アビドスで、大人の戦いが始まる。
ホシノは黒服の手により誘拐。カイザーPMCによるアビドス襲撃。あまりの仕打ちに心折れるアビドス対策委員会だったが、颯爽と現れた便利屋68が先生と協力。再び立ち上がったアビドス対策委員会が便利屋68と協力し、撃退。
そして、ホシノを救出するために生徒の足を舐めることでゲヘナの協力を得た先生(!?)は、アビドス対策委員会を引き連れ、ヒフミの援助を受けてホシノがいるとされる施設に突入する。が……
「何なのよこの数!」
「キリがない……!」
「正面、敵増援です!」
「“アヤネ、物資どんどん送って!”」
「すでに送ってます!」
前衛の居ない今のアビドス対策委員会には手痛い物量。戦術指揮を取る先生が、なんとかアヤネの回復でごまかしていたが限界ギリギリである。
「この……!きゃ!?」
「「「「セリカ(ちゃん)!」」」」
しびれを切らしたセリカが前に出た瞬間、一気にセリカに弾幕が集中。また、グレネードをまともに食らってしまう。体力がギリギリなのがわかった先生はシッテムの箱の画面に目を落とし……ふと、戦術指揮の対象をシッテムの箱が感知した生徒達に切り替える。
これで最後、と言わんばかりにセリカに向けて放たれた凶弾が、どこからか入り込んできた屋台によって防がれる。
「よ、よかった……」
「でも、一体何が……?」
屋台が割り込んできた横の通路から、ドタバタと三人の生徒が前に出る。
「なんとか間に合ったみたいね!」
「さぁ、花火を!」
「アビドス組を助けに参りました、お頭!」
突如現れた三人組のうち1人は、あの砂漠でであったウミカだった。また、先生はフィーナ、シズコともそれぞれ知り合いのようだ。
「委員長を説得成功しました!助けにきましたよ、ノノミさん!」
「お祭り運営委員会はアビドス対策委員会を援護するわ!一緒に突破しましょ!」
「あの……」
「ん?どうかしたの?」
ウミカが前方に設置した花火発射台が前衛の役割を果たし、敵の攻撃を引き付ける最中。ノノミがおずおずと湧いて出る疑問をお祭り運営委員会に向ける。
「えっと、その……こういってはなんですが。皆さん、どうして助けに来てくれたんですか?」
アビドス対策委員会からしたら、お祭り運営委員会……もとい、ウミカは突然現れては去っていった人でしかない。なぜ危険をおかしてまで助けてくれたのか。借りのあるゲヘナや一緒に銀行強盗をしたヒフミよりも可能性は低いと思っていた。
その言葉に、お祭り運営委員会の人たちは顔を見合わせて頷き……
「「「アビドス砂祭りがしたいから(デース)!!」」」
「え、えぇ……?」
流石お祭り運営委員会というべきなのか。お祭り大好きである。
「今まで忘れ去られたお祭りを復活させる……とってもロマンがあります!」
「たとえお祭りがなくても、困ってる人を放っておけまセーン!ニンキョウデース!」
「カイザーローン、数々のお祭りの邪魔してきた恨み、今ここに果たしてみせる!!」
追加で、それぞれの思いの丈もありそうだったが。その頭上のヘイローが輝きをましてゆき、お祭り運営委員会が怒涛の勢いで突き進む。
その様子を見た先生が号令をかける!
「“突破するよ、アビドス対策委員会!お祭り運営委員会!”」
「「「「「「「はい!!!!」」」」」」」
アビドス対策委員会、およびお祭り運営委員会はその包囲のど真ん中を突破していく。そして、あっという間にホシノのいる場所の前まで来た。
「うん、もうあとは目の前かな!」
「お頭、私達はここまでデース!」
「追手は私達が足止めします!皆さん、前へ!」
「“ありがとう、みんな!”」
背を向けて足止めに向かう中、ウミカが思い出したかのように先生だけを呼び止める。
「モモトークに送っておいた例の件、よろしくお願いします!」
「“任せて!”」
「何やってんの先生、早く行くわよ!」
「“おっとと。行ってくる!”」
その後、カイザーPMC理事とアビドス対策委員会の間に便利屋68が乱入。便利屋68が理事達の動きを止める間にアビドス対策委員会によってホシノが救出される。突如現れたデカグラマトンの預言者、ビナーも各学園の力を合わせることでなんとか撤退させることに成功。
一連の事件は収束を見せた……
「と、言うわけでアビドス砂祭りをしませんか!!」
「昨日の今日で開口一番いうことそれ!?」
「っとと、すみません。皆さん無事でなによりです」
「は、はぁ……何故か、便利屋68の方と話している気分になります」
「私はゲヘナではありませんよ!砂祭り是非やりましょう!」
「矛盾を感じる」
「アンタ一旦お祭りから離れなさい!」
翌日、突如来訪したウミカがアビドス砂祭りを提案しにやってくる。計画書まで携えて。
人員がいない部分は百鬼夜行が手伝う。告知や防衛に関してはシャーレ伝手にヴァルキューレへ送ることで警備を依頼をする、など綺麗にまとめられていた。事前にあらかたの問題は潰している。キヴォトス中のお祭りを担うお祭り運営委員会としてのノウハウが感じられた。
何が何でもアビドス砂祭りをやるという熱意を感じる。これを前に、ホシノは断る力を持たず……
「うへ、推しが強いよーこの子。とはいえ、おじさんはお祭りには疎いし、やる気もあんまり……ノノミちゃん、砂祭りの運営お願いねー」
「なるほど……わかりました。それではアビドス砂祭りの実行運営委員をします」
ウミカと仲が良かったノノミにぶん投げることにした。
少し考えて、ノノミもそれを受諾する。ウミカも安心しているようだ。
「とはいえ、資金に関しての問題が解決されたわけではないので……」
「あ、それなのですが」
「“ウミカー!”」
「ナイスタイミングですね、先生!」
アヤネが、借金を理由に断ろうとした時。先生がやってくる。
「“良かった、ここにいたんだ。前にお願いされてた件、シャーレの方で申請して許可が降りたよ”」
「よかった!これで商談を始められますね!」
「商談……ですか?」
商談、という言葉に頷く先生とウミカ。首を傾げるアビドス対策委員会の面々に、先生は生徒達に号令をかける。
「それじゃあ、アビドス対策委員会のみんな。学校の掃除を始めるよ!」
「「「「えっ?」」」」
まず、第1にキヴォトスには高い技術力があって多くの場所が開発されている。その関係もあって砂を見る事は殆どない。銃弾も鉄くずのリサイクル品がほとんどで、リサイクルテクノロジーも高い水準を誇る。
しかし、建材や道路に使われるコンクリート。窓や液晶に使われるガラス。さらに水の浄化等、砂の出番は多いにも関わらずキヴォトスで見る影はほとんどない。つまり……
「砂が、売れた……?」
「私達の周りに溢れているからこそ、盲点でした……」
砂を買い取りする人がいるのである。いま、シロコとアヤネは校門のあたりにいた。大掃除によってアビドス学園から廃棄される砂を袋に詰めて、業者におろしたのだ。
先生は砂の買い取りに関わる細々とした申請書類をシャーレで通していたため、商談はスムーズにまとまった。
砂の行き先やその活用法を知るために、ホシノとセリカはアビドスから外に出て、百鬼夜行のガラス工房やコンクリートの工場に見学およびアビドスの砂を売り込んで契約を取りに行っていた。これにより、アビドスは借金の返済目処がたち、文化祭としてアビドス砂祭りをお祭り運営委員会の助力を得て行うことになる。
そして、ノノミは……
「砂祭りにてアイドルステージをやるために先生とともにミレニアムへ向かったそうですが……大丈夫でしょうか」
「……ノノミ先輩のことだし。きっと大丈夫」
先生とともに、ミレニアムへと足を運んでいた。
時は少し遡る。
アビドス砂祭りを行うとして、砂像コンテストは住人の関係やPMCにとられた莫大な土地がなければできない。そのため、砂像は小物に限定してなにか別のものを……とウミカが悩んでいたその時。ノノミが声を上げる。
「ステージを設営してアイドルをしたいです!」
「アイドル……なるほど、巫女の舞と似たようなものですね!きっと盛り上がります!」
しかし……ホシノがうへぇと止めに入ろうとして、セリカやアヤネ、シロコも恥ずかしがって参加は見込めず。しかし砂祭りの運営はノノミでありどうしてもアイドルがしたいと熱く語る。どうしたものかと考えていると先生がふらりとやってくる。
「“そっか、それなら一緒にアイドルをやってくれるメンバーを集めようよ”」
「「それです、先生!!」」
こうして、ノノミはアイドルステージを行うためにメンバーを集めることとなったのだった。
各校合同アイドル企画『イタズラ☆ストレート』にアビドス代表としてノノミが参加。デビューをアビドス砂祭りで飾ることになるまで、あと数日……
この小説は勢いとノリと普通でできております。