IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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久しぶりの投稿、今回短めです。


47話

臨海学校二日目の朝、宿から少し離れている海岸に何人かの生徒が呼び出しを掛けられていた。呼び出しを受けた内、数人は呼び出された人物のほとんどが専用機持ちという共通点に気づいており、千冬と麻耶の表情からただ事ではない雰囲気を感じとる。呼び出しを受けた大尉、箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラが見つめる中、千冬が口を開く。

 

 

「いきなり呼び出してすまない。今回専用機持ちを呼び出したのは訳がある」

 

専用機持ち、という単語に反応してシャルロットが手をあげる。千冬はシャルロットに頷いて発言を許可するとシャルロットが箒の方を見つめながら口を開く。

 

「あの、専用機持ちっていう話なんですけれど……箒は専用機を持ってないと思うんですけど……」

 

 

「そのことだが篠ノ之にも専用機が与えられることになっている。詳しくはこいつに聞けばわかる。おい、そこにいるんだろう?出てこい」

 

「いやっほー!!ちーちゃーん!!」

 

シャルロットの疑問に千冬が答えると箒にいきなり専用機が与えられる事に呼び出された女子たちは怪訝な顔を浮かべていると、千冬が声を掛けた方向からメルヘンチックな服装をした束が千冬に向かってダイブする。千冬は予めその行動を読んでいたのか飛び込んでくる束の頭を鷲掴みする。

 

「イタタタ!!潰れる!束さんの天才的な脳が潰れる!!ストップ!ストップだよちーちゃん!」

 

「……まったく、普通に登場できんのかお前は……」

 

「アイタタタ……ちーちゃんに潰されそうになった頭がズキズキと痛むよぉ……いっくん、頭いたいから頭ナデナデしてくれると治るんだけど撫でてくれないかなー?チラッチラッ」

 

「…………」

 

千冬が束の頭を離すと束は頭を抑えながら大尉に近づき上目遣いで大尉にお願いすると、大尉はコクリと頷き束の頭を優しく撫でると束はさっきの痛がってた様子が嘘のように元気になる。

 

「くぅー!いっくんのナデナデのお陰で束さんのHPはMAXだよ!ありがといっくん!」

 

「織斑先生、この方はもしや……」

 

「ああ、こいつはISの製作者、篠ノ之束だ」

 

セシリアは目の前にいる女性が篠ノ之束ではないかと千冬に聞くと千冬は頷きながら答えると大尉と箒以外の全員が驚く。周りが驚いている中、セシリアは束に近づいて尊敬の念と共に手を差し出す。

 

「束博士、お会い出来て光栄ですわ。私はセシリア・オルコット、あなたを尊敬している者ですわ」

 

セシリアがそう言って握手を求めたが、束はセシリアに目すら向けず無視すると箒に笑顔で近づく。

 

「やぁやぁ箒ちゃん、また(胸が)成長したねぇ。お姉ちゃんは嬉しい限りだよ。」

 

「久しぶりです姉さん。私の成長はともかく、今日来たという事は私に専用機を渡してくれるのですか?」

 

「せっかちだなぁ箒ちゃんは。折角久しぶりに会えたんだから涙一つでも流してもいいのに。……ま、いいけど。うん、そうだよー、今日は箒ちゃんの専用機をお披露目しにきたんだ!」

 

 

束は箒の自分に対する冷たいあしらいにため息をつくがすぐに気を取り直してリモコンを取り出すとボタンを押す。束がボタンを押した直後、束のすぐ近くに大きなコンテナが落ちてくる。コンテナは地面に着地した後、扉を開き、中には一機のISが収納されていた。

 

「じゃじゃーん!これが箒ちゃんの専用機、束さんが作った第四世代IS、その名も紅椿!ささ、箒ちゃん!早速乗ってみてよ!」

 

各国家が未だに第三世代の開発をしている中での束の第四世代という単語に一同は驚きを隠せない。しかし、束はそんな周りの反応に興味を示さず、箒をISに乗せると調整を開始していく。

 

 

調整が終わり、紅椿の性能を目の当たりにした女子たちはその性能に驚きを隠せずにいた。その性能は第四世代の名に相応しく、性能はもちろん武装も他の第三世代を超えるものだった。紅椿の性能を確かめる中、箒はその性能に笑みを隠せずにいた。

 

「(この紅椿なら私は一夏と並び立つことができる!いや!この紅椿と私なら一夏の強さを超える事が出来る!)」

 

「……浮かれているな」

 

「ああ。子供が新しいおもちゃを手に入れたような浮かれっぷりだ。まあ当然だ、ただのガキがいきなり力を手に入れたんだ、浮かれたくもなる。そしていきなり力を手に入れたものはそれを試したがる。銃を手に入れた奴がその銃を撃ってみたいと思うように……な」

 

大尉が笑みを隠せずにいる箒を浮かれていると評すると千冬は頷き、呆れた様子で箒を見つめる。そんな中、紅椿の性能を見たラウラが気になった事を発言する。

 

「確かに凄い性能なのだが、運動性能においては父の白狼の方が優れているな」

 

「ええ、そうね。あのISも十分早いんだけど一夏の白狼はワープでもしてんじゃないかっていうくらいの性能だものね。」

 

ラウラの発言に実際に白狼と戦った鈴が頷きながら言うと束はラウラたちの方を見ずに大尉に視線を向けながら口を開く。

 

「そりゃ当然だよ、あの白狼は乗り手の事なんて一切考えてないふざけた機体だもん。普通ならスピードに目と反射が追いつかずに性能に振り回されるだけだし、仮にスピードについていけたとしてもあんなふざけた機体に乗るとGで身体がグチャグチャになるのによく乗れるよ。……ねぇ?いっくん?」

 

「…………」

 

束か笑顔でそう言うと大尉は束の発言に答えず、視線を受け流して紅椿からも興味を無くす。その様子を見て束が大尉の視界に無理矢理入る。

 

「あれあれ?紅椿に興味を無くしちゃったのかないっくん?あの機体ならいっくんといい勝負が出来るのに興味を無くしちゃうのかな?」

 

「……機体が良くても……乗り手があの様子ではな……」

 

大尉はチラリと紅椿に乗る箒を見ながらそう言うと束はへぇとだけ言って視線を紅椿に向ける。

 

「ま、いっくんがそう思うなら仕方ないか。……箒ちゃんではいっくんを楽しませることは出来ない……か」

 

 

束は誰にも聞こえないくらいの声で呟くと笑顔で箒を呼び寄せてISを解除させる。ISを解除した箒の表情は誰が見ても浮かれているとわかる表情だった。束は箒に近づきながら紅椿の乗り心地を聞く。

 

「どうだったかな箒ちゃん?紅椿の乗り心地は?」

 

「ええ、素晴らしいです。このISなら私はもう負ける気がしません。例え相手が一夏だとしても」

 

箒はそう言いながら大尉の方を見るが大尉はその視線を流す。大尉から何か自分を褒めるような発言を期待していた箒はその様子にカチンと来たのか大尉に詰め寄る。

 

「どうした一夏、私に何か言いたい事があるんじゃないか?」

 

大尉は箒の問いかけに首を横に振る。

 

「……特にない。……強いて言うなら…紅椿……良い性能だな」

 

大尉は箒に対して何か褒めるような言葉は思いつかず、紅椿の性能を褒める。大尉の目には紅椿しか映っておらずそこには乗り手の箒の事など映っていない。それに気づいたのか箒は怒りを露わにしながら大尉の胸ぐらを掴む。

 

 

「紅椿に乗っている私には何か言うことは無いのか一夏!」

 

「……無い」

 

「な!?」

 

「……お前に言うことは無い……と言ったんだ……今のお前に言う言葉は無い……とな」

 

大尉は胸ぐらを掴む箒の手を振り払うと千冬に視線を向ける。

 

「……姉さん……こんな事のために俺を呼び出したのか?」

 

大尉の呆れた視線に千冬は首を横に振って否定し、ここに大尉たちを呼び出した理由を話し始める。

 

「いや、あれはついでだ。ここにお前たちを呼び出したのは誰にも聞かれたくない事案が発生したためだ。」

 

千冬はタバコに火をつけ、煙を吐きながら口を開く。

 

「……アメリカとイスラエルが共同開発していたIS、銀の福音が暴走した。"偶然にも"銀の福音はここを通過するとの情報があった。対応出来るのはここにあるISのみだ。お前たちにはこの銀の福音を止める任務を遂行するようにIS学園理事長から指示された。今回キーパーソンになるのは一夏、お前だ」

 

 

いきなり指示された任務、呼び出されたメンバーは動揺を見せる。ただの学生にいきなり任務が言い渡されたのだ。動揺するのは当然と言える。

 

「(さあ始まるよいっくん。楽しい楽しい闘争が。君のために、君だけのために整えられたこの戦場。恐ろしくも美しいいっくんにこそ似合うこの戦場。さぁ早く見せて欲しいよ、敵と楽しく闘うその様を、敵を蹂躙するその様を。そしてキミは敵の返り血で化粧を施し、より美しく孤独な存在に近づく。キミが完全に孤独で美しい存在になった時、私はキミを迎えにいくよ。ああ、楽しみ。ほんと楽しみで仕方ないよいっくん。私が見ていたモノクロの世界を美しく彩ってくれた恋い焦がれる存在、満月の月で遠吠えを奏でる者、この世に居てはいけない存在、"ヴェアヴォルフ")」

 

しかしその中で篠ノ之束は楽しそうに笑い、大尉に情熱的な視線をむけるのだった。

 

 

 




あー、話が全然進まないんじゃー。

書きながら思ったこと、箒がなんかよくわかんないんだけどウザい。

ほんと、なんででしょうね?

ウザいから大尉に一方的にボコボコにさせようか迷ったレベルです、ハイ。
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