Re:Three Singularity
特異点アトラ・ハシースの後、藤丸とシロコはシャーレの地下に来ていた。
クラフト・チェンバーの真横にノウム・カルデア式のレイシフト・コフィンが形成されている事に驚いていた。
コフィンの仕様はノウム・カルデアのものと同一。
シッテムの箱はレイシフト補助装置として機能し、アロナは六つの特異点を捉えていた。
しかし人理を及ぼしかねない特異点は全部で七つであり、七つ目の特異点は特定できていない状況だった。
藤丸は、シロコに再度人理の旅路に関する最終確認を行うと、シロコは改めて決意を示し、第一の特異点へとレイシフトした。
レイシフトした先、そこは見覚えのある草原だった。
それは怒りと祈りが向き立った救国の土地。
ひとりの聖女の在り方を巡る、黒と白の物語を紡ぐ特異点。
西暦1431年のオルレアンに出現した特異点、通称──『邪竜百年戦争オルレアン』だった。
空は大きな穴が開いていた。
『色彩』…否、違う。
あれは人理を焼いた光帯に似た何か。
ビーストVIの所業『人理消滅』によって生じたモノ。
しかしそれは
藤丸は
証明世界におけるもう一つの人理修復を。
第五の特異点まではほぼ同一と言ってもいい人理修復の旅だった。
しかし第六以降の特異点は本来の人理修復とは異なるモノだった。
藤丸は確信する。
自分達が行く人理修復はもう一つの人理修復の旅であると
第二の特異点はネロ皇帝以前のローマ皇帝による連合軍がネロ皇帝のローマに攻め入ってくる特異点だった。
第三の特異点は大海原と点在する島々を渡る海賊達の特異点だった。
シロコはこの先全てを知っているかのような行動をする藤丸に従い、藤丸に守られながら行動をしていた。
シロコはこの戦いで誰かの「死」を知った。
襲い掛かってくるワイバーンを殺した。
襲い掛かってくる連合ローマ兵を殺した。
襲い掛かってくる海賊を殺した。
生きる為に殺した。
自身の身を護るために殺した。
シロコの手が赤く染まり、胃の内容物を吐き出す。
殺す度に思う。
私は死の神へと近付いて行っているのかと。
藤丸は吐き出すシロコに「俺だけでいいんだ。俺だけに任せてくれていいんだ」と自分だけが背負う様な発言を言うとシロコは「まだだよ」と立ち上がり、藤丸は心配するも人理修復を行い、シロコの運命を否定する為の意思は堅く諦めることはない。
藤丸はシロコの意思を尊重し、シロコを支える。
そして数日後、ミレニアムの小さな事件を終え、アルトリアと合流し、第四の特異点へと辿り着く。
四つ目の特異点、それは想定とは異なる世界。
一度目の人理修復とも証明世界とも異なる事象。
しかし螺旋証明世界にて彼はそれを経験した。
ザザ鳴りの街ロンドン。
死者の嘆きがノイズの如き雨音のように街を覆う死の世界。
殺戮をここに──