IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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さて、やっと臨海学校編。

ここまで来るのに随分かかってしまいました。

それではどうぞ。


46話

臨海学校当日、IS学園の生徒たちが泊まる旅館の道中、大尉は道に生えている不自然なウサギの耳が目に入る。そのウサギの耳の近くには不自然な「引っ張って下さい」という張り紙が置いてある。

 

「…………」

 

大尉はウサギの耳の近くにまで行くと、特に何も思う事なくウサギの耳を引っ張る。すると上空からキイィィィン!と何かがこちらに向かってくる音が聞こえ始める。常人なら何も見えず、立ち尽くすだけだっただろうが大尉の目にはこちらに向かってくるにんじんの形をしたロケットが映っていた。

 

「…………!!」

 

そのロケットが目に入った後の大尉の行動は早かった。大尉は直ぐさま臨戦態勢を整えて自分の方向にまっすぐ飛んでくるロケットが自分に攻撃を仕掛けに来ていると判断し、上空に飛ぶと向かってくるロケットを思い切り蹴り飛ばした。大尉に蹴られたロケットはグニャリとくの字に折れてあらぬ方向へと飛んでいき、やがて旅館の外の近くに突き刺さった。

 

「…………」

 

大尉は心なしか満足そうな表情で地面に着地すると、大尉の近くでパチパチと拍手の音が聞こえてくる。

 

「いやー、ロケット蹴り飛ばすとか相変わらず人間辞めてるねいっくん!さすが束さんが大好きな男の子第一位!そこに痺れる憧れるぅ!」

 

「……久しぶり……束さん……」

 

大尉が拍手のする音の方へ目線を移すとそこにはいつの間にか束が立っており、笑顔で拍手を送っていた。大尉は束に久しぶりと言って体を束の方へ向ける。

 

「うんうん、久しぶりだねぇいっくん!ところでいっくん、箒ちゃん知らない?」

 

「…………」

 

箒の質問に対して大尉が首を横に振ると束はおもむろに携帯を取り出す。

 

「そっかぁ、知らないなら仕方ないか。ま、私が発明した箒ちゃん探知機で直ぐ見つかるんだけどねー。さてさて、箒ちゃんはど・こ・か・なー?お、いたいた」

 

束は携帯を数秒いじって箒の居場所を見つけたのか携帯をしまう。

 

「もうちょっといっくんと話してたいんだけど、先約があるからそろそろ行くね。あ、そうそう」

 

束が大尉に別れを言って箒の元へと走りだそうとした時、束は何かを思い出したのか束の口が大尉の耳元にくっつきそうなほどの距離まで近づく。

 

「……今度用意したオモチャは前よりかは楽しめると思うよ……。それじゃ!バイバイいっくん!また後で!」

 

大尉の耳元でそう呟くと、束は人間にしては早い速度で走り去っていく。

 

「…………?」

 

束が走り去っていくのを眺めながら大尉は先程束が呟いた言葉の意味がわからないと首を傾げるのだった。

 

________

 

 

「「「海だぁーーーーっ!!」」」

 

海についた瞬間、女子たちは我先にと海へと走っていく。その様子を眺めて引率の教員たちは苦笑いしながら溜め息をつく。

 

「おやおや、元気が有り余ってますねぇ。みなさーん、海に入る前にちゃんと準備体操はしておいて下さいねぇ……あらあら、無視ですか。海が待ちきれないんでしょうか?若い事は良いことですねぇ」

 

六ツ輪は我先にと海へと走っていく生徒たちに一応注意を呼びかけた後、パラソルと椅子を設置して椅子に座り、本を読み始めようとするが直ぐに近くにいる千冬と山田に視線を向ける。

 

「ああ、織斑先生、山田先生。生徒たちと遊んでても構いませんよ。監視は私がやって置きますので」

 

「いえ、我々は引率ですので。監視が倉持先生だけというわけにはいきません」

 

六ツ輪の提案に千冬が腕組みをしながら首を横に振る。六ツ輪はそれを聞いて本を読み始めながらある提案をする。

 

「ふむ……なら私が全体を監視しているので織斑先生たちは生徒たちに混ざりながら内側から私の目が届かない所を監視する……これなら如何ですか?」

 

「ふむ……」

 

六ツ輪の提案に千冬の心が揺れ動く。最近、弟との関わりが訓練以外で中々無いのでこの機会に交流を深めるべきか悩んでいるようだ。六ツ輪はそれを知っているのか本に目を通しながら口を開く。

 

「私は研究室に籠もりっぱなしだったのでこういう日差しが強い所は苦手でしてねぇ。織斑先生たちなら体力に自信があるでしょうし、何より教員として生徒たちと交流を深めるのは学園生活を円滑にするためには必要な事ですよ。体力の無い私は外側から、体力のあるあなた方は内側から。適材適所、というやつですよ」

 

「……そういうことなら、わかりました。ありがとうございます倉持先生」

 

「ふふ、早く生徒たちの元に行ってあげて下さい。きっとみんな待ってますよ」

 

六ツ輪の気遣いに千冬は礼を言うと水着に着替えに更衣室へと向かっていった。

 

 

沢山の美少女たちの水着姿が視界に広がっているにも関わらず、大尉は海岸にいる小さな魚たちをぼんやりと見つめていた。数分ほどぼんやりと魚たちを眺めているといきなり視界に黒い水着に水着用のデニムを着たシュレディンガーの顔が映ってくる。

 

「大尉、何で小魚を眺めてるんですか?」

 

「……特に理由は無い……」

 

「あ、そういえばマンガに書いてあった事なんですけどこういう小魚って鍋にして食べると美味しいらしいですよ?ま、あくまでマンガの知識なので実際はわかりませんけどね!」

 

「…………!!」

 

シュレディンガーが指を立てて言った瞬間、大尉が目の色を変える。しかし大尉が目の色を変えた瞬間に小魚たちが一目散に逃げ出してしまい、大尉は表情にはみせないが少し落ち込んでいる様にシュレディンガーは見えた。

 

「あーあ、逃げちゃいましたね。大尉、ここはお魚は一旦諦めて僕たちと遊びましょうよ!」

 

「…………」

 

シュレディンガーの提案に大尉はコクリと頷くと、大尉はシュレディンガーに手を引かれてみんながいる砂浜へと歩いていく。歩いてる道中、大尉はシュレディンガーに声をかける。

 

「……シュレディンガー」

 

「ん?なんですか大尉?」

 

「……さっき束さんにあった……あの人が来たということは……何かが起こる……注意しておけ」

 

大尉が呼びかけるとシュレディンガーは歩みを止めて笑顔で振り向くが大尉が束の事を話した瞬間笑顔が消えて目の色が変わる。

 

「……少しドクの所へ行ってきます。大尉はこれでも飲みながらみんなの所へ向かって下さい。」

 

シュレディンガーは大尉に水を手渡すと何処にでもいて何処にもいない自身の能力を用いてドクの元へと向かおうとするが大尉が「……シュレディンガー」と再び呼びかけると一旦それを中止して大尉のほうを見る。

 

「……言い忘れてたな……その水着……似合っている……良いと思うぞ」

 

主に制服姿のシュレディンガーしか見ていない大尉には水着姿のシュレディンガーが新鮮だったため、大尉は自分が思ったことを素直に言うと、シュレディンガーの顔が真っ赤になってしまう。

 

「〜〜〜っ!!?ふ、不意打ちは卑怯ですよ大尉!!ぼ、僕はもう行きますね!………エヘヘ」

 

顔を真っ赤にしながら慌ててシュレディンガーは自身の能力でドクの元へと向かう。消える直前、シュレディンガーは顔を真っ赤にして照れながら笑みを浮かべていた。

 

 

 

みんながいる砂浜についた大尉はオイルを鈴に無理矢理塗られているセシリアの方をじっと眺めていると、その視線に気づいた鈴がセシリアに「はい終わり!」とセシリアの尻を叩いて大尉の元に駆け寄ってくる。

 

「一夏、あんたどこほっつき歩いてたのよ?全然姿が見えなかったけど」

 

「…………」

 

大尉は海岸の方を指差して砂浜に歩く途中にシュレディンガーから貰った水で喉を潤す。鈴は大尉の仕草でどこに行ってたのか大体予想がつき、「ふーん」と言って大尉の腕を引っ張る。

 

「一夏、ちょっと競争しよ。向こうのブイまでグルーっと一周して負けた方がアイスおごりね、よーいドン!」

 

「……いきなり……すぎる」

 

勝手に勝負を始められ方針状態だった大尉だが、鈴の言葉のある一部が大尉の頭の中で繰り返される。

 

『負けたらアイスおごりね』

 

『負けたらアイスおごりね』

 

『負けたらアイスおごりね』

 

『あたしに勝てたらアイス食べ放題よ』

 

そこからの大尉の行動は早かった。大尉は直ぐさま海に飛び込み、ブイと砂浜の中間まで泳いでた鈴をあっという間に追い抜く。いつの間にか追い抜かれた鈴は目を開いて驚愕する。

 

「え!ちょ、速っ!!?」

 

鈴は大尉の速さに驚いて目を開いたせいか、海水が目に入り、そして空気ではなく海水を吸い込み、軽いパニックに陥ってしまい姿勢を崩して身体が海中へと引きずり込まれてしまう。

 

(あ……これかなりヤバイかも……)

 

水中で自分がどこに向いてるのかすらわからずに意識が失いかけたその時、鈴の手をブイから回ってきて、鈴が溺れていることに気づいた大尉が引っ張って無事に砂浜まで連れていく。砂浜に着いた鈴は大尉により二組の担任の元へ送られ、二組の担任の適切な処置により無事にすんだ。鈴は自分を送り届けてくれた大尉に赤面しながら「あ、ありがと……」と言ってビニールシートへと倒れ込むのだった。

 

鈴を無事送り届けた大尉だが今度は着ぐるみを着てボールを持った本音が大尉を呼び止める。

 

「おりむー!ねぇねぇ!ビーチバレーしよーよー!」

 

「…………」

 

大尉は本音が持っているボールを眺め、自分の体力がどれほどあるかを何となく確認した所、先程まで泳いでたいたが体力にはさほど影響は無いと判断し、大尉は本音の誘いに少し考えた後、コクリと頷く。

 

 

「ほんとー!?わーい!それじゃ早く行こうよおりむー!せんせーが凄く強くて勝負になってなかったんだよー」

 

本音は大尉の返事に身体をぴょんぴょんさせて喜ぶと片手でボールを持ち、もう片方の手で大尉を引っ張っていった。

 

「ん?織斑か、今度はお前が相手になるのか?」

 

「……ああ」

 

ビーチバレーに着くとそこには息も絶え絶えで倒れこんでいる生徒たちと平然とした顔で千冬に憧れる生徒から貰ったのであろう水を飲んでいる千冬だった。大尉は千冬の質問に返事をしてコートへと入っていく。コートに大尉が入ってくるとそれに興味を持ったギャラリーがぞろぞろと集まり、ある所では秘密裏に大尉と千冬、どちらが勝つか今日の夕飯のおかずを賭けていたりする。試合が始まろうとした時、千冬は大尉に挑発的な笑みを浮かべる。

 

「本気で来い織斑、でないと私には敵わんぞ?」

 

「「「きゃーー!!千冬さまぁぁぁ!!」」」

 

「……うるさい」

 

千冬の笑みに回りにいる女子たちが黄色い歓声と同時に赤面したり、鼻血を出しているのを見て大尉はため息をつく。そして審判のホイッスルの音で試合が始まった。サーブは千冬チームからで大尉のチームはサーブを無事レシーブして、レシーブしたボールをもう一人のメンバーがトスでボールを大尉の方に上げる。

 

「織斑くん!任せたよ!」

 

「…………!」

 

大尉はチームメイトの言葉に頷くと助走をつけず、そのまま跳躍する。大尉はボールが最も高い位置の時に打つように跳躍し、完璧なタイミングボールを打ち下ろす

 

 

…………手刀で。

 

大尉が力を入れて振り下ろした手刀はボールにぶつかるとボールを見事に真っ二つにする。ボールが真っ二つになった光景を見て大尉以外の人たちは静まりかえり、目が点になる。

 

「え……ボールって切れるの?……手刀で?」

 

誰かがそう呟くと先程までの静まり返った雰囲気から一変してお祭り騒ぎのような騒がしい空気になる。

 

「織斑くん!バレーはボールぶった切る競技じゃないよ!」

 

「すごっ!織斑くんすごっ!?」

 

「これそういう競技じゃないから!」

 

大尉の回りに先程までのギャラリーが集まり、ワイワイガヤガヤと騒ぐ。大尉はあまりの煩さに耳を塞いで無視を決め込む。その光景を見て千冬は頭を抑えてため息をつく。

 

「本気を出せと言わなければよかった……一夏と仲を深めようとしたのにな……あいつの怪力を侮っていた……。」

 

 

当初の大尉との熱い勝負を期待していた千冬は目論見が外れ、麻耶に少し抜けると言ってビーチバレーのコートから去っていくのだった。

 




友達がモバマスを再びやり始めたので私もプロデューサー稼業を再開しようとしたんですよ。

ですが2日も保ちませんでした\(^o^)/

昔、嬉々としてやっていたのが随分昔のことのように感じました。

はぁ……モバマスのアニメに周子でないかなー。(ガチャガチャ
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