青春記録都市キヴォトス   作:とある厨病の異聞観測

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人理定礎値:C

作業用BGM:『炎上汚染都市 冬木』『Arc in the Blood Sky』


第1節 赤い世界

『適合マスター2名選出、藤丸立香、砂狼シロコ』

 

機械音声が二人を選出する。

 

『システム・レイシフト最終段階に移行します。』

 

起動音が鳴り響き、光が二人を照らす

 

『時空間量子観測・レイシフトを開始まで3、2、1。

全行程、完了。

ファーストオーダー実証を開始します。』

 

二人は、レイシフトの光に吸い込まれ、赤い空のキヴォトスに浮かぶ箱舟へと転移する。

 

 

 

 

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特異点F         人理定礎値:C

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A.D202X 捻歪終着箱舟 アトラ・ハシース

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序章

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「シロコ…シロコ…起きてくれ。」

 

シロコの体を揺らす声がする。

 

「ん…」

 

シロコは目を覚ますとそこには白い戦闘服を着た藤丸が来た。

その戦闘服の名は決戦用カルデア制服。

無名の司祭が裏切る前に所属していたアトラス院の現院長の娘が生み出した対異星の神用魔術礼装だ。

 

「先生、ここは…」

「わからない。

だけど安全じゃないのは確かだ。」

 

藤丸はシロコの腕を掴み、引き上げると、シロコは自身のアサルトライフルを確かめる。

 

「ん…あれ? この服装は…」

 

シロコは服装をよく見ると見慣れない白い制服を纏っていた。

それはまるで何処かの研究施設で作り出されたような戦闘服のようだった。

藤丸には見覚えがある。

それは魔術礼装カルデア

 

(懐かしい礼装だな。…いや、そんなこと思ってる場合じゃない。)

 

「それは君の身を護る服だ。…いつ着たのかはわからないけど」

「そう、別に悪いものじゃないんだね。」

 

シロコはそう言ってアサルトライフルをいつでも撃てるように準備をする。

 

(シッテムの箱…アロナがいない。

シロコと二人で行くしかないか…)

 

藤丸は、シッテムの箱がない事に気が付く。

 

(けど幸い。カードとこの特異点を由来としない黒服から貰った聖杯はある。これで何とかするか。)

 

しかし藤丸はカードと聖杯を取り出し、聖杯と魔術回路を接続し、魔力源を獲得する。

聖杯の魔力は無尽蔵。

故にシッテムの箱がない今でもサーヴァントの召喚を問題なく行える。

 

「さて、行こうか。シロコ。」

「ん。」

 

藤丸は、礼装の使い方について教えながら箱舟の中を歩いていると未知の技術を用いられた球体の攻性機械、修道女の姿をしたガスマスクの幽霊が現れ、藤丸達を包囲する。

 

「ん、こいつら…多分、敵!」

「あぁ、その通りだ。シロコ。君は自分の身を護る事を考えてくれ。」

「でも…」

「大丈夫…でも、ここから先の事は誰にも言わないでね?」

 

藤丸の令呪が赤い光を放ち、二つの影が召喚される。

 

「アーラシュ、メディア。」

 

藤丸はそう呟くとアーラシュとメディアの影が召喚され、大量の弓矢を連射し、弓矢はメディアの強化魔術で強化され、周囲の敵を一掃にする。

 

「先生、その力は一体…」

「私の力…いや、俺の仲間だよ。」

 

藤丸がそう言うと第二陣の敵が現れる。

 

「シロコ、君は私の後ろに隠れてて。」

 

アーラシュとメディアの影は二人に立ちはだかる全ての敵が動作する前に倒し尽くす。

機関銃を持った聖女の幽霊は連射すると、藤丸は銃撃を受けるも聖杯の力で強化された礼装により弾く。

 

「先生!」

「大丈夫だ。」

 

そう言って礼装に傷一つ入っていない事を見せる。

防御性に極限にまで割り振った抑止の守護者に届くレベルの防御性を有している。

 

(聖杯の力で守られている。)

 

全ての英霊を限界まで強化している以上、彼にもはや英霊を強化する為の聖杯は必要ない。

だが、使用用途が無くなった訳では無い。

肉体や身に着けている魔術礼装、召喚魔術を強化する為に使う。

仮にも第三魔法の産物、万能の願望機。

使用者の命を守る事など造作もない。

魔力供給に問題はない。

シッテムの箱と同時運用すれば世界の外とキヴォトスの霊脈の二つの魔力源により、魔力供給に困ることは無い。

シロコを守りながら藤丸が召喚魔術で敵をなぎ倒していく姿をシロコに似た黒いドレスを着た女が見つめる。

 

「…何故、どうして…この世界の私と先生は殺した筈なのに…それにあの力は一体…」

 

黒いシロコは、レイシフトでやってきた別世界の藤丸とシロコを見て、凄まじい違和感を覚える。

 

「いや、まさかね…」

 

黒いシロコは、そう言って黒い穴を開き、転移した。

 

しばらく箱舟の中を探索していると、藤丸の視界に通路に落ちているタブレットが入る。

 

「あれは…アロナ?」

 

藤丸は、箱舟の通路にシッテムの箱が落ちているのを確認し、起動する。

 

「我々は望む七つの奇跡を。我々は覚えているジェリコの聖杯を。」

 

この藤丸が知るアロナ。

魔力運用機能が追加搭載されたシッテムの箱のOSとしてのアロナが目覚める。

 

『おはようございます! 先生! あれ? ここは何処でしょう? 何やらものすごいエネルギーが周囲から確認できます。』

「おはようアロナ。ここは…私にもよくわからない。けど平行世界のキヴォトスって事はわかる。」

「ん、誰と話してるの?」

「いいや、何でもない。」

 

シロコは、一人でタブレットに話しかけている藤丸を見て違和感を感じる。

 

『平行世界のキヴォトス!? いえ、この空間の性質…まさかここは特異点ですか!?』

『うん、そうだと思う。というかよく知ってるね。特異点の事。』

『スーパーアロナを嘗めないでください!

魔力運用の機能を搭載されたアロナはそれ相応の魔術知識を持っているんですから!』

 

藤丸は念話でアロナと会話し始める。

 

『それで…ここでの霊脈の運用は出来るかい?』

『いえ、この特異点では出来ないようです。

特異点のキヴォトスだからでしょうか…或いはまた別の要因でしょうか…?

その代わりですが、先生が持っている聖杯を使えばこれまで通りの戦い方が可能かと』

 

アロナはこのキヴォトスでは霊脈の運用は不可能という結論を出す。

それは特異点という影響だからか、或いは平行世界のキヴォトスだからか。

 

『なるほどね。じゃあその方針でお願いするよ。』

『任せてください! スーパーアロナが的確な魔力運用をしてみせます!』

 

アロナは聖杯と接続した藤丸の魔術回路と繋ぎ、魔力運用を開始する。

アロナならば万能の願望機をその高度な演算能力を持って的確に運用するだろう。

 

「ん?」

 

藤丸は立ち上がり、ふと、箱舟の外を見ると藤丸は驚く。

 

「シロコ…外を見てみてくれ」

「え? ……これは」

 

藤丸達が外を見るとそこはキヴォトスの超高度の空で、空は赤く赤く染まっていた。

そして地上を見ると六本の黒い塔がキヴォトスを滅ぼしていた。

 

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