青春記録都市キヴォトス   作:とある厨病の異聞観測

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第9話 覆面水着団VS闇銀行

(闇銀行…つまり大人が相手となる。

故にシャドウサーヴァントの召喚を解禁しよう。)

 

藤丸は、突撃前に周りに見えない様に大人のカードを触媒とし、召喚陣を展開する。

支払われる対価は魔力。

本来支払われる物の代わりに魔力が消費される。

 

(しかし主役は生徒(子供)

俺や仲間(サーヴァント)が目立っては行けない。

責任の場は俺にあれど活躍の場は生徒にある。

生徒を差し置いて俺が目立つやり方など私のやり方じゃない。

だから召喚するシャドウサーヴァントはキャスターにしよう。)

 

藤丸は、神代の魔女メディア、大軍師諸葛孔明、医神アスクレピオスのシャドウサーヴァントを召喚する。

メディアの魔術で基本的な強化を行い、孔明のスキルで能力を倍増させ、アスクレピオスの権能で治癒を図るというものだ。

三騎は凄まじい程の神秘が内包されている。

それもその筈、全サーヴァントが極限までの聖杯転輪を終えており、サーヴァントのスキル強化、宝具強化、能力解放(フォウ)神名文字(サーヴァント・コイン)金型強化(クラススコア)を限界まで使用し、最高値に至っている。

アスクレピオスの場合は、神秘というよりは崇高と言っていいだろう。

 

(一基だけでも過剰な気がするが、念には念をね。)

 

藤丸はシャドウサーヴァントに念話でサポートだけにして欲しいと指示を出す。

三騎は頷き、身隠しの魔術で身を隠しながら生徒達へのサポートに専念する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(それにしても…私はキヴォトス一のアウトローになりたいと思っていたはずなのに

アウトローでもない先生に恐れて…)

 

アルは思い出す。

魔神柱を鏖殺した功績を持つ藤丸の威圧感を。

 

(その挙句、勝てないと直感で分かると否や先生からそれを見抜かれたように私たちが断れない様な提案をしてそして私達はお金を受け取り、先生を恐れたまま何も失わずここにいる。)

 

そして藤丸から受け取った報酬金を見る。

振り込まれた多額の金。

本来の世界線では得られなかったお金。

 

(全く情けないわね。

私が望んでいるのはこれじゃないというのに…何事にも恐れず、何事にも縛られない。ハードボイルドなアウトロー…

そうなりたかったのに…)

 

アルはそう思いながら闇銀行から金を引き出そうとATMを操作しようとすると停電し、まるで破壊の嵐が巻き起こったかのように銀行内に銃の連射音が鳴り響く。

 

「銃声っ!?」

 

暗闇の中、マーケットガードのオートマタはシャドウサーヴァントの神秘によって強化された銃弾に撃たれ倒れていく。

電気が復旧すると、銀行内のマーケットガードは全て機能停止状態となり、機能停止となったマーケットガードの中心に六人の影があった。

 

「全員その場に伏せなさい! 持っている武器は捨てて!」

 

青い覆面をつけたシロコは、機能停止したマーケットガードの手を踏み、天井へ銃を数発撃った。

 

(ん、先生の不思議な力のおかげか。計画立案時よりもマーケットガードの位置がなんとなくわかった。

そのおかげでこの銀行にいるマーケットガードは全て制圧できた。)

 

「言う事聞かないと、痛い目にあいますよ☆」

「あ、あはは…みなさん、ケガしちゃいけないので…伏せてくださいね。」

 

覆面をつけたノノミとヒフミは周囲に銃を向け、銀行員と客に伏せる事を要求する。

 

「ぎ、銀行強盗!?」

「非常事態発生! 非常事態発生!」

「うへ~無駄無駄ー。

外部に通報される警備システムの電源は落としちゃったからねー。」

 

そう言って覆面を付けたホシノは、銀行審査員のロボットに銃を向ける。

 

「ひ、ひいっ!」

「ほら、そこ! 伏せてってば! 下手に動くとあの世行きだよ!?」

「みなさん、お願いだからジッとしててください…あうう…。」

「うへ~ここまでは計画通り…いや、想定以上の結果かな? まぁ、いいや…次のステップに進もうー!

リーダーのファウストさん! 指示を願う!」

 

ホシノはそう言ってヒフミに向かってファウストと言い、リーダーと決め、指示を仰いだ。

 

「えっ!? えっ!? ファウストって、わ、私ですか? リーダーですか? 私が!?」

 

ヒフミは、否、ファウストは自分のことを指差し、困惑する。

 

「リーダーです! ボスです! ちなみに私は…。

覆面水着団のクリスティーナだお♧」

「そして俺は覆面水着団のヴォルフガング♰」

 

藤丸とノノミ、否、ヴォルフガングとクリスティーナは自身の名前(コードネーム)と所属名を名乗った。

 

「うわ、何それ! いつから覆面水着団なんて名前になったの!? それにダサすぎだし!」

「…」

 

セリカのツッコミにノノミは、自身のギャグが滑ったかのように笑う。

 

「うへ、ファウストさんは怒ると怖いんだよー? 言う事聞かないと怒られるぞー?」

「あう…リーダーになっちゃいました…これじゃあ、ティーパーティーの名に泥を塗る羽目に。」

 

ファウストは、自身が覆面水着団のリーダーになってしまったことを嘆く。

 

「あれ、あいつら…」

「あ…アビドスと先生?」

 

便利屋のムツキとカヨコは、アビドスが銀行を襲っている様子を陰から目撃する。

 

「だよね、アビドスの子達と先生じゃん。知らない顔もいるけど。

ここで何やってるんだろ? それも覆面なんかしちゃって。」

「ねっ、狙いは私たちでしょうかっ!? それなら返り討ちにしちゃいましょうか!?」

「いや、ターゲットは私たちじゃないみたい…それにアビドスでの一件はあの襲撃で決着がついたでしょ? となるともしかしてこの銀行を…?」

「もー、アルちゃんは何してるのさ。」

 

アルは、覆面水着団に魅入ってATMの操作が止まっている。

 

「監視カメラの死角、警備員の動線、銀行内の構造、すべて頭に入ってる。

無駄な抵抗はしないこと。といっても警備員は全て倒しちゃったんだけどね。」

 

シロコは、そう言って銃を向けながら銀行審査ロボに黒い大きな鞄を渡す。

 

「さあ、そこのあなた、このバッグに入れて、少し前に到着した現金輸送車の…。」

「わっ、わかりました! 何でも差し上げます! 現金でも、債権でも、金塊でも、いくらでも持ってってくださいっ!」

 

銀行審査ロボはそう言って集金記録ごと金塊、札束を黒いバッグに詰め込んでいく。

 

「そ、そうじゃなくて…集金記録を…」

「どっ、どうぞ! これでもかと詰めました! どうか命だけは!!」

 

そう言って銀行審査ロボは、バックに詰められた金塊と机の硝子が衝突する甲高い音を響かせながらバッグを置いた。

 

「あ…う、うーん」

 

(紛れて集金記録表が入ったみたいだし、まぁいいか。)

 

シロコは、バッグを持ってその場を立ち去る様子を見ていたアルは、目を輝かせる。

 

(や、ヤバーい!! この人たち何なの!? ブラックマーケットの銀行を一瞬で制圧するなんて!

どう逃げるつもりかしら? いや、それ以前に、こんな大胆な作戦を立てちゃうアウトローが、未だに存在するなんて!!

めちゃくちゃ手際いいし、超プロフェッショナル。まるでこのためだけに生まれてきたみたい。ものの1分でやってのけたわ!

かっ、カッコいい…シビれるっ! これぞまさに真のアウトロー! うわあ…涙出そう!)

 

アル視点では覆面水着団はまるで歴戦の戦士の様に、裏社会に煌めく反英雄の様に映っていた。

 

「全然気付いてないみたいだけど…。」

「むしろ目なんか輝かせちゃって。」

「はあ…。」

「わ、私たちはここで待機でしょうか?」

「あの子たちを手助けする理由も、銀行に助太刀する理由もない。

それに社長が今あんな状態だから…とりあえず隠れていよう。」

 

そう言ってアル以外の便利屋のメンバーはその場に身を潜める。

 

「あの、シロ…いや、ブルー先輩! ブツは手に入った?」

「あ、うん。確保した。」

 

シロコは、ガチガチと金塊のぶつかり合う音を立てながら金塊と札束が詰め込まれた鞄を見せる。

 

「それじゃ逃げるよー! 全員撤収!」

「アディオ~ス☆」

「アウフ・ヴィーダーゼーエン♰」

「け、ケガ人はマーケットガード以外いないようですし…すみませんでした、さよならっ!!」

 

覆面水着団はその場を去っていくと、隠れていたシャドウサーヴァントはヴォルフガング達を守る為に追う。

 

「や、奴らを捕らえろ!! 道路は封鎖!  マーケットガードに通報だ!

一人も逃がすな!」

 

マーケットガード達は通報を受け、覆面水着団を倒そうと付近にいるマーケットガード全兵力を集結させたが、シャドウサーヴァント三騎によって強化された覆面水着団に為すすべもなく倒されていった。

 




ヴォルフガングの意味は、ファウストの作家であるヨハン・ヴォルフガング・ゲーテの事で、リーダーであるファウストの責任は自分が取るという意味でもあり、ヴォルフガングは狼の道と訳され、銀行強盗を立案したシロコに対する弁護を意味しています。

シャドウサーヴァントのメディアによって強化された生徒のステータスはレベル80に相当しています。
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