ある魔女の人生   作:ネッシーは実在する

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遂に秘密の部屋の第一の事件が幕を開けます。


秘密の部屋は開かれたり

「次の時間ってなんだったかしら?」

 

 

リディアが荷物を纏めながら首を傾げてエステルに問い掛ける。

 

 

「確か、魔法薬学の授業だったはずだよ。」

 

 

「ああ!そうだったわね。忘れてたわ!」

 

 

リディアは鞄に教科書を詰め込むと、エステルの手を引いて教室から出ようとする。

しかしその時、後ろからまた心無い言葉が聞こえてきた。

 

 

「…やっぱりエステル・ブラックって、死喰い人の娘なんじゃない?」

 

 

グリフィンドールの女子生徒2人は、エステルに聞こえる大きさの声で彼女について話し始めた。

 

 

「ええ?って事は、死喰い人だったレギュラス・ブラックかシリウス・ブラックの娘って事になるのよね?」

 

 

「死喰い人の娘って事は、あの子もマグルが嫌いなのかしら?」

 

 

「きっとそうよ。ハッフルパフに選ばれたのは、魔法の才能が無いからに違いないわ。」

 

 

エステルは、ブラックという名前が、魔法界でどのような地位を築いてきたかをよく理解している。

だからこそ、こうして批判されても何も言い返す事が出来なかったのだ。

能無しの純血主義者なのだと、例のあの人の思想を継ぐ者なのだと決め付けられても、エステルは何も言えなかった。

 

 

リディアは、そんなエステルを心配そうに見つめていたが、数秒後彼女からグリフィンドール生二人に視線を移し、口を開いた。

 

 

「ちょっと!あなた達失礼じゃない?ハッフルパフに選ばれたからって、能力が低いわけじゃないのよ?むしろ、勤勉で真面目な生徒が選ばれるのでしょう?貴方達、見たところ魔法界で育った魔女のようだけど、魔法界で育つレディは礼儀作法を学んだ事が無いのかしら?淑女らしからぬ言動ね。」

 

 

リディアは、そう言って批判した生徒達に反論したが、彼女達は鼻で笑った後口を開く。

 

 

「なっ!礼儀作法くらい学んでいるわよ!貴方こそ、突然話に割って入ってくるなんて、礼儀知らずなんじゃないかしら?」

 

 

「そうよ。人の話に割り込むなんて、貴女こそ淑女らしからぬ行動だわ。恥を知りなさい。」

 

 

「何ですって?元はと言えば、あなた達が先に仕掛けてきたんでしょう?」

 

 

そんな彼女達の言葉を聞いてもなお、リディアは言い返そうとしたが、それをエステルが止めた。

 

 

「…いいのよ、リディ。」

 

 

「でも、エステル!」

 

 

リディアは納得がいかない様子で口を開くが、エステルは首を横に振って優しく微笑んだ。

 

 

「心配してくれてありがとう。私は大丈夫だから。」

 

 

エステルの言葉を聞いてもなお、リディアはまだ何か言いたそうにしていたが、やがて渋々口を閉じる。

そんな2人の様子を見てグリフィンドールの女子生徒達は勝ち誇ったような笑みを浮かべた後、わざとらしく声を上げた。

 

 

「あら?もうこんな時間だわ!」

 

 

「次の授業に遅れてしまうわ!行きましょう!野蛮な人達のせいで最悪の気分だわ。」

 

 

2人はエステルとリディアにそう言い放つと、足早に教室を出て行った。

 

 

「何よ!あの子達!」

 

 

リディアは憤慨していたが、エステルは少しも怒っていなかった。

 

 

(…いつもの事だわ。)

 

 

彼女の心はもう既に麻痺してしまっていたのかもしれない。

しかしそれでも良いと思った。

自分はクリーチャーや家族から愛されているという自覚はあるのだから、それで十分だと思ったのだ。

 

 

「行きましょうか、リディ。」

 

 

「ええ、そうね。スネイプ教授は気難しい方だって噂だし、早く行きましょう。」

 

 

2人は荷物を抱えながら教室を出て、薬学教室に向かって駆け出した。薬学教室は地下にあり、噂では近くにスリザリン寮もあるそうだ。

 

 

「あそこの席に座りましょう、エステル。」

 

 

そう言ってリディアが指さした席には、教室の一番後ろで、教卓からは一番遠い席だった。

この席なら、他寮の生徒と合同の授業でも視線を気にする必要が無いので、集中して授業に取り組めそうだ。

 

 

「ええ、そうね。あそこにしましょう。」

 

 

2人はその席まで駆け寄り、テーブルの上に荷物を置いた。それから数分後、魔法薬学の教授であるセブルス・スネイプがやって来た。

黒いローブを翻し、無言で教室に入ってきたスネイプは、細身の長身で猫背気味の体型をしていた。

髪は長くベタっとしていて、不健康そうな青白い肌に鋭い目と陰険そうな雰囲気だ。

彼は教卓までやって来ると立ち止まった。

その時、スネイプは一瞬エステルと目が合ったがすぐに視線を逸らし、彼は不機嫌そうな目で教室内を一瞥した。

それから出席簿を開きながら口を開く。

 

 

「本日の授業を始める前に、忠告しておく。このクラスでは魔法薬調剤の微妙な科学と厳密な芸術を学ぶ。」

 

 

スネイプは出席簿を閉じ、鋭い視線で生徒達の顔を見回した。

 

 

「このクラスでは杖を振り回すような馬鹿げた事はやらん。そこで、これでも魔法かと思う諸君が多いかもしれん。フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち昇る湯気、人の血管の中をはいめぐる液体の繊細な力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力……諸君がこの見事さを真に理解するとは期待しておらん。我輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえふたをする、そういう技だ。ただし、我輩がこれまでに教えてきたウスノロたちより諸君がまだましであれば……の話だが。」

 

 

そう言ってスネイプは出席簿を教卓の上に置き、話を続けた。

 

 

「諸君には今日、簡単な魔法薬の作り方を伝授しよう。最も、作り方を教えたからといって、レシピ通りに作れば完成するなどと思わない事だ。教科書の……」

 

 

スネイプは教科書を開くように指示を出し、おできを治す薬の作り方についての説明を始めた。

そして一通り説明が終わると、レシピやポイントを羊皮紙に書き終わった生徒から順に、作業に取り掛かるよう命じた。

 

 

「魔法薬……なんか魔女っぽいわね、うふふ。」

 

 

マグル生まれの魔女であるリディアは、魔法薬学の調合に興味津々といった様子だ。

エステルも魔法薬を作るのは始めてなので少しワクワクしているが、材料にナメクジやカエルの脳みそがあると知って、複雑な気持ちだ。

エステルは生まれが生まれなだけあり、ナメクジは勿論、カエルなんて図鑑でしか見た事が無かった。

だからそれに触れるだなんて、想像しただけで鳥肌が立ってしまいそうだ。

 

 

「……あの、ごめんなさい、リディ。ナメクジとカエルの脳みそなんだけど、代わりに持ちに行って貰えない?その、とてもじゃないけど、私は触れられそうに無いの。」

 

 

「ええ、いいわよ。じゃあその代わり、エステルはヤマアラシの針と干しイラクサ、蛇の牙を持ってきてちょうだい。それで借りはチャラにしてあげる。」

 

 

「分かった。ありがとう、リディ。」

 

 

リディアが快く引き受けてくれて良かったと、エステルはホッとした。

2人で分担して材料を調達し、おできを治す薬の調合に取り掛かった。

エステルはすりこぎ蛇の牙を砕いたり、大鍋を用意したり、廃棄物を処分したりと、主に雑用を行い、本格的な調合はリディアが担当した。

 

 

「……えーっと、最後に時計回りに5回回すのよね。」

 

 

リディアは鍋をゆっくりと時計回りに回していく。

それも一度混ぜたら液体を確認し、問題無ければまた混ぜるという具合に行っており、かなり慎重だ。

そして混ぜ終わると、最後の仕上げに彼女は魔法使いらしくくるりと杖を振るった。

すると鍋からはピンク色の煙が出て来た。

 

 

「よし!完成よ!せんせーい!スネイプせんせーい!出来ましたよー!」

 

 

リディアが大きな声でスネイプを呼ぶと、スネイプはこめかみを押えながら煩いと言い、ハッフルパフから2点減点した。

そして鍋の中の液体を確認する。

 

 

「……」

 

 

「どうですか?スネイプ教授。」

 

 

リディアがワクワクしながらスネイプに尋ねると、彼はフンと鼻を鳴らした。

 

 

「見た目だけは及第点だ。……ミス・エルンスト。」

 

 

「え、見た目だけなんですか?」

 

 

「いかにも。」

 

 

リディアは残念そうな声を上げる。

 

 

「まあ、初回授業でこの出来であれば、次の授業ではもう少しまともな薬が作れるだろう。ハッブルパフに3点。」

 

 

スネイプは口元を歪めながらそう言い放つと、再び羊皮紙に何かを書き始めたのだった。

 

 

「ミス・ブラックとミス・エルンストがおできを治す薬を完成させた。全員、2人の作った薬を参考にするように。」

 

 

スネイプがそう言った時、またエステルと目が合ったが、彼はまた視線を逸らし、教卓の方へ歩いて行った。

視線が合った瞬間、彼はエステルを睨み付けているように感じたが、おそらくは気の所為だろう。

 

 

「エステル、やっぱりスネイプ教授って手厳しいわね。」

 

 

リディアが小声で話し掛けてくる。エステルはそれに頷きながら答えた。

 

 

「ええ、そうね……でも、悪い人ではないと思うわ。」

 

 

「ええ?そうかしら?私、あの人苦手よ……なんていうか、年がら年中あの雰囲気で授業をするのかと思うと、少し憂鬱だわ。もっと楽しく、ハキハキと授業を行って欲しいわね。」

 

 

2人はそんな会話を交わしながら、スネイプの目を盗みつつおできを治す薬のレポートを書いた。

このレポートは授業が終わる前までに提出しなかった場合、宿題になってしまう。

それが嫌なら、授業中に仕上げなければならない。

それに何より、授業中に書いた方が薬の効能や調合時の状況をよく理解出来る為、レポートは書くのは早ければ早い程良いだろう。

 

 

「ふう、書けたわ。私提出してくるわね。」

 

 

「え、ええ。行ってらっしゃい。」

 

 

エステルはレポート提出に向かうリディアの後ろ姿を見ながら、小さな焦りを感じていた。

リディアはマグル生まれの魔女だが、とても聡明で優秀だ。

初めての授業でも、平然と課題をこなし、寮へのポイントを獲得して見せた。

対してエステルは魔法界育ちの魔女なのに、余りにも彼女と比べると足手まといだ。

リディアは魔法薬の調合時もエステルを責めたりは決してしていないし、嫌味も言わなかった。

しかし、自分が足手まといな存在なのだと実感させられる度に、エステルの心はチクリと痛むのだった。

 

 

「ミス・ブラック、ミス・エルンスト。」

 

 

エステルがレポートを提出し終えた後、2人はスネイプに呼び止められた。

彼はエステルのレポートをチェックし、軽く頷いた後口を開いた。

 

 

「2人とも良く書けている。特にミス・エルンストは、魔法薬学に高い関心があるようだな。ハッフルパフに5点。」

 

 

「あ……ありがとうございます!」

 

 

「やったわ!ありがとうございます!スネイプ先生!」

 

 

まさか5点を貰えるとは思っていなかったので驚いたが、素直に嬉しかったのでエステルは笑顔でお礼を言った。

リディアは嬉しそうに笑いながら、元気よく礼を述べたが、相変らずスネイプは顔を顰めて、リディアを恨めしそうに睨んでいた。

 

 

「……君は、とてもよく似ているな。」

 

 

「え?何か仰いましたか?」

 

 

スネイプがエステルを見つめながら小さく何かを呟いた。

しかし、彼の声があまりにも小さ過ぎた為、エステルは彼が何を言ったのかを聞き取る事が出来なかった。

だから聞き返したのだが、スネイプは無愛想な声と表情で「気にするな。何も言っていない。そんな事より、魔法薬の予習をしてはどうかね?」と言って去っていった。

 

 

「ねぇ、エステル!ちょっとここの工程について教えてくれない?」

 

 

「分かったわ。」

 

 

エリーナに呼ばれた事でエステルはスネイプの呟きなど忘れ、エリーナとモニカの調合を手伝う事にした。

 

 

 

エリーナとモニカのサポートをするエステルを教卓から見ていたスネイプは、苦虫を噛み潰したような表情で彼女にかつての知人の面影を感じていたが、そんな彼の思考を知る者は誰もいない。

 

 

 

それからエステルは様々な授業を受けたが、そこまで難しい授業は無く、1年生が学ぶに相応しい難易度の課題をこなし、レポートを書き、友人と励まし合いながら学ぶという素晴らしい青春を謳歌していた。しかし、そんな青春を謳歌する中でエステルの心と体にも確かにストレスが蓄積されていった。ストレスの原因はグリフィンドールやスリザリンからの非難の言葉が大半を占めているが、残りの3割は闇の魔術に対する防衛術の教授を担当しているギルデロイ・ロックハートのせいだった。

 

 

『やあ、1年生諸君。私はギルデロイ・ロックハート。知っている者も多いでしょうが、あの!ギルデロイ・ロックハートです。私が教えるからには、一年後には全員闇の魔術に対する防衛術を全て習得し、実践で使えるようになっている事でしょう……ではまずは、私が用意したテストを行っていただきます。どれほど予習が出来ているかの確認も含めていますからね、真剣に解くようにして下さいね。』

 

 

そして全員にテスト用紙が配られ、ロックハートの合図でテストが始まったのだが、そのテスト内容が酷かった。

 

 

Q:ギルデロイ・ロックハートの好きな食べ物は何?

 

 

勿論、エステルはこの問いに答えられなかった。答えられない問題は白紙でも問題無いと考え次の問題に挑むが、次の問題はギルデロイ・ロックハートのホグワーツでの所属寮について問われていた。彼が用意したのはテストではなく、彼の嗜好や経歴に関する理解度シートだった。

 

 

そしてそんな男の授業に価値がある訳もなく、温厚なハッフルパフ生といえど、次第に不満は溜まっていき、闇の魔術に対する防衛術の授業をボイコットしようなどと言い出す生徒も出てきており、授業の雰囲気は最悪である。ただ、彼に心酔している女子生徒もいる為、表立って問題視されてはいないので、休講になるなんて事は無さそうだ。

 

 

『ロックハート先生って、あんな何度も受賞されるほど優秀なのかしら?とてもじゃないけど、彼からは華々しい受賞歴を持つ程の器や才能を感じないわね。』

 

 

リディアがそう評したが、エステルも彼女の意見に賛成で、ロックハートの受賞歴と教授としての質はイコールでは無いと考えた。

 

 

日々蓄積されていくストレスと葛藤しながらも何とか青春を謳歌するエステル────そしてついにハロウィンの日がやってきた。いつもと違って、大広間には毒々しい見た目から美味しそうな見た目まで、様々なハロウィン料理が並べられていた。しかし、エステルはいつもと違うハロウィン料理を見ても食欲が湧かなかった。

 

 

「……ごめんなさい、私先に寮に戻るわ。」

 

 

「あら、どうしたの?エステル。体調でも悪いの?医務室まで付き添いましょうか?」

 

 

目の前に座っていたエリーナがエステルを心配そうに見つめるが、エステルは彼女の言葉を嬉しく思いながらも首を横に振った。

 

 

「ううん、大丈夫。ハロウィンの料理を食べる気になれないだけだから。それに、少し疲れてしまったの。」

 

 

エステルは授業時間、そして休憩時間の廊下ですれ違ったグリフィンドールやスリザリンの生徒からヒソヒソと悪口を言われてしまったのである。そんな事を言われれば、誰だって精神的疲労を感じてしまうはずだ。

 

 

『出来損ないのブラック』

 

 

『ブラック家の劣等生』

 

 

『スクイブの血筋なんじゃないか』

 

 

とスリザリンから非難され、グリフィンドールからは……

 

 

『死喰い人の娘に違いない』

 

 

『闇の魔法使いになるんだろう』

 

 

『ハッフルパフに相応しくない』

 

 

等の言葉を浴びせられた。本人達は小声で話しているのだろうが、エステルの耳にははっきり聞こえてしまった。そんな言葉を聞けば、罪人の娘としてひっそり生きようとした彼女の心も傷付いてしまう。耐えられるといっても彼女は所詮子供で、限度というものがある。

 

 

「……じゃあ、私そろそろ行くね。」

 

 

「エステル……分かったわ。また明日ね!」

 

 

「エステル、疲れてるのなら先に寝ていても大丈夫だからね。私達の事は気にしないで。」

 

 

「……お大事にね、エステル。」

 

 

上からリディア、エリーナ、モニカの順番に彼女達がエステルに別れの挨拶を告げていき、エステルが大広間から出るまで手を振り続けていた。大広間を出ると廊下には食事を終えた生徒が固まって談笑していた。エステルは彼らを避けながら進んでいく。

 

 

「きゃー!」

 

 

近くで女子生徒の悲鳴が上がった。声のする方に歩いていくと、目の前に何かが吊るされている。エステルが近付いて上に吊るされたものを確認するとそれは─────

 

 

 

「……え?ね、猫ちゃん?」

 

 

エステルが目の前の状況に圧倒されながら、ポツリと呟く。数度目をこすってみたが状況は変わらず、猫が固まった状態で上から吊るされており、その状態を唖然とした状態で見つめる少年────かつての英雄、ハリー・ポッターがそこに居た。

 

 

『秘密の部屋は開かれたり 継承者の敵よ、気をつけよ 』

 

 

壁に赤い文字でそう書かれていた。誰かが走ってくる音が聞こえる。エステルはその文字を見た瞬間、継承者も秘密の部屋も分からないのに強い恐怖に襲われた。

 

 

「……はあ、はあ」

 

 

呼吸が乱れて上手く息を吸えない。身の危険が迫っているのだと第六感が伝えるかのように、全身の肌が栗立つ。何故か、自分自身もあの猫のようになってしまうのでは無いかと、エステルはそう確信した。大広間を飛び出さなければ良かったと後悔したが、一度見てしまったからにはもうどうしようも無い。

 

 

「ポッター!貴様が……貴様がやったのか!」

 

 

怒りや悲しみ、苦しみが混じったような声がした瞬間、エステルはその場に倒れ込み、意識を失った。

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