青春記録都市キヴォトス   作:とある厨病の異聞観測

31 / 61
第14話 一事件の終わりと始まり

「これは…カイザーPMCの基地だよな…」

 

カイザーPMCの基地。

そこはまるで廃墟のようだった。

雷と砂嵐によって荒れに荒れ、基地全体が焼け焦げていた。

焼け焦げたカイザーの兵士達は駆動部を軋ませ、火花を散らしながら作業を続けている。

 

(敵ながら…これは…)

 

酷い。

藤丸はそう思った。

社畜、使い捨てられるロボット。

カイザーコーポレーションはブラック企業だとは聞いていたがここまでとは。

 

「て…てTEE敵kkkきIをはHHHHはけん! 発見!」

 

カイザーの兵士の一人は、藤丸達に指を差し、狂った機械音声を響かせ、敵の存在を周囲に知らせる。

戦力をかき集め、藤丸と相対する。

 

「さて、始めようかしら? 先生?」

 

アルは狙撃銃を構えながら藤丸の前に出て、カイザーの兵士の頭を打ち抜くとその合図を皮切りに便利屋の社員三人は近接戦闘にて掌底、蹴り、投げで一瞬でカイザーの兵士たちを鎮圧する。

 

「あぁ、行こう。」

 

藤丸は、便利屋を率いてカイザー基地に潜入する。

 

「皆、行こう。」

 

便利屋を率いた藤丸がカイザーの基地に突入するとシロコ達は別ルートでカイザーの基地に潜入する。

 

「私と便利屋がカイザーの基地で暴れるから、シロコ達はホシノの救出に向かってくれ。」

「でも…」

「大丈夫、今の私達なら先生を守れるわ! だから絶対、貴方達の大切な先輩を助けに行きなさい!」

 

アルは、シロコ達を説得する。

アルたちは藤丸の強化の上に更に英霊の強化を受け、神殿の魔神の如き力を発揮し、カイザーの基地で暴れ回る。

 

「どうやら始まったようね。」

 

(力が湧き出る…)

 

ヒナは、藤丸と英霊の強化を受け、神殿の魔神を雑兵扱い力…藤丸が所有する英霊に匹敵をする力を発揮し、カイザーを圧倒する。

羽を羽ばたかせるだけで、カイザーの戦車を吹き飛ばし、砂の竜巻が発生する。

砂の竜巻は、カイザーの基地にある建造物を破壊していく。

 

(体は軽やかだわ…こんなのいつぶりかしら…)

 

ヒナは自身の中にあふれ出る圧倒的な力、シッテムの箱と礼装による精神治癒、肉体治癒の魔術により疲労はリセットされた上に強化が上乗せされる。

ヒナは跳躍し、デストロイヤーを連射する。

体は軽やかに飛ぶ。

周囲をよく見てみれば便利屋と同じように神殿の魔神の如き力を発揮し、敵を圧倒するイオリとチナツ。

アコのデータ処理と支援が高精度化・超加速化し、戦場を支配する。

 

「どいつもこいつも!」

 

カイザーPMC理事は巨大兵器に搭乗し、ヒナに襲い掛かるが、ヒナは巨大兵器の脚部を片手で受け止め、数度地面に叩きつけ、投げ飛ばし、デストロイヤーを連射し、巨大兵器は爆散する。

更にそこへトリニティの砲撃がカイザー基地に降り注ぐ。

強化された風紀委員会の幹部と便利屋と比べれば微々たるものだが、カイザーにとっては脅威そのもの。

 

「うっわ。凄いわね。」

 

セリカは、藤丸が中心となってカイザーの軍勢を相手にしてる様を見てそう感想を零す。

気配遮断の魔術を施されたアビドスの生徒達は、建造物に隠れ、戦場の様子を伺いながらホシノの居る建造物へと急いでおり、現在、アビドスの生徒達はホシノの居る建造物の前に来ていた。

 

『先生、ホシノ先輩の居る建造物に辿り着いた。』

「了解! それじゃ、アル、ヒナ。」

 

ヒナとアルは頷くと、藤丸はアビドスの生徒達の元へと急ぎ、残存したカイザーの軍勢を相手にする。

向かう道中、藤丸に襲い掛かるカイザーの軍勢は簡易召喚で召喚したアーラシュの影が全て射抜く。

魔力は制限されている。

彼が使用できる魔力の大半は便利屋と風紀委員への補助に割いているからだ。

神殿の魔神の如き力を維持するには大量の魔力が必要。

故に今、彼に対抗策は出来るのはアーラシュの影を一基召喚するのみ。

藤丸はシロコ達と合流し、建造物の中に入る。

藤丸はアーラシュの影を退去させ、変わり様にニトクリスの影を召喚し、アビドスの生徒達を強化する。

アビドスの生徒達とエジプト魔術の親和性は高い為、ニトクリスを選んだのだ。

 

「ハァ…ハァ…」

 

藤丸の顔色は青ざめる。

過度な魔力行使により肉体に負荷がかかっている。

 

「先生? 大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ。」

 

シロコ達は進み、ホシノの居る実験室に辿り着き、ホシノを助け出す。

ホシノのヘイローは消え、気を失っている。

 

ホシノを助け出したのを確認すると、風紀委員会、ティーパーティー、便利屋は撤収する。

ホシノは目を覚まし、「ただいま」と言い、アビドスの事件は幕を閉じた。

 

数時間後…

 

「ここか。」

 

黒のテスカトリポカはカイザーの本社ビルに来ていた。

 

「入り給え。」

 

カイザーの社長であるカイザープレジデントは黒のテスカトリポカを招く。

 

「失礼する。」

 

黒のテスカトリポカは社長室に入ると同時に過去を回想する。

 

「■■の■■■として現れたか。黒のオレ。」

 

青のテスカトリポカは、黒のテスカトリポカに話しかける。

 

「正確にはそのサーヴァントだがな。

青の俺よ。オマエはオレ達の計画を阻みに来たのか?」

 

黒のテスカトリポカはそう言って青のテスカトリポカに銃を向ける。

 

「まさか…俺はおまえに紹介したい奴らがいるから接触しに来ただけさ。おまえら■■の力になる奴らをな。

おまえも知ってるだろう? 俺達キヴォトスとおまえ達■■には決定的な力の差があると」

 

青のテスカトリポカは、そう言ってカイザーコーポレーションの資料を黒のテスカトリポカに投げ渡す。

 

「あぁ、そうだな。獣の騎手…グランドアサシンとしても見過ごせねぇ案件だ。

記録によるとアイツの力は、こっちのマスターが持ってる戦力より格段に上だ。

つまりアレだな? オレに戦力を提供し、公平にしたいって考えだな?」

「そうだ。おまえの■■の力とテスカトリポカの権能が組み合わさればカイザーはこの世界のキヴォトスに対抗しうる戦力になる。

テスカトリポカは戦う者の味方だ。

であれば別世界のオレに対してもそうしなければならん。」

「道理だな。で、オマエは力を手にしたらオレ達にどうするつもりだ?」

「どうもせん。俺達はおまえ達■■よりも対処せねばならん案件がある。

カルデアのマスターが解決した筈の世界の危機。すべてが再び空洞へと近付いている…■■に侵略された方が遥かにマシな結末がな。

■■によってキヴォトスを滅ぼすなら準備を急げ。

キヴォトスも無名の司祭も■■も取り戻した人理もすべてが───になる。

故に俺は■■による滅亡を肯定する。」

 

青のテスカトリポカは、■■の到来よりも恐ろしい未来を語る。

キヴォトスという都市の尊厳を守護するという意味では■■の方がまだマシだ。

青のテスカトリポカは■■による滅亡を『空洞』に対する次善策として捉える。

黒のテスカトリポカは、回想から現在へと戻る。

 

(この世界の未来は■■が到達する方が遥かにマシだ。

ならば急がねばならんな。すべてが空洞になる前に■■の到来を…)

 

キヴォトスに属するテスカトリポカ『青のテスカトリポカ』が言っていた「すべてが空洞になる」という言葉。

■■に属するテスカトリポカ『黒のテスカトリポカ』は理解していた。

黒のテスカトリポカの本質、■■■の本質とはまた別に■■による滅亡を肯定しなければならない理由がそこにある。

『空洞』は最も避けなければならない結末だ。

 

(何も準備せず■■が招いた場合、マスター(■■■■■■)、■■■、オレは為す術なく獣の騎手に倒されるだろう。

力を整え、■■を迎えねばならん。)

 

「さて、君があの逮捕された理事の代わりとなる人材と彼女から聞いたが…」

「あぁ、そうだ。オレはオマエらの力となる。」

「ふむ…そうか。彼女の意見は無視できん。いいだろう。君を奴の代わりの座に据えよう。」

 

プレジデントはそう言ってカイザーPMC理事に代わり、黒のテスカトリポカにその座を渡した。

そしてキヴォトスのいずこ。

とあるビルでは黒服が不敵に笑う。

 

「さて、先生。我々との契約を…代償を支払う時が来ました。

クックック…始まりの戦いを」

 

黒服の不敵な笑いとともにアビドスの奥地にて機械の蛇が砂嵐を起こした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。