青春記録都市キヴォトス   作:とある厨病の異聞観測

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第7話 アビドス砂漠へ(3)

『ふむ、シャーレの立場を利用して負債の増額を抑えたか。』

 

金髪の異形は混沌の領域からアビドス校舎へと帰っていく藤丸達を眺めながらそう呟く。

 

『運命から外れているが…この程度の運命変動は確定している。

全地を踏破する力…

それは本来の藤丸立香には存在しなかったもの。

それは冠位指定を辿りし藤丸立香に存在するもの。』

 

金髪の異形は、そう言って藤丸の姿を眺める。

 

『しかしそれではホシノが黒服へ身を差し出す動機も薄くなる。

それでは関係が深まるきっかけにはならない。

業腹ではあるが…■■■■■と同じ手段を使うとしよう。』

 

金髪の異形は、指を鳴らし、ホシノの精神に一つの波紋を立てる。

 

『うまくいけば■■■■■への対抗策の一つになるやもしれん。そうでなくとも藤丸とホシノの関係性が確実に深まる。

最低でも■■■■■に対抗する為にはアビドスと藤丸の関係性がさらに深くならねばならん。

『■■』を乗り越えたとしても■■■■■を打倒せねば何も意味はない。』

 

(今回は乗り切れたけど…このままだと…)

 

ホシノは金髪の異形による精神干渉により、行動が変化した。

 

(やっぱり…そうなるしかないか…)

 

ホシノは歪められた決意を抱き、校舎へと戻っていく。

 

『早速変化が現れた…後は見守るのみだ。』

 

金髪の異形は再び静観し始める。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、これからどうするか…だね。」

 

藤丸は落ち着いた口調で、口を開く。

 

「先生のおかげで何とかあの場を乗り切れましたが…」

「えぇ…あのまま私たちだけで行っていたら…」

 

ノノミは辿る筈だった恐ろしい未来を口にする。

膨れ上がる筈だった大量の借金。

 

「それよりもアビドスに眠る宝って何だろう?」

「あの砂漠には石油などのお金になりそうな地下資源は何一つ残っていません。

遥か昔にそういう調査結果が出ているんです。」

「じゃあ何のために…」

 

会議室が静寂に包まれる。

しばらくの沈黙の後、その沈黙を破ったのは――

 

「う~ん。議論が詰まっちゃったし…今日はもう帰ろっか!」

 

ホシノはそう言って立ち上がる。

 

「まぁ、そうだね。」

 

ホシノの意見に藤丸は頷くとシロコの方を見る。

シロコは藤丸の視線に気づき、頷く。

 

「先生も賛同してるし、明日また集まろう! これ委員会命令ね?」

「そうですね。」

「先輩の言う通りです。」

「う、うん…」

「わかった。」

 

ホシノの言葉にノノミたちは頷く。

 

「じゃあ、皆。また明日…」

 

ホシノは、消えそうな声でそう呟いた。

 

ホシノは、皆が学校から家へ帰宅していくのを見送った後、屋上へ行き、黄昏ていた。

 

「ホシノ。」

 

ホシノは藤丸の声をする方へ振り替える

 

「なんだ。先生か~」

「なんだとは酷いな~」

「そういえば可愛いシロコちゃんといつの間に目と目で意思疎通できるようになったわけ?

やっぱり先生は侮れない大人だな~」

 

藤丸は、ポケットから退学届けを取り出す。

 

「ホシノ聞いてもいいかい?」

「ん? 何を?」

 

ホシノは振り返ると表情が曇る。

 

「そっか…」

「聞かせてくれる?」

 

(ゲマトリア…ホシノだけでなくオレを狙っている…ホシノから少しでも聞き出さないとな。

場合によっては俺が…)

 

藤丸はホシノから話を聞きだす。

 

 

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