グレミィって最強だよね   作:なしれい

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エビ+C様 白神紫音様 醤油味噌様
誤字報告に感謝いたします。


「グレミィは誰にも負けない…世界で一番強いんだからっ!!!」(イリヤ風)

あれ?これは死亡フラ…………

今回は長いです。
話数を分割しようとも思いましたが、一気に読めた方がいいかなと思いましたので分けずに投稿させていただきました。
「文字数は今までの倍です!」(レミィ風)


vs五条悟Ⅲ

 

 

 

 五条悟の【領域展開】──【無量空処】によって、レミィは自身の領域を破壊された。

 当然、敗北は必至。

 五条もこの戦いが終わると確信していた。

 

「使えたんだ……簡易領域」

「いいえ……失敗でしたね、私に見せたのは」

 

 レミィは領域破壊の瞬間。

 自分と分体を簡易領域で守っていた。

 

「見て盗んだ? いや、基礎はできてたってところかな。シン・陰流……ではないね。形だけ、すぐ崩壊するようにみえるけど?」

「……」

 

 見よう見まねのそれはシン・陰流 簡易領域の真似事。

 それをできたのは【領域展延】を含めて基礎と言える呪力操作はできているからともいえた。

 時間制限の縛りを用いて一時的に展開を維持している。

 

「数秒ですよ。けど勘違いしてもらったら困ります」

「まぁ何かあるんだろうけど…………それを待つとでも?」

 

 五条は猶予を与える間もなくレミィへと迫る。

 だが、()()()()()()()()がそれを阻止するために前に出た。

 

(なんだ……術式が回復している?)

 術式の焼き切れなどレミィの術式であれば瞬時に治る。分体を是が非でも一体残したのはこのためであった。

 

「二人いれば、領域がなくとも一人くらいなら増やすことはできます」 

 

 その僅かな時間で、レミィは分体とお互いの手を使い掌印を結んだ。

 『与願印(よがんいん)』を少しずらし互いに向ける。

 それの行動の意味は──。

 

 簡易領域が崩れるその瞬間。

 

「『【領域展開】──』」

「まじ……?」

 

 またしても五条とレミィの領域の押し合いが始まる。

 

 時に、双子とは、呪術師にとって欠陥品扱いされている。術式や、呪力などが分散してしまうからだ。

 

 なら逆に、一人の肉体一人に二人分宿ったら?

 近しいもので言えばやはり宿儺になるだろう。異形の肉体、腕と口が倍ある事での利点。

 

 レミィは、産み落とした個体を一つの命として存在させている。

 だが、その存在故に保持する生得領域は二人とも同じ。

 宿儺風に表現するのであれば口や、腕だけでなく脳も二つあると表現できるかもしれない。

  

 あるいは──右と左同時に見ることができるか。 

 

 その命題に対する答えを教えよう。 

 分身を出し左右を同時に見るのだ。

 

 結界術と、それに付与する術式の設定、細かい呪力操作すら互いで分け合う。

 

 結論として、二人で一つの領域をレミィは、作り上げたのだ。

 

 お互いの領域の完成度は互角、どちらも譲らない。

 

 だが先ほどと違う事がある。

 レミィは仮に領域で押し勝てても、先ほどの領域内と同じでは勝つにはまだ足りないと理解していた。だからこそ、さらに一歩条件を上げる。

 

 それは必中効果。

 その効果を付与しても押し合いを成立させていたのである。

 

 それを五条も理解する。領域の押し合いを互いに諦め、術式の押し合いを開始している。

 結界の間借りを互いに許容し、領域の完成を優先させたのは、このまま領域の押し合いを続けても埒があかないという共通認識から。

 

 形は違えどこれは未来、五条と宿儺が見せた領域勝負の形と似たものとなった。 

 

 そして──。

 

「領域の質は互角のようね、でもごめんなさい。術式の押し合い対策。私得意なの」

 

 

 領域の力量は同等。

 しかし、()()()()()()()()()()()()が、わずかにレミィへと軍配を上げた。

  

「──【神韻虚構世(しんいんきょこうのよ)】」

 

 領域の結界部分の押し合いは維持したまま、必中効果だけが、レミィは上回った。

 

 次の瞬間。五条悟にその必中効果のルールが頭へと流れる。

 レミィの【領域展開】は必中必殺効果とは別に、必中の効果だけの術式を用意している。 

 これほどの自由度はレミィの術式あってこそだろう。

 

 それを用意している理由は、五条のように押し合いに負けるような相手と戦った際。

 あるいは押し合いに強い術式効果の持ち主と当たった際にも、必中の効果を相手に当てやすくするためである。

 

 例えば、秤の領域が押し合いに強いのは、その効果に相手を害する影響がない故にだ。

 

 それと同じように、レミィはそのルールが互いに利とリスクのあるものへと変容させている。

 

「これ、本気?」

「『アルティメットルーティン』と一応リスペクトとして命名しておきますね。まぁ名前はなんでもいいでしょうけれど」

 

 ルールは単純。

 レミィの術式。『夢想家(The Visionary)』に支配されたこの空間では、互いにイメージした攻撃を現実にすることができる。

 ただ、その要求されるイメージのレベルは通常のそれとは違う。

 

 ストレスを感じると胃に潰瘍ができるように、効果があると思い込むことで何でもない薬で病気が治るように。

 現実を侵食するほどの思い込み。

 

 『すでに勝っている』──それほどの思い込みで初めて想像の具現化は行われる。

 

 世界をだます力。だからこそ、そのイメージは性質上、現実になる前に相手に共有される。

 

 当然、知覚した後に対処は可能だが、それも結局相手のイメージ次第である。対処するにはそれ以上のイメージで相殺する必要がある。

 

「いいね、面白そうだ」

「一応、私の土俵なのですが」

 

 そう、互いに能力が同じでも、それを使用するのは簡単といかない。

 利とリスクを許容はしているが、レミィに圧倒的に有利な環境だった。

  

 だが、次の瞬間レミィに流れ込んだのは自身が『赫』によって吹き飛ばされている未来。

 

「──!」

 

 すぐさまレミィは転移でその場を離れるが、先ほどレミィがいた場所で五条の『赫』が弾けていた。

 

「『赫』を『蒼』で瞬間移動させてみたんだけど、流石に避けるよね」

「…………ふふ」

 

 思わず笑みが零れた。

 まだ、甘いとはいえ。驚愕するには十分。

 現代最強の呪術師。レミィはなぜ彼がそう呼ばれているかを改めて理解した。

 『六眼』や『無下限呪術』だけではない、見るべきはその才能。

 

「すごいよこれ。ここまでの呪力コントロールは()()できない。けど本当にイメージで実現できた」

「簡単に言いますね」

「イメージのしかたは十年後、あるいは百年、僕が強くなった先を考えた。入門編ってとこかな」

「手加減は必要なさそうで安心しました」

 

 互いに、自身が最強だという事を信じている者達だからこそ、当然というほどにそれを現実に落とし込む。

 

「自身の最強を疑ったほうが負ける。逃げないでくださいね」

「…………卑怯だね。それを言われたら受けないわけにはいかないじゃん」

「なら始めましょうか。とりあえず、お返しです」

 

 今度は五条にイメージが届く、銃弾の雨が自身を破壊する光景。

 その直後。

 この戦闘が開始したものと同じ。

 レミィの背後に無数の銃火器が出現し、ダダダダダッ!!! と。

 

 五条は『蒼』でそれを防ごうと考えたが、寸でのところで瞬間移動による回避行動をとる。 

 だが。

 

(くそ、追ってくるのか)

 

 その場に置いてきた『蒼』の()()()()()()()だった。『蒼』で防いでいたら、イメージ通り死んでいた。

 音速に迫る速度で追ってくるそれに、五条は『茈』をぶつける。

 

「今のやばかったよね……まさか無下限を突破してくるなんて」

「良い手本がいましたので、呪力を変化させることで無下限は中和できると」

(呪力の変質。成長したらできるなんて芸当じゃない。多分僕でも無理、つまりこれがこの空間本来の使い方ってところかな)

 

 ()()()()()()()()()()()()()()までして、この空間では初めて現実にできる。

 

「さぁ、第ニラウンドといきましょうか」

 

 

 

 ↝↝↝↝↝↝↝↝↝↝↝↝

 

 

 

 レミィの体が五条悟に貫かれた。

 そのイメージを植え付けられた瞬間、レミィはそこから逃げるように転移を開始する。

 だが──。

 

(イメージが途切れない。『蒼』による精密さが先ほどの比ではないですね! 音速で弧を描くように移動するなんて、いつから貴方は地球育ちのサイヤ人になったのですか!)

 

「逃げてるだけかよ!!」

「お似合いですよ。美少女のお尻でも一生追っていなさいな!」

「はッ、泣くまで叩いてやるよ!」

 

 高速で移動する五条に対し、転移を乱用するレミィだが、着実にレミィが追いつめられている。

 

(『蒼』と『赫』を移動しながら空間に置かれるせいで移動先が制限されるわね……けどこの程度!)

 

 レミィは自身の呪力そのものを無下限に対応させる。それにより『蒼』で待機。

 『蒼』とはすなわち五条の移動先、そこにいることでカウンターを狙う。

 

 当然、()()()()()五条はそこで自分が負けるうるそれを回避に走る。

 

「遠隔、【虚式『茈』】」

「……このッ」

 

 『蒼』に『赫』を直接ぶつけることにより、空間に配置したすべての『蒼』が『赫』との衝突により『茈』を発動させる。

 

 無数の『茈』が一斉に発生し、それが一斉にレミィへと迫る。

(数が多い、仕方ないですね)

 

 レミィの左手に、一本の剣が握られていた。

 当然想像で作り出したものだが、それだけなら何を今更といったところだろう。

 

(あれは、術式? 呪具を作り出した!?)

 

 五条悟の『六眼』がそれをいち早く見破る。

 そしてその能力とは。

 

「【フルカウンター】」

 

 あらゆる呪力を倍以上にして跳ね返すカウンター術式。 

 レミィの想像は異世界の次元を容易に超える。

 

 本来、五条悟の術式を、五条以外が支配することは容易ではない。

 なぜなら、この空間ではイメージがすべて、普段術式を使っている五条悟以上のイメージを持ち合わせることなど不可能に近いのだ。

 

 故に──。

 

「流石に僕には届かないでしょ」

 

 五条悟には当たらない。

 

 だが、跳ね返すという現象まで可能にしたのは『六眼』で五条が術式の性能を見てしまったためだ。

 わずかに、「跳ね返されるかもしれない」と五条悟が考えてしまった結果。

 

「術式すら作れるってすごいね。いいの? もっと強い術式つくらなくて?」

「あれは緊急で使用しただけです。()()()()()()でない術式を使うのは嫌いなので。勝った気がしないでしょう? まぁだから苦手っていうのもありますけどね」

「舐めてるわけじゃないならいいけどさ……」

「安心してください。あれは二度とつかわないので」

「やっぱ舐めてるよね?」

「私に勝てたらその文句も聞いてあげますよ。……ところで重力子をご存じですか?」

 

 それは、光速で迫り重力を伝える。

 

 小さなブラックホールともいえるそれは、周囲を吸い込みながら高速移動し、爆発する。

 

「…………ちっ」

 

 人間の目にはその性質上光としてとらえられるそれはさながらビームと相違ない。

 

「まぁよける程度はできるでしょうね。けれど……」

「うわー……容赦ないね」

 

 空から雨のように降るイメージに五条の足が止まる。

 しかし。

 

「なるほど、()()()()()()()?」

 

 レーザーは無数に表れた『蒼』に収束され爆発。

 互いが大気を揺るがすほどの爆風を受けるが、レミィはそれ以上に五条のそれに賞賛の表情を浮かべていた。

 

(ただの『蒼』なら余裕で突破できるイメージで攻撃したはず……。つまり、あの威力は……()()()()()()()()()()()()()()という事ですか……すでにそこまで……) 

 

 そう。五条は『蒼』で相殺するイメージだけでなく、出力を上げるための詠唱すらもイメージだけで完了させた証明。

 

(それにしても、さっきほどのエネルギーはそこそこの出力のはずなのですけれど……流石は一人で日本のエネルギーを賄えるといわれるだけはありますね)

「『六眼』……呪力効率と出力が桁違いですね」

「はは、さっきの、返すよ」

「…………真似しないでもらえるかしら?」

 

 襲ったのは『茈』の嵐。

 先のレミィの攻撃を『茈』で行う離れ業。

 本来最も安定する球ではなく、線に形態変化させるほどの呪力操作。何より早い。

 

 【フルカウンター】を経験して、速度で対応をさせないように工夫されている。

 というより、その解決策をレミィが提示してしまった。

 

 もちろん、この速度でモノにできる五条悟が異常なだけだが……。

 

 そして、詠唱や、掌印など。すべてをイメージの中で完了させるそれは、五条の最大出力を制限なく、リスクなく発動させる。

 

 超エネルギーの仮想の質量を光速で攻撃。

 シンプルだからこそ、その対処は難しい。

 

「私」

『わかっています』

 

 分体に指示をするまでもなく互いが動く。

 

 この攻撃、レミィはあえて受けた。

 

 【領域展延】で威力を相殺しつつ、分体に治癒を任せる。

 その上で──。

 

「『流星群(ミーティアライン)』」

 

 星空が訪れた。

 

 光の分布を強制的に偏らせるそれによって空は闇に覆われ、収束された光が星々のように映る。

 そして、光の通り道に設定された空間、およびその構成要素は「光が透過する」という状態にそのあり方を改変され、結果──穴を穿たれる。

 

「……やばっ」

 

 攻撃にイメージを割かれた五条はその対応に一手遅れる。

 

 光が透過し穴を穿つのではなく、結果的に光が透過する穴ができているそれは、当然無下限で防御できるものではない。

 

 何が起きるかのイメージは共有されても、その理論までは共有されないそれに対し、一手遅れるという事は、すなわち敗北を意味する。

 

「……、……グブッ」

「耐えるわね」

 

 脳を含め体に無数の穴をあけられた五条は反転術式を行い治癒。

 

 それでも多数の重要部位に穴をあけられたことによる、治癒力の低下。むしろ死んでないことを褒めるべき状態。

 一度死の淵から脳を治癒した経験のある五条だからこそだろう。

 

「さて仕上げといきま……ッ!? ……ごぷッ……」

「はは、そっちも効いてんじゃねぇか」

 

 レミィも『茈』すべてを受けることはできず、体の一部が削られている。

 だからこそ、互いにこのチャンス──回復ではなく攻撃へと思考を回す。

 

「【九綱・偏光・烏と声明・表裏の間】」

 

 先に動いたのは五条悟。

 全てをイメージで完了できるはずの五条が、あえて詠唱を行う。

 確実な補強による、イメージの向上。

 すなわち。

 

「あなた、日本を崩壊させる気ですか!?」

「少し移動するよ」

「……、~~~ッ、この屑!」

 

 レミィと押し合いで共有している結界の座標を互いが了承することで、大気圏付近まで移動。

 つまり、それほどの攻撃。

 

(最大級の『茈』の複数衝突。仮想の質量を強引に融合させることによる衝撃の発散。水爆なんか目じゃない影響範囲)

 

「結局力業を使うなんて、これだから脳筋は嫌いです」

 

 『茈』そのものではなく『茈』で衝撃を引き起こすことによって無下限を持つ五条の方が僅かに防御が勝る。

 故に、レミィが用意したのは呪力を押し固めた結晶。

 その性質は、呪力だろうが何だろうが亜空間へ放り込む呪力の塊。

 ブラックホールと例えればわかりやすいが、呪力さえ無に帰すそれは、全くの別物だと言えるだろう。

 

 ふれたすべてを──万物万象を無に帰す。

 

 無下限を無効化するそれは当然、五条悟に届きうる攻撃。

 

 その技の名は──。

 

「【黒死玉(こくしだま)】」

「【虚式『茈』】」

 

 ──轟!! と。

 

 互いの手を離れたそれは、瞬きの間もなく、あるいはとても遅く感じるほどに。

 

 まず──『茈』が衝突し、光を放ちながら発散した。

 触れたすべてを一瞬で蒸発させるそれは、文字通り無限のエネルギーを持っている。

 

 対称的に、レミィが放った黒死玉(こくしだま)は、それらのエネルギーを亜空間へと引きずり込み、触れた空間ごと世界を消滅させる。

 

 拮抗していたその力は、五条の方へ僅かに傾く。

 すべてを飲み込み迫るそれに五条が僅かに冷や汗を掻いた。

 

 だが──同時に。

 

(──ッ!? 僅かに抜けてッ! 耐えなければ…………!)

 

 存在する無限を操っていた五条と、自身の呪力のみで生み出したレミィのそれでは、シンプルに地力が違う。

 押し合いという意味ではレミィの黒死玉(こくしだま)が僅かに勝るが、技の規模は五条に軍配を上げた。

 

 数秒、あるいは数分の押し合いの末。

 五条とレミィは互いにその力に飲み込まれた。

 

 互いが領域の外殻へと衝突し、その威力にひびが入る。

 

 それでもその結界を維持できたのは、その威力が世界へ散らばるのを互いで防いだからである。

 

 だが、互いが受けたダメージで領域を維持することなどできるはずもなく領域は崩壊。 

 領域の外へわずかに漏れたその影響で、その場は灼熱へ姿を変えていた。

 

「あっついわね……」

「まだ、やれそうだね」

 

 レミィは体の大半が炭と化している。 

 とても「あつい」の一言ではすまされない状況。

 対する五条は、全身を分解されかけたように一部がボロボロと零れ落ちた。

 

 術式が焼き切れた両者は【反転術式】で体を治していく。が、今までほどの速度を取り戻せてはいない。

 

 空中に放り出された二人の影。

 

「流石に死んどくべきだと思いますよ……人として」

「それ君が言うわけ……?」

 

 領域が解け、上空に放りだされたことによる自由落下。

 

「そろそろ終わらせようか」

「あら、気が合いますね」

 

 体を治癒し終えた二人は、互いにその時を静かに待った。

 そして再び。

 

 

「「【領域展開】」」

 

 

 初めて、真正面から二人の領域がぶつかる。

 

「……………………くっ」

 

 レミィは本来領域勝負になれば対抗するすべもなく負けると思われていた。

 本来五条の領域に到底及ばないレミィの結界がじりじりと、侵食されていく。 

 いや、この数回の経験で効率が上がっていることもあり、むしろもっている方と言えるだろう。

 

(あれでも死なないとなるともう、必中必殺の術式しかない……賭けですね、けど)

 

「分体が消えたことによる呪力消費がえぐいんじゃない?」

「……ッ」

 

 だからこそ、レミィはここで()()()()()()()()()()()

 即ち、当然のようにレミィの()()が割れた。

 

「崩れたね」

「ふふ、いいえ崩したのです」

 

 結果が解かれ、五条の領域【無量空処】が完成する。

 だが、それと同時。

 

「まさか、いや……そんなことできるの?」

 

 結界で閉じず生得領域の具象化。

 宿儺が見せた神業。

 これはレミィの術式特性上、そのコントロールを得意としていることもあっただろう。

 それでも、この土壇場で成功させたことはレミィの才能あってこそ。

 

 閉じる結界と、閉じない結界。 

 

 それにより、互いに結界の押し合いをすることなく──。

 

 【無量空処】

 

 【神韻虚構世(しんいんきょこうのよ)

 

 ──互いの領域が同時に完成する。

 

「…………まだですよ」

 

 ──当然それだけでは終わらない。

 

 結界で閉じない縛りにより、領域の範囲を広げ、外から【無量空処】の破壊を試みる。

 だが、レミィは寸でのところでそれを辞めた。

 

「…………なっ、なぜ……」

「残念、まだ未完成だよ、それ」

 

 五条の言葉にレミィの顔が僅かに歪む。 

 

「そこまで呪力消費する経験がなかったんでしょ、最初からそれができたらまだわからなかったかもね」

 

 神業ともいわれるそれを維持するために、レミィは多大な集中力を消費している。

 それ故に、術式の必中効果が押され始めている。

 これ以上領域を広めることに意識を割けば、それだけでレミィは押し負けるだろう。

 

「その状態を維持して、僕とここでやりあうのは不可能でしょ」

「そうですね、ただ()()()()()()()()()()()()()

 

 領域の維持にこれだけのリソースを割かれては、やりあえて数秒。

 それはレミィにもわかっていた。

 

 だからこそ、レミィは迷わず次の一手を打てた。

 

「私ね、領域で勝てなかったら負ける呪術師の戦い嫌いなんです」

「……なに? 言い訳?」

「いいえ。まぁすぐわかります。楽しかったです五条悟、ええ本当に…………だから──一緒に死んで?」

 

 ニコリと。

 静かに微笑んで、()()()()()()()()()()をその身に受けた。

 

「…………ああ、そうゆうこ……………………」

 

 と同時、その縛りにより、その瞬間わずかにレミィの必中効果が上回る。

 

 つまりレミィは自分を犠牲にすることで五条悟への術式を当てたのだ。 

 

 互いが必殺効果を受けたことにより、ふたりは()()()()()()()()意識を失った。

 

 お互い領域が崩壊するまでわずか一秒。

 その僅かな時間とはいえ、必殺効果を浴び続けたことにより、海面到着まで意識を取りもどすことはなく。

 

 そのまま、二人は海へと飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「げほ、げほ……………………」

 

 沖へと上がる()()()()()

 

「ふふ、あはははははははははははははははははははははははははははははははははは」

 

 少女は甲高い笑い声をあげ、狂ったように叫びだした。

 

  





領域展開 神韻虚構世(しんいんきょこうのよ)
必中効果のみ──『アルティメットルーティン』
ご存じの方も多いと思いますが、トリコから参照いたしました。
最強同士の戦いでは、どちらが己の最強を信じ切れるかという戦い。その舞台としてこの能力は良いなと思いました。グレミィの能力とも親和性が高かったので。

技紹介
【フルカウンター】
 『七つの大罪』からメリオダスの技です。術式として、呪具化させることによってイメージ補強をしています。

流星群(ミーティアライン)
 『魔法科高校の劣等生』から四葉真夜の技です。
 通常ですと五条悟の呪力の守りに阻まれ、使用不可能ですが、領域必中内でそれを可能にしています。

黒死玉(こくしだま)
 『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』からギザルムの技です。とうとうTVアニメ始まりましたね!
 漫画が最高に面白いので、アニメには期待です!ギザルムまで登場するかな?


感想でいくつか五条を殺す方法をいただきました。

 やはり空間切断一択ですよね…………(やはりパルキアを想像で生み出すのが……)。

 BLEACHの他のクインシーの能力も意見としてありましたが、レミィにはできません。これはイメージの問題ですが……。
グレミィが他のクインシーの能力を使えないと思っているからです。これは転生者だからこその感覚ですね。(わかってくれ…………)

あとは二次創作にありがちな予定調和といただきました。

 ここら辺は難しいところですね。個人的には共感できます。
私も五条が勝つとわかり切っている戦いを書くのはいかがなものかとも思います……が、宿儺以外に負ける五条悟というのもまた、見たくないなと言う感覚もあります。要は五条悟が負けても仕方がないと思わせるほどのキャラを書ければいいのですけどね。

質問ではありませんでしたが、感想に対する私の感想とさせていただきます。


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