戦犯勇者の弟妹   作:アニッキーブラッザー

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第37話 夜の練習とノック

「なるほど、そのようなことがあったと……婿殿も大胆なことをする」

 

 屋敷に戻って夕食を終え、今日のことを聞いたザンディレは呆れたように溜息を吐いた。

 

 

「そうなのです! エルセは勝手なのです! 私に何の相談もなく……私たちはもう家族なのです! おせっs……キスもイチャイチャもした仲だというのに、酷いのです!」

 

「そう、エルお兄ちゃんは勝手! チョー勝手だし!」

 

 

 まだムカムカしているのか、クローナとジェニはプンスカ状態。

 何だか様子が同じで、二人とも本当の姉妹にしか見えなくて、ちょっと笑いそうになった。

 

「とはいえ、色々と民たちも鬱憤をため込まずに発散させるというのは良いかもしれませんね……クローナ様に危害を向かわせないようにするあたり、婿殿もなかなか」

「ザンディレ、私は怒っているのです! 褒めちゃダメです!」

「ふふふ、それで……その、妙な虎人族の女武士は?」

「ああ、それは……まとわりついてきそうになったけど、置いてきた。結界が張られているからこの屋敷に入れば問題ないだろうけど、明日から街に入ったらあいつもいるかと思うと、なんかやだな……でも、約束した以上は行かないとダメだし……」

 

 最初、民たちの話をしたとき、ザンディレは殺意に満ちた暗黒面で今にも街に飛び出しそうな雰囲気だったが、クローナに一切の危害が無かったことを知ってからは、落ち着いたように俺たちの話を聞き、むしろ怒っているクローナを宥めたり笑ったりしていた。

 

「いずれにせよ、エルセは勝手です! また同じように勝手なことしたらメッなのです!」

「ああ、わーったよ。悪かったって」

「むぅ~~~~!」

 

 今となっては一番落ち着きのないクローナ。すると……

 

「クロお姉ちゃん」

 

 ジェニがクローナの服の裾を引っ張り……

 

「今日は二人で寝よー」

「……え?」

「エルお兄ちゃんは、だめ~」

 

 と、ジェニが俺にアカんべーをして、そう言った。

 すると、怒っていたクローナは一瞬で……

 

「きゅ~~~~~~~ん♡♡♡ はい、ジェニ! 今日は二人で寝ましょう! エルセはお仕置きでダメです! 私たち二人でギューってしながら寝ます!」

「んふ~♪」

「ええ、今日はエルセは寂しい思いをするのです。何も相談されずに勝手をされた私の気持ちを分かったらよいのです!」

「うん、お兄ちゃんは、ひとりぼっち~」

「というわけで、ジェニ~、今日はご本を読んであげますよ~、んふふ~」

 

 クローナはハートに矢が刺さったようなリアクションで一瞬でデレデレになってジェニを抱きしめ、そして抱っこしながらリビングを後にする。

 ジェニもすっかりクローナに懐いたようだし、クローナもすっかりジェニが大好きのようで……

 

「ははは、あの人見知りのジェニがここまで懐いて……何だか安心だな」

「ふふ、私も少々寂しくはあるが、クローナ様があれほど幸せそうであれば何も言わぬ」

 

 俺も、そして残されたザンディレも今の光景にまた苦笑した。

 そして……

 

「さて、婿殿……今日は、クローナ様と……おせっせはできないようだが……」

「ッッ!!??」

 

 ザンディレはその流れで俺にしなだれかかり、手をワサワサとさせて俺の身体を弄り、耳元で吐息がかかるほど近くで甘い声を呟き……

 

「何だったら私が練習相手になろうか?」

「ふぁ、あ、い、いや!?」

 

 いや、なんとなくクローナが「ジェニと二人で寝る」となったことで、ひょっとしたらこんな展開になるのでは……と思わなくもなかった。

 だけど、ソッコーでこんなことをしてくるとは思わず、俺もどう反応していいか分からずにうまく声が出ない。

 

「おやおや、昼間はたいそうな武勇伝を上げたというのに、この手のことはまだウブか? ふっ、昨日アレだけしたではないか」

「で、いや、だけど、俺はクローナの、そ、その、アレなわけで!?」

 

 顎を持たれ、無理やり寄せられ、ザンディレの吐息が唇にかかる。

 やばい、なんかエロい雰囲気すぎる!

 もう、普通にキスしそうになる雰囲気。

 

「……ふっ、遠慮するな……クローナ様は仕置きと言っているが、私からすれば褒美だ」

「……え?」

「あれほど幸せそうなクローナ様の笑顔を引き出す貴様らが憎々しい……が、嬉しくもあるのでな」

 

 そう言って、微笑むザンディレが美しくて思わずドキッとしている間に、ザンディレが椅子に座っている俺の膝の上に向かい合うように座った。

 紐パンツでほとんど剥き出しのプリンとした尻の感触が俺の太ももに重みと共に伝わる。

 そして目の前には、ハートマークで先端を覆っている……たわわ……ダメだダメだ、俺にはクローナがぁ~~~!

 

「今日は気分がいい。クローナ様の分も好きなだけ喰って構わんぞ? ……朝までな」

「ッッ!!??」

 

 目の前にはもう、胸胸オッパイ胸オッパイ胸!

 いやいや、いかん!

 

「だめ、ジェニが来ちゃう。そ、それに、俺にはクローナがぁ……クローナがいないときに二人で、こ、こういうのは……」

「うるさい。いいから黙って喰……むっ?」

 

 だが、その時だった。

 そこでザンディレは眉をしかめて窓の外に視線を向ける。

 

「ザンディレ……?」

「いま……結界に何者かが触れた」

「……ッ!? 鳥とかじゃないよな?」

「うむ。飛行生物は結界を避けるようにするのでな……そうでないということは……」

 

 地上から遥か高くまで続く外壁。

 その外壁の上に魔王城もクローナたち三姉妹の屋敷もある。

 まさに限られた者しか中に入ることができず、逆に結界の外から不法侵入しようとするものは……

 

「どこの虫か知らんが、ここに寄ろうとしているようであれば問答もせん」

「うおっ!?」

 

 と、そこで変態メイド衣装のザンディレの身体に一瞬で暗黒の鎧とスカートが出現。

 まさに、おとぎ話の戦乙女が闇に包まれたかのような……

 

「あ、あんた、そんな格好もできんのかよ!? いつも変態メイドみたいな格好なのに!」

「クローナ様に寄ろうとする害虫駆除のためならば……な!」

 

 まさにこれまでの印象から一変する仰々しい戦士の顔つきで部屋から窓の外へと飛び出すザンディレ。

 俺も慌てて後を追いかける。

 そして、外壁の端、まさに結界の目の前まで駆け寄ると……

 

 

「たのもー、あちゃあああ、ぐぅ……たのもー! ふにゃあああ、結界が痺れるでごじゃるぅ!」

 

「「…………」」

 

 

 断崖絶壁の外壁に剣を突き刺して、その刀身を足場にして手を伸ばし、手を怪我しながらも結界をノックしている……

 

 

「親分殿ぉ、どうかぁ~、どうかぁ~、拙者を受け入れて欲しいでござるぅ~~~!」

 

「「………………」」

 

「うぅ……ん? は! あ……お、親分殿ぉぉぉおおおお! 拙者でござるぅ!」

 

 

 俺の存在に気づいたそいつ……プシィは涙目で俺に叫んだ。

 

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