毛利家の次女   作:残月

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『ハイウェイの堕天使』観てきました。最高です。


負傷した名探偵

 

 

 

 

 

 

 

コナンが阿笠博士達とキャンプへ行った。

この時点で嫌な予感がするものだが今回はマジでヤバい。

なんせキャンプに行った先で銀行強盗の犯人グループの仲間割れに遭遇し、『見られたから消す』と犯人達が銃をコナン達に向け、コナンwith少年探偵団は窮地に陥る。

コナンが銃撃により出血し、残された歩美ちゃん、元太君、光彦君の三人のみで近くにあった洞窟に逃げ込み、洞窟の内部に迷路の様に張り巡らされた謎を解いて脱出に成功。更に阿笠博士と哀ちゃんが呼んだ警察が包囲して犯人グループを一斉検挙。

最後の最後でコナンが人質になるも、麻酔銃で犯人を眠らせ、最後の一人も逮捕された。

これでめでたしめでたし……だったら良かったんだけどねぇ。

 

 

 

「もう正体バレたんじゃない?」

「そうやな。バレてると思うで」

「そうかもな……」

 

 

私と平次さんは病室でベッドに横たわるコナンを見詰めながら、なんとも言えない気持ちになっていた。

コナンが銃撃により負傷して血を流しすぎた為に輸血が必要になったが、コナンの血液型がわからない。と騒ぎになりかけた際にお姉ちゃんは「私とこの子の血液型は一緒です」と宣言して輸血された。

更にここ最近のお姉ちゃんはコナンに対して所謂乙女の仕草をしており、以前は気にしてなかった洗濯物や部屋に入らない様にと厳命したり、阿笠博士の「なんだったらコナン君と風呂でも入ってきたらどうじゃ?」と姉弟に向けた冗談に対しても「わ、私が一緒にお風呂に入る訳ないでしょ!!」とマジレスしたりしていた。

更に言えばコナンと仲が良い哀ちゃんの事を気に掛けてる。まあ、こっちに関してはお姉ちゃんが元々放っておけないからって感じでもあるけど。

うん、コレもう『工藤新一=江戸川コナン』が確立してるね。

 

 

「でも、なんで蘭は確信してるのに何も言って来ないんだ……」

「お前の口から聞きたいんやろ……ちゃんと包み隠さず話してほしいって、あの姉ちゃんは思ってるんや」

「そうですね。理由や動機はどうあれ、困っているなら打ち明けて欲しいってお姉ちゃんは思ってると思います」

 

 

コナンの呟きが平次さんと私の言葉にゴロンと寝返りを打って私達に顔を見せない様にする。

 

 

「バーロー……巻き込ませない様に黙ってたのに今更言えるかよ」

 

 

そうなんですよね。あの組織は関わったら身内や関係者を真っ先に消しに来るヤバい組織。そんな組織に目を付けられない為にコナンは正体バレした僅かな人間以外には正体をひた隠しにしてきた。

でも、今回バレたのは一番隠しておきたかった惚れた女性。

 

 

「でも、どないするんや?もうあの姉ちゃん確信してんで……もう誤魔化されへん所まできてるんや」

 

 

平次さんの言葉に何も言えなくなるコナン。そりゃそうだよね。もう完全に手詰まりだもん。

 

 

「平次ー?ほら、花買ってきたで」

「ん、おお。すまんな」

「服部君と千紗……コナン君と何話してたの?」

「危ない事したお説教かな」

 

 

そんな所でちょうど和葉さんとお姉ちゃんがコナンの病室に戻ってきた。

何故、この二人が席を外していたかと言えば大阪からコナンの見舞いに来た平次さんと和葉さんだったが、平次さんが見舞いの花に百合の花を買ってきた事で和葉さんが「百合の花は匂いがあるから見舞いには向かない」と指摘して「ほんなら、和葉と姉ちゃんで花見繕ってきてや」と和葉さんとお姉ちゃんを病室から遠ざけたのだ。

そしてコナンの正体を知ってる私と平次さんがコナンの病室で先程の会話をしていた次第である。

 

 

「では、そのお説教は僕もするとしましょう」

「白馬さん」

「なんや白馬、お前も来たんかい」

 

 

私の咄嗟の誤魔化しを拾ったのはお姉ちゃんと和葉さんの更に後ろにいた白馬さんだった。

 

 

「ええ、千紗さんからコナン君の容体は聞いていましたからね」

「あ、ありがとう」

 

 

平次さんの問いに答えながら白馬さんは見舞いの花をコナンに渡す。

うーん、このサラッとやってしまうのがイケメンですね。

 

 

「さて、コナン君。キミが無事なのは喜ばしいけど今回は話を聞いて心配したよ。キミの行動力は工藤新一君に鍛えられたものだと千紗さんから聞いてはいるけど今回は危機一髪の状態だったんだ。気を付けなさい」

「ご、ごめんなさい」

 

 

白馬さんのお説教にコナンは小学生の演技をしながら反省している。その光景をお姉ちゃんはなんとも複雑そうな表情で見ている。

うん、コナン=新兄と思ってる以上は複雑な光景だよね。

 

 

「キミや僕が尊敬するホームズもそうだろう?探偵は常に冷静であれ、だよ。キミもシャーロキアンならそれを心掛けるんだよ」

「は、はーい……」

 

 

白馬さんのお説教は同じくホームズ好きのシャーロキアンのコナンにはとても響くのだろう。恐らく心中では『わかってるよ、バーロー』って所かな。

 

 

「では、コナン君も反省している様だし僕からのお説教はここまでにしておくよ。千紗さんがお説教したならコナン君も反省しているだろうし」

「私がお説教したら皆の心が折れるまでと考えてませんか?」

「そら間違ってへんやろ」

 

 

白馬さんのコナンに対する軽めのお説教が終わった。それに少し異を唱えたら平次さんに『なんでやねん』とツッコミを入れられて病室が笑いに包まれた。

まだ怪我の事もあるのでこの場は解散となり、私達は揃って病室を後にした。

 

この際、お姉ちゃんは平次さんや和葉さんに帝丹高校の文化祭の話をしていた。是非来てねと楽しそうに会話をしている最中、私は悩んでいた。

恐らくだけど今日の夜中辺りに哀ちゃんがコナンに元の姿に戻る為の提案を持ち掛けている筈。

 

今回は口出しできないけどサポートは色々としなきゃだよね。

 

 

「蘭さんの高校の文化祭、楽しみですね千紗さん。一緒に見て周りましょう」

「そうですね。お姉ちゃんも劇の主役ですから」

 

 

心配なのが白馬さんなんですよね。原作だと新兄と白馬さんは出会ってないし、会わせるとどうなって……あれ、私今サラッとデートの約束取り付けられた!?

 

ハッと振り返れば、お姉ちゃん、平次さん、和葉さんがニヤニヤと私を見ていた。

取り敢えず平次さんにはローキックをした後で後日開催予定の罰ゲームを一段階重めにしようと思った。

 

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