IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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今回の大尉は修造モードですお


34話

ISの実習も終わり、放課後となった。大尉は然程疲れた様子は無く、自分の部屋でアイスを食べていると部屋にシャルルが入ってくる。シャルルが相部屋だと思わなかった大尉はシャルルに疑問を投げ掛ける。

 

「……相部屋だったか?」

 

「うん、男性同士だから相部屋の方がいいって話になってね。XX日前には変わるように言っておいたって聞いたんだけど……聞いてなかった?」

 

「……ああ……少し用があってな」

 

「用事?何の用事があったの?」

 

「……好感度不足」

 

「そっか……まだ僕たち会って間も無いもんねアハハ……」

 

何故シャルルが相部屋なのかを理解した大尉は残り少ないアイスを一口で食べきると残ったアイスの棒をゴミ箱に捨てる。同時にXX日前あたりに起こった用事を思い出す。あの時大尉は襲ってきたゴーレムとまき散らされた血についての尋問を受けており部屋にあまり行けなかったのだ。尋問に来た政府高官の男性はIS学園の理事長の手の者と自分で言っており、尋問というよりかは雑談とか高官の妻の愚痴を聞いてるだけだった。

 

「キミ派手にやったNE☆。どうでもいいけどNE!それより301アイスの全三百一種買ってきたから一緒に食べようZE☆うちの女尊男卑クソババア(※日本政府首相)には適当に報告書書いておくからさHAHAHA☆」

 

この尋問はやけに明るかった高官と二人きりで雑談して終わったのだが問題は鈴の国の政府の方だった。あっちの政府は試合を見に来たトップが危険な目にあったとか日本のISなら我が国の為に態と負けろとか甲龍がボロボロになったので賠償金を要求するとか賠償金のかわりに白狼を寄越せなど高圧的に物を言ってきて大尉がキレる直前になるほどめんどくさい奴らばかりだった。しかし大尉がこいつらの骨を数本折ってやろうかと思った矢先に理事長の手の者(男性)が入れ替わってきた。

 

「おまえら何やってるアルか!IS学園の生徒には手出し出来ないのに何ふざけたことやってるネ!青龍刀でぶった斬るアルよ?さっさと出てくアル!……よし、出てったアルネ。あ、織斑くんアイスの天ぷら食べるアルか?ちなみにアルとかはキャラづけアル!うちの国家予算を私欲に使ってるトップ達には適当に報告書書いておくから大丈夫アルよ!HAHAHA☆」

 

こちらの尋問もアイスを食べながら高官の男性の子供の惚気話を聞いてるだけで終わっただけだった。その後もアイス食べながら雑談するだけのZINMON☆は各国政府の目を欺くために夜遅い時間と長い期間続いていた。秘密だが期間の後半あたりになると日本の高官と一緒にソファで寝ながらゲームしてたり、中国の高官はスカ○プで国の家族と話していた。ちなみに日本の高官は格ゲーがやたら強かった。

 

その後は彼らが優秀だったようで特に何も言われずに学園生活に戻れた。大尉は最後のZINMON☆の時日本の高官佐藤と中国の高官チャンとメアドを交換しており、二人とはメル友である。

 

「(……佐藤からメールが来てるな)」

 

「一夏、先にシャワー入るよ?」

 

彼らとの出会いを思い出していると日本政府の高官佐藤からメールが来た。大尉はシャルルの言葉に気付かずメールを見る。シャルルは無言を肯定と受け取ったのか着替えを持ってシャワー室に入って行く。佐藤のメールには今度チャンと一緒に遊びに行こうという内容が書かれていた。そして最後の方には先程の内容とはかけ離れた内容が書かれていた。

 

"君も気づいているとは思うがシャルル・デュノアは女だ。彼女はキミの白狼のデータを奪うように義母に命令され、彼女はもう一人の肉親である父親のためにこれを了承した。どんな訳であれ彼女はこの学園の生徒となったからには私達IS学園暗部は彼女を守る義務がある。キミと織斑千冬は手を引け。後のことは我々に任せておけ、IS学園に手出しをしようとしたデュノア社の害は我々が処理する。悪いがその間彼女シャルル・デュノアが無事に生活できるように助けてあげて欲しい。願わくば彼女が気高い精神を持つ女性としてそこにいられるように"

 

このメールを見て自分の役割がシャルルを守る事に変わったと理解した大尉はシャルルが部屋にいない事を確認すると、千冬に電話をかける。小声でメールの内容を告げると電話越しに千冬のため息が聞こえる。

 

『成程、わかった。私からはもう何もしない。一夏はそのメールの人物の言った通りにデュノアを手助けしてやれ』

 

「……わかった。」

 

『私から言えるのはそれだけだな、切るぞ(IS学園暗部の人物ということは理事長直属の人物という事だ、つまり理事長が動くということだろう。私が下手に動くよりかはあの人に任せた方がいいだろう……)』

 

電話が切られ携帯をしまう。大尉はふとシャワー室のボディーソープが切れかかっているのを思い出し、ボディーソープを取り、シャワー室から出てる音に気付かずに佐藤のメールに返信を打ちながら扉を開ける。そこには産まれたままの姿のシャルルがいた。

 

「え、えぇ!?」

 

「………………」

 

シャルルが思わぬ出来事に赤面し、大尉がやらかしたと言わんばかりに頭をかく。大尉はシャルルに向かって詰替用のボディーソープを投げる。

 

「……ボディーソープが切れかかっている……詰め替えておいてくれ……それと後で話がある」

 

大尉はそれだけ言うと扉を締めて部屋から出ていく。

 

「え…それだけ?」

 

シャルルの裸体を見ても頬を赤めることすらしなかった大尉にシャルルは女としての自信を無くす。

 

「う、うーん……僕の体って魅力無いのかな……」

 

シャルルはシャワー室についてある姿見の鏡でポーズをとりながら自分に問いかけるのだった。

 

 

シャワーからシャルルが出てきて大尉とシャルルは互いのベットに座る。シャルルは大尉の方をチラチラ見ながら苦笑いを浮かべる。

 

「アハハ……早速バレちゃったね……」

 

言ってしまえば楽になると思ったのかシャルルは悲劇のヒロインのように自身がIS学園に来るまでの出来事を話す。

 

「……という訳で僕は義母に毒を盛られて徐々に弱くなっている父さんの為に父さんが盛られている毒の解毒剤を報酬に一夏の白狼のデータを奪いに来たんだ……」

 

「……それで?……俺に同情させて……父親のために白狼を寄越せと言いたいのか?」

 

「べ、別にそういう訳で言ったわけじゃないよ!」

 

「……俺からすればそうとしか聞こえない」

 

大尉からの慰めの言葉を期待していたのかシャルルは大尉から放たれる冷たい言葉に顔を俯かせる。デュノア社の問題は佐藤たちが処理すると言っていたが大尉はあえてそれを言わない。

 

「それで…これからどうしていくんだ?」

 

「そうだね…これで白狼のデータを手に入れるのはもう失敗だし…父さんは最悪殺されるかも……でも父さんがいないと会社が動かないのも事実だから父さんは後数年は生きていけるだろうね。そして命令をこなせなかった僕は良くて監獄行きだね……」

 

「……そうか、ならこれでさよならだな」

 

絶望したように笑うシャルルに大尉は失望する。シャルルは挑むという選択肢を初めから捨てている。もしシャルルが義母というデュノア社という名の巨大な盾と人質を持つ相手に挑むという選択肢を取るのなら暗部の事を話してシャルルを守るつもりだった。しかしシャルルはそれを選ばなかった。大尉は佐藤の願いを叶えられない事を残念に思いながらも自身の考えが間違っていないと思う。大尉が守るのは気高い精神を持つ人間だけだ。イジメられていながらも真っ向に立ち向かっていった箒と鈴、圧倒的な力を見せられながらも諦めずに立ち向かうセシリアは守る価値のあるものだ。しかし目の前のシャルルは人形と同じ、人形を守った所で成長していく訳が無い。つまり絶望して笑うシャルルは守る価値が無いのだ。目の前で笑うシャルルに大尉は失望を通り越して最早怒りが込み上げる。大尉はシャルルの胸ぐらを掴んでシャルルが自分と同じくらいの目線になるまで持ち上げた。

 

「……お前は機械と同じだ……絶望して言われた事だけをやるだけの機械だ……いくら守ろうとした所で……最初から諦めている奴を守ることなんて出来はしない……!」

 

「ならどうすればいいの!?あの人には強大な力と父さんっていう人質がいる!どうやって父さんを助ければいいのさ!?」

 

「確かにそいつには勝てない……しかしおまえの目的は父を救うことだろう……父が死ぬまで数年あると言ったな……IS学園の校則では外部の人間はIS学園に手出しは出来ない……その間に力を蓄えろ、父をIS学園に迎えられるように準備をしろ……お前の父親はISに詳しい筈……手段を選ばなければお前は父を救える……父を救うも救わないもお前の選択肢次第だ……毒薬は最悪俺が解毒剤を作れるかもしれない奴に頼んでやる……挑むというのなら俺はお前をあらゆる物から守ってやる……!」

 

大尉は柄にもなく熱くなりながらシャルルの胸ぐらを掴む力が強くなる。ここでシャルルが義母に挑むという選択肢を取らなかったら大尉はシャルルを見捨てるだろう。しかしシャルルは大尉の言葉に覚悟が決まり涙目になりながらも大尉を真っ直ぐ見つめる。

 

「僕は……僕は父さんを助けたい!そのためなら悪魔にだって命を差し出すよ!父さんを助けるために僕は強くなる!あの人の思い通りになんてもうならない!」

 

「……そうだ……それでいい」

 

シャルルの言葉に満足した大尉はシャルルを掴んでいた手を話す。シャルルは尻餅をつきながら、胸ぐらを掴まれて持ち上げられたため、息苦しそうに咳をする。

 

「(……束さんに土下座する練習でもするか)」

 

 

大尉は唯一解毒剤を作れそうな人物を思い出し、苦笑する。息が整ったシャルルは立ち上がると大尉に向かって手を差し出す。

 

「一夏、あらためてよろしくね。僕は父さんを救いたい。僕を守るって約束したからには地獄の底までついて来てね」

 

大尉は差し出されたシャルルの手をとり堅く握り締める

 

「……ああ、どこまでもついていく(……佐藤たちがなんとかするだろうけどそれは言わないでおこう……俺は佐藤の願い通り彼女が気高い精神を持つ人間になれるか見守るだけだ)」

 

_______

 

 

デュノア社本社、社長室の電話にプライベートチャンネルで電話がかかってくる。デュノア社社長、ロベール・デュノアは部屋に誰もいない事を確認すると電話にでる。

 

「シャルロットか、どうした?……何!?私をアイツから助ける!?無茶なマネはやめなさい!ゴホッゴホッ!……あぁ、なんでもない唯の風邪だよ。お願いだシャルロット、私は愛する人を失ったのに娘まで失いたくない。やめなさいシャルロット、アイツに勝てる訳が無い。……ハハ、参ったな。そういう頑固なところもエミリーに似ているよ……もう私が何を言っても無駄なようだね。お前も成長したようだエミリーそっくりにね。けれど無茶な真似だけはしないでくれよ?……あぁ、父さんも愛しているよ」

 

自身が毒を盛られているのに気づきながらも、シャルロットに心配をかけさせまいとロベールは電話の前で出来るだけ元気に振舞った。ロベールは激しい咳をつきながらも、娘の声を聞いて満足して娘の無事をひたすらに祈り続けるのだった。

 




人物紹介

佐藤 斗羅(さとう とら)

28歳で理事長の暗躍もあるが政府高官になった超エリート。理事長に送り込まれて日本政府内の情報を理事長につたえている。この世界で生まれ育った存在でミレニアムの誰かというわけではない。スーツに短く切りそろえられた黒髪、銀縁の丸い眼鏡をかけている。妻がいるがよくキャバクラに行くため奥さんによくシメられる。

張 季龍(ちゃん りーろん)

28歳で理事長の暗躍もあるが政府高官になった超エリート。理事長に送り込まれて中国政府の情報を理事長に伝えている。この世界で生まれ育った存在でミレニアムの誰かというわけではない。スーツで黒髪の長髪。何故かいつも青龍刀を持ち歩いている。銃刀法違反?なにそれ食えるアルか?子供は3人、まだまだ増えるアルよ!

エミリー

ロベール・デュノアの元恋人。ロベールと結婚出来なかったがシャルロットという子供を産んだ。彼女は原因不明の咳から始まる病で亡くなっている。

ロベール・デュノア

デュノア社社長。エミリーと駆け落ちしようとしたが失敗。政略結婚により現在の妻と結婚する。妻にバレないように暇を見つけてシャルロットに会いに行ったのでシャルロットとは固い絆で結ばれている。
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