青春記録都市キヴォトス   作:とある厨病の異聞観測

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第4節 アヌビス VS アヌビス

「ニトクリス…?」

『霊基パターン照合! これは…先生のニトクリス・オルタさんです! マスター権がシロコさんに渡っていますが、間違いなく先生が召喚したニトクリス・オルタさんです!』

 

ニトクリス・オルタは、カルデアの霊基と同じだ。

限界まで費やして強化したニトクリス・オルタ。

 

(そうか…君が召喚されなかったのはシロコを守る為なんだね。

安心したよ。)

 

藤丸は、ニトクリス・オルタの安否、そしてシロコを守ってくれた事に安心する。

 

「我はこれよりおまえと共にある。我の力を存分に使うとよい!」

 

シロコの弾丸は冥府の力を宿した黒い投擲刀(ケペシュ)へと変化し、ギルガメッシュやエミヤのような剣による連続投擲を実現する。

ニトクリス・オルタが自身の影となったシロコは、黒いシロコを圧倒する。

神秘…否、崇高の強さが違う。

同じ死の神(アヌビス)の本質だったとしてもその強度が桁違いだ。

ニトクリス・オルタから付与される神代魔術による強化はシロコの神秘によって増大する。

 

「クッ…先生!」

 

プレナパテスは保有する青輝石を全て砕き、黒いシロコは更なる強化を付与したもののニトクリス・オルタの支援を受けたシロコにはまだ及ばない。

焼け石に水。

経験もなくただ力押し。

だがだからこそ通じない。

天災の力の前に人の戦術など児戯でしかないように圧倒的な力の前には技など押し潰されるのだ。

災いの前に人はやり過ごすしかない。

 

「私が死の神だってことは受けいれるよ。けど、それが世界や先生を諦めていい理由にはならない!」

 

手榴弾を投げつけると爆散し、破片一つ一つが青炎を纏い、降り注ぐ。

 

「私は先生と共に世界を…生きたいと叫んでやる! たとえこの先、荒れ狂う進路を辿るとしても!」

 

シロコは疾走する。

その理由が「生きていたい」という下らない理由でも

熱く早く響く自身(シロコ)の心臓の鼓動を、嘘偽りのない躍動を信じて進むと誓う。

 

「私は誓う! 先生といた記憶は悲しみのまま終わらせない! 結末を塗り替えに行くんだ!」

 

シロコはニトクリス・オルタに指示を出すと、ニトクリス・オルタは追尾する魔力弾を連射すると同時にシロコは弾丸がエジプト神代において製造された投擲刀(ケペシュ)へと変化するアサルトライフルを連射する。

シロコは地面に着弾した投擲刀を抜き取り、黒いシロコの銃に向かって切り付け、黒いシロコは崇高を用いて銃の強度を強化するが、投擲刀は銃を弾き飛ばした。

返す刀でシロコは「生きる為に殺す」原始的な生存欲求と殺意を籠められたような凶刃を振るい、黒いシロコに迫る。

黒いシロコは凶刃を目の前にしてふと過去を思い返す。

 

雨が降りしきる全てが滅びた異なる世界線のキヴォトスで、黒いシロコはシッテムの箱に向かって銃を連射する。

連射した後、カルデアを知らない藤丸に黒いシロコは銃を向ける。

 

「…。」

 

銃弾は空を切り、カルデアを知らない藤丸の傍にあった瓦礫に着弾する。

 

「だめ…私には…

できない…」

 

黒いシロコは雨に打たれながら銃を下ろし、涙を流す。

 

「先生、ごめんなさい…私には…無理…

こんなことを、望んだわけじゃないの…」

 

黒いシロコは死を覚悟し、目を瞑った。

 

(────?)

 

刃が来ないと思い、目を開けるとシロコが持っていた投擲刀は黒いシロコの足元に刺さっていた。

 

「これでおしまいだ。」

「そっか…」

 

黒いシロコは、崩れ落ち、プレナパテスは動きを止め、項垂れた。

 

『プレナパテス、沈黙──そして、別の時間軸のシロコさんは、倒れました。』

「はぁ…はぁ…」

「終わりましたか…また力が欲しければ私を呼びなさい。」

 

ニトクリス・オルタはそう言ってシロコの影の中へと消えた。

 

『か、勝ったのでしょうか…私達。』

「そうみたいだね…

…あんなの反則だよ。

戦って、藻掻いて、生き抜いて、なのに…どうして…

こうなってしまったんだろう。」

 

黒いシロコは、拳を握りしめる。

 

「まだ…足りてなかったのかな。」

 

藤丸はプレナパテスに近付く。

 

「プレナパテス。何故貴方が…真っ当な青春を歩んだはずの貴方がこんな目にあわなくちゃならないんだ。」

 

藤丸はプレナパテスに行き場のない怒りをぶつける。

 

「そっちのシロコは悪くない。何かがあったのだろう。」

 

藤丸は黒いシロコを見てそう言い、プレナパテスに問いかける。

黒いシロコはプレナパテスを殺したと言ったが、何かしら理由がある筈だ。

黒いシロコはその行動が本心から出た行動ではないということを藤丸は考えている。

何かしらの要因でそうならざるをえなかったのだろう。

 

「あぁ…そうだ。俺は貴方達に何故そうなったのかを聞きたいんだ。」

 

藤丸はそう呟くとアトラ・ハシースに警報が鳴り響く。

 

『何者かがアトラ・ハシースをハッキングしています。

…発信源不明…いえ…これは無数の「箱舟」?…しかし…どこから…』

 

A.R.O.N.Aはアトラ・ハシースを乗っ取ろうとする者の正体を探る。

 

『私も検索を開始します……これは…』

 

アロナは、発信源を突き止め、発信源の正体に驚く。

 

『ありえません…何故、あの存在が…消えたはずのアレが…』

 

アロナは、発信源の正体に恐怖で震え上がる。

 

『発信源は…』

 

その発信源は既に否定されたはずの存在だった。

だが、再びそれは現れる。

再起した理由は不明。

予兆もない。

「ソレ」は死ぬことはなく、生まれることはなく、回帰することはなく、人理の保障はなく。

「ソレ」は虚空にある。

その名も────

 

 

 

 

 

 

 

『異星の神…人理保障天球カルデアスです!』

 

 

 

 

 

 

 




使用楽曲コード:720-3036-4(Bright Burning Shout/西川貴教),238-6853-8(空白/坂本真綾),738-1092-4(躍動/坂本真綾)
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