IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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前回に次の話で大尉が出てくると言ったな。

すまん、ありゃ嘘だ。

本当に申し訳ないです。

今回でラウラとセシリアの決着がつきます。


38話

お互いに構えをとった直後に2人は同時に動き始める。セシリアは距離を離そうと後方に、ラウラは距離を詰めようと前方に動き出す。

 

「くっ…スピードはそちらが上か!」

 

「予想より速い…!行きなさいブルーティアーズ!!」

 

数十メートル程距離が離れた事でセシリアはビットを射出して自分が有利な状況を作り出す。ビットを確認したラウラはこの状況を理解しながらもニヤリと笑う。

 

「ビットか…だがっ!!」

 

ラウラはビットを無視して距離を詰め始める。ビットによる攻撃で幾らか被弾しながらもラウラはスピードを緩めるつもりは無く真っ直ぐセシリアへと向かっていく。

 

「な…クレイジーですわ!?」

 

セシリアはまさか真っ直ぐ向かってくるとは思わず、ラウラの行動により動揺が生まれていた。しかしセシリアは直ぐに切り替えてスターライトmk-2をラウラに向け、レーザーを発射する。

 

「予想通りだ!」

 

セシリアがレーザーを撃ってくる事を予め予想していたラウラは撃たれたレーザーを中心に回るように避けるとスピードをあまり減速させずにセシリアの元へと飛んでいき、セシリアとラウラの距離が当当数メートルほどになる。

 

「くっ……!」

 

セシリアはレーザーが避けられるのを瞬時に理解するとミサイルポッドの銃口をラウラに向けようとする。

 

「この距離…!この瞬間を待っていた!教官!あなたの技…お借りします!」

 

セシリアがミサイルポッドの銃口をセシリアに向けた瞬間にラウラが"加速"する。千冬がドイツで教官をしていた時にラウラは千冬からイグニッションブーストを学び、今こそこの技を使う時だと確信したのだ。セシリアがミサイルを撃つより早くラウラはイグニッションブーストをし、セシリアをプラズマ手刀で切り抜く。セシリアのシールドエネルギーが大きく減るがセシリアはビットに命令を下して減速したラウラを撃つ。

 

「この程度!」

 

ラウラは攻撃を受け、後ろを向いていながらも怯むことなくワイヤーブレードを1本展開、ワイヤーブレードはセシリアを襲い始める。

 

「チィ…!」

 

セシリアは襲いかかるワイヤーブレードを避けつつワイヤーブレードをインターセプターで切り捨てる。ワイヤーブレードを切り捨てたセシリアは一安心したが辺りで爆発音の様なものが聞こえ始める。周囲の状況を確認するとセシリアが回避行動に集中してビットに命令を下していなかったため、静止していたビットがラウラが残しておいたワイヤーブレード4本により貫かれ爆発していた。

 

「(一歩遅れをとってしまいましたわ……やはり強い…!)」

 

セシリアの額に汗が流れ落ちる。セシリアはスターライトmk-2を直ぐに最大出力にして引き金を引き続ける。レーザーはスターライトmk-2から止めどなく出続け長いレーザーブレードになり、レーザーブレードはビットを貫いたワイヤーブレードを焼き切った。

 

「やるな…!」

 

「まだまだぁ!!」

 

セシリアはレーザーを出し続けることにより来る反動と銃口を冷却する排熱の白い煙の熱を堪えながらを必死に押さえつけてラウラの元へとレーザーブレードを走らせる。ラウラはレールカノンを撃ちながらも回避するが、レールカノンを撃ってしまった事により回避が少し遅れてしまいレールカノンが焼きられてしまう。しかしレールカノンの弾丸はスターライトmk-2に直撃し、スターライトmk-2は爆発する。セシリアは爆発する直前にスターライトmk-2を投げ捨てて爆発によるダメージを抑える。

 

セシリアとラウラは地面に着地するとセシリアはインターセプターを目の前に構え、ラウラは軍隊格闘技の構えを取り、二人は距離を詰める事無く円を書くように動く。

 

「(わたくしの残っている武装はミサイルポッド一門にインターセプター、ラウラさんはプラズマ手刀のみ…シールドエネルギーは恐らくわたくしの方がまだ残りがあると思いますがラウラさんにはAICがある…レーザーがない今AICに対抗する武装はありません…油断は出来ませんわ…)」

 

「(間違えてはいけないのはAICの使い所だ…その使い所を間違えた時私の負けは確定する…!)」

 

二人がそれぞれの考えをしながらジリジリと動き拮抗状態が続く。しかし拮抗状態は想定外の事により崩れる。

 

「ぐあっ!?」

 

「ぼ、僕は…まだ負けてない…!」

 

倒れていたシャルルがラウラを後ろからアサルトライフルで撃った。ラウラは想定外の事に驚きながらもグルリと後ろを向く。

 

「雑魚がっ!……邪魔をするなぁぁぁっ!!」

 

「キャアアアッ!」

 

ラウラは怒りの表情でシャルルを思い切り殴り飛ばしシャルルはバリアに叩きつけられる。

 

「…!、卑怯なのかもしれませんが今こそチャンス!」

 

シャルルに気を取られていた事により隙が生まれたラウラに向けてセシリアが突っ込む。後ろを向いて振り返ると距離を詰めてきたセシリアにラウラは突如の事で反応が遅れる。セシリアはミサイルを発射してからミサイルとは別方向に距離を詰める。

 

「(ラウラさんのシールドエネルギーは残りわずかのはず…私かミサイルのどちらかをAICで止めてもどちらかが直撃する…貰いましたわ!)」

 

「何!?しかし…勝つのは私だぁぁ!!」

 

ラウラはAICでセシリアを固定、そして向かってくるミサイルを残り一本の隠しておいたワイヤーブレードで貫いた。

 

「なっ!?」

 

「詰めが甘かったな!」

 

ミサイルが爆発したのを確認するとラウラは固定したセシリアをプラズマ手刀で斬る。セシリアのシールドエネルギーがゼロになり勝敗が決定した。

 

「勝った…私は仇は取ったぞ父よ…!」

 

ラウラは勝ちを確認するとシャルルの近くに行く。

 

「…私の勝ちだ。これでわかっただろう、お前は何も出来ない。貴様は大人しく何も出来ない自分を恨みながら部屋の隅でガタガタ震えていろ。…何も守れない貴様にはその方がお似合いだ」

 

ラウラがそう言い捨てるとシャルルの脳内に様々な言葉がよぎる。

 

『貴様では何もできない』

 

『出来もしない事を何故平然と言える?』

 

『よくその程度で父親を助けるなどと言えるものだ』

 

『花を守る?何も守れていないじゃないか、笑わせてくれる』

 

「イヤ…イヤ…やめてよ…」

 

シャルルが語りかけてくる謎の声をこれ以上聞きたくないと耳を抑えて首をふる。しかし謎の声は耳を塞いでいてもシャルルの脳内に直接語りかけてくる。

 

『貴様はいつだってそうだ、何かをやると言いながら自分では何もしようとせず人に頼る』

 

『自分から何もしていない自分が何か出来る訳が無い』

 

『貴様はそうやって一生誰かに縋り付いて生きていくのがお似合いだ』

 

『我に身を委ねろ、我が貴様を楽にしてやる……さぁ』

 

『我に身を委ねろっ!!』

 

「イヤァァァァ!!」

 

「何!?何が起きた!?」

 

シャルルが叫び声を上げ、ラファール・リヴァイブは黒い不定形のような物になりシャルルを包み込む。不定形のような物はシャルルを包み込むとやがて一つの物体になる。その姿は黒く、ISを身にまとった女性のような形になり、武器として剣を一本携えている。ラウラは黒い物体を驚愕した表情で見る。

 

「これは…VTシステム…!それにこのお姿は……間違いない…教官だと!?」

 

_______

 

とある場所、モニター越しにVTシステムが発動された様子を男性と女性が眺めていた。

 

「狙い通りにVTシステムが発動されたようですね」

 

「ああ、これで鎮圧の為に教師たちが動くだろう。わたし達はその隙に各国の専用機のデータを奪わせて頂くとしよう。あのご婦人は我々の言う通りにシャルロット・デュノアのISにVTシステムをつけてくれたようだ。安心したよ(しかしシャルロット・デュノアがまさかセシリアと組むとは予想外だった。セシリアには被害を与えないようにプログラムしたから恐らく大丈夫だと思うが…)」

 

WORLD21は一つの懸念を考えながらも、それを悟られないように表情を取り繕る。WORLD21の近くに座る女性、HERMIT9は1つ疑問に思ったことをWORLD21に尋ねる。

 

「しかしWORLD21、VTシステムが何故発動してのですか?あれは確か力への渇望がトリガーで発動される筈です。」

 

「それはドイツ軍のVTシステムの話だよ。わたし達が奪ったVTシステムはその通りだったが、少し改造させたのさ。あのVTシステムは力への渇望では無く、絶望をトリガーにしただけの話だよ。」

 

WORLD21はそう言うと箱からタバコを取り出すと、口にくわえてタバコに火をつける。

 

「人は直ぐに負の感情になりやすい。絶望の底に叩き落とすにはちょっとした悪意さえあればいい」

 

白い煙をはいてWORLD21は簡単だろう?と言いたげにニヤリと笑う。HERMIT9はモニターに映る黒い物体に目を向けると、視線を再びWORLD21に向ける。

 

「シャルロット・デュノアはどうなりますか?」

 

「死ぬんじゃないかな?別に良いじゃないか。フランス人が何億人、何兆人死のうが知ったことじゃないだろう?」

 

「ええ、無粋な事を聞きました。お許し下さい。」

 

「気にしなくていいさHERMIT9、それよりもっと見ようじゃないか。この楽しい悲劇をね」

 

「はい」

 

そして二人は再びモニターに映る黒い物体を眺めるのだった。




小説説明に書いてありますが原作の設定をいじっています。

VTシステムを仕掛けられたのはシャルロットでした。さてこれからどうして行こうかなぁ。
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