これがキヴォトス一般のお祭り少女だ(おめめぐるぐる)
私、ウミカ。なんと、キヴォトス1のお祭り学校、百鬼夜行における、お祭り運営委員会の1年生なのです!
連邦生徒会長が消えて、治安は悪化。てんてこ舞いの毎日にもまけず、日々お祭りを運営しています!
そんな中……ふと、ビビっと来たのです!これぞ、私がお祭り運営委員会たる理由です。私、お祭りの予感を感じるんです!
なんとなく、向こうの方……DUシラトリ地区ですね!早速向かわねば!
「委員長!すみません、お祭りの予感がしたので行ってきます!」
「えっ、ちょ、シフトは!?ウミカちゃん!?」
「DUシラトリ地区へ行ってきます!今度穴埋めします!すみません!」
「ウミカちゃん!?」
委員長にちゃんと断りをいれて、私はお祭りの元へ向かったのです!
DUシラトリ地区でこの時期に行われるお祭りを、私は全く知りません。いったいどんなお祭りなのでしょうか!期待に胸を踊らせて、私は駆け足で向かいます。
「全くもう、ウミカちゃんは……よーし、私一人でお店回すぞー!」
ため息をこぼしながら、珍しくお客さんのいないお店の中、1人で仕込みや清掃をすすめる。
そんな中、お客さんのためにつけてあるテレビから臨時のニュースが流れてくる。普段はそんな気にもとめはしないのだが。
『速報です、矯正局を脱出した生徒がDUシラトリ地区にある、連邦生徒会の建物を占拠しました。連邦生徒会への不満を訴えるクーデターとみられ……』
「……はぁ!?」
私は、慌ててテレビとお店の照明をきる。心の中でお客さんに謝りながら、臨時休業の札を出す。
「ほんっとあのバカ!迎えに行くから!」
何なのだあの子は。クーデターと書いてお祭りとでも読んでいるのだろうか。今しがたクーデターの現地に向かったお祭りバカを追いかけに走り出す。
「おかしいですね、確かにお祭りの予感がしたのですが……」
「いたぞ!乱入者だ!」
「なぜ追われてるのでしょうか……?」
周囲はお祭りとは程遠い、銃の音と爆撃の音。なんとか応戦するも、逃げまどう私を追いかけるヘルメット達。
そうして逃げて回っていくさきに、何やら珍しい集団が。
1人は黒き翼を持つ美人……その姿はまさにトリニティにおける、正義実現委員会。
1人は、角を生やす優しき美人……その腕にはゲヘナの風紀委員の証である腕章。
1人は、外見的特徴はないが個人的に付き合いのある太も……早瀬ユウカちゃん。ミレニアムのセミナーで会計を担当する。
1人は、トリニティでの催しもといお祭りでお世話になりがちなトリニティ自警団の守月スズミちゃん。
そして、以上四人が前に出ているその後ろで守られている、なんの特徴もないスーツの男……いや、このキヴォトスでは男性ってだけで特徴的。しかもヘイローがない。どういうことでしょう?
以上5名のトンキチ集団の横には戦車が転がっている。これは、まさに……
「ここがお祭り会場だったのですね!私も混ぜてください!!」
「何馬鹿なこと言ってるんですか!?ここは紛うことなき戦場です!」
みんながみんな私の登場に驚く中、顔見知りのユウカは盛大にツッコミをいれ、スズミは頭痛をこらえるかのように頭を抑えてため息を吐いていた。
「“えっと、きみは?”」
「あ、自己紹介がまだでした!私、百鬼夜行の里浜ウミカです!」
「“僕は先生。それで……ウミカちゃん、早速だけど手伝ってほしいな!”」
「え……いいのですか!?このおまつりに参加させてもらっても!はい、喜んで!」
お目々を輝かせて喜ぶわたしに、ユウカちゃんが頭をペシッとはたく。
「だーかーらー!おまつりでもなんでもないの!サンクトゥムタワーに先生を連れてかないといけないんだから!」
「なんと!?DUシラトリ地区中央にある、連邦生徒会が購入して以来全く開く開くことのなかった開かずの塔がついに開くのですか!?これは、盛大にオープンセレモニーをしなければなりませんね!」
「あ〜〜〜もう、勝手にして!!!」
私とユウカちゃんのやり取りに何を思ったのか、ゲヘナの風紀委員ちゃんはため息を、トリニティの正義実現委員会の方はこちらを睨んでいる。あ、睨んだまま声をかけてきた。
「失礼、ゲヘナの方ですか?」
「いいえ、百鬼夜行です!さぁ、お祭りのためにもサンクトゥムタワーへ向かいましょう!」
「…………」
意気揚々と前線へ向かう私の後ろではヒソヒソと話し合いがされている。
「念の為いっておきますが、ゲヘナにもトリニティにもお祭りとあらば彼女は現れます。百鬼夜行ですが」
「やはりゲヘナなのでは?」
「アレと同じにしないでください」
「“あはは……”」
「聞こえてますからね!」
本当に、失礼しちゃいます。と、思った矢先。
ずどぉん!!!
「っ、危ない……!」
「“ハスミ!”」
突如、ヘリコプターからミサイルが飛んできて先生をかばった黒羽の正義実現委員会の方が吹き飛ばされる。
「く、攻撃が届かない……」
「引きうちとは、卑怯な!」
しかも、ヘリコプターは逃げ回りながら、射程ギリギリから攻撃を仕掛けてくる。なんとか対応するも、機動力はヘリコプターが上。射程が届きうるSRの人は初撃で気を失い倒れている……八方塞がりの状況に、先生が指揮を取っていてもなお、苦戦している。
「このままでは、こちらがやられます!」
先生は考える。
圧倒的に形成は不利だ。このままじっとしていても消耗戦になってこちらがやられる。こうなれば、一か八か……
「“……ウミカ、指揮下に入って!一緒にお祭り楽しもう!”」
「はい、もちろんです!……わわ、なんかすごい力が湧いてきます!」
「ちょ、ちょっと先生!?大丈夫なの!?彼女の武器はARだから届かないわよ!」
通りすがりの生徒にも手伝って貰おう。先生と生徒の、戦術指揮にウミカを加える。ユウカちゃんが止めようとするが……先生は目を見開いて、指示を飛ばしていく。
「“これは……!!ウミカ!お祭り準備!みんな、後退しつつ注意を引いて!”」
「了解です」
「なるほど……確かにアレなら届くだろう。わかった」
「え、え?ど、どういうこと……?」
狙いのわかったハスミ。淡々と指示に従うチナツ。困惑気味のユウカちゃん。
「はーい!」
私は指示に従って準備を終えるとみんなと一緒に後退していくのだった。
戦線を下げた私たちを追いつめるようにヘリコプターが詰めてくる。そして、先程まで私たちがいた場所までヘリコプターが詰めてきた。
「“ウミカ、いまだよ!”」
「はい!それでは、せーの!」
仕込んだ砲台から、ヘリコプターに向けて一斉にロケット花火が打ち上げられ……ヘリコプターを貫き爆発四散。
「た~まや~!!!」
「「「「…………」」」」
もはやミサイルだろこれ。とは言わない。ゲヘナの風紀委員ですらちょっと引き、トリニティの正義実現委員は完全にゲヘナを見る目でみつめ、トリニティの自警団は目を点にして固まり、ミレニアムのセミナー会計は頭を抑えてため息をつき。
「“た~まや~!”」
先生はウミカに毒されていた。
「先生まで何をしてるんですか全く……まぁ、ウミカさんのお陰で道は開きました。先生はサンクトゥムタワーの起動を、お願いします」
「“あ、そうだったね。いってくる”」
「では、私はオープンセレモニーの準備を!」
そうして。サンクトゥムタワーの起動と同時に色とりどりの花火が打ち上げられる。お祭り実行委員会が出張したことで、オープンセレモニーが盛大に行われた。
無許可だったため、先生は後程こっぴどく叱られるも、年1でシャーレ立ち上げ記念と称し盛大なお祭りを許可を取って正式に開くことになる。