見た事もない生徒の怨念。
しかしいずれ出会うであろう姿。
「■■■■■■■。」
黒い影は雑音交じりの声で何かを話す。
黒い影は藤丸に対して何かを話している。
恨みだろうか、悲しみだろうか、怒りだろうか。
その感情は読み取れない。
戦闘を開始する。
シロコはドレイク、ネロ、ジャンヌの影を藤丸の大人のカードを介して召喚する。
彼女らはサーヴァントに匹敵する強さを有していた。
藤丸は、シロコのサポートをする為にマーリン、コヤンスカヤ、レディ・アヴァロンの影を召喚する。
ドレイクの影は空間から海賊船の砲台を露出させ、ヘリに向かって砲撃をする。
ヘリは墜落し始めると藤丸は、コヤンスカヤの影による絨毯砲撃によって容赦なく攻撃する。
(───ッ! 何かが…)
その瞬間
藤丸の脳裏に記憶が蘇るように記録が差し込まれる。
雨の日に藤丸はスコップを持ってテントを立て直している。
兎の様な鉄帽を被った四人と共に戦場を駆け抜ける藤丸。
■■■と共にヘリに乗って街中を見下ろす光景。
■■と共に装備を整える光景。
野生動物に囲まれている■■を見つめる光景。
■■とベンチで会話する光景。
そして─────最後に■■■、■■、■■を失い、胸を押さえて絶望する■■の姿が記録として流れる。
まるで既視感。
消滅しゆく四人の影を藤丸はみながら
(■■■、■■、■■、■■…)
藤丸の脳裏に知らない名前が浮かぶ。
しかしその名は懐かしく思える。
そして後悔の念に襲われる。
「今のは一体…」
藤丸は、一粒の涙を流す。
怨念を倒した時に流れ出た記録は何処かで見覚えがある。
彼の脳裏に一瞬、
既視感が押しとどめられる。
意識が沈静化する。
立ち止まっている場合ではない。
前に進めと何かにかられるようだ。
影が消えると霧は晴れ、入れ替わりに雨が降り始める。
「これは…まさか…」
雨は重圧となり、藤丸達を苦しめる。
雨はザザ鳴りの音を奏でる。
雨は死者の涙のように呪いが込められている。
死者が奏でるノイズ。
そのノイズは聖杯の加護を受けたシロコであっても苦しめる。
(やはりあの特異点の!)
藤丸は思い出す。
ドラコーと宙へと駆けた螺旋世界。
その道中にて立ちふさがった霧の世界。
だが、今回はまだジャック・ザ・リッパーは現れてなどいない。
「クッ…」
式とシロコとアルトリアは膝をつく。
サーヴァントの身、聖杯の加護を受けた身、楽園の妖精であろうと容赦なく苦しめる。
シロコは特に苦しそうに雨の重圧に苦しむ。
ニトクリスは出せそうにない。
式とアルトリアは動けそうだ。
「シロコ、乗ってくれ。」
シロコは頷き、藤丸の背に乗る。
藤丸はシロコを背負い、先へと進む。
雨の街を進んでいくと次なる敵が現れる。
それは軽装の四人の小隊。
先ほどとは別方向での特殊部隊と言えるものだ。