IS×ヘルシング~ヴェアヴォルフの闘争~   作:心太マグナム

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コツコツ書いてやっと書き終わりました眠い。





51話

大尉がアーカードと苦々しい表情で言うと少女は「ほう」と呟いてニヤリと笑う。

 

「この幼女の名前はアーカードと言うのか。RをLにして逆さから読むと'''ドラキュラ''か……。ハハハ、中々洒落た名前ではないか」

 

「……お前は……アーカードじゃないのか?」

 

大尉が首を傾げて問うと少女は先ほどと同じように笑いながら頷く。

 

「ああ、そうだとも。私に本来名前などない。私は日本という国が所有するコア。世界に数多あるコアの一つに過ぎぬのだからな」

 

コアという単語に反応し、大尉は再び目の前の少女に問いかける。

 

「……お前は……白狼なのか?……なぜアイツの姿をしている?」

 

「それはお前たちが勝手にそう呼んでいるだけだが……。まあいい。最初の問いかけはほぼ正解だ。私は白狼のコア、お前の所有物だ。……そして次の問いかけについて、何故私がアーカードとやらの姿をしているかだったな?答えてやろう。」

 

白狼は大尉に歩みよると指先で大尉の首元をなぞり、狂気に満ちた顔を見せ、艶のある声で呟く。

 

「お前の記憶の中でお前が最も化け物だと思った者がコイツだったからだ」

 

少女は大尉の首元をなぞった後、大尉から一歩離れ再びニヤリと笑いながら自身の身体の腕、体を弄る。

 

「お前のモノとなってすぐ私はお前の記憶を見させて貰った。中々に興味深かったぞ。吸血鬼を作り出す実験、撃たれ、突き刺され、噛みちぎられ、そして燃えていく人間たち。……そして貴様の死。」

 

「……勝手に俺の記憶を覗くとはな……」

 

「別にいいだろう?私はお前の所有物だがお前のモノは私のモノも同然だ。」

 

「……俺の記憶の話はもういい……ここはどこだ?」

 

大尉は自らの記憶の話を打ち切り、今自分が立っているこの場所について白狼に問う。

 

「ここか?ここは私の世界だ。それ以外の言葉は見当たらん。お前があの月やら女教皇やらと名乗る人間共に負けたことによる緊急状態で私が目覚め、お前の首が海に落ちる瞬間に'''霧''を発動させて私とお前をこの世界に避難させた。というので答えになるか?」

 

「……不可解だな」

 

白狼が大尉の問いに対して答えるが白狼の返答に対し、大尉の中で引っかかる部分があった。あの時白狼のシールドエネルギーはほぼゼロに近く、白狼の言う''霧''……ワンオフアビリティのNebelは発動出来ない筈なのだ。大尉がそのことに関して問うと白狼は舌舐めずりしてそれは簡単だと言って答える。

 

「いつかはわからんがお前はISをコアごと食らったろう?それがお前の体内に消化されずに居着いてていた。そして私の方に送られてくるはずだったエネルギーを少しずつ食らってたのでな。食らってやったよ。そのお陰でエネルギー補給が出来て無事な訳だ、わかるか?」

 

「……少しな」

 

白狼の返答に大尉は心当たりがあったので納得する素振りを見せていると、ここで白狼はふと何かを思い出したような顔をすると大尉に向けて口を開く。

 

「そういえば私はお前と無駄話をするためにここに呼んだのではなかったな。なぁ化け物、お前に一つ問いたい事がある」

 

大尉は白狼の口から発せられる化け物という単語にピクリと眉を動かすと少しイラついたような口調で話す。

 

「……俺は……一夏だ」

 

大尉の口から発せられた予想外の言葉に白狼は少し驚いた顔を見せると面白そうに笑う。

 

「ん?……ククク……ああ、すまない。一夏よ、先ほどの戦闘を覚えているか?人間如きに無様にやられた戦闘を。」

 

「…………」

 

白狼の問いかけに大尉は無言で頷く。それを見た白狼は再度大尉に問いかける。

 

「一夏よ、何故お前が人間如きに負けたかはわかるか?」

 

「……向こうの方が強かった……それだけだ」

 

「いや、それは違うな」

 

白狼は首を振って大尉の意見を否定すると大尉に視線を向ける。その目には苛立ちが紛れていた。

 

「お前が負けたのは貴様がIS乗りとして、人間のルールに則って戦ったからだ。シールドエネルギーを気にし、本来防御する必要のないお前が幾たびも防御したからだ。」

 

白狼は苛立ちの表情のまま手元にロングモーゼルを展開し、その銃口を大尉の額に向けるとその引き金をためらいなく引く。ロングモーゼルの弾丸は脳髄と血を撒き散らしながら大尉の頭を吹き飛ばす。しかし飛んでいく血や脳髄は白い霧となり大尉の無くなった頭部部分まで行くとその霧は形を成して再び大尉の頭部の姿となる。

 

「本来、私とお前のワンオフアビリティは霧になるだけではない。ISにある絶対防御機能を停止させ、お前の戦闘スタイルをより発揮させるものだった。しかし、それをあの女が気づき私と本来のワンオフアビリティを眠らせたのだ。あの女、倉持六ツ輪がな」

 

白狼は六ツ輪の名を忌々しげに口にする。その表情もまた六ツ輪を恨んでいるように見える。そして本来のワンオフアビリティの能力を聞いた大尉は目を見開く。

 

「……何故……ドクがその様なマネを……?」

 

「アイツが言うにはISは兵器だがあくまでも競技用だそうだ。殺し合いをするのならともかく、競技においては対等になるようにすべき、だそうだ。そのせいで殺し合いに負けたのではお話にならんがな」

 

呆れ返るように呟く白狼だがすぐに嬉しそうに笑う。

 

「しかし、お前が負けたことで私は目覚める事ができ、こうしてお前と話をすることができる。一度私のマスターと話してみたかったのでな、丁度良かったのかもしれん。……さて、話はこれくらいでいいだろう。そろそろ現実の世界へと行こうではないか。第二ラウンドの始まりだ」

 

白狼の言葉と同時に二人が立つ世界が崩れ落ちる。白狼の世界が八割方崩れ落ちる中、その世界で大尉は楽しそうに笑う白狼の姿だった。

 

「…………」

 

大尉の目を見開いた先には光があまり通らない海の中、大尉の身体は首と胴体が繋がっており、白狼が纏われていた。大尉は白狼のモニターで時間を確認すると自分の首が落とされてからそう時間が経ってないことを確認すると、くるんと回ると太陽の映る方向へと白狼のブーストを吹かす。大尉が閉じるモニターの端には''SECOUND SHIFT''の文字が映っていた。

 

 

 

 

 

MOON18は片手にクレイフィッシュシザースを携えたまま大尉の首が落ちた方を見つめていた。そして数分経った時MOON18のセンサーに下方向から反応が出る。

 

「……やはりか!」

 

MOON18がそう呟いた直後、海から水飛沫を上げて白狼を纏った大尉が現れる。MOON18の前に立つ大尉の顔からフェイスマスクが外れると同時に身体から霧が溢れ出る。そしてその霧はやがてある形を描く。その形を見た直後MOON18と遠くにいるHIGH PRIESTESS3の表情が固まる。

 

「な……!あれは……!!」

 

『ハーケンクロイツ……ッ!!忌々しい!!とうの昔に滅んだ帝国の出来損ない風情の印がなんだというのだっ!!』

 

HIGH PRIESTESS3は苦虫を噛み潰した表情でレールガンで大尉の頭部を撃ち貫く。レールガンは大尉の右頭部を吹き飛ばし大尉の顔の半分がハーケンクロイツと同時に消し飛んだ。

 

「どんな仕掛けがあるかは知らないが……!また殺してやる!!」

 

大尉の顔の半分が消し飛んだ直後、MOON18が大尉の首目掛けてクレイフィッシュシザースを向けて再び大尉の首を落としにかかる。

 

「…………」

 

しかし、恐ろしい程の電気エネルギーが纏われたクレイフィッシュシザースを大尉は構わずに掴む。

 

「なっ!?」

 

掴まれたクレイフィッシュシザースはMOON18が押せども引けどもビクともしない。クレイフィッシュシザースを掴む大尉の顔は吹き飛んだ顔に霧が集まり、やがて形を成してくる……狼の顔へと。吹き飛ばなかった顔の左半分も白い毛が少しずつ生えてくる。そして大尉が纏う白狼もまた大尉の顔から生えてくる白い毛につられるように装甲が細い毛のように剥がれていく。白狼が新しい姿へと変わっていく中、大尉の頭に先程まで耳にしていた白狼の声が聞こえてくる。

 

『さあ新しい''私''、そして真の''霧''のお披露目だ。私も手を貸してやろう。無様な醜態を見せるなよ一夏?』

 

「……Jawohl.……Herr WeißWolf.《了解、白狼殿》」

 

そして大尉の身体が狼の毛のような装甲に包まれる。セカンドシフト、白狼が新しい姿となった時、大尉の顔には歪な笑みが浮かんでいた。

 




はい、というわけで白狼がセカンドシフトしました。

やったね大尉!レベルがあがったよ!

セカンドシフトで白狼がどのような機能を手に入れたのかは次話に、ということで!

それではみなさん今後も良い1日を!
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