エデン条約まで残り一週間…ジャンヌとメリュジーヌとバーゲストはモルガンに呼び出されていた。
「よく来ました。我が騎士、そしてジャンヌ。」
モルガンの傍らには羽判トリコ、本名バーヴァン・シーが立っていた。
モルガンの前に立つとメリュジーヌとバーゲストは跪く。
「楽にして良い。」
モルガンがそう言うとメリュジーヌとバーゲストは一礼をして立ち上がった。
「で? 私達を呼んだのは? 何?」
ジャンヌは、乱雑な態度でいきなり本題から入る。
「おいテメェ…態度に気を付けろよ。」
バーヴァン・シーはジャンヌのモルガンに対する態度を戒める。
「よしなさい。バーヴァン・シー…」
モルガンは、バーヴァン・シーを静止する。
「貴方達を呼んだのはほかでもありません。
ゲヘナ自治区にて我々万魔殿、風紀委員会、シャーレ以外による魔術の痕跡が発見されました。
貴方達にはその事件調査に行ってもらいたいのです。」
モルガンはそう言い、自治区内での魔術の残り香を記したマップを送信する。
残り香を指し示しているのはゲヘナの廃墟地域だ。
「知っての通り我々妖精騎士とジャンヌ、そしてテスカトリポカ、トラロックにとってエデン条約は重要ではない。
寧ろエデン条約の後に控えているゲヘナとミレニアムを主体とし、人理崩壊からキヴォトス及び汎人類史を防衛する計画通称『バビロニア計画』が重要だ。」
セミナーの極一部と万魔殿の極一部が知る秘密裏の計画。
人理防衛戦線計画…通称バビロニア計画。
人理崩壊からキヴォトスと汎人類史を防衛する計画で、人理崩壊が起きる中心点がキヴォトスであるとテスカトリポカは予言した。
キヴォトスを中心に人理崩壊が始まり、人理崩壊の波は汎人類史にまで及び、そしていずれ全てが再び白紙化する。
『色彩』が襲来する未来は白紙となる。
ノウム・カルデアが取り戻した世界が再び消える。
そうならないように最小限の被害に抑え、キヴォトスも汎人類史も守り抜く運命へと変える計画なのだ。
シャーレの先生『藤丸立香』が計画の肝要となるがそこは問題なく進んでおり、砂狼シロコと共に人理崩壊に挑んでいる。
「だが、大半の生徒はそうではない。
ゲヘナの生徒達はエデン条約を一つのイベントとして待ちわびている。」
万魔殿、風紀委員会、そしてゲヘナの一般生徒はエデン条約について様々な思惑はあれど待ち焦がれている。
エデン条約の結果を知っている彼女らはゲヘナにとっては異端。
ミレニアムとの本命の計画が感付かれる可能性もある。
「故に表向きには来たるエデン条約、そして本命としてバビロニア計画の不確定要素を消しておきたい。
私は遠方より支援に徹します。」
彼女らはエデン条約の期間中はエデン条約に関心があるように見せかけねばならない。
エデン条約がつつがなく開催されるために不確定要素を消さねばならない。
「万魔殿のメンバーとしてバーヴァン・シー。貴方も調査に行きなさい。」
「わかりました。お母…お姉様。」
バーヴァン・シーはTPOを弁えてモルガンをお姉様と言い直し、赤を基調としたアサルトライフルを取り出し、出撃準備をする。
「では、我々は調査に行ってまいります。」
バーゲストはそう言い、妖精騎士三人とジャンヌは廃墟へと魔術調査へと向かっていった。