

 

シャルルの胸部分についてた不自然なもの、そしてシャルルの口から大尉はシャルルがデュノア社の関係者であるという事、テストパイロットをしていたという事はそれなりに実力があり、IS適正も高いという情報を得るとシャルルに行くぞとハンドサインで伝える。シャルルはドアに手を掛ける大尉を慌てて追いかけるのだった。

 

________

 

アリーナに時間通りに着いて列に並んだ2人、前には何時も通りジャージ姿の千冬がいたが麻耶がいなかった。

 

「今日は実践テストをしてもらう。やってもらうのはオルコットと凰だ。」

 

「私と鈴さんですの?」

 

「そうだ。お前らはこの前織斑に負けて代表候補生としてのプライドがズタズタだろう?……上手くいけばどこの誰とは言わんがアピールが出来るかもな」

 

千冬が実践の手本にセシリアと鈴を選ぶとセシリアと鈴が前へ出る。セシリアがなぜ自分たち二人質問をすると、千冬は最後の方は前に出ている二人にしか聞こえないように小声で話す。千冬の小声を聞くと二人がやる気を漲らせる。千冬はそんな二人を見るとニヤリと笑う。その笑い方は何時も通り静かに笑う千冬に見えるが長い間一緒に暮らしていた大尉は千冬の笑みは何時ものものと違う事に気づいており、そしてああいう笑い方をする時は大抵何かしらよからぬ事を考えている時だということを知っていた。大尉は心の中で二人に同情していた。

 

「それで相手は鈴さんかしら?もし鈴さんが相手なら強者である事を祈りますわ。」

 

「はん!あたしは最初から最強よ!あたしはセシリアがあたしの相手になるかが心配ね」

 

二人はすっかり自分の相手が隣に立っている奴が相手だと思い込み、鈴とセシリアは目から火花がバチバチと出そうな程睨み合う。二人が睨み合っていると何かかん高い音が聞こえ始める。

 

「あぁぁっ!!どいてくださーい!!」

 

「…………」

 

かん高い音が聞こえると思うとISを装備した麻耶が操縦に失敗したようで墜落するような形で降りてくる。麻耶は真っ直ぐ異変に気づいて逃げ出した女子たちに一人取り残された大尉の元へと落ちていく。大尉は別に生身でISを受け止められるが生身で受け止めては流石に騒ぎになると判断し、ため息をついて白狼を展開すると麻耶を両手を突き出して受け止める。砂煙を上げながら数メートル地面を移動すると特に被害も無く麻耶を受け止める事に成功する。

 

"もにゅん"

 

「…………?」

 

麻耶を無事に止めた大尉は手の平に感じる柔らかい感触に首を傾げる。大尉に助けられた麻耶は何故か頬を赤く染めていた。それもその筈だろう、大尉はあまり力を入れていなかったとはいえ手の平全体で麻耶の胸を鷲掴みにしていたからだ。

 

「……気をつけろ」

 

「そんな…困りますよこんな場所で…それに私と織斑くんは生徒と教師…でも禁断な恋って結構アリ……って反応薄くないですか!?」

 

大尉は麻耶の男性の多くが憧れそうな胸を鷲掴みのにしていたのにも関わらず一言だけ言うと白狼を解除して待機形態に戻して元いた場所へと向かう。胸を鷲掴みにされて妄想の世界へ旅立とうとしていた麻耶は大尉の特に何も感じてない反応に一気に元の世界へと引き戻された。セシリアと鈴は胸を鷲掴みにした大尉へ攻撃をしようと考えたがどうせやり返されるだろうし、凄くクールな反応をされた麻耶に同情して攻撃する考えをやめた。

 

「今回お前たち二人には山田先生を相手に闘ってもらう。山田先生は元代表候補生だ。生半可な腕では勝てん」

 

「二人がかりですの?」

 

「ああ、お前たちくらいなら山田先生は余裕で倒せるぞ?」

 

千冬の挑発に鈴とセシリアがむっとした表情を見せる。二人はイラついた表情でそれぞれのISを展開し、実践訓練が始まった。

 

三人の戦いは千冬の言った通りになっていた。麻耶はセシリアと鈴を手に取るような戦いで二人を圧倒していた。爆炎の中、鈴とセシリアが地面に落下した。

 

「イタタ……何アンタまともに撃たないのよ!?ていうか何でビット使わないのよ!」

 

「鈴さんがまともに連携を取ろうとせずに勝手に突っ込むから狙い撃ちにくいんですの!それに鈴さんが一人でちょこまか動いてはビットは使えませんわ!ビットは連携が取れない脳筋と一緒では使いにくいから使わない方がマシなだけですわ!!」

 

「言ってくれるわねアンタ……!」

 

「(……これは鈴が悪いな)」

 

「これはいくら私でもイギリス人に同情するな……」

 

「鈴の脳筋振りは見てて面白かったからボクはOK!」

 

「アハハ……」

 

 

鈴とセシリアが睨み合う様子を見て、ラウラがセシリアに同情して、シュレディンガーがニヤニヤ笑い、シャルルが苦笑いする。一方的にやられたという結果にしか目を向けていない生徒達はいがみ合う二人を見てクスクスと笑う。しかし大尉は結果だけに目を向けていない。大尉が連携が取れずに一方的にやられている二人を見て考えていたのはまさに正解だった。数的有利があるにも関わらず、連携を取ろうとせずに一人でどうにかしようとする鈴にセシリアが十分に動けないのは当然である。大尉はこれなら連携を取ろうと考えたセシリア一人の方がまだ良い戦いが出来たのでは無いかと思った。二人を倒して地面に着地した麻耶に生徒達から拍手が送られる。麻耶は照れた表情で頬を人差し指で掻きながら「私なんてまだまだですよ」と謙遜をしていた。しかし、麻耶を見て一人の女子が手を上げる。

 

「そういえば織斑くんが入学テストで山田先生を倒したって聞いたんですけど織斑くんってもしかして山田先生より強いんですか?」

 

女子が手を上げて聞いてきた質問に麻耶が先程の照れた顔から一変し、ウッとかなり困った表情をする。

 

「え、えーと……それはですねー……」

 

「……わからない……あの時は山田が勝手に落ちて……転がりながら突っ込んだから蹴り飛ばしたら……あっという間に試合が終って勝ってた……故にどちらが強いかはわからない」

「いやあれは事故がですね……って私の事山田呼ばわり!?先生はとても悲しいです!」

 

大尉が入学テストで起きたことをありのままに伝えると生徒達が再びクスクスと笑う。麻耶はあの時の事を思い出し、また大尉に敬意の欠片も感じられない呼ばれ方に肩を落とす。落ち込む麻耶を見て千冬は一旦空気を切り替えようと手を叩く。

 

「これで皆も教員の実力がわかっただろう。以後はちゃんと敬意を持って接するように」

 

麻耶への敬意が払われるようになるかはさて置き、二人のプライドを取り戻して大尉にアピールするどころか再び二人のプライドをズタズタにした千冬は計画が成功したようにニヤリと笑う。千冬の考えていた事に気づいた大尉はヤレヤレと言いたげにため息を1つついた。千冬は一瞬だけニヤリと笑うと元の厳しい表情へと戻る。

 

「良いものが見れたな。それでは次に貴様らには実際にISを動かしてもらう。と言ってもただ歩くだけだ。だが初めての奴には難しいだろう。気をつけて取り掛かるように。指導は専用機持ちに行ってもらう」

 

千冬の言葉で生徒達の訓練が始まろうとした時、生徒達が大尉、シャルル、ラウラの三人の元へと集まり、鈴とセシリアの元へ行く生徒達はほとんどいなかったのは言うまでもない。まぁ千冬によって無理矢理均等にグループ分けされるのだけれど。




祭りの後って、すげー疲れる。

大学いきたくねぇぇぇぇぇ!!

しかしサボりすぎたから行かないと単位がヤバイ。大人しく大学行くとしますかね……多分寝るだろうけど
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