青春記録都市キヴォトス   作:とある厨病の異聞観測

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Vol2 科学開発祭典ミレニアム-時計じかけの花のパヴァーヌ- ロマンチック・プロローグ
第1話 記憶を失った少女


藤丸がキヴォトスに来る少し前…

 

「ここは…」

 

黒光りする機械仕掛けの鎧を纏った片目隠れの髪をした少女は廃墟の中で目が覚めた。

何処かの地下施設、転送装置らしきものが少女のすぐそばにあり、その装置は停止している。

その機械仕掛けの鎧はキヴォトスが持つ技術では再現不可能なモノ。

科学的な技術だけでなく魔術的な仕掛けもあり、ミレニアムでも解明不可能な鎧。

 

「私は…」

 

その少女には記憶が無かった。

自分が何故、この鎧を纏っているのかわからない。

自分の手に何故この大きな機械の盾を掴んでいるのかわからない。

ただこの鎧と盾は大切なものだって理解できる。

 

(ここが何処か、私が何者なのかわかりませんが、ここは安全ではないということはわかります。

ですのでここから脱出しなければ)

 

少女は、立ち上がり、移動する。

薄暗い廃墟の中、少女は地上へと目指す。

 

「■■■■■■■■!!」

 

暴走した機械の金切り声が廃墟に鳴り響き、機械の群れが少女に襲い掛かる。

 

「敵性存在確認、交戦を開始!」

 

少女は、自らの身を守る為、機械仕掛けの盾を振るい、暴走する機械を一撃で破壊していく。

まるで飴細工をハンマーで叩き割るように暴走した機械は壊れる。

 

「私のこの力は…」

「■■■■■!」

 

暴走した機械は、少女に向けて複数のロケットランチャーを発射し、少女に直撃するが、少女の体に傷一つついていない。

少女は暴走した機械の群れを盾を構えて突撃し、扉に向けて押し潰すと扉は破壊され、少女は施設の外へと出た。

 

「ここは…」

 

扉の先に少女が見たのは廃棄された都市だった。

ここはミレニアムの放棄された都市、キヴォトスにおける危険地帯の一つ「廃墟」

だが、少女はここがそんな場所であるなど知る筈もない。

いや、記憶があったとしてもここが何処であるかなど知らない。

何故なら彼女はキヴォトスの外から来た存在だからだ。

だが、この世界に適応する為、その少女の頭上にはまるで円卓を模したかのようなヘイローが形成されている。

 

「…人がいる場所を探してみましょう。」

 

少女はそう言って廃墟の街から人の気配がありそうな場所へと向かって行く。

 

 

彼女が歩いて一時間後、彼女はとある学園の前に来ていた。

 

「ミレニアム…サイエンス…スクール?」

 

少女は周りから好奇な目で見られながら三大校の一つミレニアムに辿り着いていた。

 

「…おかしな鎧を纏った生徒が来たと思ったら君だったとはね…」

 

幼い少女は、そう言って少女に対し、見知った様な態度で話しかける。

 

「貴方は…誰なのですか? 私の事を知っているのですか?」

 

少女は幼い少女に対して自分の事を知っているのかと心細そうに問いかける。

 

(これってもしかして…記憶喪失って奴? うーん。私も一部記憶が抜けてるからなぁ…人の事は言えないか。)

 

幼い少女は、自分の見知っている少女が記憶を失っている事に唖然とする。

 

「そっか、じゃあ改めて自己紹介しよう。

私は藤丸レオナ。

これからくるシャーレの先生の妹さ。そして君の名は真白キリエだ。」

 

藤丸レオナ、本名グラン・カヴァッロは目の前の少女に向けて手を差し伸べた。

 

(とりあえずかの特異点で知った彼女に似た少女の名を名乗らせよう。記憶についてはまたおいおいだ。)

 

「藤…丸…」

 

(あれ…なんででしょう。この苗字を聞いた時、私は…大切な何かを忘れているような気がして…)

 

キリエは、藤丸という名前を聞いて一粒の涙を流した。

 

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