毛利家の次女   作:残月

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時計仕掛けの摩天楼①

 

 

 

森谷帝二のガーデンパーティに招かれ森谷教授の豪邸へ。とても都内にある私邸とは思えぬ程の豪邸だった。

 

 

「わー、すっごい豪邸!」

「こりゃ見事なもんだな……」

「このガーデンも海外の建築に寄せてるんだね」

「森谷教授はイギリスの古典建築を好むみたい。完全な左右対称のシンメトリーに美学を感じるみたい」

 

 

お姉ちゃんやお父さん、コナンは立派な豪邸に驚いている。私はガイドブックを読みながら森谷教授の建築物の拘りを語る。

 

 

 

「彼はシンメトリーに拘るが故に名前も改名しちまったらしい。森谷貞治から森谷帝二の左右対称の漢字に変えちまったんだとよ」

「拘りも行き過ぎると凄さの方が勝るね」

「ははは、それはありがとうございます」

 

 

そんな雑談をしていたら件の森谷教授が顔を出した。お姉ちゃんから工藤新一が来られないから代理で来た事を話しながら自己紹介。

 

森谷教授は新兄が来られない事を残念に思いながら名探偵(笑)のお父さんと挨拶を交わしてにこやかにしてるけど、目が笑ってない。この後、森谷教授のガーデンパーティに招かれ会場である庭に移動すると芸能人や著名人が数多く揃っておりガーデンパーティも賑やかだった。

 

この時点で私は焦りと言うか……思考がフル回転していた。何故ならばこの森谷教授こそこれから起きる連続爆破事件の犯人なんだよねぇ……

お姉ちゃんが新兄とデートの約束をした段階で気付くべきだった……日付とかガーデンパーティで何か既視感があったけど劇場版の導入だったと気付いたのはこのガーデンパーティの事と森谷帝二の名を聞いた時にハッとなった。

 

これから起きる森谷帝二による連続爆破事件。防ごうと思えばこの段階で森谷教授をキュッと〆て事件解決に導きたいけど問題がある。

 

それはお姉ちゃんと新兄の事である。二人は5月3日にデートの約束をしており、森谷教授の爆破計画の最終目標は米花シネマがある米花シティービル。このビルが爆破された事で新兄とお姉ちゃんは出会う事無くすれ違いで終わる……と言う形でコナンの正体バレを誤魔化せたのだがこの時点で森谷教授を捕まえてしまうと新兄とお姉ちゃんのデートがスムーズに進んでしまい、新兄がデートを断る事態となってお姉ちゃんからの印象が悪くなると言う事態に陥ってしまう。

 

A.森谷教授を現段階で捕まえれば爆破による被害は防げるがデートを有耶無耶に出来ない。

B.森谷教授を見逃して爆破を許せばデートを有耶無耶に出来るが被害が出る。

 

どちらの選択肢を選んでもマイナスにしかならない気がする。ある意味詰んでるよね?それに森谷教授はまだ犯行には及んでいない訳だし。この段階で何か言っても単なる言い掛かりにしかならない。

特にコナンの正体を隠している以上、下手にコナン=新一の印象を残したくないのもある。今は成り行きに身を任せて森谷教授を止める機会を伺うしかないかな……

 

 

「本日は私の主催するガーデンパーティへお越しいただき、誠にありがとうございます。お茶と簡単な料理を用意させていただきましたので、どうぞご自由にお寛ぎ下さい。ただ宜しければ、ちょっとした余興はいかがでしょうか?」

 

 

なんて思っていたら森谷教授はガーデンパーティに集った人達に問題用紙を配って行く。そこにはある三人のプロフィールが書かれていた。

 

小山田 力(A型)

昭和31年6月生まれ

趣味:温泉めぐり

 

空飛 佐助(B型)

昭和32年6月生まれ

趣味:ハンググライダー

 

此掘 二(O型)

昭和33年1月生まれ

趣味:散歩

 

 

 

「ちょっとしたクイズを催したいと思います。その三人はパソコンに設定されているパスワードになっています。パスワードはひらがな五文字。三人の共通する言葉です。見事解かれた方には、特別に私のギャラリーへと、御招待致しましょう。制限時間は10分。ではスタート」

 

 

そう言い残すと森谷教授はパイプに火を付けて吹かしている。参加者達は頭を悩ませ、お父さんも問題用紙を睨みつけているけど答えには辿り着いてない。周囲の人達は「本職の人の答えを待つか」とお父さんに視線を集中させていた。お父さん、凄いプレッシャーだろうね。

お姉ちゃんも問題用紙を見ながら悩んでいて、コナンはもう答えに辿り着いてるみたいで指折り数を数えていた。

 

この問題は生年月日や名前がヒントになっている。それを知っていれば答えには簡単に辿り着けるがそうでなければ、この問題は解けない。

森谷教授はパイプを吹かしながらドヤ顔と言うかニヤニヤした顔で参加者達を見ている。自分の考えたクイズが誰も解けない事に優越感に浸っているんだろう。

 

 

「ももたろう!」

「ももたろうですね」

「なっ!?」

 

 

コナンと私の声が重なり、森谷教授が驚愕の表情で私とコナンを見ていた。

 

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