原作既存話と違和感あったらすみません
(一応、ウィキ確認は済)
「うまくいきましたね!いっぱいお客さんが来てシャーレのこと知っていただけました!」
「あのねぇ!あそこ、連邦生徒会傘下ってわかってる?無許可で花火の打ち上げは禁止なんだからね!先生がかばってくれたのとテロ対策という名目でなんとかなったけどさぁ!」
ぶつくさ文句を言いつつ仕事の手は緩めない委員長。どんどんお客さんをさばいていきます。凄まじい情熱です。私も負けじと、お客様の対応をしていきます。いそがしくても、おもてなしの心を忘れずに。
ちなみに、オープンセレモニーは無事終えられました。が、急に臨時休業にした責任を持ってここ数週間、シフトが倍増しました。委員長の雄姿を長らく見ることができて大変楽しかったです。
「おっと、休憩の時間です。少し休みますね」
「はーい!すぐ戻ってきてね!」
お店のバックヤードに少し引っ込んで休憩していると……ビビっと何かが来ました。あぁ、お祭りの呼び声が聞こえますね!すぐに向かいます!
「ウミカー、そろそろ休憩終わり……あれ?」
委員長がバックヤードを覗くと、そこには一枚の書き置きが。
『ちょっと私を呼ぶお祭りの声が聞こえましたので、行ってきます! ウミカより』
「……あのお祭り馬鹿〜!!!」ダンッ!
目を回しながら1人でお店を切り盛りするお祭り運営委員会の委員長の雄姿がそこにあった。
アビドス市街地。
ブラックマーケットで情報を集め、風紀委員会と一悶着あったあと、ラーメン屋の大将からの情報も踏まえてカイザーがアビドスに土地を差し出すように仕向けた事に気づいたアビドス対策委員会+先生はカイザーのもとに向かっていた。
「砂だらけの市街地に行ったことはありましたが、ここから先は私も初めてです……」
「いや~、久しぶりだねえこの景色も」
「先輩は、ここに来たことあるの?」
「うん、前に生徒会の仕事で何度かね~。もう少し進めばそこにはなんと、かつてアビドスの砂祭りが開かれていたオアシスが!」
「え、オアシス?こんなところに?」
セリカの問いに答えるようにびしっとホシノは砂漠の先を指差している──が、当然そこにオアシスは無く、砂が舞うばかり。
「うん、まあ今はもう全部干上がっちゃったんだけどね〜。元々はそんじょそこらの湖より広くって、船を浮かべられるくらいだったとか。ま、私も実際に見たことはないんだけど」
「砂祭り……私も聞いたことある。アビドスでは有名なお祭りで、すごい数の人が集まるって」
「そうそう、別の学校からもそのお祭り見たさに人が来るくらいだったからね。ま、砂漠化が進み始めるより何十年も前のことだけど」
「へえ、今となってはこんな光景になっちゃってるけど、ここでそんなすごいお祭りが……?」
「そうなんですよ!!!」
バッと現れたウミカに賑やかだった周囲が静まり返る。
この子だれ???
そんなことに目を輝かせるウミカ本人は気づく様子がなく。
「アビドス砂祭りではいくつかの催しものがありますが、やはり砂像コンテストは欠かせません!アビドスに住む方々が、それぞれ独自の個性を表現したたくさんの砂の像は非常に圧巻です!砂と水のバランスが崩れただけでも見た目に大きく差が出てしまいます。そんな難しい砂像たちの中でも極めて優秀な方はアビドスからの大いなる祝福を受けられるのだとか!
他にも、夜アビドスの空は満点の星空になるのですが、その星空の下で行われるバーベキューとキャンプファイアーも大人気で」
「“ウミカ、ストップストップ!みんなも銃はしまって!この子も私の生徒だよ!”」
「はっ!? すみません、呼ばれた気がして飛び出てきちゃいました!」
突然現れた、まるでヲタクのように一気にまくしたてる女の子。そんな怪しさ満点の相手に、カイザーのものかと銃を握りしめ向けるアビドス対策委員会の面々。唯一、対面したことがあった先生が気づいてアビドス対策委員会の面々を宥める。
「私達も、いきなり銃を向けてすみません。その服装は……百鬼夜行の方ですか?」
「はい!百鬼夜行お祭り運営委員会所属の里浜ウミカといいます!この度はお祭りに呼ばれて馳せ参じました!」
「いや、お祭りに呼ばれたってわけわかんないから!」
セリカのツッコミはスルーして、中央に立つホシノに向き合う。
「わたし、お祭り運営委員会としてアビドス砂祭りの運営にも携わりたいです!砂祭りやってみたいです!その時は是非是非よろしくお願いします!」
まっすぐなお願いに、ホシノは少し動揺をする。それを隠して……
「うへー……それはおじさんの代ではできなそうかなぁ。代わりにほら、ノノミちゃん達ならできるかもだし話してみたら?」
「そうでしたか、すみません。ノノミさん、よければ連絡先交換しませんか?アビドス砂祭りについてはわずかながら文献が百鬼夜行にございますので、参考になるかもしれません!」
「は、はぁ……わかりました。でも、砂祭りをするときはホシノ先輩も一緒です」
「…………」
どこかすれ違ったかのような微妙な雰囲気。あまりの凍りついた雰囲気に、ウミカはあはは……と苦笑いしていた。気まずい。そんな雰囲気の中、ノノミはモモトークを交換した。画面のアイコンをみて、気がつく。
「……あれ?このアイコン、ピンキーパカさんですか?」
「はい!モモフレンズのキャラクターなんですけど、いつも元気で可愛いんですよ!」
「ムードメーカーさんって感じですよね!私はMr.ニコライさんが好きで『善悪の彼方』には色々考えさせられます」
「哲学的ですからね」
「そうなんですよ!それで――」
突然始まるモモフレンズトーク。あっけにとられるアビドス陣を尻目に意気投合する2人。
「うへ……とっても人気なんだね、そのモモフレンズ?ってやつ。おじさんにはちょっとわかんないなー」
「なによ、ピンクのアルパカって……しかも無表情だし」
「先日であったヒフミさんを思い出しますね……」
アビドス対策委員会の面々は呆れ半分にききつつ。元々カイザーのもとへ向かっていたのだ。ずっとこうしているわけには行かない。
「“あはは……ノノミ、そろそろいくよ!ウミカ、砂祭りのこと教えてくれてありがとう!”」
先生が呼びかけると、2人ははっとしたかのようにこちらに駆け寄る。
「すみません、ついつい話し込んじゃいました」
「いえいえ、楽しかったです!お祭り事とあれば、いつでも呼んでください!先生こそ、撃たれる前に止めてくれてありがとうございます!そんな事になってたとは……気づきませんでした」
「“もう少し周りを見てね”」
「はい、気をつけます!」
こうして、里浜ウミカとアビドス対策委員会は邂逅を果たす。本来はない出会いに、定められた運命からほんのちょびっとだけ未来が変わってゆく。
走り去るウミカだったが・・・あ、そうだ!と、手をポンと叩いて振り向いた。
「砂を持ち帰ってみてもいいですか?」
「はあ・・・?砂?」
「“砂を・・・?”」
「はい、砂をです!」
首をかしげる対策委員会の面々。いったい何に使う気なんだ、こんな砂。
その言葉を出す前に、グイっと伸びをしたホシノが前に出る。
「まーまー。いーんじゃない?いっぱいあるしさ」
「まあ、確かに掃いて捨てるほどありますし、私たちは構いませんが・・・」
「勝手に持ってっていい」
「ありがとうございます!ではでは」
許可(?)をとったウミカは、土嚢袋に砂を詰めて去っていった。
「うへ……なんというか、嵐のような人だったねー」
「いや、どっから取り出したのよあの袋!」
「良いツッコミ」
「“あはは……”」
「誘拐ですか!?」
明くる日。急にお店を抜けた謹慎中のことでした。こないだモモトークを交換したばかりのノノミさんから来た連絡は、先輩が誘拐されたという悲痛なものでした。
想定外のことが起こったので、驚かせてあげようとおもって連絡を取ろうとしたところだったのに。私は、バックヤードから表に出て委員長へかけよる。
「先輩!」
「お祭りで抜け出すのは駄目だからね!」
「違います、アビドスの友達の先輩が誘拐されたみたいで……!それも、相手はカイザーコーポレーションだとか!!」
「え、誘拐……カイザー……!?」
ちなみに、ここ百鬼夜行ですらカイザーの悪名は高い。高利貸しや闇金という悪行でおおくの不良生徒を生み出しつつ、カイザーのところに行き着く寸前にとかげの尻尾切りのごとく関係ないとしらをきり。結局証拠不十分で検挙できなかった過去があるがゆえである。
ちなみに、過去にお祭り運営委員会もカイザーの高利貸しに騙され東奔西走していたそうで。なんとか払いきったものの、委員長曰くもう二度と借りないとのこと。
「きっと、その友達の先輩は借金のカタにあんなことやこんなこと……」
「…………「俺のことはきにすんな」お客様!」
「明日も来るからさ。そんときにゃ美味しいのよろしく頼むわ。頑張れよ、ウミカちゃん!」
「はい!」
顔を真っ青にして言う私。そんな私の背中を押してくれるお客様。思うところがあったのか、委員長は目をつむり……パッと携帯電話を取り出してモモトークで集合の通知がかけられる。
「ふ、ふふ……いいじゃん、やってやるわよ!昔カイザーに痛い目合わされた分、てってーてきに!」
「委員長……!」
「お祭り運営委員会、アビドスに出撃よ!!」
「おー!」