エデン条約を控えたキヴォトス。
ミレニアムの会議室。
そこでは二人の少女が画面越しに対面を行っていた。
「レオナの紹介に預かったわ。リコ…私は調月リオ。ミレニアムの生徒会「セミナー」の会長よ。」
リオはそう言って席に着く。
二人の手元には一つの資料があった。
万魔殿とセミナーのマークの入った計画書。
また神秘として見てミレニアムとゲヘナに深く関わりがある土地の名前である。
「バビロニア計画。来たる人理崩壊に備えたゲヘナとミレニアムの計画。」
モニターに一人の白髪の女性が映る。
「エデン条約に並ぶ連邦生徒会長が考案した学園の垣根を越えた密約。
私とそちらのセミナーの一人レオナが推し進めていた計画。」
モルガンはそう口を開き、画面越しにリオに対してそう説明する。
キリスト教は人理発展教であるということ
故に人理はトリニティが信仰する聖なる四つの言葉と同じであるとモルガンは思い、人理をカミと例えた。
「リオ会長。貴方ならば理解している筈です。
貴方の学園内に英霊が入り込み、キヴォトスを守護する為に力を蓄えているのを」
「英霊…彼の者達が遺した記録に載っていた世界を守護する存在のことね?
にわかに信じがたい事だけど確かにミレニアム内に巨大なエネルギー反応を有する生徒が複数人確認出来るわ。
それも何かを狙って潜んでいる。
貴方の言う事が正しければ彼女達は世界を護るための準備をしているのでしょう。」
「えぇ、そうです。
私の最初の要求は彼女達をミレニアム内に留め、一生徒として扱う事。
彼女達の意思はキヴォトスを守る事、意思と使命が一致しています。
そうすれば私の方からもあの都市建設のための力を貸しますわ。
あの都市は私としてもキヴォトスを護るプランとして興味深い案件です。」
「それについては問題ないわ。私としても彼女達を前々からキヴォトスを護るための手駒として置いておくつもりだったの。
けど、それを100%信じた訳じゃないわ。
…でも、それがあの都市を建設する協力の条件というのなら受け入れるわ。」
「そうですか。
では、要求通りかの都市の建設のために資金援助をいたしましょう。
後日契約書を送りますのでそれにサインを」
今私にできるのは資金援助のみ…先にエデン条約を片付けなればなりません。」
「エデン条約…まさか貴方達がトリニティと条約を結ぶとは思ってもいなかったわ。」
「えぇ、我々の密約の方がありえたかもしれません。我々とトリニティとは違い、貴方の学園は敵対も友好もない中立的な関係性でした。
今はまだこの計画を進めるにあたっての金銭とはまた別のリソースが条約によって滞っている状態。
ですのでこの話はまた近日中に行われるエデン条約を終えてからにいたしましょう。」
(私が関わる事業はバビロニアこそが本命。エデン条約はこのままではどこかで破綻するでしょう。
…エデン条約の裏には奴らの息がかかっているだろう。
それにトリニティとゲヘナの怨恨はそう容易いものではない。)
モルガンは手元にあるもう一つの資料であるエデン条約について目を向ける。
モルガンは考える。
真に同盟を結ぶべきはトリニティではなくミレニアムだと。
合理と実利を重んじるミレニアムはわかりやすくそしてゲヘナに次いで英霊が集う学園ならば滞りなくキヴォトスを護れると
モルガンは感じている。
トリニティからはどことなくモルガンがかつて支配していた国のような危うさを感じ取れると。
ゲヘナにも同じようなものを感じ取れるがまだ御せる…否、御する必要のないものだった。
そして千年王国を冠する学園から快楽のエゴ、太陽の心臓、聖剣の妖精、盾の少女の気配を
そして星の頭脳体がキヴォトスに干渉し始めている事を
彼女らもまたバビロニアの要となるだろう。
「そう、ならこちらも貴方達がエデン条約を終えるまでの間、私は私のやるべきことに専念するわ。」
リオは、そう言って手元にあるもう一つの資料である都市開発計画について目を向けた。