クトゥルフ神話trpg世界で無双はできますか?→可もなく不可もなし!   作:葉分

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第五十四話 うぇるかむとぅーンガイの森

 門をくぐり抜けると俺たちはンガイの森のメインゲート前近くの茂みへと出た。

 外観はまさにクトゥルフ神話をモチーフにしたと言わんばかりに、メインゲートにはクトゥルフに寄せたであろう怪物のモニュメントがお出迎えし、スタッフはみなこんな暑い中黒色、黄色、赤色などローブのようなものを着ている。

 世界観を重視するよりも先に熱中症にならないか心配であるが、本当にこんな非日常に囲まれ殺伐とした世界にこんなファンシーなテーマパークが燃えずに残っているとは。

 

 悟「まるで非日常(シナリオ)に来たみたいだぜ。テンション上がるなぁー。」

 

 時間はまだ開園時間のちょうど五分前の8時55分、既に多くの来場者が長蛇の列、いやイグの列を作り上げていた。

 

 悟「これ並ぶのか…」

 

 月島「悟さんあそこ見てください。VIP専用列ありますよ!」

 

 イグの列の隣にVIP用と書かれた看板を掲げた一人の女性が立っていた。

 

 悟「すいませんVIP用の列はこちらですか?……ってお前は!?」

 

 ニャル子「はい、あなたの近くに這いよる混沌ニャルラトホテプです。」 

 

 月島「えぇ!?ニャル様だったんですか!?」

 

 悟「姿変えててもお前だってわかるんだからな!てか何でいるんだよ!?」

 

 ニャル子「悟さん…やっぱり分かるんですね…何でここにいる?でしたね。労働ですよ。ろ、う、ど、う。」

 

 悟「えぇー嘘だろ?あの這いよる混沌、外なる神のメッセンジャーともあろうCOCの代名詞みたいな、あの、ニャルラトホテプが??」

 

 ニャル子「何でちょっと煽り口調なんですか…本当です。労働です。本日のVIPが入場するまでここで待機、その後パーク内のアトラクション関係の仕事を分身体を活用して計12施設を閉園時間五分前まで全て行って……」

 

 悟「なんかごめん。お前も大変なんだな、まぁがんばれ。」

 

 ニャル子「そうさせてもらいます。では行ってらっしゃい!ウェルカムトゥーンガイの森!」

 

 月島「急に気合入った!?」

 

 ニャル子がそういうとゲートが開き、ンガイの森のパンフレットを渡される。

 

 パンフレットにはンガイの森の地図と各アトラクションなどの説明などが記載されていた。

 1初心者の館

 2クトゥルー本屋

 3COC会場

 4シュブニグママ食堂

 5シャンタクコースター

 6クトゥグアBBQ

 7ハスターのバンバンシューティング

 8ショゴクローズ

 9アザトーク

 10ナイトゴーンランド

 11ステージルルイエ

 12お土産屋

 etc...

 

 悟「いろいろ突っ込みどころ満載だが、何と言うか普通の遊園地と変わらないような内容でちょっと安心だし、これなら楽しめそうだな。月島ちゃんまずはどこ行きたい?」

 

 月島「全部行きたいです!」

 

 悟「全部か…なぁニャル子、おすすめの順路とかあるか?」

 

 ニャル子「そうですね、月島ちゃんもいることですし。改めてクトゥルフ神話について学んでみるのはどうですか?」

 

 悟「ってことは、まずは初心者の館からか。月島ちゃんもそこでいいかい?」

 

 月島「はい!」

 

 俺たちはメインゲートでニャル子と話した後に、エントランスに行くとマスコットキャラクターのような集団に出くわした。一体はムーンビーストを模ったような丸っこい触ったらモチモチしそうなマスコット、二体目はデフォルメされたようなニャルラトホテプの化身の一つ月に吠えるものであった。

 それらを見るや否や

 

 月島「かわいいー!!!一緒に写真撮りましょうよ悟さん!!」

 

 月島ちゃんは俺の腕を引っ張りマスコットの方へと向かわせようとする。

 

 月島ちゃんも随分と人間の女の子らしくなったよな。この子、実はムーンビーストなんです!何て言われたら真っ先に疑うぐらいには女の子している。うん、可愛いけど可愛いすぎる!!!

 

 悟「じゃ、そうだなスタッフさんとかに写真撮ってもらうの頼むか。」

 

 しかし、周囲を見渡しても他のスタッフは別のお客さんの対処をしており、こっちに気づいている様子でもなかった。

 困り顔で再びを周囲をキョロキョロしていると、一人こちらに近づいてきた。

 

 「何かお困りかしら?」

 

 ピンク髪をした黒のノースリーブを着た細身でありながらもしっかりと必要な筋肉は備えているであろう、男にしても女にしても人間態のニャル子に美しさで引けを取らないほどのイケメンであった。

 

 悟「写真撮るのを手伝ってもらおうとスタッフさんを探してて。」

 

 「ふーん、ならアタシに手伝わせてちょうだい。ちょうど友達を待ってて暇だったし、人助けは大事だもの。」

 

 悟「ありがとうございます。」

 

 俺はイケメンにスマホを渡して、月島ちゃんとマスコットの近くまで行く。

 

 「はーい、ちょっと右よって。男子の方も笑顔がぎこちないわよ!もっと自然にスマイルしなさい!いくわよー!はい、チーズ!うん、いい感じに撮れたわ。」

 

 月島「ありがとうございます!えーっと……」

 

 「アタシの名前はMOMOよ。MOMO(ねえ)って呼んでちょうだいね。」

 

 月島「MOMO姐さん、ありがとうございます!」

 

 MOMO「いいのよ。それにさっき気付いたのだけど、あなた達もVIPパス持ってたのね。社長さんとはどんなご関係なのかしら?」

 

 悟「えーっと……」

 

 一緒にシナリオ攻略しました!なんて言っても通じないだろうし、どうやって言えばいいんだ?

 

 悟「数週間ほど前に一緒にゲームをしまして、そこで意気投合したって感じですかね。」

 

 MOMO「へぇーあの人がゲームをね。そちらのピンク髪のお嬢ちゃんは?」

 

 月島「私も悟さんと同じです!」

 

 MOMO「悟さん……ハハァーンつまりあなた達……」

 

 悟「俺たち?」

 

 MOMO「付き合いたてのカップルなのかしらー!初々しくてもう可愛い!いい?少女ちゃん、この人見た感じ押せばイケるわ、もっと積極的に行きなさいよ。友達見えたからアタシはこれで、是非楽しんでね。アディオース。」

 

 月島「は、はい?」

 

 そう言ってMOMO姐さんは小走りで去っていく。

 

 月島「なんだか、面白くて美しい人でしたね。」

 

 悟「すげえ同感、まるで「美」を具現化したみたいな人だったな。ありゃ下手したらSANチェック入るぞ。」

 

 月島「そんなことあるんですか?」

 

 悟「APPってのはな、特徴表とかを含めないなら18が最大なんだが、20以上になると見た相手側にSANチェックが発生するんだよ。ちなみにニャル子はAPP18だから俺らCOCプレイヤーの一部は褐色のAPP18が出てきたら反射的に殴るやつもいるんだよ。大抵のシナリオはニャルが原因だからな。」

 

 月島「じゃ悟さん的にあの人はどれくらいのAPPだったんですか?」

 

 悟「うーん、17か18くらいかな。」

 

 月島「ふーん、私の方はどうなんですか?」

 

 悟「全部含めて100点満点。」

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