ナギサに許嫁がいた話   作:ナギサ様には曇らせが似合う

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時系列的には、前前話の後、セイア襲撃の前って想定です。
こういうのの方が書いてて楽しいですね。


墓前での独白

 

あなたと出会ったのは、私がまだ初等部にも入学してない頃でしたね。

ある晴れた日、ミカさんがあなたを連れて遊びに来たのが、私達の始まり。その見た目も相まって、ミカさんはさながら私達のキューピッドでしょうか?…本人に言ったら、なんとなーく嫌がりそうですね、これ。

 

それはさておき、そうやって私達は出逢いましたね。私があなたに対して発した最初の言葉は覚えていますか?

私はもちろん、覚えています。「だれですか?」それが、あなたに対する最初の言葉。私があなたにした、初めての声がけ。

今思えば、初対面の方に対して礼儀を欠いた行いでしたね。少し、反省してます。

でも、あなたはそんな私に笑いながら、「僕は■■■、聖園■■■と言うんだ。ミカのお兄ちゃんだよ」「君の名前を教えて貰えないかな?」なんて返してくれましたっけ。

それに私は、「桐藤ナギサです」なんて必要のないカーテンシーまでして、挨拶したのを覚えてます。そしてその様子をミカさんに笑われて、からかわれたのもよぉく覚えてます。

しかしあの時の私、今思うとかなり慌てていましたね。まあ友人の兄とはいえ、初めて会う年上の異性ですので、仕方なかったと、自己弁護させていただきます。

 

あなたはとても博識でしたね。特に花言葉や木言葉、石言葉といったものに明るくて、当時、私があれこれと質問をしても直ぐに答えを用意してくれました。ですから私も調子に乗って、そこらに咲いている花や木を指差して、どんな意味があるのか、その由来は何なのかと聞いて回りましたね。

その間、ミカさんはかなりつまらなさそうでしたが…今思うと、大好きなお兄さんを盗られると思っていたんでしょうか。可愛らしい独占欲だと思いませんか?

 

………それから何度も、三人で一緒に遊んだり、出かけたり、料理をしたり…とにかく色々な事を共にして来ましたね。ミカさんに内緒で二人でお出かけして、帰ったら一緒にミカさんのご機嫌取りなんかしたりもして…

そうやって絆を深めて、何時しか、あなたに恋をして…許嫁になれて…実は許嫁の話は、私からお母様に提案したんですよ?

ふふっ気づいてましたか?

まぁ提案と言うか、私があなたの事が好きというのをお母さまに話したら、あれよあれよと許嫁の話にまでなった、と言うのが真相ですけど。

…………あなたとの日々は、とても、とても嬉しくて、楽しくて、眩しくて…幸せだった…のに……なんでか、なくなってしまいました……

どうして、一人でいってしまったのですか?

どうして、私を頼ってくれなかったのですか?

私は邪魔だったのでしょうか?

私は頼りなかったのでしょうか?

私は、私は一緒に行きたかった…私は例えどんな目に合っても、あなたと共に居られるならそれで良かった。なのに……

 

あなたが居なくなってから、全部変わってしまいました。

あんなに鮮やかに映っていた世界はすっかり色褪せてしまって、楽しかったお菓子作りも、全然楽しくなくなってしまいました。最近は味もよくわからなくなって……あんなに料理の腕前を褒めてもらったのに、これじゃぁダメですね……私。

でも、一番変わったのはミカさんでしょう。

政治なんて興味なかったのに、あっという間にパテル分派のホストに上り詰めて、ゲヘナへの増悪を煽っています。

最近では、火器弾薬を掻き集めているとも、おかしな集団と関わっているとも噂されています。そして恐らくそれはどちらも事実でしょうね。

純粋だったあの娘は、怨讐の魔女へ変わろうと、いえ、もう既に変わってしまっています。

 

…私はどうすればいいのでしょうか…あなたはどうしたのでしょうか…?

私も、あの娘と共に復讐の炎に身を投じ、怨讐の彼方までこの感情(増悪)のままに突き進めば、きっと楽になれるでしょう。

ですが、私はあなたの願いを支えると約束しました。それでも、この感情(増悪)は本物です。この感情(増悪)も、本物なのです。

 

ねぇ…答えてくださいよ…あの時みたいに、答えを教えてくださいよ…

私は、どうすればいいですか…?

 

 

私はあなたを愛しています。死が二人を分かつとも、永遠に愛し続けると誓いました。

ミカさんは言いました。その愛に殉ずるなら、お兄ちゃんの(ゲヘナ)を鏖殺するのだと。

私の理性は告げます。この愛に殉ずるなら、あの人の願いを継ぐべきだと。

 

私はもう、わかりません。

あなたを奪ったゲヘナが、憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて。

でもあなたの願いは、そのゲヘナと手を取り合うことで……

 

もう頭の中が全部ぐちゃぐちゃで、なにもわかりません…わからないんです…

どうか、どうか教えてください…

わたしは、どうすればいいのですか…?

わたしは……キリエさん……

 

おねがい…こたえて……こえを…きかせて…………




原作とは違いナギサ様の趣味に、睡眠が追加されています。
理由は、夢の中ならキリエくんと逢えるからです。
それと、ナギサ様の愛はクッソ重いです。キリヤくんが仮に浮気したら、彼を殺して自分も死にますし、浮気を疑われたら、自死して容疑を晴らします。
そんなナギサ様が後を追わないのは、キリエくんの願いとゲヘナへの増悪が繋ぎ止めてるからです。それらがなかったら、秒で後を追ってます。ちなみに、ゲヘナとの和睦が果たされて、キリエくんの願いが叶ったら、後を追うかもしれません。少なくとも、燃え尽きて無気力状態になるのは確定です。
男女関わらず、想いが重いのって素敵ですよね。


初めて名前が明かされた許嫁くんのプロフィール載せておきます。
名前:聖園キリエ
趣味:ガーデニング、お菓子作り、日曜大工、読書(特に童話や神話、民話)
特技:演説、パン作り、ブドウジュース作り、工作
固有武器
Cross Keys:ナギサに託された、キリエの愛銃。彼の願いが込められている。楽園への鍵は、何時でも貴女達の心の中に。
モデルはブラウンベス・ランドパターン・マスケット

パンのみにて生きるにあらず:ミカに遺された、キリエのもう1丁の愛銃。彼の想いが込められている。
モデルはウェブリー・リボルバー
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