毛利家の次女   作:残月

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温泉だからと言って寛げるとは限らない

 

 

 

 

先日の交通事故で私は検査入院と念の為に数日、入院して様子を見る事になった。曲がりなりにも車に轢かれたのだから仕方ない。

それよりも気になるのは明美さんの事である。本来ならもっと早い段階で10億円強奪事件が起きて、コナンが依頼人の宮野明美さんと知り合って黒の組織を知るきっかけとなるのが今回の事件……だったのだが10億円強奪事件の準備段階で何故か事故が発生して計画が頓挫するとか意味がわからない。

更にあの後、明美さんの行方は知れなくなってしまった。最初の段階で病院が明美さんの連絡先を聞いといてくれれば違ったのだが結局は善意の通りすがりの市民で片付けられてしまった。

それはそうと意外だったのが明美さんが本名を名乗っていた事だ。仮にも組織に所属している人間なら偽名を使いそうなものだけど……原作でも苗字を偽って毛利探偵事務所に依頼に来てた訳だし。

 

なんて考えても意味はないのかも……もう連絡を取る手段が無い以上は此方から探し当てるのはほぼ不可能だ。無理してなきゃ良いけど。

 

 

「ほら、千紗。林檎、剥いたわよ。ウサギさんカットね」

「身と皮の比率が間違ってる気もするけど、ありがとう」

 

 

それはそうと本日はお母さんが見舞いに来ていた。不器用ながらにウサギさんカットされた林檎を口にする。

本当なら私の退院後も少しの間でも家に戻ろうかと提案もあったのだが、お母さんが『料理は任せて』と言った為にお父さんが『馬鹿野郎、千紗にトドメを刺す気か!』と発言して夫婦喧嘩再勃発。

うん、退院後にお母さんの料理は多少堪えるけど妻の手料理を毒物扱いは如何なものか。

そんな訳で見舞いも互いに会わない様に交互に来る事に。娘としては喧嘩しないで欲しいんですけど……なんて思っていたらコナン率いる少年探偵団が見舞いに。これから遊びに行くのでその前に見舞いに来たとの事。コナンもすっかり馴染んでるねー。はいはい、気を付けてね。お姉ちゃんは本日、帝丹大学の学園祭に園子さんと行っており不在。後でお土産も買ってくるって言ってた。

 

あれ?そう言えば、コナンとお母さんが出会うのってもっと後じゃなかったっけ?なんか事件をきっかけに会った筈だったけど。

ま、良い方向に話が進んでるなら良いと思うけど。

 

その日の夕方、お姉ちゃんが見舞いに来た。なんでも大学の学園祭でミステリーのお芝居があったんだとか。それは見たかったなぁ……あれ?なんでコナンは疲れた顔してるの?何かあったな、これ。

 

 

 

私はその後、無事に退院した。検査でも異常なしと診断された。あれだけの事があって多少の打ち身で済んでる私はきっと幸運Aに違いない。

 

それから暫くしてお父さんの同窓会の旅行に私やお姉ちゃん、コナンもご一緒させて貰う事に。お母さんはまだお父さんと絶賛喧嘩中である為に欠席。

 

私は温泉に浸かってのんびりしてる。ああ……打ち身の体に温泉が沁みる。

因みに私が温泉に浸かってる中、お姉ちゃんは恥ずかしがっているコナンの体を洗っているのだが……正体がバレて元の姿に戻ったら殺されかねないね新兄。面白いから黙ってよう。

私?無心で過ごしてます。そもそも私の凹凸に乏しい体に興味のある人はいないと思ってるので。

 

温泉を堪能していたけど……この後、お父さんの同級生による殺人事件が発生。私はすっかり忘れていたけど、この話ってそうだった。

今回はコナンの推理ではなくお父さんにヒントを出しつつ誘導して事件を解決に導いた。

 

 

「バーカ、お前が弱くなったんだよ。心も体もな」

「ああ……そうかもしれんな……」

 

 

逆上した犯人を背負い投げ一本で成敗したお父さん。カッコいいよ、お母さんいたら絶対に惚れ直してる案件だよ。

 

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