IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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この小説もいつの間にか40話。読んで頂きありがとうございます。

今回は大尉強ぇぇぇぇ!!回です。はいはいチートチート

少佐結構難しいな……上手く表現できたかな?


40話

大尉は黒い物体を見据えると直様白狼を展開する。大尉が白狼を展開した直後に黒い物体は大尉目掛けて襲いかかる。常人では目で負うことすらほぼ不可能な強襲を大尉はじっと見て冷静に評価する。

 

「……直線的だな」

大尉はそう言うと自らに振るわれた刀を片手でガッシリと掴んで黒い物体をじっと見つめる。大尉が掴んだ刀は黒い物体が押せども引いてもピクリともしない。大尉は刀を掴んだまま軽く飛ぶと黒い物体の胴体部分に回し蹴りを叩き込む。

 

「……シャルルがいる大体の位置はわかったな」

 

先程の蹴りの感触でシャルルが大体どの位置にいるのかを把握した大尉は黒い物体に追撃を仕掛けようと白狼のスピードで吹っ飛ぶ黒い物体に追いつくと黒い物体の頭部に踵落としを食らわせる。一方の黒い物体も踵落としと同時に大尉の胴体目掛けて突きを食らわせる。黒い物体が地面にめり込むように叩き付けられ、大尉の胴体部分に刀が突き刺さる。

 

「父ーっ!!」

 

助けに来た教員たちに背負われたラウラが最後に刀が突き刺さった大尉を見たラウラは悲鳴を上げながら教員たちに運ばれる。しかし刀を突き刺された大尉は平然とした顔をしていた。大尉の身体が徐々に霧に包まれ、やがて大尉の全てが霧となり消えた。

 

「――――!?――――!?」

 

黒い物体は刀を突き刺した獲物が突然消えたため起き上がって辺りを見回して大尉を探す。黒い物体か大尉を探しているとき、霧は黒い物体の足元に潜り込むと霧は形となり、やがて霧は大尉となる。

 

「……残念」

 

黒い物体の足元に潜り込んだ大尉は黒い物体のあご目掛けて蹴りを食らわせる。蹴りを受けた黒い物体は上空に吹っ飛ぶ。大尉は白狼のスピードで吹っ飛んだ黒い物体に追いつくと黒い物体に背後に回り黒い物体を腕ごとガッチリ掴んだ。

 

「……イズナ落としを……知ってるか?」

 

黒い物体は大尉の拘束から逃れようともがくが大尉はものともせず、白狼の全ブースターをふかして高速で地面に落下して黒い物体を地面に叩きつける。イズナ落としを食らわした大尉は宙返りして距離を取ると黒い物体をじっと見つめる。

 

「……そういえば……中に奴がいるんだったな……さすがにイズナ落としはマズかったか?」

 

黒い物体が地面から起き上がっているのをじっと見つめながら大尉は中にいるシャルルの心配をしていた。一方で大尉が心配してじっとしているのをいい事に黒い物体は大尉に斬りかかる。

 

「…………」

 

自らに向けて振るわれる刀を大尉はまるでどう振ってくるのか知っているかのように刀をかわし続ける。そして大振りな一撃が振るわれた時大尉はくるりと回って避けると左手にロングモーゼルを展開、ロングモーゼルを脇と右手の間に差し込むようにいれ、ロングモーゼルの銃口を黒い物体の顎に押し付けてゼロ距離で発砲する。ゼロ距離で放たれた弾丸をくらいながらも黒い物体は怯むことなく大尉に斬りかかる。横一線で振るわれた刀は大尉を捉える事はできず、大尉は霧になり避けると背後に回り込んで後頭部にロングモーゼルの銃口を押し付ける。

 

フルオートで発射された数十発の弾丸をくらい、黒い物体も、流石によろけてしまう。大尉は黒い物体がよろけた瞬間を見逃さず、前蹴りで黒い物体を壁に叩きつける。大尉は地面に静かに着地するとロングモーゼルを放り投げて二天狼を展開して黒い物体向けゆっくり歩いていく。

 

「……不可測な事態には対応できず……狂ったとはいえ動きも昔の姉さんの通りにしか動かない……所詮意思もない機械などこの程度か」

 

大尉が黒い物体に向けて歩み寄ると黒い物体は全速力で大尉目掛けて襲いかかる。

 

「……右から左に横一線」

 

大尉がそう呟くと黒い物体は大尉に近づいて右から左に横一線で斬りかかる。

 

「……予想通りだな……貴様が姉さんの真似をするなど五十年早い……両腕を貰うぞ」

 

大尉は横一線に振るわれた刀を躱すと二天狼で黒い物体の両腕を切り落とした。両腕を切り落とした大尉は刀を上から下に振りおろして黒い物体の胴体を切り裂く。切り裂かれた胴体からはシャルルは悪夢に魘されながら眠っているように見えた。

 

「……そこから出す」

 

大尉は黒い物体の胴体部分に腕を突っ込むと中にいるシャルルを引きずり出す。シャルルを引き出された事によりVTシステムは動きを停止して、黒い物体も形を保てなくなり崩れ落ちた。大尉がシャルルを抱えているとシャルルがゆっくりと目を覚ます。シャルルは大尉が目に入ると気まずそうに目を逸らす。

 

「い、一夏……ぼくは……」

 

「……何も言わなくていい……全ては終わった」

 

大尉はそう言うと白狼を待機形態にしてシャルルをお姫様だっこで保健室へと運ぶのだった。こうしてVTシステムはたった一人の手ににより一方的に鎮圧された。

 

______

 

大笑いしている理事長の元に電話がかかる。理事長は電話をとって「そうか」とだけ言うと電話を切りニヤニヤしてカトリーヌの方を見る。

 

「嬉しい知らせだ。いやキミにとっては悪い知らせになるのか?VTシステムは既に鎮圧されたよ。被害は多少アリーナにヒビ(大尉が暴れたせい)とシャルロットくんを除いた教員数名、生徒一人だそうだ。」

 

VTシステムが鎮圧されたという事を聞いてカトリーヌは意味がわからないといった表情をするが理事長は彼女の反応を気にせず話を続ける。

 

「やれやれ、被害を出さずに事を納めることは出来なかったよ。全く腹立たしい。私は今すぐ君の頭にアハトアハトをぶち込んで跡形も残さずに殺してやりたい所だが君を殺すのは彼の仕事だ。」

 

理事長はそう言うと1歩横に移動するとトバルカインたちの中から一人の男性が出てくる。カトリーヌはその男を驚愕した表情で見る。

 

「ロベール……!」

 

そこに現れたのはデュノア社社長のロベール・デュノアだった。ロベールは彼女をじっと見つめているが手足は微かに震えている。理事長は震えているロベールに拳銃を手渡した。

 

「さぁ、その銃で彼女を殺したまえ。彼女は君に毒を盛り、君の会社の利益を私利私欲に使い、そして君の愛娘にVTシステムを仕掛けて利用してきて女性だ。キミには彼女を殺す権利がある。早くその引き金を引き給え、銃とはいいものだと思うぞ私は。子供でも大人を罪悪感無く簡単にころせるからね。キミが引き金を引いただけで彼女の肉を突き破り骨を砕く事ができる。さあ早く撃ちたまえ!」

 

「し、しかしゴホッ……」

 

理事長が楽しそうに言うとロベール自身はまだカトリーヌを自らの手で殺す事に躊躇っていた。理事長は楽しそうな顔から困った顔になり、メガネを抑えてやれやれと首を振る。

 

「全く、まだ迷っているのか。仕方無い……それではキミにもっと彼女を殺す理由を与えるとしよう。そうだな……キミは確か彼女が盛った毒のせいで咳が激しいらしいじゃないか」

 

「ええ……ゴホッゴホッ…」

 

「そのことで少し気になったんだがね?キミの恋人だったエミリーという女性もまた咳から始まる謎の病で亡くなったそうじゃないか。」

 

「確かにそうですが……」

 

「おかしいと思わんのかね?キミの身体もキミの恋人の病も咳から始まっている。そこで私が少し調べたのだよ。」

 

理事長はスーツの懐からあるレポートを取り出すとそれをロベールに見せる。ロベールは見せられたレポートを見ていくにつれて銃を持つ手がより強くなる。

 

「そのレポートはキミの恋人を担当していた医師から脅し…失礼、貰ったものなのだがそのレポートによれば彼女の身体には毒が盛られていたらしいじゃないか……偶然にもキミが盛られている毒と全く同じ物が、ね。その医師に話を聞いてみれば医師はキミの恋人が毒を盛られている事をデュノア社のある人物に秘密にするように言われていたらしいじゃないか。秘密にするように言ってきた人物は言われなくとも解っているだろう?」

 

理事長はカトリーヌの方を見ながら言うとロベールはカトリーヌを強く睨む。理事長はロベールのその様子を見ながらメガネを上げる。

 

「(……殺意はこれで十分、あとは殺す切っ掛けさえあればロベール・デュノアは引き金を引く)ゾーリン」

 

「あいよ、りょーかい」

 

理事長に呼ばれたゾーリンは理事長の指示が解っているようにカトリーヌに近づくとカトリーヌの頭に手を置く。ゾーリンがニヤリと笑うとゾーリンの身体半分を埋め尽くす文字が動き出していく。

 

「……!?、アアアアアアアッ!!」

 

ゾーリンが手を置いて数十秒立つとカトリーヌは頭を抱えて狂い出す。ロベールは突然狂い出したカトリーヌに驚き、その様子を見た理事長はニヤニヤ笑いながらロベールと向き合う。

 

「り、理事長殿……彼女に何をしたのだ……?」

 

「狂わせた。ゾーリンが彼女の記憶の中から最も恐ろしい物を探し出してそれをより恐ろしく、より狂うように、つまり彼女の心を壊すために見せ続けさせた。それだけだよ」

 

理事長の言葉を聞いてロベールの身体に悪寒が走る。何故理事長はそんな残酷なことを平然とさせるのか、何故人の心を壊すのに躊躇いが無いのか、何故……

 

「(……何故人の心を壊しておいてそんなに楽しそうに笑っているのだ!?)」

 

ロベールは理事長を驚きと恐怖が混ざった感情で見つめる。理事長はその視線を気にすることなく笑みを浮かべたまま両手を広げ劇のナレーターのように喋り始める。

 

「彼女は生きている限り恐怖を見続けて狂い続けるだろう。ならば彼女を殺して楽にしてやるべきではないかね?理由は与えた、キミの殺意も十分。さぁ撃ちたまえ!その引き金で!その殺意で!」

 

理事長がそう言うとロベールは一つ深呼吸をして理事長のすぐそばまで歩く。

 

「理事長殿…あなたは狂っている」

 

「そんなものとっくに知っているし、言われ慣れているさ」

 

「きっとあなたは碌な死に方をしない」

 

「だろうね」

 

「世界中から恐れられるその狂気、少しだけ理解した。私はあなたが嫌いだ」

 

「ああ、よく言われる」

 

「しかしあなたはシャルの正体に気づきながらも娘を守ると言ってくれた。私とデュノア社には貴方に恩がある。恩は返す。今この時よりデュノア社はIS学園に全面的に協力する事を確約する。」

 

「そうか、それは嬉しい事だ。」

 

ロベールは再び歩き出し狂い、大声を上げるカトリーヌの元まで行くと理事長に与えられた銃の銃口をカトリーヌの頭に押し付ける。

 

「許しは請わない、元は君よりエミリーを愛してしまった私が招いた事態……さらばだ、カトリーヌ」

 

バンッ!バンッ!と2発の銃声が鳴り響く。ロベールがカトリーヌを撃ったところ見た理事長はロベールに拍手を送る。

 

「素晴らしい!彼女の死により彼女の罪は償われたッ!!そして君は妻を殺して新たな人生を歩んでいく!素晴らしい!本当に素晴らしい劇だッ!!」

 

「そうか……それでは私は失礼する。」

 

理事長がロベールに拍手を送る一方でロベールはなんとも言えない表情のまま理事長に銃を返して出口へと歩いていった。

 

 

 




ここで一旦区切ります。

まだちょっと続きます。

次の話で又新キャラが登場します。

のんびりお待ちください
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