Blooming☆Yell!!   作:ルブク

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無二の友人は最強の相手。
砂の冠を手にするのは、果たして――。

という訳でフェブラリーステークス(if)本番。
ギルデッドミラーをモチーフにした時点、シリーズ構想からこのレースを書こうと考えてました。
ようやくそこまで到達できて感無量です。しかしシニア編もまだまだ始まったばかり。気を抜かずにコツコツ進めていくつもりなのでまだお付き合いいただければと。
ちなみに、今回の実況は青嶋アナウンサーを意識してます。(というかリアルの実況を一部使ってます)

なお、着順掲示板の画像はまめ氏作成の着順掲示板シミュレーターを使用させていただきました。
https://mamema.ldblog.jp/TurfVisionSim/turfvisionsim.html

・フェブラリーステークス出走者の読み替え表
ジャスパープリンス → ヘキギョクノキミ
シャールズスパイト → メラネルペシール
ケンシンコウ    → トラチヨ
ドライスタウト   → シュバルツ
オーヴェルニュ   → ローヌアルプ
メイショウハリオ  → キシロハヤブサ
レモンポップ    → ライムトニック
アドマイヤルプス  → ラウダテリオン
ショウナンナデシコ → ソウシュウサギナ
テイエムサウスダン → テムグラスエンド
ソリストサンダー  → (ミロワダーレ)
 ※武蔵野S勝利繋がりでミロワダーレで代替
セキフウ      → シフォン
スピーディキック  → ファーストジャンプ
ヘリオス      → アポロン
レッドルゼル    → ブラウアイファ
ケイアイターコイズ → アインズカレース

人物紹介はこちら↓
https://syosetu.org/novel/342309/1.html


The 28th Yells 渾身のエール

決戦! 東京ダート1600(ヒトロクマルマル)

 寒風(かんぷう)吹き(すさ)ぶ東京レース場、フェブラリーステークスのスタート地点。他に類を見ない、芝スタートで途中からダートに変わる特殊なコースである。

 ミロワダーレは先んじてゲートに収まり、他者の態勢が整うのを待つ。両脚で軽く跳ね、屈伸し、脚のコンディションを確かめる。力強く地を蹴る感覚に十分納得し、ゆっくりと息を吐く。

(問題ねえ。全力でイケる)

 白く煙る自らの吐息を眺めながら、控室での日村トレーナーとの作戦を思い返す。

 

 ――ミロワ、東京のダートだけど。

 ――芝始まりの長え直線に広いカーブ、そんでゴールまで高低差2.4メートルの上り坂だろ。何度も走ってんだからそんくらい覚えてるって。

 ――うん。セオリーは道中控えながら徐々に順位を押し上げて、坂を上ったラスト200で勝負するんだけども。

 ――おう、それも知ってる。今日もそんな感じ?

 ――君に任せるよ。

 ――は?

 

 全幅の信頼というべきか、はたまた丸投げというべきか。少なくとも、任されて悪い気はしなかった。

(どのみち、トレーナーが正解だな)

 ミロワダーレはにやりと歯を見せ、何名か隔てた隣にいるライムトニックへ視線を向ける。ゲートのフェンスと他のウマ娘に阻まれているが、確かにいるのだ。

 

 ――超えたい相手が。

 

 やがて、スタンドの方からファンファーレが風に乗って耳に届く。ゲートの後ろで待機していたウマ娘も続々とゲートに収まってゆく。

 画面越しに見ていた憧れの景色が、今こうして目の前に広がっているのだ。最早待ったなし、二月の寒空が灼熱に燃え上がろうとしていた。

 

 最後のウマ娘がゲートに収まり、係員がコース外に退いて合図を送る。

 ピリリと空気が引き締まるのを感じた。ミロワダーレは半身の体勢になり、後ろにやった右脚で芝を(にじ)り足場を整える。そして上体を傾け、両耳を前に――。

 

『さあ魅せてくれるか、ダートウマ娘の心意気! フェブラリーステークス、スタートです!』

 

 スタンドから微かに聞こえるアナウンサーの実況。

 

 風に揺れた常緑樹の葉擦れ。

 

 心臓の鼓動。

 

 そして。

 

「あッ!!」

 

 ゲートが開き、一斉に飛び出すウマ娘。その足音で、一つ上がった小さな悲鳴がかき消される。

 

『さあウマ娘一斉に、おぉーっと! 大丈夫かキシロハヤブサ、ちょっとつんのめりましたがどう立て直すか』

 

 大きくどよめく観客を尻目に、決戦の火蓋が切り落とされた。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

 

 出遅れた一名を除き、固まりとなってスタートを切ったウマ娘達。

 ハナを取ろうと前へ出ていく者、後ろに控えて様子を見ようとする者。誰からともなく、序盤のポジション争いが自然と始まった。

 

『場内大きくざわつきます。後は一団のスタートとなりました』

 

 ミロワダーレは中団やや後方の外めの位置につける。無理に内に入るより、周囲を窺える少し外の方がやりやすい。

(一人……なんか躓いてたな。大丈夫かよ……)

 スタートの瞬間、横目でちらりと見えた娘のことを気にかける。レース中止となっていなければ良いなとその身を案じた。

 ここに至って、彼女は極めて冷静だった。まるで頭に風穴が開き、そこに(から)っ風が通り抜けていくよう。そして意識は冷涼に澄み渡り、最後尾まではっきりと視えた。

 

『芝からダートに入って先行争い、内でライムトニック早めです。そして真ん中からソウシュウサギナも足早に』

 

 乾いた歯切れのよい音から、大地に響く重低音に変わる。芝からダートへの変わり目である。意識を改め、踏み締める脚の感覚が狂わないように。

 

『内の方からヘキギョクノキミ、外目からアポロン、更に外からアインズカレース、前の集団が四人固まりましたライムトニックは控えて五番手の形となっています』

 

 ミロワダーレは中団の先頭付近にいるライムトニックを見つめる。青と黄色の勝負服、夕日のように鮮やかな髪。土煙が立ち上る中、彼女の姿だけが鮮明に映っていた。

 

『外を衝いてテムグラスエンド、外目シフォン。後は真ん中差し込んでシュバルツ、ライムトニックに並んで内からややかわしていく』

 

 誰かが踏み締めた弾みで砂粒が舞い上がり、ミロワダーレの頬にピシピシと当たる。時折掌で拭いながら、後ろと、そして横から近づいてくる足音に気を向ける。

 

『その後ろから行く行くメラネルペシール、真ん中進むラウダテリオン、ローヌアルプは後方寄りのポジション。外を回ってミロワダーレ、その後ろトラチヨです』

 

 後方に控えているからか、マークしてくるような意図は感じられない。好きに走らせてもらえるのは実にありがたい。ただ、もしマークを受けたとしても、だ。

(いつも通り走る以外にねえけどなッ)

 武蔵野ステークス、根岸ステークスと走り、顔馴染みもそこそこできた。この場にも何名かいるが――今日ばかりは眼中にあるのはライムトニックのみ。彼女以外は皆ダートコースに溶け込んでいく。

 

『ファーストジャンプが後ろから三人目、後方二人目ブラウアイファ、そして最後方から行くのがキシロハヤブサとなりました』

 

 コーナーの入り口が近づき、ポジション争いも一段落。非常にスムーズな展開で、前と後ろはさほど離れずに纏った隊列である。

 やはり、ゴール前の坂を見越しての温存だろうか。互いに様子を見合って、仕掛け所の探りを入れているかのよう。

 

『第三コーナーに入ります。先頭は逃げるソウシュウサギナ――』

 

 ライムトニックの背中を左斜め前方に見ながら、徐々に前へと押し進める。展開に大きな変化はなく、淀みなく流れていく。

 

 ――そう、見かけの上では。

 

 誰もが気になるのは間違いなくライムトニックの動向である。現時点で最もGⅠタイトルに近いであろう一人、観客も出走者もほぼ同じ感覚だった。

 外に流れようとする身体を抑えつつ、カーブの弧線を集団で渡る。そして弧線の頂、第三コーナーが終わろうとしたその時。

「――!」

 ほんの一瞬、ライムトニックがミロワダーレに向かって振り向いたように見えた。すぐに他のウマ娘の陰に入ってしまい、本当にそうだったのか確認することは叶わなかった。

 それもそのはず、彼女はもうその位置にはいなかったのだから。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

 

『600メートルのラップタイムは―おぉっとライムトニックがもう仕掛けた!? ソウシュウサギナを外からかわしてトップ! 先頭はライムトニック!』

 

 スタンドで見守る観客は皆騒然としながら大型ビジョンに注目した。

「スパート!? まだ第四コーナーなのに!?」

「うわぁマジか、血迷った!?」

 円弧の後半、第四コーナーに入るところで一気にスパートをかけたライムトニック。トップに立ってもなお、後続を引き離していく様が映し出されている。

「……ここ東京でしょ? 長距離ならまだしも、ダートのマイル戦でこんな……」

「かなりの(から)め手です」

 戸惑いながらも、冷静に分析を重ねていく河削と日村の両トレーナー。

 差しや追込を得意とするウマ娘にとって、東京レース場の長い直線は末脚を発揮する格好の舞台である。まさかライムトニックがそれを知らないはずもなく。

 手を口元に添わせつつ、河削は怪訝(けげん)な表情となる。

「……テンパった訳でもなさそう。大舞台で我を失うタイプでもないだろうし」

「これまでは先団で好位を取り、最後の直線に入ってから抜け出して勝つスタンダードな先行スタイルでしたよ」

「お手本になるくらいの横綱相撲だよね。で、何で今回は大きく変えたのか、だけど」

 やはりトレーナーの性。これまでとはまるで異なるレース展開を読み解き、分析しようと試みている。ライムトニックの気まぐれか、それとも変節か。興奮冷めやらぬスタンドの中、河削と日村は至って静かだった。

「自分の力を見せつけて勝ってやろうってことかな――う〜ん、判断材料が乏しすぎて微妙」

 

『ライムトニックが一人独走態勢! リードは三バ身から四バ身、ライムトニック軽快に先頭!』

 

「――ミロワとライムトニック、プライベートだと仲良いんですよ。この前も二人で漫画の即売会に行ってきたみたいで」

 日村は大型ビジョンを凝視したままである。相変わらず大映しのライムトニックに眉の一つも動かさない。

「らしいね。SNSでも少し話題になってたっけ」

「それに今回はミロワも出てますし、実力を誇示するような余裕はないはずです」

「う〜ん、じゃあ何だ……?」

 額に手を当て、難解な謎解きに苦労する河削。それを知ってか知らずか、日村はあっさり、かつぽつりと呟く。

「デートじゃないですかね」

「デー……なに?」

「いや、女の子は同性の子と遊ぶことをデートって呼ぶらしいじゃないですか。恐らくそれなんじゃないかと。二人きりで」

「んなまさか……いやまさか?」

 突拍子もない発想だったが、河削は強く否定することができなかった。互いに一勝一敗で鎬を削るライバルでありながら、普段は竹馬の友と言っても良い間柄。二人の間には特別な何かがあるのかもしれない。

「もしそうだとして、大胆すぎない? しかもGⅠでさ」

「二人はウマ娘ですから。トップアスリート同士、感じ入るものがあるんでしょう」

 河削は脱力しながら天を仰ぎ、大きく息を吐いた。

「色んな意味でオアツイこと……で、どうなると思う?」

「うちのミロワです。言わずもがな」

 河削からの問いかけに、確信を持って日村が答える。そして二人して大型ビジョンに視線を向け、ゴールまでの一部始終を見守ることに決めた。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

 

 ライムトニックの意表を突く早仕掛け。それは同じく走るウマ娘にも少なからず動揺を巻き起こしていた。予想した展開から外れ困惑する者、暴走と捉え好機と見る者、判断がつかず様子を見る者、とかく様々である。

 しかしその中でただ一人、ミロワダーレは平然としていた。

(やっぱ本当にやりやがったなぁ、アイツ……)

 彼女は本バ場入りの直前、交わした言葉を思い出す。

 

『ミロちん、あのね――』

 隣から頭を寄せ、声を潜めるライムトニック。

『三コーナー出た直後にね、スパートするから。びっくりしないでね?』

 二人だけのささめきごと。それはライムトニックの今日の作戦だった。あまりにも大胆すぎる発言に、ミロワダーレは驚くより先に真意が気になってしまった。

『……良いのかよ、オレに作戦バラして』

『そりゃもう、ミロちんだから教えちゃうんだよ?』

 作戦は秘密だからこそ作戦足り得るのである。自分の手の内を晒したところで困るのは自分自身に他ならない。

『そいつは光栄だけどさ。東京で早仕掛けってかなりの無茶じゃねぇ? なんだってそんな――』

『他の娘に割り込みされたくない、からかな? だってミロちんとのGⅠデートなんだし』

 ライムトニックは輝く瞳で陽に照らされた本バ場を眺めていた。横に並び立った彼女の、顎から首筋までのラインが綺麗だなとミロワダーレは何となく思う。

『デートって――』

『初めてのGⅠだし、楽しくやりたいなって。ミロちんとなら絶対に楽しくできるはずだもん』

 要するにご指名という訳だ。それをデートと表現するのは彼女らしいというか何というか。当初は面食らったミロワダーレだが、意図が分かればそれなりに納得である。

『だからゴール前で捕まえてね。遅刻は厳禁、少しでも遅れたら――先にゴールしちゃうからね?』

『誰に向かって言ってんだよ』

 ミロワダーレは笑みを浮かべながら、右の握り拳をライムトニックへ向けた。

『待ってろよ。絶対にゴール前で追いついて……追い抜かしてやっから』

『わぁ、楽しみぃ☆ それじゃおっ先〜』

 そしてライムトニックは左の握り拳でタッチする。一風変わったデートの約束を取り付け、彼女は意気揚々と本バ場へと出ていくのだった。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

 

「デートってもっと色気があるもんじゃなかったか……?」

 デートといえば、互いに意識しあっておっかなびっくり、嬉し恥ずかしで迎えるもののはず。しかしここは東京レース場のダートコース。

 

『さぁライムトニック大きくリードして最後の直線、二番手ソウシュウサギナ、眺めてアポロン、アインズカレースはまだ第四コーナー!』

 

 シチュエーションとしてはまるで真逆。灼熱よりも熱く、血肉が躍るGⅠレースの真っ只中である。

 二つ並ぶ巨大なスタンドを前方に見ながら、左曲がりのコーナーを駆ける。初めは後方に位置していたミロワダーレも、先頭集団を狙えるよう中団にポジションを上げていた。

 

『残り500メートル、待ち受けるは高低差2.4メートルの坂!』

 

 先頭をポツンと走るライムトニックの青い背中。それはどことなく寂しげにも見えた。

 

 ――さあ、楽しく(ポップに)やろうよ!

 

 手招きするかのように青いマントがはためいている。何だかんだ言ってライムトニックは寂しがり屋なのである。お手洗いに行く時も決まって――。

 不意に頬が緩み、僅かに顔を伏せた。

 

『これはライムトニックからの挑戦か! 抜かせるものなら抜いてみろとの挑戦状!』 

 

 そして大きく息を吸い、顔を上げ前を視る。光が一条走り、先を行くライムトニックの隣にまで伸びてゆく。

 ラインは定まった。

(よし……さぁ見てろよ)

 

『受けて立つのは誰か! 誰が出てくるのか!』

 

「オレだッ!!!」

 

 ズどぉ!

 

 大地揺るがす全力の踏み込み。杭を穿たんばかりの勢いで蹄鉄を打ち付け、有り余るエネルギーを一点に集めて解き放つ。

 

『やはり来たぞミロワダーレだ! 捲土重来、激盪(げきとう)引っ提げ猛烈な末脚っ!』

 

 ミロワダーレの近くに居た者は、轟音と共に彼女が忽然(こつぜん)と姿を消したように錯覚した。二度三度瞬きして、ようやくライムトニックを追いにいったことに気がつく。

 

『ライムトニックとミロワダーレ、やはり主役はこの二名! 始まるぞ逃げ切るか差し切るか一騎打ちの大勝負!』

 

 逃げるライムトニックに追うミロワダーレ。砂上のランデヴーが今まさに始まったのだった。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

501.60ランデヴー

 誰しもが心の中に花の蕾を持っている。花が咲くか咲かぬか、花が色鮮やかなものであるのか、全てはその花を持つ本人次第である。

 少女は自分が全てを兼ね備えていることを知っていた。走れば誰よりも速く、歌い踊れば隣に並ぶ者はない。光り輝く星の下に生まれてきた宿命を彼女は信じて疑わなかった。

 しかし、それはひょんなことから、思いもよらぬ相手に打ち砕かれた。

 

 ――ミロワダーレ。

 

 趣味趣向が合いそうなくらいで、まさか自身を脅かす相手になろうとはつゆとも思わず。武蔵野ステークスでのハナ差での敗戦。ライムトニックは自分に持たざる物があったことを初めて悟る。

 心躍る、対等なライバルという存在を。

 

『ミロワダーレが一気に前に出てライムトニックを追う! ソウシュウサギナ、アポロン追いかけるが離される!』

 

 坂を上り始めたライムトニックの耳にアナウンサーの実況が届く。しかしそれよりも早く彼女は感づいていた。地面が震え、突き上げてくるような感覚。背中から感じる圧迫感からミロワダーレの接近を確信する。

(さすがミロちん……!)

 不揃いで、荒々しい足音が轟く。迫り来るのは最早ウマではない。蹄鉄を着けたハイイログマか何かである。

 逃げ切れれば勝ち、追いつかれれば喉元を食い破られることだろう。僅かな恐怖とその何倍もの愉悦。ライムトニックの表情が複雑に渦巻く感情に歪む。

 負けたからやり返したいライバル――ミロワダーレとの関係はその様な俗なものではない。自分自身の全力を受け止めてくれる唯一無二。更に一つ上に昇るには、間違いなく彼女の胸を借りなければ叶わないことだろう。

 勢い任せに坂を駆け上りながら高鳴る胸中。それは長い勾配の坂だからか、それとも――。

「待たせたな!」

 ――やはりこっちだ。

 大地揺れ空気轟く。彼女の熱を間近に感じ、ライムトニックの身体にも一層の力が漲る。

 

『先頭進むライムトニック! その一バ身後ろにまでミロワダーレ!』

 

 坂を上るほどに脚は重くなる。しかしそれとは正反対に心は軽く、前へ前へと驀進してゆく。ミロワダーレでなければここまで昂ることはなかっただろう。

 文字通り運命の相手。ロマンチックな王子様ではないのが残念であるが、今となってはこれで良かったのかもしれない。荒い息遣いがすぐ背後にまで迫ってきている。

「――ついてきてよっ!」

 後ろを振り返らず、独り言のように叫ぶ。様々な雑音に阻まれてミロワダーレには届かないかもしれないが。

「――ついてってやるよっ!」

 返事が来た。背筋がぞくりと震え、歓喜に口角が上がる。坂の終わりが見え始めて残りは200メートルほど。

 まだまだこれから。疲労が溜まった身体に鞭打ちながら、ライムトニックは蹴り出す脚に一層の力を込める。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

リマイニング・200(トゥーハンドレッド)

『ミロワダーレがライムトニックに迫るぞ! 差は一バ身切って半バ身! 追いつくかミロワダーレ、苦しいかライムトニック!』

 

 全力で歯を食いしばり、腕を振り、倒れんばかりの前傾姿勢でひたすらに走る。

 芝コースほど急な勾配ではないにしても、長さ300メートルに渡る坂は高低差2.4メートル。持久力を否応なく削り取っていく斜面であり、生半可なパワーでは上り切る頃には余力が尽きることも珍しくはない。

 両脚が鉛のように重い。しかしそれでも、走り続けなければならない理由がミロワダーレにはあった。どれほど努力を重ねようと、僅かに足りない後一歩。数多の苦渋を舐めてきたが、決して歩みを止めることはなかった。

 

 ――それは、自分よりも辛く、苦しい現実に打ちのめされる者がいることを知っているから。

 

 デビューして、レースに出て、重賞で勝負できるということがいかに恵まれていることなのか。檜舞台に憧れ、そして叶わずに去っていく――自分達が何の上に立っているのかを考えた時、弱音など吐けるはずもなく。

(……ついてってやるっつったけどさぁ!)

 両脚はとうに限界に近い。ライムトニックも同じような状態のはずだが、勢いが衰える様子が一切ない。

 勢い任せに吐いた台詞を今更ながら恨む。追い抜くにしても、果たしてそれまで脚が保ってくれるかどうか。

 

『壮絶な追い比べ! 両者一歩も譲らない鍔迫り合いが続く!』

 

 それでもなお、ミロワダーレはじわりじわりとにじり寄った。ライムトニックの横顔が覗ける位置までようやく辿り着く。

(ひっでぇ顔……)

 横目で眺めた彼女の顔はそれはもう鬼気迫るものだった。力一杯見開いた目は真っ赤に血走り、メイクが崩れるのも(いと)わずに歯を食いしばっている。ウリにしている可愛さはどこにもなく、いるのはただ一人のアスリート。

 きっと自分の顔もそうなのだろう。二人並んで同じことができるということに、無性に嬉しさが込み上げた。認めてくれた人、見出してくれた人、導いてくれる人、背中を支えてくれた人、信じてくれた人――。

 浮かぶ沢山の顔。その恩はどうすれば返せるのだろう。

(オレはさ、不器用だから)

 方法など幾つもありはしない。

(見ててくれ、オレは……オレがっ!)

 一欠片の勇気をその手に握り締める。燃え盛る闘志が火花を散らし、力強く脈打つ気魂(きこん)

 全身全霊を傾け、ミロワダーレはひたすらに走った。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

渾身の1つ

『残り100メートル! 譲らない両者、意地と意地のぶつかり合いだ!』

 

 叫喚(きょうかん)響く観戦スタンド。誰もがミロワダーレとライムトニックの名を叫び、ほぼ絶叫となった声援を送る。壮絶な死闘を前に誰もが声を枯らしていた。

 しかし、二人の元には声援、ましてや実況は何も一つとして届いていなかった。

 

 目に見えるはゴール板。

 耳に届くは足音、鼓動、息遣い。

 それ以外は白に溶け込む、半径1メートルの世界。

 

 肺の酸素は尽きながら、それでもなお激情の衝動で身体が突き進む。止まろうにも止まらない、止まりたくない。誰よりも速く先頭でゴールするという至上命題の他には何もなかった。

 

 ――。

 ミロワダーレは喫驚(きっきょう)する。

 

『あんだけ早仕掛けでまだ伸びんのか!? 差しきれねェ!』

 

 ――。

 ライムトニックは畏怖(いふ)する。

 

『もういっぱいなのにまだ詰めて……!? 逃げ切れない!』

 

 限界を超え、なおも食らいついてくる相手。互いが互いに驚き、恐れを抱く。しかし、それとは別の感覚が心を満たしていた。

 

 この相手とならきっとどこまでも(・・・・・・・・)――。

 

 根拠も何もない。ただ感じる、運命的な繋がり。まさに、今日この時の為に出会ったのではないかと思うほど。

 

『間違いねぇ、ライムは――』『絶対、ミロちんは――』

 

『『強い!』』

 

 意識が交錯し、やがて一つに混ざり合う。

 

『『でも勝つのは――』』

 

『オレだっ!』『私だっ!』

 

 何者も侵すことのできない二人だけの領域。最後の一滴まで絞り切り、そしてひたすらにゴールへ。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

 

『ラスト50! ミロワかライムか互角の勝負、他の娘は届かない! ミロワかライムか、ライムかミロワか!

三位争いはブラウアイファ、最後方からキシロハヤブサも猛然と追いすがる!』

 

 ゴール板はもう間近。

 1センチでも、1ミリでも前へ。

 そして全てを。

 

「こんちくしょぉぉぉっ!」

 

『ほぼ同時! ほぼ同時に大接戦の゙ゴーㇽ! これは分からないっ!』

 

 どこからともなく聞こえた咆哮と共に、ミロワダーレとライムトニックは並んでゴールを駆け抜けた。肉眼では確認しきれないほどの僅差の決着である。同着優勝の可能性もあり、スタンドの興奮はなおも収まらなかった。

 

【挿絵表示】

 

『……まさに白熱の勝負であります! 態勢はややミロワダーレ有利でしょうか……これより写真判定に移ります。結果が出るまで今しばらく――』

 

 激闘終えた二人から少し遅れ、後続のウマ娘達が続々とゴールしていく。

 文字通り精魂尽き果てたミロワダーレ。コースの上で大の字となって仰向けに倒れ込む。同様にライムトニックも膝から崩れ落ち、全身が弛緩して力なく空を見上げるばかりだった。

 どよめきが収まらないメインスタンド。肉眼ではどちらか判別できないほどであり、誰もが判定の結果を待ち望んでいる。

 

 ――数分、十数分。まるで永遠にも感じられる長い時間。

 

『写真判定の結果が出たようです。スタンド正面、ターフビジョンをご覧ください――』

 

 大型ビジョンに観客、そしてウマ娘達の視線が集中する。ミロワダーレとライムトニックがゴールする直前から、スローモーションで映像が流れ始めた。

 

 ――おぉぉぉぉ!

 

 鬼の形相で並んで走る二人。残り数メートルの所で僅かにミロワダーレが追い抜き、スタンドから歓声が湧き起こる。最後の最後で捉え切った。

 映像は更にスローモーションに。ゴールまで1メートル、30センチ――。

 しかしゴールするその間際、ライムトニックが上体をありったけ前に伸ばした。

 

 ――ぅわあぁぁぁ!

 

 彼女の鼻先が数ミリ、ほんの数ミリ前に出てゴールラインを割ったのだった。二転三転の逆転劇、メインスタンドはまさに興奮の坩堝。

 そして隣の着順掲示板に、空白だった一着と二着の欄が埋まる。

 

【挿絵表示】

 

『一着は……ライムトニックだ! ライムトニック重賞連勝GⅠ制覇!』

 

 確定の赤いランプが勝負の終わりを告げた。

 長い長い1600メートルの勝負、勝ったのは栗毛のシニヨンヘアのウマ娘――ライムトニック。

「ぁ……」

 夢か現か、彼女は茫然自失に着順掲示板を見上げていた。

「……おい。手ぇくらい振ってやれよ」

 それを見かねて、隣のミロワダーレが声をかける。

「えっ?」

「だから手ぇ振ってやれって。皆呼んでんだから」

 ようやく、ライムトニックは気づいた。スタンドの観客がしきりに自分の名前を呼んでいることに。

 

 ――ラ・イ・ム! ラ・イ・ム!

 

「ぁ……あっ」

 力を振り絞り、ゆっくりと立ち上がる。何万もの観客が、熱戦の勝者の名を呼び、惜しみない賛辞を贈っている。

「……った、やっ、た……」

 一歩、また一歩とスタンドに向かう。おぼつかない足取りが徐々に力強くなり、やがて軽やかに跳ぶように。

「やったあぁ! やったよぉぉぉぉぉっ!」

 両腕を大きく広げ、全身を使って応援してくれた観客に応えてみせる。土まみれの、太陽よりも眩しい笑顔が大型ビジョンに映し出された。

 ミロワダーレは倒れ込んだまま、その一部始終を見届けていた。やがて顔を空に向け、瞳を閉じ大きく息を吐き出すのだった。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

 

 全身が融けるかのような灼熱のレースが嘘だったかのよう。痺れる空気も、高鳴る鼓動も何処かに消え去ってしまった。

「ふ〜……」

 ミロワダーレはもう一度、大きく息を吐く。着順掲示板にて二着に灯る自分の番号。ライムトニックとの、たった数ミリの大きな差。

 何が違っていたのか、ゴールする刹那の光景が鮮明に蘇る。

 

『こんちくしょぉぉぉっ!』

 

 ライムトニックに似つかわしくない、荒っぽい絶叫。なりふり構わない勝利への渇望が、最後の最後で上回ったのだろう。

 当然、勝利への意欲はミロワダーレにも十二分にあった。ただ違うのは、ほんの少しだけ満足していたから。何に心満たされたのかまでは分からないが。

 ――彼女はそう、思うことにした。

「いよっ……と!」

 寝転んだ状態から身体を縮こませ、勢いよくヘッドスプリングで起き上がった。勢い余って二、三歩よろけた後、もう一度着順掲示板を見返す。

(へっ。勝てるんなら勝ちたかったけどさ)

 写真判定、タイム差なし。ライムトニックとはほぼ互角。

(ま……オレもまだまだできるってことで。それに――)

 全力を尽くしたこの結果に胸を張り、瞳には変わらぬ輝きを。

「――好きなモノは最後に食べる派なんだよ、オレは」

 くじけずに前を向き、そして常に威勢良く。これこそがミロワダーレの真骨頂なのだから。

 

 本バ場から地下バ道に戻る途中、ウィナーズサークルに目を向けた。ライムトニックが優勝レイを肩に掛け、写真撮影やインタビューに忙しくしている。

 一つ言いたいことがあったのだが、流石に乱入する訳にもいくまい。そうして地下バ道の出入り口の前に来た所。

「ミロワー!」

(おっ……?)

 不意に名前を呼ばれ、顔を上げる。

「凄かったぞ〜! 後もうちょっとだったな!」

「次はきっと勝てるよ! 応援するからね〜!」

「今度は頼むぞ! 期待してるからな〜!」

 最後に一声かけようとファン達が出入り口付近に集まっていた。皆が皆、それぞれ抱えた想いでミロワダーレを激励する。

 その中には河削トレーナーを始め、メイケイエールやリコンスタ、そして元ルームメイトもいる。その中で、日村トレーナーは一際大きな拍手で出迎えていた。

(こういうのも……悪くねえな)

 目に映るGⅠ勝利よりも代え難いもの。今までの道程が無駄ではなかった、その証明である。

 そして、折角集まってくれたのだから。

「よ〜し、皆!」

 右手の人差し指をピンと伸ばす。

「見たよな!? 見ててくれたよなぁ!?」

 ファン一人一人に向け、舐めるように左から右へ。ミロワダーレの問いかけに、ファンは口々に呼応する。

「今回はライムに勝ちを譲ってやったが、それも今日だけ! いいか、次のウイニングライブのセンターは……」

 彼女は息を飲み、僅かに溜める。期待に満ちたファンの視線をゆっくり確かめ、立てた親指を自らに勢いよく突き立てた。

「このオレだっ!」

 大いに湧き起こるファン達。

「見ててくれよ! 絶対に、絶対にGⅠ獲ってみせっから!」

 ミロワダーレが想い、ファンが望むこと。勝利宣言にも似た自身への鼓舞である。彼女の名を呼ぶ声は暫く止まず、地下バ道で姿が見えなくなるまで続けられた。

 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲

明日の光は無限大

 青地に金糸で刺繍が施された、フェブラリーステークスの優勝レイ。それを肩に掛けながら、ライムトニックは悠々と地下バ道に舞い戻った。

「やったやった、GⅠウマ娘ぇ〜☆ 今日もしかしたら眠れないかも〜どうしよっ☆」

 初のGⅠタイトル獲得ということもあり、ライムトニックの写真撮影とインタビューは力が入ったものとなった。彼女自身サービス心旺盛であるため、写真撮影ではポーズを変えて何枚も撮ってもらうという具合である。

 そんなこんなで疲れも吹き飛び上機嫌。鼻歌交じりのご帰還だった。

「……よぉ。結構時間かかったな」

 前方から声をかけられ、脚を止める。視線の先には熱戦を繰り広げたばかりのミロワダーレが居たのだ。

「ミロちん? まだ戻ってなかったの?」

 てっきり控室に戻っていたとばかり。純粋に投げかけた疑問にミロワダーレは答えず、壁に預けていた身体を起こした。そしておもむろに、真剣な眼差しで歩み寄る。

「ちょっと言いそびれてたことがあってさ」

 数歩開けて二人は対峙する。ライムトニックはミロワダーレに真っ直ぐ見据えられ、張り詰めた雰囲気に固唾(かたず)を飲んだ。

「良いか? はっきり言わせてもらうけど――」

 腕組みをして居丈高な態度。祝勝ムードで浮ついていた身としては先手を取られ、完全に後手に回ってしまっていた。

「確かにゴール前でライムが前に出た。それってつまりさぁ、オレが追い抜いていた(・・・・・・・・・・)ってことだよなぁ。抜かれてなければ抜き返せないもんなぁ?」

 傲岸不遜(ごうがんふそん)とはこのこと。ふてぶてしく、レース結果にケチをつける様な態度である。お互い持てるものを全て出した会心のレースだったというのに。怒りよりも困惑が先立ち、ライムトニックは口を(つぐ)む。

「ってことはつまりだ。純粋に考えたら速いのはオレ(・・・・・・)ってことになるよなぁ……?」

(ん、ん〜?)

 ミロワダーレの言動に違和感を覚える。わざわざ突っかかってきて、一体何を言い出すのだろう。

「だからさ。あくまでも……オレが上(・・・・)! ライムが下(・・・・・)だ! いいな!?」

 ――ああなるほど、そういうこと。

 ライムトニックの中で線が繋がり、答えに帰結する。考えてみれば実に可愛いものである。フェブラリーステークスでの一着と二着、その結果は最早揺るがない。

 要するにだ、ミロワダーレは――。

「んっふふふふ〜……」

 ライムトニックの閉ざした唇から吐息が漏れ出す。堪えきれない笑いに彼女は決壊寸前だった。ウラが分かってしまえばどうということはない。

 そう、なんと愛くるしい子供じみた負け惜しみ。戻ってくるのを待ってまで伝えようとしていた健気さにはむしろ感心するほど。

「うん。分かる、分かるよその気持ち〜。あっ、でも上とか下とか……なんか言い方やらし〜ぃ!」

 ここから形勢逆転。そう言わんばかりにライムトニックは畳みかける。

「でもねでもね、二次元なら百合百合もオッケーだけど……リアルはコレだから、コレ!」

 顔の前で腕を交差させてNGのポーズ。ライムトニックが好むのはあくまでBLであり、れっきとした腐女子なのである。最近は百合モノもそこそこイケるようにはなってきたが、大前提としてそれは二次元限定なのだ。

「――んで、言いそびれたってことはコレ?」

「……いや。コレじゃねえよ」

「ん〜? じゃあなぁに? サービスで聞いてあげちゃ――」

 ミロワダーレはまだ言い足りないらしい。ライムトニックは勝者にのみ許された優越感を隠さず、寛容の姿勢を取った。余裕満面、王者の貫禄。

 しかし、優しく包みこまれる感触。ミロワダーレの行動は、まったく予想外のものだった。

「一着おめでとう!」

 彼女による、天使の抱擁。優しい温かさに包まれた想いが身体に伝わり、ライムトニックは言葉を失う。他意も悪意もない、心からの祝福。千にも、万にも及ぶ一言を本能で受け取った。

 互いに抱き合うこと暫く。余韻を惜しむかのように、ミロワダーレはゆっくりと身体を離した。

「――すぐに観客の方に行っただろ? だから言いそびれちゃってさ……」

「じゃあ、さっきのは……?」

「へへっ、驚いたろ? ただの前フリ!」

 いたずらっ子っぽく、歯を見せて笑う彼女。

「もう――も〜っ!」

 今度はライムトニックが抱き寄せた。それは力強く、莫逆(ばくぎゃく)の友へ向けての感謝も込めて。

「――ありがとう! めっちゃ、超めっちゃ嬉しいっ!」

 もう一度、互いの背中に腕を伸ばして抱き合い、心と心を通わせる。

 

『……おい。勝ったんだから泣くなよ』

『……泣くよっ、泣くじゃん! 一番嬉しかったんだもんっ!』

『案外泣き虫だよな、ライムって』

『〜〜っ、誰にも言わないでよ?』

『言うもんか。ところでさ、今度のイベントのチケット取れたぜ』

『マジ!? やったぁ! さすがデキる()ミロちん!』

 

 何者にも断ち切れない、金色の糸。ミロワダーレとライムトニックの絆を強く、そしてしっかりと結びつけた。




次話は高松宮記念の予定。
少し名古屋の面々のエピソードも挟むかも。
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